【イグナイト-法の無法者-】1話のネタバレと感想をまとめています。
会社を辞めて司法試験に合格したものの、法律事務所に雇ってもらえず困っていた宇崎が、入った事務所はとんでもない事務所だった。仕事を取りに行くため、訴えがないならたきつければいいという事務所で……。
【イグナイト】1話のあらすじ
#間宮祥太朗 #仲村トオル #上白石萌歌 #三山凌輝 #土屋太鳳 pic.twitter.com/K1Dz2ubJhm
— 《 イグナイト -法の無法者- 》4月期金曜ドラマ【公式】 (@ignite_tbs) April 10, 2025
宇崎凌(間宮祥太郎)が入ったピース法律事務所で、今週の点火会議が始まる。同じ事務所の弁護士である伊野尾麻里(上白石萌歌)や高井戸斗真(三山凌輝)がたきつける案件を挙げる中、代表の轟謙二郎(仲村トオル)は最優先案件が入ったと言って向かった先は山上工業という建設会社だった。
3年前、山上工業の従業員が夜勤の際、サイロに転落して死亡する事故が起きた。妻の斎藤美咲(土屋太鳳)はその後、お見舞金をもらった上に、会社に雇ってもらうことになった。
轟は単なる事故ではないと考えていて、美咲に訴えを起こさないかとたきつける。しかし美咲は「これでもういいんです」と言ってその気はなかった。
その言葉を聞いた宇崎は心に火が点き、美咲に裁判をするよう訴えかけるが……。
2話→
【イグナイト】1話のネタバレ
ようやく美咲が裁判に乗り出し、法廷で争うことになった。しかし、山上を追い込むための決定的な証拠はなかった。そこで、息子の光輝に狙いを定めることにする。
宇崎は光輝が事故直後に廃車にした車が、実は後輩の三井が転売しようと処分していなかったことを突き止める。そして、その車のトランクには血痕があったと話す。
すると光輝は気が動転して、事故を起こしたことを認め、父親が工場に連れてくるよう言ったと証言する。
山上は地元議員を買収して工事の入札情報を裏で流してもらっていた。そのことを斎藤裕二が知ってしまい、裕二が死ねば賄賂のことを知る者はいなくなると考えていた。
そこで、息子の交通事故を利用して、連れてきた裕二をサイロから落とした。死亡推定時刻からその時まだ、裕二の息はあった。つまり2人によって殺されたと宇崎は指摘した。そして裁判の結果、賠償金として1億5000万手に入れた。
山上の顧問弁護士だった桐石が事務所にやってきて、請求書を轟に渡す。彼もまた仲間だった。事前に山上の顧問弁護士になり、懐に入ったところでほころびを探し、何食わぬ顔で法廷に立っていたのだ。それを聞いて宇崎は思わず「なんなんだよ、ここ」とぼやいた。
落ちこぼれ弁護士
宇崎凌(間宮祥太朗)はバスが暴走して横転し、爆発するという夢を見て目を覚ました。母親の純子(藤田朋子)に呼ばれた宇崎は、店の手伝いで弁当に揚げ物を詰めていく。勤めていた会社を辞め、ようやく司法試験に合格したものの、10を超える法律事務所から採用を断られていた。店を訪れた常連客の名刺を母親が取り出し、「もしよかったら連絡してみれば」と渡された。
翌朝、宇崎は気合を入れて轟謙二郎(仲村トオル)の事務所を訪れる。ドアを開けるなり轟は伊野尾麻里(上白石萌歌)と激しく口論しており、その気配に気づいてもらえない。しばらくしてようやく面接が始まるが、轟は開口一番に「君、他の法律事務所全部落ちたでしょ?」と指摘した。予備試験組でコネクションもなく、司法試験は合格者のほぼ最下位だったため、書類選考で落ちるのが当然だと続ける。そして、なぜ弁護士になりたいのかと、轟が宇崎に問いかける。
「それは…力だけじゃ守れないものがあると思ったんで」
宇崎は過去に思いを巡らせて志望動機を述べた。轟はその言葉を聞くと即座に「採用」と告げる。逆にいいのかと宇崎のほうが驚いた。こうして宇崎は事務所も決まり、弁護士として働けるようになった。
火種会議
今週の火種会議が始まった。轟が切り出し、伊野尾も高井戸斗真(三山凌輝)も賠償金を取れる可能性のある案件を報告する。その内容に対し、宇崎は「たきつけるってどういうこと?」と困惑する。轟は説明を始めた。2000年以降の司法改革で弁護士の数はこの20年で倍増し、その結果、弁護士一人あたりの案件数は毎年減少している。今や訴訟は奪い合いの状態にあった。
「争いが起きるのを待っているだけじゃダメなんだよ。争いは、起こせばいいんだよ。それがうちのやり方だ」
轟の断言に宇崎の顔が引きつった。すると轟は「君の力が必要なんだよ」と声をかけ、宇崎は俄然やる気を出す。しかしその役目は単なる運転手にすぎなかった。
車は山上工業へと向かう。3年前、同社の生コンクリート工場で、夜勤中の作業員である斎藤裕二(世良佑樹)が砂の入ったサイロに転落し、窒息死した事故が起きている。事故当初は工場の事故防止対策に関する捜査が行われたものの、最終的には本人の不注意によるものとされて捜査は打ち切られた。轟は会社側に過失があると睨み、働き盛りの死亡事故は賠償額が高額になることを見込んでいた。
聞き込み
伊野尾は裕二の妻・美咲(土屋太鳳)に接触する。美咲は警戒し、何が目的なのかを問いただす。黙っているよう命じられていたはずの宇崎が、「力になれることはないか」と口を挟む。しかし美咲は関係ない人に話すことはないと言い捨て、立ち去った。
仕方なく伊野尾は山上工業の従業員の妻たちを訪ね、聞き取りを行う。事故当日に夜勤を引き受けていたのは裕二で、会社と揉めたことはないという。裕二が亡くなったあと、美咲を雇ったのは山上工業だった。妻たちは「会社はある意味で恩人だ」と口を揃えた。
一方、宇崎と轟は山上工業の取引先を回り、スクラップ工場の吉田孝明(福吉寿雄)に転落事故について尋ねる。だが吉田は「もう済んだことだ」と取り合わず、遺族にはすでに見舞金が支払われているとして、今さら蒸し返さないでくれと言い放った。
重なる面影
宇崎たちは美咲の家まで押しかけ、轟が「あの日本当は何があったのか、裁判で明らかにしないか」と詰め寄った。美咲は「そんなことはできない」と言い捨て逃げ帰る。轟は「見舞金を会社からいっぱいもらっているから何も言えないのか」と責め、さらに裕二の検死写真を示して「下半身に妙な打撲痕がある」と指摘した。
「これ以上踏み込まないでください。もう、これでいいんです」
美咲はそう言い残して自宅に戻った。
その夜、宇崎は自宅のベッドに寝そべりながら昔を思い返していた。弁当屋に『人殺し』と落書きされたり、植木鉢や自転車は倒され酷い目にあったあの日のことだ。悔しさから母は涙を流し、宇崎は怒りを覚えた。
「いいのよ、もうこれでいいのよ…」
母は崩れ落ちながら泣いた。美咲の言葉に、宇崎にはあのときの母の姿が重なり、胸が締め付けられた。
顧問弁護士と対峙
山上工業の事務所を訪れた他の建設会社の人間たちは、山上辰郎(住田隆)がすべてを請け負っているため自社の仕事が回ってこないと文句を言いに来た。息子で副社長の光輝(長村航希)は「正当な入札で決まったことだ」と主張し、山上も「自分たちも身を削ってやっている」と自己正当化して応じた。
怒号が飛び交う中、山上工業の顧問弁護士である桐石拓磨(及川光博)が現れ、工事事業は適切な入札手続きに基づくものだと断言。もし不満があるなら裁判で争うか、ここから先はすべて録音していると告げると、他社の者たちは渋々引き下がった。
そこへ従業員が「変な弁護士が来ている」と呼びに来た。やって来たのは宇崎で、斎藤裕二の事故について詳しく話を聴かせろと迫った。桐石は割って入り、弁護士に捜査権限はないと注意を与えた。騒ぎを聞きつけた美咲は「やめてくれ」と止めに入り、宇崎は「これでいいわけがない」と反論したが、美咲は「帰ってくれ」と言い放って宇崎を追い返した。
宇崎が去ると、光輝は「今さら裁判を起こすというのか。うちの会社の恩を忘れるな」と釘を刺した。
掴んだ証拠
轟が宇崎を叱りつけた。
「これから訴える相手のところに殴り込んでどうすんだ!」
宇崎はただただ、頭を下げるしかなかった。その後、高井戸の調べで、事故当日の光輝は友人との飲み会を突然キャンセルし、事故後すぐに愛車を乗り換えていたことが判明した。宇崎はSNSの写真に写っていた光輝の横の男が解体工場にいると指摘し、轟は即座にその工場へ向かうと宣言した。
宇崎が工場に踏み込むと、写真に写っていた男・三井(沖山翔也)の姿を発見。三井は慌てて逃げ出し、宇崎が追跡を開始した。三井は車に乗り込んで逃走を図ろうとするが、宇崎が車の屋根へ飛び乗った。車を激しく走らせて宇崎を振り落とそうとし、ついに宇崎が屋根から転落したその瞬間、轟が駆けつける。
「さすがにやりすぎでしょう、三井さん。この場合の損害請求、高くなりますよ」
轟は呆れながら車の前に立ちはだかった。宇崎もすぐに立ち上がり並び立った。
ついに点火
宇崎は再び美咲のもとを訪ね、話を聞いてほしいと頼み込んだ。そして場所を公園に変えて話すことにした。
「あなたたちは裁判で、お金を取れればいいんでしょう。そのあとここで暮らす私や俊はどうなるの?遺族の気持ちなんて分からないでしょ」
美咲は憤りながら問いかける。宇崎は腰をかがめ、美咲と視線を合わせて語り始める。
「分かります。少しは。俺の親父も仕事中の事故で亡くなったんです。交通事故でした」
警察は父の過失と断定し、世間からは殺人犯扱いされた。
「仕事熱心だった親父が、そんな事故を起こすはずはない。少なくとも、息子の俺はそう信じてます」
そして光輝が事故後すぐに愛車を廃車にしたことや、ほかのみんなが「裕二の死はただの事故じゃない」と口にしている事実を挙げる。
「だったらなんなの、何ができるの私に?警察は事件にしてくれない」
美咲は声を震わせた。宇崎は民事で戦う方法を示し、これが真実を明らかにする最後の道だと訴える。
「今美咲さんが抱えている気持ち、俺達に預けてもらえません?」
宇崎は説得を続けた。昔、母が言っていた言葉、そして美咲も言っていたあの言葉を引き合いに出す。
「もうこれでいい、なんて言わせません」
自分が諦めの悪いやつだと付け加えた。美咲はしつこいと呆れつつ、ようやく覚悟を決める。
「宇崎さん。私、訴訟します」
宇崎はその言葉を聞いて深く頷いた。
裁判開始
裁判当日、宇崎たちは全身黒尽くめで法廷に臨んだ。高井戸は傍聴席で静かに見守り、美咲が証言台に立った。
桐石がまず尋問に立ち、事件が刑事事件とならなかった経緯と、山上工業から別途300万円の見舞金を受け取っていた事実を確認した。桐石は「会社から金銭を得る最後の機会と考えたのではないか」と問いかけたが、美咲は金銭目的を否定した。恩を受けた会社を訴える行為の不自然さを指摘されたものの、轟が「訴訟提起は権利であり、被告側を侮辱するものではない」と異議を唱えて尋問を打ち切った。
続いて轟が山上に尋問を行った。夜勤勤務が事故当日に決まった点を問いただし、シフトデータの最終更新が事故翌日の4月16日午前9時20分だった事実を示した。通常、勤務日の数日前に入力されるはずのデータが、なぜこの日に限り更新されたのかを尋ねられ、山上は「覚えていない」と答えた。
伊野尾は光輝に尋問を行う。裕二を夜勤で目撃したのは二人の従業員以外にいないこと、工場内の監視映像が消去されていた点、事故翌日に愛車を廃車にした事実を追及した。光輝は車の故障を理由に挙げ「俺の勝手だ」と言い放ち、死亡推定時刻1時間前の別場面での交通事故説も否定した。
轟は最後に検死写真を提出し、両足ふくらはぎに地面から約40センチの深い打撲痕があることを示した。さらに同じ身長の人物をCGで再現し、光輝の車前方部分と打撲痕の位置が一致することを立証した。光輝は突きつけられると「証拠でもあるのか」と逆上し、法廷内は一層の緊張に包まれた。
弱点をつけ
轟らは事前の打ち合わせで、決定的証拠を欠く山上を崩すため、光輝が自爆する瞬間を狙う作戦を立てていた。
宇崎は廃車とされていたスポーツカーの鍵を示し、後輩の三井がそれをくすねて海外転売しようとした事実を暴き出す。さらにトランクに残された血痕が、誰の者か分かるだろうと問いかける。そして宇崎は追及した。
「光輝さん、あなたが裕二さんを車でひいたんですよね?」
桐石が制止する中、光輝は思わず口にしてしまう。
「俺あん時、親父に病院に連れてこうって言ったんだ」
訴訟の当初名目は工場の安全配慮義務違反裁判だったが、相手を油断させた上で途中から殺人責任を追及するという仕掛けだった。
さらに美咲は公園で話していた時、裕二は会社の不正を知ってしまったために、口封じされたのではないかと訴えていた。実は山上は地元議員に賄賂を渡し、入札情報を裏で流してもらっていた。
「心の何処かでは疑問を持ってたんです。でも、生まれた俊のためだって、山上からお金をもらって雇ってもらって、ほんとに情けないです」
息子のために我慢してきたと本心を吐露した。
裁判の結果
「斎藤裕二さんはサイロの転落ではなく、あなたがたに殺されたんです」
宇崎はそう断じた。4月15日夜7時半頃、光輝は工場近くの道で帰宅中の裕二をはね、その場で「病院に連れて行こう」と父親に電話で言った。
しかし、もしこのまま裕二が死ねば、贈賄の事実を知る者はいなくなる。その思惑から、山上は光輝に裕二を連れ戻すよう命じた。死亡推定時刻からすれば裕二の息はまだあり得たにもかかわらず、2人は彼をサイロから突き落としたのだ。
3年前の事故は、光輝による偶発的な交通事故を偽装し、それを機に計画的殺人へとすり替えたものにほかならない。
「裕二さんは、あんたら親子に二度殺されたんだ!」
宇崎の言葉が法廷に響いた。
閉廷後、法廷を出た一行に美咲が駆け寄った。轟たちは気を利かせて先に帰った。
「何とお礼を言えばいいか分かりません。3年かかりましたが、ようやく前に進める気がします」
涙をにじませる美咲に、宇崎は笑って「美咲さんが初めての依頼人ですから」と答えた。
「私がずっと心の中で叫んでいたことを、宇崎さんが法廷で叫んでくれました。私の声になってくれて、本当にありがとうございました」
深々と礼をし「立派な弁護士さんになってください」と告げて美咲は去った。
【イグナイト】1話の結末
高井戸が「あの人、本当に入れるんですか?」と漏らすと、轟は「バカだけどあの暑苦しさは使えるかもな」と話す。高井戸は宇崎のように、感情をむき出しにするタイプが苦手だった。
そこに桐石が現れ「今回の請求書だ」と封筒を手渡す。実は桐石も最初から轟たちの仲間だった。彼は裁判の前から獲物に接触し、徐々に懐に入り込んでほころびを探し毒を盛る。そして何食わぬ顔で法廷に立つのだ。
「訴訟をたきつけ、あらゆる手段を使って勝つ。それがピース法律事務所だ」
誇らしげに轟は語った。宇崎は「こんなやり方でいいのか」と訝ったが、轟は「事務所が別々なら可能だ」と笑う。「ルールを守って、美咲さんを守れたか?」と轟に問われ、宇崎は言葉を失った。
結果、不法行為の裁判で勝ち、賠償金は1億5000万円、報酬は50%の7500万円を獲得した。高すぎると文句を言う宇崎に、リスクがあるのだから当然だと桐石はいい、依頼人も納得済みだと轟は話した。「何なんだよここ」と宇崎はぼやいた
後日、刑事の浅見涼子(りょう)から轟へ電話が入り「山上の件、ありがとう。サイロ事故は当時、事件性を疑わなかった警察の落ち度。山上親子は殺人容疑で再捜査に入った。民事での証拠が効いた」と報告があった。轟は「検死データも役に立った」と応じ、浅見は「地元有力者の顔色をうかがって、警察も踏み込まなかったようだ」と続けた。
「そういえば、例の子は?」
「ああ、うまくかかった」
浅見にきかれて答えた轟はほくそ笑んだ。
その夜、宇崎は仏壇の前で手を合わせた。遺影に映るのは、宇崎が夢で見ていた事故を起こしたバスの運転手(宮川一朗太)──実の父親だった。
2話→
【イグナイト】1話のまとめと感想
殺人事件を事故として隠蔽していた親子が、遺族に訴えられたことで真実が明らかになったという話でした。
轟の事務所は「仕事がないなら、仕事を作ればいいじゃないか」という経営方針の事務所です。つまり、訴えがないなら、訴えさせればいいということになります。
倫理的にどうなのかと思う反面、今回のように声を上げられない人の声を拾い上げる結果となりました。現実世界でも隠され続けたことが、表に出て問題が明らかになっています。なので、今後の話で以前こんな問題あったなという感じの話が出てきそうです。
最後に轟が最初から、宇崎を事務所に入れようとしていたのが分かります。何のために狙ったのか?その理由が今後明らかになるでしょう。
そしていつかは宇崎は自分の父親の件で、あれは過失ではなかったと証明する話がありそうです。いや、あって欲しいです。他の弁護士たちも何かしら抱えていそうな人たちなので、各人のエピソードがあるとキャラに親近感が抱けていいなと思います。
基本的には勧善懲悪であって欲しいですが、果たしてどうなるのか?今後が楽しみです。
幸せは手に入りやすいほうがいいじゃない。
2話→