【相棒シーズン22】3話「スズメバチ」のネタバレと感想をまとめています。
特命係第3の男、陣川が亀山とついに再会した。相談をしようとする陣川だが、遺体が発見されたという情報が入り、右京たちは現場に急行することに。ただ、その現場はスズメバチが飛んでいるせいで、現場検証ができないと言い……。
【相棒22】3話のあらすじ
特命係第3の男こと陣川公平(原田龍二)とついに再会を果たした亀山薫(寺脇康文)は、陣川の顔を見るなりお互い喜びあった。陣川は杉下右京(水谷豊)にある相談をしようとするが、角田六郎(山西惇)から公園で遺体が発見されたという情報が入る。しかもスズメバチがいるせいで、現場検証が不可能だと聞き、右京は俄然興味を抱く。
現場には既に捜査一課の伊丹憲一(川原和久)らが臨場していたが、スズメバチが遺体の周りにいて現場検証ができずにいた。駆除業者に連絡をするが、今すぐ来れない状況だった。そこに犯人を名乗る人物から電話が入り「あの男は死んでない。眠っているだけだ」と言う。
右京は危険を顧みず1人で遺体へと近付いていく。後を追った亀山がアドバイスをしながら、蜂に刺されずに何とか遺体に近づく事ができた。電話では眠っているだけだと言うが、遺体はかなり出血していて息が無かった。
被害者は加藤星也(一ノ瀬翔太)というIT企業の社員だった。恋人の村岡めぐみ(生越千晴)に事情を聞きに、勤務先の喫茶店へ右京たちは行くが、こないだ退職したという。
一方、伊丹たちは加藤の部屋を捜索していたところ、通気口に盗聴器が仕掛けられていたのを発見する。
その頃陣川はめぐみの家にあがって話を聞いていた。そこへ右京たちがやってくると陣川は隠れるが、折りたたみナイフが置いてあるのを発見してしまい……。
【相棒22】3話の見逃し配信
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【相棒22】3話のネタバレ
トラブルメーカー
杉下右京(水谷豊)は村岡めぐみ(生越千晴)に話を聞きに来た時、警察が来たのに冷静な様子を怪しむ。まるで恋人の加藤星也(一ノ瀬翔太)の事件を知っているようだった。めぐみは事件の日、加藤と別れ話をしていたという。
めぐみが容疑者扱いされているのを隠れて聞いていた陣川は、彼女を助けるべく姿を現して右京たちに捜査権はないと妨害してきた。とにかく外に出て話そうと言う陣川に押され、右京たちが外に出ると1日だけ待って欲しい、明日になったら話すからと言って逃げ出した。
右京たちは呆れながらも再び喫茶店に話を聞きに行くことにした。めぐみが店を辞めた理由を聞くと、店主の小山紗栄子(良田麻美)が、実はめぐみがレジのお金に手をつけたからだと言う。そのことを咎めるとめぐみは開き直り、慌てた加藤がやってきてその場で土下座して見逃してくれと頼んだ。今度は微罪ではすまないと、その時加藤は言っていた。
今度は武蔵野研究所に向かった右京たちが話を聞いたのは、研究員の藤巻英子(鮎川桃果)だった。スーパーの店長の話だと、英子が万引きをしためぐみを捕まえたという。その時英子はめぐみに突き飛ばされたが、その事は警察には言ってなかった。なぜなら、恨まれたら怖いからだと言う。
めぐみは捕まった時、金なら彼氏が払うと言っているとキレていた。そんな様子のめぐみを見た英子は、彼氏も大変だと同情していた。
陣川の暴走
加藤の死因は胸部を刺されたことによる失血性ショック死だった。陣川は鑑識に行って益子桑栄(田中隆三)に事件の資料を見せてもらう。遺体は引きずられた跡があり、別の場所で殺害されてから、わざわざスズメバチの巣があるところへ置かれた可能性に陣川は気付く。
一方、伊丹たちはめぐみに聞き込みをしていた。加藤の家に盗聴器を仕掛けたのがめぐみではないかと、宅配業者が怪しい女性の姿を見かけていたからだった。電話会社に発着信履歴を照会したところ、毎日何度もめぐみは加藤に電話をしていた。
伊丹たちはめぐみが加藤のストーカーではないかと考え、警察に連行しようとする。そこに陣川が割って入り、聞き込みは自分にやらせて欲しいと言ってきた。聞き分けのない陣川に困った伊丹は、亀山に連絡して何とかしてもらうよう頼む。
益子から陣川が鑑識資料を見に来たことを知らされた右京は、さらに興味深い話を聞く。第一発見者がなぜか姿を消してしまったのだという。遺体を見つけたと交番に駆け込んだ直後、姿を消してしまった。伊丹からの連絡で特命係に戻った右京たちは、陣川の管理をちゃんとするよう文句を言われた。
陣川ははいつもなら巻き込もうとするのに、なぜか今回はそうではない。不審に思った右京が話を聞くと、陣川は渋々めぐみの部屋から持って来た折り畳みナイフを見せる。陣川は彼女を自首させようと思っていた。それを聞いた右京は亀山とこてまりで飲んだ時に聞いた話で、スズメバチに擬態しているカミキリムシがいる話を思い出す。
めぐみが加藤のストーカーをしていたのではなく、加藤がめぐみを追い詰めていたのではないかと右京は推理した。
めぐみの受難
陣川がめぐみのいる喫茶店で飲んでいると、めぐみが手に包帯を巻いていることに気付き、どうしたのかと心配して聞く。めぐみは自分で怪我をしたというと、外で見張っていた加藤がめぐみの携帯を鳴らして呼び出す。加藤は店の外でめぐみに男に媚びやがってと文句をいい、手を上げようとした。それを見て陣川が止めに入った。
その後、めぐみから話を聞くと、一日に何度も連絡しないと殴られるのだとめぐみは告白した。陣川は助けてあげようとするが、大事にしないで欲しいとめぐみは言う。加藤に報復されるのを恐れていた。
右京がなぜ加藤の本性が分かったのかと言うと、理由は2つあった。1つは陣川が交際もしていない女性の部屋に上がりこむのは、その女性に何らかの危険が迫っている場合だと思ったからだった。もう1つはめぐみの擬態に気付いたからだった。
右京たちはめぐみの家に行って話をする。ストーカー的気質にはいくつかあり、その1つが拒絶型と言って交際相手から別れを切り出されると、自分の全てを否定されたように感じ報復をしたくなる気質があると右京は言う。
彼は歪んだ自尊心の塊だと言うめぐみは、離れるにはどうしたらいいかと考え擬態と言う方法を思いついた。万引きなどの微罪を繰り返して、周囲にデメリットをもたらす人物を装うことで、愛想を尽かして去ってくれたらいいと思った。盗聴器を仕掛けたのは自分ではないとめぐみは否定した。
陣川がめぐみの家から見つけたナイフには血液反応はなく、凶器ではなかった。いざという時のために、めぐみが護身用に持っていたものだった。そんなめぐみを亀山は、まるでスズメバチの巣の隣で生きてきたようなものだと同情した。
右京たちは第一発見者が通報した交番に行き、その時対応した佐川倫之助(俵木藤汰)という警官に話を聞く。パトロールに行こうとしたらサングラスをかけた女性が来て、公園で人が死んでいると言ってきた。しかし、現場に行って確認しているうちに、彼女は消えていたという。
なぜわざわざこの交番まで足を運んだのか?電話で通報すればいいものを。右京は疑問に思った。加藤に恐怖を与えられていたのは、果たしてめぐみだけだったのか?
事件の真相
右京たちは授賞式会場で英子に会いに来た。めぐみの万引きを目撃したのは偶然ではなく、同じ苦しみを同じ人物に与えられていたからだろうと右京は切り出す。
8年前、学生サークルで知り合った英子と加藤は交際していた。ある日、加藤に首を絞められたのをきっかけに、英子は逃げ出して交番に駆け込む。その時対応したのが、あの佐川だった。加藤はすぐに後を追いかけてきて、その場で土下座し許して欲しいと言い始める。佐川は彼氏もこう言っているのだし、許してあげたらと言って取り合わなかった。
英子は大学を卒業後、会社に就職するがすぐに辞め、アメリカに大学院留学をした。すべて加藤から逃れるためだった。2ヶ月前にひそかに帰国した英子は、すぐに化学メーカーの研究室に職を得た。その直後、アメリカで書いた論文で賞を受賞する。しかし英子は受賞するとまた加藤に居場所を知られるのではないかと恐れた。
亀山の説得もあり英子は真相を語り始める。加藤が以前と変わったかもしれないと期待して、盗聴器を仕掛けて様子をうかがった。だが加藤は相変わらずめぐみを暴力で支配していた。今すぐ逃げるようにと伝えたくて、めぐみに接触をしようとした英子は、スーパーで万引きしているところに遭遇する。
その時、わざと捕まろうとしている理由が英子にはすぐ分かったという。わざと自分の価値を貶めて、あの男を振り払おうとしているのだと。なぜ自分たちがこんな目に遭わなければならないのか、何一つ悪い事はしていないのにと英子は悔しがる。そして公園でスズメバチが飛んでいるのを見た時、駆除するしかないと思った。
あの夜、英子はナイフを持って加藤を刺した。そして引きずってスズメバチの巣があるところに移動した。それは自分の訴えを聞かなかったあの警官、佐川にささやかな復讐をするためだった。
だからわざわざあの交番に行って呼び出し、その後に眠っているだけだと電話をした。いつ危害が加えられるか分からない恐怖を、あの警官に知ってもらいたかったのだと英子は言う。警官は遺体に近付いたかと涙ながらにたずねる英子に亀山は、いいえ近付いたのは俺たちですと言って連行した。
【相棒22】3話の結末
陣川も一緒に歩きながら話をする右京と亀山に、めぐみは店長に事情を話したらまたカフェで働かせてくれると言ってくれたと報告する。めぐみはなぜ最初から加藤の本性を語ってくれなかったのか、右京は疑問に思ってきく。加藤はあの夜、公園に何をしに行ったのか。恐らく毎日の連絡を加藤に強制されていためぐみは、あの時電話で彼に「今すぐ会いたい」と言ったのではないかと右京は考えていた。
めぐみがナイフを持って公園にいると、そこに陣川から電話が入り、あなたのことが心配だと言ってきた。それを聞いためぐみは、大丈夫ですといって電話を切ってナイフをしまった。
するとどこからか加藤の叫び声が聞こえてきた。ふと見ると英子が加藤をナイフで刺し殺していた。2人はお互いに目を合わせ、互いにうなずいた。
もし真実を話す気持ちがあるなら、いつでも我々は待っていると右京が告げる。陣川は「あなたのことをとても強い人だと思っています。だから必ず前に進んでいける」と告げた。めぐみは「陣川さんってほんと、優しくておせっかい」と泣き笑いの表情で答えた。
その後こてまりで陣川は泥酔し、右京と亀山に絡みまくる。本当は告白したかったが、男性に傷つけられ殺人の容疑もかけられた彼女を思うと、告白は中止するしかなかったのだと。酔っ払いながら話す陣川を、右京たちは見守ってあげた。
【相棒22】3話のまとめと感想
DV被害に遭った女性たちが、自由になるために男を殺したという話でした。
殺人の殆どは知り合いや家族が、加害者だったりします。痴情のもつれで亡くなる人も毎年どころか、毎月いるのではないかと思うぐらいニュースでも度々報じられます。
英子は加藤のことを毒虫と言い、刺されないようにするためには駆除するしかないと、殺害を決意しました。めぐみも恐怖の日々を送っていて、殺される前に殺そうと思ったのか、あの夜加藤を公園に呼び出します。ですが、陣川の電話が彼女を犯罪から救います。
本当は陣川のように大切に思ってくれる人と一緒になれば、めぐみも幸せなはずなのに、なぜかモテるのは加藤のような男というよく分からない現実です。さらに別れるのも命がけという、付き合ったら最後、殺すか殺されるかの2択を迫られます。
英子のように海外に逃げる以外、もはや加藤のような男からは逃れられないのでしょう。何も自分たちは悪い事をしていないのにと、英子が悔しがる気持ちも分かります。しかし、殺されるぐらいなら逃げたほうがマシです。
警察があてにならないとかなるとか以前に、加藤が捕まったとしても出所したら最後、そこからは復讐される恐怖に怯えて生きる可能性もでてきます。加藤に出会ったら運の尽き、死ぬまで追い掛け回されると考えると、まるで悪霊のような人物です。
悪魔はいつだって笑顔で近付いてくるので、くれぐれも注意したいものです。