【ダブルチート 偽りの警官】1話「この男、正義か悪か?」のネタバレと感想をまとめています。
コロナ融資を受けるために粉飾決算を勧める詐欺師。警察は被害者の方を逮捕し、詐欺師は野放し状態だった。表の顔は警官の多家良がその事実を知り、裏の仕事に取り掛かり詐欺師を罠にかけようとするが……。
【ダブルチート】1話のあらすじ
戸樫神社前交番勤務の警察官・多家良啓介(向井理)は、地元の商店街で寸借詐欺を働く男(阿南健治)を見つける。しかしその場で逮捕をするのではなく、逆に寸借詐欺をして金を巻き上げて被害者に返した。
多家良は表の顔は真面目で地域住民に頼りにされている警察官だが、裏の顔は法で裁けぬ悪を欺く詐欺師“K”だった。
ある日、コロナ融資無料相談所の会場で、暴れている男がいるとの通報を受け多家良は現場に駆けつける。そこに娘の須永典子(野村麻純)がやってきたことで、ひとまず騒ぎは収まった。
警視庁捜査二課にも連絡が入り、山本貫太(結木滉星)と宮部ひかり(内田理央)も現場にやってきた。
暴れていた男は須永良二(小林隆)と言い、コンサルタントの鹿野博之(勝村政信)にだまされたと話す。コロナ以降、業績が悪化したため追加の融資を申し込もうと鹿野に相談した。しかし、粉飾決算をしたせいで、金融公庫から返金と違約金を求められていた。
鹿野は粉飾をしたのはあなたであって自分ではないと突っぱね、コンサル料の返金にも応じず逃げていた。
須永は鹿野を逮捕して欲しいと頼むが、逆に不正を働いた須永が逮捕されることになってしまい……。
【ダブルチート】1話のネタバレ
詐欺事件発生
コロナ融資無料相談会を開き、コンサルタントの鹿野博之(勝村政信)はカモを見つけていた。部下の関川竜一(越村友一)から融資希望額を知らせてもらい、それ以上の金額を公庫から融資してもらえるように粉飾決算をさせていた。
その手口に引っかかった町工場を経営する須永良二(小林隆)が、鹿野がこの会場にいると知って殴りこんできた。鹿野はどこだと叫ぶ須永を、後からやってきた娘の典子(野村麻純)が何とか宥めて騒ぎは収まった。
鹿野を追っていた警視庁捜査二課 特別捜査室6係の係長・堀北隆司(梶原善)に連絡が入る。そこで捜査員の山本貫太(結木滉星)と宮部ひかり(内田理央)を派遣した。
一方、騒ぎの通報を受けて駆けつけた多家良啓介(向井理)だが、やってきた山本は多家良を見るなり部外者は外すよう命じた。
山本が須永に聴取したところ、5000万円の融資を鹿野に勧められ、迷っていたが政治家と握手している写真を見てつい信じてしまったという。
鹿野のコンサル料は融資額の30%で1500万円だった。残る3500万円あれば立て直しができると、つい鹿野の口車に乗ってしまったと悔やむ須永。決算書の数値を改ざんする粉飾決算をしてしまう。心配になって鹿野にきくと、これぐらいみんなやっていると笑った。
鹿野の言ったとおり審査が通った。入金を確認するとすぐに銀行に行き、鹿野にコンサル料を振り込んだ。
やがて金融公庫から内容証明の封筒が届く。中を見ると督促状が入っていた。虚偽の申告をしているので、返金しろという内容だった。
決算書の粉飾が認められたので融資金の一括返済と、30%の違約金合わせて6500万円を支払えという文書だった。須永が慌てて鹿野に電話すると、粉飾をしたのは自分ではなくあなただと言って取り合わない。しかもコンサル料の返金も応じずに逃げていた。
須永はなんとか鹿野を逮捕して欲しいと土下座して頼み込むが、鹿野を詐欺罪で挙げることはできないという。なぜなら法律上決算書の粉飾をしたのは、須永自身だったからだ。
父はどうしたらいいのかと訊く典子だが、山本は情報提供には感謝するといって帰ってしまう。「警察は何もしないんですか!?」と典子の叫びが空しく響いた。
その後、須永を詐欺罪で逮捕するための礼状が下りる。宮部は全く納得いかず、現状報告を聞きに行った多家良の交番で愚痴る。多家良は元二課のエースだった。
多家良は様子を見に須永の工場を訪れると、事務所で練炭自殺をして倒れている須永を発見する。急いで救出したことで一命は取り留めた。
事情を知った宮部は「こんなのおかしいですよ。逮捕できる人間だけ逮捕して、ほんとうの悪人を見過ごすなんて。目の前に詐欺師がいるのに、警察はただ見てるだけなんですか!」と山本に憤る。
しかし山本は証拠を持って来いと言い、鹿野が詐欺師だということぐらい、こっちも分かっているとキレた。2人のやり取りを聞いた多家良は、クリーニングプロショップ ヤシバへ向かった。
裏仕事開始
クリーニングを頼むふりをして、店主の矢柴等(荒川良々)に封筒を渡す多家良。中を確認した矢柴は店を閉め、裏の仕事の準備に取り掛かる。多家良は店の奥に行き、矢柴の選ぶ衣装を身に着けて変装する。飛ばしの携帯や偽の名刺を手にし、別人へと成り代わった。
その頃、鹿野と関川はそろそろコロナ融資は潮時かと思い始めていた。そこに加藤慶彦と名乗り、変装した多家良がやってくる。
50億円の基金を設立することになったので、鹿野にその基金の審査委員に加わって欲しいという誘いだった。
融資希望者を募ってくれれば協力金という形で謝礼を渡す上に、鹿野たちが推薦した企業に優先的に融資を回すという。
多家良が帰った後、鹿野は粉飾決算をもうしなくて済むし、謝礼金ももらえるのなら一石二鳥だと喜んだ。
そこで会社を調べてみることにした。まずは法務局に行って登記事項証明書を確認する。次にもらった名刺の住所に行って確認すると、確かに民間事業開発機構はあった。だが、加藤の存在を確かめることはしなかった。
後日、鹿野は多家良の申し出を受けた。警察業務の間に電話で話す多家良は、事務所の登記簿と過去5年分の決算書の写しを持ってくるよう告げた。鹿野は悩んだが「悪事ってのはな、見つからなきゃ問題ないんだよ」と笑って粉飾決算することにした。
一方、宮部は須永の見舞いに行くが、典子に「私達家族の人生をむちゃくちゃにした詐欺師が憎い。それと同じぐらい、警察も憎いんです。帰って下さい」と追い返される。
一人交番で多家良が戻ってくるのを待っていた宮部は、何もできないことが悔しいと話す。多家良は「諦めるのはまだ早いんじゃないですか」と声をかけた。
裏仕事の仕上げ
多家良は鹿野から決算書を受け取り、仕組みを説明する。融資額の1%が謝礼として支払われるが、その代わりに委員は0.2%の預かり金を提出するルールだった。もっとも金は後で返却するし、寄付名目なので無税扱いになる。税金対策で協力してくれる人も多いと話す。
すると個人投資家に扮装した矢柴が通りがかる。多家良は「信濃小路さん」と偽名で呼び止め鹿野に紹介した。矢柴は基金に25億円出資をしているといい、鹿野を銀座のクラブに誘ってみんなで飲みに行くことになった。
矢柴が札束を懐から取り出して見せ、羽振りがいい様子に鹿野は段々信じてしまう。さらにショットグラスで何杯も酒を競うように飲み、鹿野を酔わせて判断を鈍らせる。
矢柴が鹿野を審査委員長にしたいと言い、鹿野も乗り気になった。委員長は2%の預かり金すなわち1億円が必要だが、協力金も5%もらえると多家良が説明する。
1億という金額に戸惑う鹿野だが多家良が席を外すと矢柴が、委員長になれば融資は決めたい放題だからやったほうがいいと甘い囁きをする。さらに調子に乗った矢柴はロマネコンティを注文し、それを聞いた多家良は舌打ちした。
散々飲んだ後矢柴が先に帰ると、多家良は鹿野に委員長の件について尋ねる。今すぐ現金で1億円は厳しいが7千万円ならあるという。ならばどこからか一時的に借りたらいいという多家良は、別の基金の融資を紹介する約束をして別れた。
クリーニング屋に戻ってきた多家良は、矢柴に調子に乗りすぎだと怒る。それから矢柴の作った融資申請書類を受け取り、後日3000万円の融資を申請した。
再び鹿野と会い、7000万円を受け取る代わりに委員長の任命書と受領書を多家良は渡した。
【ダブルチート】1話の結末
警視庁捜査二課課長・岩合拓真(伊藤淳史)に呼び出された堀北隆司(梶原善)は、情報提供があったといって封筒を渡される。裏面には“K”の文字があり「またですか?」と堀北はぼやき、岩合はいつものように送り主は伏せるよう命じた。
委員会が開かれる日、鹿野は民間事業開発機構にやってきて、審査員長を拝命した鹿野だと受付で名乗る。だが、そんな基金は取り扱っていないし、加藤という社員はいないと言われる。慌てて電話をかけるが既に電話は解約されていた。
怒る鹿野がその場で暴れていると、関川から全国中小企業金融公庫から3000万円振り込まれていると連絡が入る。それと同時にやってきた堀北たちが逮捕状を見せる。容疑は粉飾決算でコロナ融資金を騙し取った疑いだった。
あの時鹿野からもらった決算書を使い、多家良は融資を申し込んでいた。その場で鹿野は逮捕され、事務所にもガサ入れが入った。
全てを終えた多家良は、ロマネコンティの代金を引いた報酬を矢柴に渡す。そして鹿野から取った金を金庫にしまうと「で…どうすんの?また足長おじさんするの?」と訊く矢柴に「アンタにゃ関係ない」と答えた。
鹿野が逮捕されたことを退院した須永に報告しに行く宮部と山本。その件で公庫が和解に応じると言ってきたので、須永の送検は見送られた。さらに違約金は撤回され、5000万の融資も即刻返金する必要はなくなった。
だが、鹿野に払った1500万円は取り返しようがなかった。集団訴訟をする話があるので、そこに連絡をしてみてくれとパンフレットを宮部は渡した。
典子は追い返した時の事を謝罪し、宮部は咎めずに事務所を後にする。息子が手を振り笑顔で見送ると、宮部も笑って手を振り返した。
その後典子が資料を整理していると、真っ白な封筒の中に1500万円の小切手が入っていた。中には寸志と書かれた紙が入っているだけで、封筒の裏側に“K”とだけ書かれていた。
鹿野の面会に多家良が行き、訊きたいことがあると切り出す。もし納得がいく答えが返ってきたら、奪った金は返すという。「ヤマガミサマとい呼ばれる詐欺師を知ってるか?」と問う多家良、鹿野が「知らんな、そんなやつ」という答えを聞いてすぐさま帰った。
自宅に戻った多家良は誰もいない部屋に「ただいま」と声をかける。部屋には彼女の物がそのまま今も置かれている。婚約者の柊麻美(松本若菜)にプロポーズをした日のことや、その後彼女の姿が消えてしまった日のことを思い出しながら多家良は床にへたり込んだ。
【ダブルチート】1話のまとめと感想
融資を受けるために粉飾決算させてコンサル料を取っていた詐欺師に、同じ方法で仕返ししたという話でした。
最初『クロサギ』のような話かと思って見ていましたが、法で裁けない悪を欺くそうなので、詐欺師以外も登場するのかもしれません。
人の弱みに漬け込んでコンサル料を掠め取り、自分は罪に問われないという鹿野のやり口が、何とも憎々しいです。法で裁けないなら自分の仕事だと言わんばかりに、多家良は詐欺師に変装して鹿野を罠にはめました。
警官と詐欺師の二刀流は現実にはありえなさそうですが、ドラマだと割り切って見ると昔のドラマ『ハングマン』や『必殺仕事人』みたいなノリで面白いです。
最初からWOWOWで放送されることが決まっているので、多家良の婚約者の話がシーズン1で解決するのかは分かりません。下手するとシーズン2まで引っ張るのかもしれません。