【いちげき】のキャストとネタバレ|染谷将太主演・宮藤官九郎脚本の幕末時代劇

スペシャルドラマ
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2023年1月3日にNHK総合で放送された正月時代劇【いちげき】のキャストとネタバレ感想をまとめています。

幕末の江戸に現れた“御用盗”を懲らしめるため、結成されたのは百姓武士集団だった!?全くの素人集団が激動の時代を駆け抜ける青春活劇ストーリー。

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キャストとスタッフ

  • 丑五郎(ウシ)…染谷将太
    東一之瀬村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • 市造(イチ)…町田啓太
    上小石村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • 米吉(ヨネ)…高橋宏行
    東一之瀬村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • 仙太(セン)…岡山天音
    戸ヶ郷村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • 和三郎(ワサ)…塚地武雅
    馬骨村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • 梅吉(ウメ)…細田善彦
    谷岡村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • 千代松(マツ)…上川周作
    伊塚村の百姓。一撃必殺隊の隊士
  • キク…伊藤沙莉
    一撃必殺隊の世話をする女中
  • 島田幸之介…松田龍平
    元新撰組の侍
  • 和田六郎…工藤阿須加
    元新撰組の侍
  • 伊牟田尚平…杉本哲太
    薩摩藩士。御用盗の一員
  • 益満休之助…奥野瑛太
    薩摩藩士。御用盗の一員
  • 相楽総三…じろう
    薩摩藩士。御用盗の指揮官
  • 前之助…楽駆
    薩摩藩士。御用盗の一員
  • 園…西野七瀬
    井村屋の女郎
  • 福…山崎静代
    井村屋の女郎
  • チヨ…西野七瀬
    丑五郎の妹
  • 勝海舟…尾美としのり
    軍艦奉行

スタッフ

  • 原作:松本次郎「いちげき」、永井義男「幕末一撃必殺隊」
  • 脚本:宮藤官九郎
  • 講談:神田伯山
  • 音楽:遠藤浩二
  • 演出:松田礼人
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あらすじ

大政奉還後の慶応3年11月、江戸の風紀を乱し、情勢不安を煽ることを画策した薩摩藩は、「御用盗」というテロ集団を非公認で結成。幕府は表立って取り締まれないため、同じく非公認の集団を結成することに決める。

勝海舟(尾美としのり)は元新撰組の島田幸之介(松田龍平)和田六郎(工藤阿須加)に命じ、近隣の農村から使える者を隊士にすべく試験を行う。合格者は丑五郎ことウシ(染谷将太)、市造ことイチ(町田啓太)、仙太ことセン(岡山天音)、米吉ことヨネ(高岸宏行)、梅吉ことウメ(細田善彦)、千代松ことマツ(上川周作)の6人だった。さらに和三郎ことワサ(塚地武雅)を加えた7人で一撃必殺隊を結成する。

素人の百姓を侍にするため、島田は半月で訓練をしようとするが、勝の命によりたった6日で仕上げることに。いざ初陣の時、人を斬ったこともない百姓武士集団は怖気づいてしまう。だが、ウシが先陣を切ると志願し、最後尾を歩いていた御用盗の前之助(楽駆)を斬り捨てる。かわいがっていた前之助を斬られた伊牟田尚平(杉本哲太)は激怒し、ウシとの因縁がここに生まれる。

世間では一撃必殺隊がヒーローのような扱いになるが、薩摩藩もこのまま黙ってはいられず反撃を始め……。

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ネタバレ

ドラマは神田伯山さんの講談を交え、4幕構成となります。彼らが最後、どうなったのかまでまとめました。

第1幕:発端

大政奉還を終えた江戸の町に、「御用盗」というテロ集団が現れる。彼らは略奪や放火、殺人など悪行の限りを尽くしていた。その背後には薩摩藩の西郷隆盛がおり、江戸の風紀を乱すため非公認の集団として結成していた。幕府は挑発に乗らないよう表立って取り締まることもできず、対応にあぐねていた。

そこで勝海舟は秘密裏に対抗する組織を結成することに決める。元新撰組の島田幸之介と和田六郎を使い、近隣の農村から使える者を探すため試験を行う。合格すれば金2両がもらえるとあってやってきた農民たちだが、ほとんどの者は不合格だった。

丑五郎は米吉と一緒に試験を受けに行くが、道中で侍に絡まれ遅れてしまう。既に試験を終えたので帰るよう言われたウシは、境内にあった力石を持ち上げて見せる。それを見た島田は驚いて、ウシを追加で合格とした。

合格者は全6人。ウシ、ヨネ、イチ、セン、マツ、ウメだった。ただ、なぜかそばにいたワサは、神通力が使えるとの噂だったので、追加で合格とした。素人の百姓を半月で戦力にするため、島田は「短期速成一撃必殺訓練要領」というマニュアルを作成。しかし、勝はそれでは長いと6日で仕上げるよう命じた。

  • 1日目:両手正面斬撃
  • 2日目:両手刺突
  • 3日目:両手斜メ斬撃オヨビ仮標斬突
  • 4日目:疾走斬撃
  • 5日目:不斉地連続突破仮標斬突
  • 6日目:夜間不斉地連続突破仮標斬撃

以上を以って訓練は終了した。最終日、ウシの間合いが遠いことから、島田は自分を標的として斬るよう命じる。まったくあしらわれていたウシだが、最後は島田を抜刀させるまでになった。

勝の命によって防御を教えることを省かれてしまった彼らだったが、イチは一撃で殺すなら防御なんていらないと楽観視していた。こうしてここに「一撃必殺隊」が結成された。彼らはもう百姓ではなく侍だと島田は告げた。

第2幕:初陣

慶応3年11月。訓練を終えた6日目の夜、早速必殺隊は出陣する。薩摩藩邸そばで隊士7人と島田、和田を合わせた9人は身を潜めていた。ウシはビビる他の隊士を見て、自分が斬り込み役を代わりに買って出た。狙いは刀を抜いていない者と背を向けている者だと、島田は彼らに指示をする。

総勢40人あまりの御用盗を目にしたウシはビビるが、島田に背を押されて引けなくなった。覚悟を決めて隊列の最後尾にいた前之助を斬り捨てる。それを合図に一撃隊は御用盗を挟み撃ちにした。大勢がゆえに身動きが取れない彼らに対し、隊士たちは次々と教わったとおりに斬りかかった。

やがて伊牟田が刀を抜くと和田は笛を鳴らして撤収の合図をする。だがそう簡単に逃げることも叶わない。かわいがっていた前之助を斬ったウシに激怒して襲ってくる伊牟田、ウシは一対一で向き合うことになってしまった。防御も反撃も教わっていないウシが困っていると、危ういところに島田が間に入ってウシを逃がした。しかし伊牟田の怒りは収まらない。ウシを執拗に追いかけ回すが、息を潜めて隠れていたウシは何とか逃げおおせた。結果的に一撃必殺隊は初陣は20人を斬り、負傷者はゼロだった。

成果を勝に島田が報告に行き、隊士をもっと増やせば大きな成果が出せると提言する。しかし勝は当分の間、7人でやると言って却下した。なぜなら農村からスカウトしていることを知られたら、薩摩藩に怪しまれるからだった。

薩摩藩邸には20人の遺体が並んでいた。それを見た御用盗の司令官である相楽総三は想定内だと驚きもしなかった。そして配下の益満休之助に賊の正体を探るよう命じた。

遊郭の井村屋で祝杯を挙げる隊士たち。ウシは初めて人を斬ったことに困惑していた。他の隊士たちもあえてバカ騒ぎをして忘れようとしているようだった。女郎の園はそんなウシに寄り添い、夜を共にしようとしていたところ、園を気に入っている伊牟田が突然やってくる。ウシは慌てて別室に隠れ、何とかやり過ごした。

第3幕:一触即発

巷では「世直しうんこ隊」という名で、一撃必殺隊がヒーロー扱いされていた。ヨネが行動を起こす際、「うんとこしょ」と掛け声を上げることから、その異名がついてしまっていた。その頃、薩摩藩邸では不合格者の百姓から侍がスカウトをしていたというタレコミが入る。

ウシは侍とはいうが全く実感が湧かずにいた。多分、背後から襲うとか卑怯な手を使って斬っていたからではないかと考える。それを聞いた島田はウシに正面きってかかってこいと促す。島田が刀も抜いていないのに、ウシは斬られた気がした。それは島田が殺気を放っていたからだ。居合い切りについて教わるウシ、たくさん人を斬れば分かるといわれ悩んだ。

薩摩藩邸では伊牟田が百姓たちの村を襲おうと提案するが、表立ってそんなことはできないと却下される。同時に一撃必殺隊でも薩摩藩邸を襲おうという提案が出るが、島田も同様に却下した。どちらも共に表向きはゲリラだったからだ。

5日ぶりに出撃命令が出た隊が行くと、そこには雇われ浪人がいるだけだった。ウシはこれは罠だと言って退却しようとするが、イチは無視をして浪人の1人に切腹をするよう命じていた。切羽詰った浪人は短刀を手にして腹を刺すが、驚いたイチは介錯をすることができない。

イチはそのまま置いて退却しようとするが、センが気の毒だと言って浪人に近付く。すると男は腹に刺さっていた短刀を抜いてセンを刺し殺してしまう。しかし援軍がやってくるのを見て、ウシたちはセンを置いて逃げた。

イチの馬鹿げた行為のためにセンが死んだと怒るウシ、センを抜いた全員揃っているか確認するが、マツもいないのになぜか6人揃っていた。手ぬぐいで顔を隠す謎の人物にウシが取るよう促すと、そこにいたのはキクだった。

キクはこっそりついていき、隊士の手助けをしていた。自分も隊に入れて欲しいというキクだが、女ということもあって島田は承知しなかった。キクは村の剣術道場を営む父の下、兄と一緒に幼少期から剣術の稽古をしていた。やがて優秀な兄は市中見回りの新徴組という組織に入隊するが、御用盗に殺害されてしまう。

だから兄の敵を取りたいと願うキク、悩む島田を前に自分もできるところを見せるため、米俵を持ち上げようとする。慌てた島田は入隊を許可し、出番が来るまで変わらず隊士たちの食事を担当してくれと命じた。

その頃、薩摩藩邸では捕らえられたマツが厳しい拷問を受けていた。伊牟田は1人、農村へ向かい途中で丑五郎の妹であるチヨと出会う。兄が江戸に行っているという話しをしたチヨに、伊牟田は丑五郎の妹だと気付きその後に村を焼き討ちにした

隊士たちの身元が薩摩藩にバレつつあると察した島田は、勝にそのことを報告する。すると勝は隊を解散するよう命じた。彼らは捨て石だと言いきり、始末するよう島田に一任した。島田がそのことを和田に話すと、必死に戦った彼らを憐れみ悔やんだ。

村が襲われたことを聞きつけたウシは、夜中にこっそり抜け出して見に行く。その後をイチとキクもついていった。村は無残に焼かれ遺体が並んでいた。その中にはチヨの姿もあった。チヨの体は他の遺体と違って焼かれてなく、最初にチヨを殺してから火をつけたのだろうとウシは察した。

ウシには苦い思い出があった。ある日、チヨに目をつけた侍たちが、彼女を手篭めにしようとした。ウシは彼らに歯向かおうとしたが、チヨはウシが侍に斬り捨てられたら家の稼ぎ手がいなくなってしまうといい、自ら進んで侍に身を差し出した。

その様子をウシは黙って見るしかなく、何も出来ない自分を悔やんだ。鍬ではなく刀を持っていたら、チヨがこんな目に遭わないのにと。だが皮肉にも刀を持ったことで、チヨは殺されてしまったと嘆いた。そんなウシをキクとイチは慰め、一撃必殺隊しかもう居場所はないのだと諭した。

翌朝、抜け出した隊士がいるので処刑すると島田が集めた隊士たちに話す。自分のことかと名乗り出ようとすると、そこには福と一緒に逃げていたウメが連れて来られた。和田が切腹を言い渡すがウメは断固としてしない。しびれを切らした島田が一撃必殺隊は今日で解散だと告げ、仲間割れに見せかけて殺そうとする。

ウシは冗談じゃないとキレて、薩摩を斬らせろと他の隊士たちも口々に叫んだ。それを聞いた島田は斬らせてやると言って刀を置くなり、境内の力石を持ち上げようとする。そして「うんとこしょ」と声を上げ、自分も百姓の仲間入りだと態度で示し「一撃必殺隊は一蓮托生だ」と隊の存続を一存で決めた

第4幕:金杉橋の奇襲

慶応3年12月、一撃必殺隊は御用盗の首領である、相楽を目標に定める。薩摩藩邸から出てきた相楽を、金杉橋の上で討つという計画だ。ワサの予想どおり当日は雨だった。

キクが橋の上で急に産気づいたふりをして、藩士たちの足を止める。一緒にいたウシが荷車を止め、動かしてもらうのを藩士たちに手伝ってもらう。すると捕らえられたマツが連れて来られ、ウシたちは身バレしないか慌てた。だが、マツは仲間のことを売らなかった

そのまま通り過ぎていくかと思いきや、藩士の1人が荷車の中に武器を隠し持っていることに気付く。キクはすぐさま刀を手に取り藩士を斬った。そこからは藩士と必殺隊が入り混じり乱戦となった。

藩邸に援軍を呼びに向かう藩士を、待ち伏せていた島田と和田が斬る。橋の反対側からはイチとウメが挟み撃ちにした。ワサがマツを助け出し、イチが相楽を斬ろうとした瞬間、銃で反撃をされてしまった。

逃げる相楽を追うキク、斬り付けようとするが反撃され、逆に斬られそうになる。そこへ助太刀に入った和田は、応戦空しく斬られてしまう。そのまま相楽は藩邸へと逃げ、奇襲作戦は失敗に終わってしまった。

井村屋の一室から騒ぎを見ていた伊牟田は、ウシの姿を見つけてやってくる。敵味方関係なく斬り捨てながら突き進む伊牟田、橋の上でウシは応戦したが刀が折れてしまう。間一髪、やってきたイチが伊牟田に向けて剣を突き刺す。しかし、刀は伊牟田の脇をすり抜け、逆に伊牟田の刀がイチの体を貫いた

ウシがイチの身を案じると、イチは構うなと言い、自分は最後まで侍だったなと同意を求めた。ウシは涙ながら侍だったと同意し、イチの刀を取って駆け出す。ウシを追いかけようとする伊牟田の前に益満が現れ、伊牟田の肩を銃で撃った。

伊牟田はケガをものともせず、狂ったようにウシを追いかけ井村屋に行く。一部屋一部屋開けてウシを捜していると、そこに福と一緒に隠れていたウメの姿を見つける。伊牟田は躊躇いもせずにウメを斬り捨て、これ以上無関係な者の犠牲を増やしたくないなら出てくるようウシに呼びかける。

園にかくまわれていたウシだったが覚悟を決めた。そして伊牟田が襖を開けた時、ウシは刀を畳に立て片膝をついて待ち受けた。一撃で勝負をつけようとウシは持ちかけ、座った後に互いに刀を脇に置く。どちらが先に刀を抜いて斬るか、緊迫した時が流れる。

ウシの汗が頬を伝い顎から畳に落ちた瞬間、音に一瞬目をそらした伊牟田を見逃さずウシは刀を抜く。伊牟田の刀は折れ、窓の下にいた益増たちの前に伊牟田の首が落ちてきた。ウシが店から出て一触即発の状態になるが、益増は残党狩りをしてもしょうがないと言って刀を納めた。

そして首を拾い上げ、自分たちが伊牟田を粛清したと宣言する。納得のいかないウシだったが、彼らは無視して去っていった。ウシは橋の上で妹のために買った櫛を園に渡す。「似てねぇ、やっぱり似てねぇ…」と告げた後、ウシはどこかへ去った。

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ドラマの結末

薩摩藩はその後も御用盗を使って幕府を挑発し続けた。だが、幕臣たちがついに立ち上がる。慶応3年12月25日薩摩藩邸焼き討ち事件が起きた。これを機に翌4年1月3日に戊辰戦争が勃発した。同年3月3日に相楽総三は処刑された。同月の13・14日に勝と西郷の会議が実現し、同年4月11日に江戸城無血開城した。

生き残った一撃必殺隊の隊士たちは、結成した寺の境内に亡くなった仲間を弔いに集まっていた。そこへ奇襲後一度は捕らえられた島田がやってくる。無罪放免する代わりに一撃必殺隊の生き残りを抹殺するよう命じられたというが、島田にはその気はさらさらなかった。

ワサとマツは一緒に商売をするという。島田は今さら生き方も変えられないと言いながら、どこかへ旅立つ。そしてキクは島田の後を追って行った。

ヨネとウシは村へ戻る途中、百姓と擦れ違う。頭を下げて通り過ぎるのを待つ百姓たち。ウシは村への道を聞き、そのお礼にと言って差していた刀を渡した。身分制度も廃止され、刀などただの道具に過ぎない、ウシはそう思っていた。

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登場人物の結末

登場人物たちが最終的にどうなったかをまとめました。

  • 丑五郎(ウシ)…染谷将太
    妹の敵を討った後、村へ戻る
  • 市造(イチ)…町田啓太
    金杉橋の戦いで死亡
  • 米吉(ヨネ)…高橋宏行
    ウシと一緒に村へ帰る
  • 仙太(セン)…岡山天音
    任務中に死亡
  • 和三郎(ワサ)…塚地武雅
    マツと商売を始める予定
  • 梅吉(ウメ)…細田善彦
    金杉橋の戦いで死亡
  • 千代松(マツ)…上川周作
    ワサと商売を始める予定
  • キク…伊藤沙莉
    島田の後を追う
  • 島田幸之介…松田龍平
    どこかへ旅立つ
  • 和田六郎…工藤阿須加
    金杉橋の戦いで死亡
  • 伊牟田尚平…杉本哲太
    ウシとの勝負に敗れ死亡
  • 益満休之助…奥野瑛太
    その後は不明
  • 相楽総三…じろう
    処刑
  • 前之助…楽駆
    ウシに斬られ死亡
  • 園…西野七瀬
    ウシと別れた後は不明
  • 福…山崎静代
    ウメを殺害された後は不明
  • チヨ…西野七瀬
    伊牟田に殺害
  • 勝海舟…尾美としのり
    江戸城無血開城を実現
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まとめと感想

もしも幕末に幕府非公認の百姓ゲリラ集団があったらという話でした。

去年の「幕末相棒伝」に続き、今年も幕末もしも時代劇でした。今回の話は最初から隊士のうち誰か死んでしまうのだろうなと嫌な予感がする話で、案の定9人中4人が亡くなってしまいます。ただ、前向きな終わり方をするので、見終わった後に嫌な気分にはなりません。

士農工商という身分制度がまだあった時代、農民は侍が通るたびに立ち止まって頭を下げて過ぎ去るのを待たなければならない。そんな風習がありました。主人公のウシは彼らの振る舞いに憎しみを抱き、同じ人間なのに何が違うのかと思っていました。

そしていざ自分が侍になった時、そのせいで妹が殺害されてしまいます。刀を持っていれば妹を救えたのにと思っていたのに、刀を持ったことで殺害されたことを悔やみます。結局、どうあっても不幸は避けられなかったのです。あまりに理不尽な話ですが、ウシはそれでも前を向き、自分の居場所を隊に求めました。

お上の決めることは人を人とも思わぬ扱いで、隊士たちは捨て石にされてしまいます。その話を島田は黙って聞いていましたが、自分のいた新撰組も同じようなものだったのだろうなと感じたのでしょう。なので、ウシたちの訴えを聞いて、彼ら側につくことを決めました。

身分や貧富、そういったものが再び形成されつつある現代。あの時代に生きた人たちのように、激流に身を流されながらも前を向いていこうと、新年早々考えさせられる話でした。

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