前回から続きの話は今回で完結します。4人を殺害した犯人と思われる人物を追い、右京さんたちはその狙いが洞爺湖にあると知り島から移動します。真犯人は誰か?そしてその目的は?悲しい終わり方をするラストです。
【相棒シーズン18】2話のネタバレ
4人殺害犯
岩田ミナ
動機
裏切り者である甘村井は許さないという理由で殺害し、臆病者である松嶋、播磨、三河は足手まといだという理由で殺害した。
ミナの目的
片山に難民支援ボランティアに金銭的な支援を求める。さらに会議に集まる企業にも援助を呼びかけ、3億円ばかり支援してもらおうと思っていた。
ミナの殺害犯行計画
殺害を父親のせいにするため、館の人間なら自分を洗脳した人間として始末してもおかしくないが、右京に対しては父が殺害する動機がないので殺さずにいた。
一人ずつ素手で首の骨を折って殺し、その後、父親に館から電話をして呼び出す。ミナたちは父親が来る前に館を出て、無理矢理中に入って来た父か、目覚めた右京のどちらが警察に電話しても構わないようにする。
警察が来た後は、女優の禾怜の演技に任せて偽証をする手はずだった。
岩田ミナ殺害犯
岩田純
動機
殺戮兵器と言われていた自分同様、ミナが殺戮をしたことを知り、また、そのように育てた後悔もあって殺害した。
事件解明の流れ
館に戻り部屋を調べたところ『週刊フォトス』が見つかる。しかし、2年前のものでその2冊以外雑誌は見つからない。その号を見ると片山雛子の記事が掲載されていた。この記事に意味があると推理する。
外の小屋に向かうと船からモールス信号のように光が点滅するのが見える。その意味を解読するため、社にロシア語を翻訳してもらう。
「我々の贈り物は気に入ってもらえただろうか。間違いなくあなた方の役に立つ事だろう。恐れるな。強欲な悪魔を退治するためならば、神も許し給もうはずだ。健闘を祈る」という内容だと分かった。
これにより、浜に打ち上げられたアザラシの遺体に、何かしらの物を入れて密輸していたのではないかと推理する。さらにあの小屋は通信基地だったのではと考える。
流れ着いた右京のスマホの指紋を調べたところ、甘村井の指紋が検出される。穏便な裏切り者はミナではなく甘村井だと分かった。
その後、ミナ達が島を出たことを知り、右京たちも彼女たちの狙いである、片山が会議を開く洞爺湖へと向かう。
4人よりも先に到着した右京たちは、片山に狙われていることを伝える。そこに遅れて4人が現れる。
玉手箱と称してロシアから密輸した、デーモン・コアというプルトニウムの塊を片山に手渡し、ミナは交渉をする。しかし、テロには屈しないという片山と交渉は決裂。
箱を置いたまま出て行こうとする4人を、突如現れた岩田が襲ってスイッチを奪う。争うミナと岩田だったが、勝利した岩田がそのままミナを連れて出て行ってしまう。
残った3人に話を聞くと、ミナが4人を殺害したことを自供する。
右京たちは岩田の行方を探してようやく発見するが、既にミナは岩田の腕の中で絶命していたのだった。
【相棒シーズン18】2話のあらすじ
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、連続殺人の容疑が掛かった岩田(船越英一郎)を囮に、事件に関する情報を集めるため“信頼と友好の館”内部を捜索することに。すると、ミナ(北香那)らメンバーの部屋から、片山雛子(木村佳乃)がとある協会の顧問に就任したことを伝える週刊フォトスを見つける。その意味を推理する中、2人は、館のメンバーが利用していた漁師小屋で、海上の船から発せられているモールス信号を目撃。解読の結果、それがロシア語を意味しているのではないかと考えた亘は、社美彌子(仲間由紀恵)に解読を頼むことに。さらに、特命係を追って天礼島に上陸した捜査一課の伊丹(川原和久)と芹沢(山中崇史)が合流。連続殺人の背景が徐々に明らかになっていく中、事態が急変する。ミナを連れ戻すため強引な手段に出ている岩田が、警察に保護されている館のメンバーの前に再び姿を現し…!?
公式HPより引用
事件の背景に見え隠れする巨大権力の影
ロシアから送られたメッセージには危険な秘密が!
極北の地を舞台に、特命係vs最強連続殺人犯の最終決戦が始まる!!
【相棒シーズン18】2話の感想
この脅迫の仕方は効果的なのか?と首を傾げたくなるような脅迫の仕方でした。
なぜなら、自由に動ける状態の片山に“玉手箱”と称してプルトニウムの入った箱を渡すだけです。それを普通に持って話を聞く片山、その箱を冠城に渡して電波妨害装置があるかを確認しに行ったりします。せめて、拘束した片山のそばに箱を置くとかしないと意味がないような気がします。
また、行動を起こした動機もなんだか微妙な感じで、結局金銭目的なのか?というものでした。
舞台上で演劇のようにそれぞれがセリフを言っていく演出についても、緊迫感がなく自分はぼんやりしました。せっかくロープウェイが映ったり、船や湖もあるのだからそれらを生かした演出のほうが楽しめた気がします。
それでも北海道ロケで伊丹刑事や青木なども加わり、捜査をしていく過程は楽しめます。
ラストシーンは切ないです。それ以外の方法がなかったのか、悔やまれる終わり方です。
今回は登場人物について新たに分かったことと、右京さんと冠城の漫才、ドラマ内に出て来た偉人の名言などについてまとめました。
ネタバレ前提となりますので、未視聴の方はご注意ください。
【相棒シーズン18】2話の登場人物
今回新たに分かった詳細について、ドラマ内で説明があったのでまとめました。
岩田ミナ(演:北香那)
- 通称:ミナ
- 運動神経バツグンで体育大学出身
甘村井留加(演:団時朗)
- 難民ボランティア団体の強力なパトロンの一人
- 信頼と友好の館の住人の設立者で代表理事
- 死体は事務机のそばで発見
橘禾怜(演:加弥乃)
- 通称:ハナ
- 無名劇団の看板女優だったが鳴かず飛ばず
成田藤一郎(演:足立理)
- 通称:ダン
- 大学は機械科学科出身の理工系エリート
音羽暁(演:森優作)
- 通称:オット
- かつて引きこもりだったが、ボランティアに目覚めた
三河大悟(演:阿邊龍之介)
- 通称:カンブツ
- 中卒で職を転々していた窃盗の前科者だが更生中だった
- 厨房の冷蔵庫の中に遺体が入っていた
松嶋至(演:海老沢七海)
- 通称:マッチ
- 非正規雇用で、長年社会の辛酸を舐め続けてきた男
- 集会室で死体で発見
播磨長吉(演:本山功康)
- 通称:ハリー
- 自称吟遊詩人のストリートミュージシャン崩れ
- 死体は集会室で発見
この7人が5年前、難民ボランティア団体でギリシャで出会います。そのボランティア団体のパトロンの一人が、甘村井留加でした。その縁で7人はあの館で共同生活をしていたそうです。
この通称が名前から想像つくものから、なぜその名に?というものまであります。何かしらの意味があってついているのか、それとも適当なのかは正直謎です。
それ以外に片山と話していた人物についても分かりました。
桂川宗佐(演:村上新悟)
- 東亜ダイナミクス社長
- 防衛技術振興協会の副会長
今シーズンがこの防衛技術振興協会絡みの話になるのだとしたら、この人物もまた登場するのかもしれません。
右京と冠城の漫才
漫才を始めようと思って始めたわけではないのですが、どうみても漫才のようなやり取りで面白かったのでまとめました。
右京:だから言わんこっちゃない。わざわざ社さんに翻訳を頼んだりするからこのざまです。足がつきました。いやそれにしても…せめて番号非通知でかけるぐらいの、配慮はあると思いましたがねぇ。
冠城:課長が俺らを売るなんて思いませんもん。そんな事より翻訳は、課長に頼んだほうが手っ取り早いでしょ。
右京:多少は時間がかかりますが、僕だって訳せましたよ。
冠城:ちまちま辞書引きながら訳すの待ってろって言うんですか。課長なら一瞬ですよ。
右京:いいじゃありませんか。夜は長いんです。
冠城:仮に訳せたって正確かどうかは疑問ですし、ロシア語は門外漢でしょ?
右京:ご心配なく。こう見えて語学は得意です。得意なものは応用が利くんです。
冠城:一度言おうと思ってましたが、うぬぼれちゃ駄目です。人間、謙虚に生きないと!
右京:君にそんな事を言われる筋合いはありませんね!
冠城:そっちこそ言いがかりはやめてください。
右京:いいですか?僕は謙虚を旨に生きていると言っても過言ではない男ですよ。
冠城:はあ?笑わせないでください。へそが茶を沸かします。
右京:へえ~君は超人ですね。後学のために見せて頂けますか?へそで お茶を沸かすとこ。
冠城:だったら、今すぐやかんを持ってきてください!
右京:ええ、ここで待ってなさいよ!
鯉川:ストップ!もうやめ!あなた方は小学生か。
負けず嫌いな右京さんと、それに対して突っ込む冠城。最後に道警の鯉川が突っ込んで終わるというオチです。
右京さん、感受性が高いと自称したり、謙虚だと自称したりと今回は中々の弾けっぷりです。北海道という地が心を開放的にするのかもしれません。
偉人の名言
固有名詞を引用することが度々ある相棒ですが、今回は偉人の名言をドラマ内に登場させていました。主に2つの名言となります。
アインシュタインの言葉
「第三次世界大戦でどんな武器が使われるのかはわからないけれど、第四次世界大戦で使われる武器は間違いなく石とこん棒だろう」
この言葉は「第二次世界大戦では原子爆弾が兵器として利用されましたが、第三次世界大戦が起こったら、どのような兵器が使われると思いますか?」というインタビューを受けたアインシュタインが「第三次世界大戦についてはわかりませんが、第四次大戦ならわかります。石と棍棒でしょう」と答えたものを元としています。
全面核戦争やその当時未知の兵器を使用された場合、人類の文明が崩壊すると考え、第4次がもし起きたら武器は石や棍棒ぐらいしかないのではという皮肉めいた言葉です。
チャーチルの言葉
「これは必要のない戦争だった。我々がもっと早く戦争の決意さえしていれば、容易に防げた戦争だった」
この言葉はチャーチルが後に回顧録として書いた『第二次世界大戦』という、ノーベル文学賞を受賞した本の序文に書かれているものを元にしています。
『ある日、ルーズベルト大統領は私に対して、こんどの戦争をなんと呼ぶべきかについて、一般の意見を求めていると言った。私は即座に「無益の戦争」と答えた。前大戦の戦禍を免れて、世界に残されていたものを破壊つくした今度の戦争ほど、防止することが容易だった戦争はかつてなかったのだ』
ここでは“無益な戦争”と訳されていますが、ドラマでは“必要のない戦争”と言っています。その理由として、英語の原文だとこうなります。
One day President Roosevelt told me that he was asking publicly for suggestions about what the war should be called. I said at once, “The Unnecessary War.” There never was a war more easy to stop than that which has just wrecked what was left of the world from the previous struggle.
“The Unnecessary War.” なので“必要のない戦争”というわけです。
【相棒シーズン18】2話のロケ地
小川小学校 旧下里分校
右京さんたちがいた学校
公式HP:http://www.town.ogawa.saitama.jp/0000002317.html
久喜総合文化会館
片山雛子が会議をやる場所
公式HP:https://www.kuki-bunka.jp/
【相棒シーズン18】2話のその他気になったこと
- 屁理屈をこねさせたら天下一品な右京さん
- ゴジラをやっつけるために自衛隊に入りたかったミナ
- 館の男子についての印象は“踊りがうまかった”
- 「ぶち殺しに来た」と言って来る伊丹
- 道警鑑識の「暇か」でクシャミして「風邪か」という角田課長
- 約束のブツ第一弾は警視庁グッズ
- 約束のブツ第二弾は警察学校グッズ
- 20km泳いで島から稚内に上陸するヒグマな岩田
- 片山のSNSのアイコンは尼僧の写真
- “強欲バスターズ”と呼ばれるミナたち
- ラスプーチンの遠い親戚の末裔という怪しさ
- 声を合わせて「ただいま戻りました」という右京さんと冠城
【相棒シーズン18】2話のまとめ
前後編の2回に分けて放送された話は、最終的に悲しげな話で終わりました。相棒は時々戦争や政治というものに対して、物申したい犯人が登場し犯罪の動機になったりします。
最終的には何も変わらず右京さんに説教されるのですが、今回は説教というより自分の落ち度に対して悔やむ感じでした。
右京さん行方不明から始まり、このラストという展開。最初と最後にインパクトがあるのに、動機と脅迫の部分はもうちょっと何とかできなかったのかと思います。
ドラマとしてはどこら辺を主張したいのか、色々散りばめられています。平和主義が戦争を起こすということを言いたいのか、自衛隊について何か言いたいのか?それとも、難民支援について考えて欲しいのか?受け取り方が分かれると思います。
次回は通常の放送時間で10月23日21時から放送予定です。