【アンチヒーロー】9話のネタバレと感想|まさかの裏切り!明墨が逮捕

2024春ドラマ
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【アンチヒーロー】8話「約束」のネタバレと感想、桃瀬の日記についてまとめています。

再審請求できる証拠が見つからず、明墨たちは困っていた。初めに志水の冤罪に気付いた桃瀬の日記を受け取った明墨は、思いを新たに志水を救う方法を考える。赤峰は志水からノートを借りて、そこにあった違和感に気付く。だが、明墨は裏切りにあって逮捕されてしまい……。

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【アンチヒーロー】9話のあらすじ

死刑囚・志水裕策(緒方直人)が冤罪ではないかと、最初に気付いたのは桃瀬礼子(吹石一恵)だった。明墨正樹(長谷川博己)は当時、桃瀬にそのことを相談されるが、自白を促したのは自分だったため、まるで取り合わなかった。

桃瀬は一人で事件を調べ直す。だが、彼女の体を病が蝕んでいた。病床に倒れた桃瀬は、明墨に必死の思いで事件を託す。受け取った明墨は当初困惑していたが、彼女の思いを知って引き継ぐ決意を固める。

再審請求できるに足る証拠が失われた今、赤峰柊斗(北村匠海)は改めて何かないか桃瀬の実家に行くと、母親から日記を渡される。それを受け取った明墨は、桃瀬がどんな思いで事件に向き合っていたのか、そして志半ばにして死ぬ彼女の悔しさを改めて知った。

明墨が思いも新たに事件に向き合う時、赤峰は志水からノートを渡される。そこにあった刑事の尋問内容に、違和感を覚えた赤峰たちは、科捜研の鑑定結果が書き換えられていた可能性があることに気付く。

ようやく突破口が見え始めた矢先、明墨が裏切りにあって逮捕されてしまい……。

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【アンチヒーロー】9話のネタバレ

糸井一家殺人事件を振り返る

明墨正樹(長谷川博己)は志水裕策(緒方直人)に、証拠がなくなってしまったことについて謝罪した。しかし、志水は「私がこうなったのは、先生のせいだと思っていません。横領に手を染めてしまったことも、やってもない罪を認めたことも、全部自分の弱さが招いたことで、先生が頭を下げることなんかないんです」と言い、逆に明墨が自分たちにどれだけ時間を割いてくれたかを労った。また、娘の紗耶(近藤華)に会わせてくれたことに感謝した。明墨は「これ以上の幸せを、あなたは当然受け取るべき権利があるんです」と志水を励まし、さらに時間をくれないかと頼んだ。

2012年3月5日、千葉県千葉市花見川区にある糸井誠(尾関伸次)の自宅で、一家全員が死亡しているのが発見された。死亡する前夜、一家は嘔吐や下痢などの症状を訴えて受診していたが、翌日未明に死亡したと見られている

現場検証の結果、高濃度のタリウムが検出されたことから、毒殺事件と断定された。近隣住人の話によると、死亡した前日の夜7時半頃、糸井家には客が招かれ、食事会が催されていた。警察は毒物を持ち込んだのはこの客だと見て捜査を進めたが、毛髪、皮脂、皮膚片などを含む犯人の痕跡は一切残されていなかった。

糸井の人間関係が徹底的に洗われ、その結果、一家とも親交が深かった志水が逮捕された。しかし、実際にはその夜志水は、紗耶のために公園でぬいぐるみを捜していた。緋山の盗撮動画に映り込んでいた時刻は19時41分であり、一方で糸井家に犯人らしき人物が訪れたのは19時30分頃であった。この時間帯に志水が糸井家にいることは距離的にも不可能だった。

しかし、志水が公園に行ったのを知っているのは紗耶だけであり、警察は父親が子供を言いくるめているとしか思わなかった。さらに、志水が会社の金を横領していたことや、糸井とトラブルになっていた証拠が出てきたことで、疑いがどんどん強まった。

桃瀬の日記

桃瀬礼子(吹石一恵)は優秀な人物だった。彼は青山憲治(林泰文)の大学時代の後輩でもあった。青山は弁護士を志望していたが、司法試験に4回挑戦したものの合格できなかった。その頃から明墨と知り合い、妻が妊娠したのをきっかけに弁護士の夢を諦め、営業職に就いた。

5年前、明墨と再会し、その時初めて桃瀬が亡くなったことを知った。青山は赤峰柊斗(北村匠海)のノートを見るたびに桃瀬のことを思い出すと言う。彼女もよくそうやってメモを取っていたからである。

赤峰は桃瀬の実家を訪れ、母親の美枝子(麻生祐未)に会った。桃瀬の部屋はそのまま残されており、彼女は病院でも志水のことを調べていたという。医師に毒について質問し、困らせていたこともあったらしい。

桃瀬の母親は、彼女が死の間際までつけていた日記を赤峰に渡してくれた。「あの子が言うんですから、志水さんの無罪は間違いありません。どうか、志水さんを救ってください」と母親は言い、赤峰は頭を下げて約束した。赤峰は日記を持ち帰り、明墨に渡した。

明墨は一人、部屋でその日記を読む。

6月21日 あのことを同期に話した。
明墨君は当時、応援に駆り出されたって聞いてる。
あとから聞いた。
清水さんを自白させたのは、
明墨君だったって。
彼に相談したのは間違いだった。

その時、桃瀬は明墨に対して、横領についてはすんなり認めているのに、殺害についてはずっと否定していたのがおかしいとバーで話した。また、勾留期間がトータルで65日に及び、様々な理由をつけて延ばされていたことを指摘した。「無理に自白に追い込まれたんじゃないかって。明墨君、何か知らない?」と、桃瀬は何も知らないかのように尋ねた。明墨は「隠滅したという証拠は?」と開き直り、他にもっとやることがあるのではと言いながら金を置いて帰った。

9月6日
深澤刑事と会った。
伊達原さんの噂は、彼が漏らした言葉が広がったみたいだ。
彼は、確かにその動画があったと認めた。
やっぱり冤罪は間違いない。
大きな一歩だ。

伊達原泰輔(野村萬斎)が証拠を隠滅したという噂の元となった、深澤(音尾琢真)と桃瀬は喫茶店で会う。は、盗撮動画を送りつけられる嫌がらせ被害に遭った女性から相談を受けた。そして、その動画を確認したところ、志水が写っているのを見つけた。深澤は事件の捜査本部長だった倉田功(藤木直人)にその動画を報告すると、倉田が預からせてくれと言うので動画を渡したという。

「後日、あれは志水ではなかったと言われたんですが、今思うと…」と深澤は話した。桃瀬が証言してくれないかと頼んだが、深澤は「勘弁してくれ、今の話もここまでにしてくれ」と断り、その場を立ち去った。

桃瀬の手紙

「これ、明墨君に…」と、病院のベッドで寝たままの桃瀬は、自分で調べた糸井一家殺人事件のファイルを託した。「志水さんの冤罪は間違いない。読んでくれればわかる。明墨君には、志水さんを自白させた責任がある。一度でいいから、目を通して」と必死に頼んだ。

明墨はそのファイルを持ち帰り、病院の受付で開いた。中には「明墨君へ」と書かれた封筒が入っており、その中には桃瀬からの手紙が入っていた。

志水さんを救って
こうなってみて分かる
命は有限で尊い
私ももっと生きたかった
でも、まだ救える命がある
誰一人、無実の罪で命を奪われる
ことがないように
その命を奪うのが
司法権力の傲慢であってはならない
一人の検事として強く思います
明墨君なら継いでくれるって信じてた
どうか私たちが
司法の信頼と誇りを取り戻せますように

明墨は改めて日記を見る。最後のページにはこう書かれていた。

明墨君なら必ず志水さんを
救ってくれる
何があっても屈することなく
自分の道を突き進む人だから
でも本当は

その未来を、
私もこの目で見たかった
明墨君と一緒に

一緒にという部分は涙で滲んでいた。明墨はその箇所に愛しげに触れ、自分も涙を流した。そして、その涙はページを濡らした。「私もだ…桃瀬」とつぶやいた。

明墨は部屋を出て、全て読んだがファイルにある以上の手がかりはなかったと赤峰たちに報告した。「桃瀬は君たちの尽力に感謝しているはずだ」と礼を言う明墨、その姿を白木凛(大島優子)はどこか白けた顔をして見ていた。その時、「似てる?」と書かれた付箋が落ちているのに気付いた。

瀬古との会話

瀬古成美(神野三鈴)が養護施設を遠くから見ていた。そこへ明墨がやってきて話を始める。弾劾裁判では黙秘を続けているが、話せば楽になるのではないかと問いかけた。「あなたが不正に手を染めたきっかけは、伊達原だと」と明墨は言った。裁判で全てを話してくれないかと頼む。

桃瀬は以前、瀬古に志水の冤罪について話しに行っていた。志水のアリバイを証明する動画があったが、伊達原がもみ消したという。「志水さんは、無罪です」と桃瀬は告げた。瀬古はその時動揺していたと、桃瀬の日記には書かれていた。明墨は「過ちを後悔していたのでは?」と問いかけた。だから瀬古は紗耶のいる養護施設でボランティア活動を続けてきた。せめてもの罪滅ぼしとして。

「だが、そんなものは瀕死な怪我に絆創膏を貼るようなものです。あなたが見て見ぬふりをした怪我で、一人の命が失われるかもしれないんです。手遅れになる前に、声を上げませんか」と明墨は説得を続けた。しかし、瀬古は「無駄よ。あたしは何も知らない。伊達原はね、自分のルールからはみ出した人間を、絶対に容赦しない。あなたももうすぐ潰される」と答えた。

「かまいませんよ。失うものがなければ、何でもできますからね。違いますか、瀬古判事」と開き直る明墨。瀬古は何も言わず立ち去った。

志水のノート

週刊誌では、明墨が緋山の殺人の罪をもみ消したのではないかと騒がれていた。また、冤罪問題については個人的な感情で動いていることや、紗耶とも交流があることも書かれていた。

再審に持ち込めそうな証拠がなかなか見つからないため、赤峰は志水に面会して、当時のことをもう一度話してくれないかとお願いした。志水は「実は…」と言い、ノートを渡した。それは事件当時の被疑者ノートだった

赤峰は事務所でそのノートを読んでいたが、読み進めるのが辛いと感じた。すると、紫ノ宮飛鳥(堀田真由)がノートを手に取り、読み始めた。

逮捕されて5日
アリバイに関する取り調べ。拒否するも10時間拘束。

逮捕されて10日
犯行時の尋問調書。取調べ時間11時間。飲食物与えられず。
「嘔吐に下痢、眼瞼下垂に弛緩性麻痺。このあたりの症状はお前が帰る頃にはもう出始めてたんだろ?」と刑事にきかれる

逮捕されて25日
犯行時の尋問調書。取調べ時間11時間。飲食物与えられず
答える気力もわかない。聞いてもくれない相手に何を言えというんだ

逮捕されて52日
明墨がやってきて自白を強要。
紗耶は殺人犯の娘なのか。紗耶に会いたい

妻が死んだ後、明墨の尋問

早苗が死んだ
全部私のせいだ 早苗ごめん
私が横領なんてしたせいで どうすれば
こんなことに
紗耶を一人にしてしまった
紗耶大丈夫だろうか
もう取り返しがつかない
ごめん 紗耶に会いたい
会いたい

最後のほうのページは紗耶に会いたいと、何度も書き連ねられていた。

似ている症状

紫ノ宮は刑事との会話に引っかかりを覚え、タリウムにそんな症状があったかを考えた。調べるとタリウムには「嘔吐、腹痛、下痢、消化管出血などの消化器症状。さらに神経症状として、傾眠、昏睡、痙攣発作、失明、顔面神経麻痺がみられることがある」とあったが、刑事の言った症状はなかった

検察の調書にもそのような記載はなく、刑事の勘違いか、志水の記憶違いか、それとも何か別の意図があるのではないかと赤峰は考えた。

検察の調書によると、薬毒物鑑定は千葉県の科捜研で行われ、鑑定の結果、使われた毒物がタリウムであることが判明した。志水が会社の倉庫から持ち出しうる毒だった

取り調べのとき、鑑定結果はタリウムだと出ていたはずなのに、タリウムでは起きない症状を刑事が言っていた。資料を読みながらではないと出ないその言葉は、勘違いとは考えにくい。誰かが意図して毒物の鑑定結果を書き換えたのではないかと疑念が浮かぶ

明墨がこの問題に関わった頃は、鑑定結果を疑う余地もなかった。明墨は物語を推測する。

あの時、伊達原はイラついていた。志水を勾留していたものの、起訴するための証拠がなく、このままでは証拠不十分で釈放となり、それでは西千葉建設の横領事件の真相も遠のいてしまう。それを避けたい伊達原は、志水が犯人だと示せる証拠を作るため、科捜研の担当者に指示して、犯行に使われた毒と症状が似ている毒に書き換えた

「似ている」と明墨はあの付箋を思い出し、毒の専門書をもう一度見て、似ているものを探すと、ボツリヌストキシンが浮上した。そのページに付箋を合わせると、ぴったり当てはまった。「医者や改ざん」ともそのページには記されていた。桃瀬は改ざんの可能性に気づいていたのだ。明墨は当時の鑑定者に話を聞きに行くよう、赤峰に頼んだ。

隠蔽

明墨は紫ノ宮を引き連れて倉田に面会に行った。倉田は明墨に文句を言うために、ようやく面会に応じた。彼は下手に喋ったら娘の将来が潰されると、伊達原に脅されて喋れなかったのだ。そんな父の真意を知り、紫ノ宮は怒りをぶつけた。「ふざけないで!私の将来が何?そんなのどうだっていい。志水さんは冤罪でいつ死刑になるか、分からない状況にいるんだよ。人の命より大事な将来って、何なの?」と訴えた。

紫ノ宮はさらに、「真犯人は野放しのまま、何年も見て見ぬふりをしてきた。それでも警察官か?」と詰め寄った。そして、志水のノートを見せ、彼が紗耶に会いたいと綴った内容を見せた。「志水さんがどんな思いでいたか、想像できる?」と問いかけた。

倉田は涙を流しながら「想像したよ、何度も。何度も何度も。あの動画を見た時、正直すぐにでも公表するべきだと思った。でも…あの時すでに志水の裁判は始まっていた」と語った。伊達原に動画のことを話すと、「一度しか言いません。この映像は警察では発見されなかった」と言われ、倉田が異を唱えると伊達原は激怒した。「今さら無実だと?ふざけるな!こんなこと発表してみろ。君と僕の責任で済む問題じゃないんだよ!」と詰め寄られた。

伊達原は「人殺しだという世間の目が、家族に襲いかかる。これは脅しじゃない」と言う。伊達原はやっと授かった子供が生まれるタイミングだったため、何としても公表を避けたかった。「私も君と、同じ十字架を背負う」と伊達原は言い、倉田はそれを受け入れた。

倉田は志水に本当に悪いことをしたと謝るが、今更どうしようもないと言う。すると明墨は、「人殺し!あなたは人を見殺しにしようとしているんですね。おっしゃるとおり、今さら後悔したところで二度と過去は戻って来ない。だが未来は別です。志水さんの命を救うことは、今からでもできる」と強く訴えた。

「事件で使われた毒は、本当は硫酸タリウムではなかったのか」と明墨が尋ねると、倉田は考え始めた。確かに捜査初期の頃は毒の情報が錯綜していたが、ある時、科捜研の人間が報告に来て、テーブルから検出された毒は硫酸タリウムだったと、遺体からも同じものが検出されたと報告されたという。毒の鑑定は難しく、時間がかかるのもいつものことだったため、特段おかしいとは思わなかったと説明した。

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【アンチヒーロー】8話の結末

科捜研の鑑定担当者である平塚聡(牧村泉三郎)は3年前に病気で亡くなっていた。そこで、明墨は平塚の助手をしていた人を捜してもらうよう、赤峰に頼んだ。

突然事務所に警察がやってきて、明墨を証拠隠滅罪で逮捕する。

伊達原のところに白木が来ていた。「そうですか?当然の報いだと思いますけど」と言う白木。緋山啓太(岩田剛典)の血の付いた作業着を提出したのは白木だった。伊達原が明墨に恩があるのではと尋ねると、「別に。優秀な弁護士さんが来て、用済みみたいだから」と白木は答えた。

伊達原は「明墨の裁判は自分がやる」と自ら乗り出す決意を示し、「明墨君のためにも、もう終わらせてあげようよ」と笑った。

「後は任せる」と言い、連行される明墨。その姿を赤峰たちは驚きながら見送った。

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