2019年11月24日に放送された【遺留捜査スペシャル1】のネタバレと感想についてまとめました。
今回の遺留品はしじみコロッケでした。同窓会になぜコロッケを持って来たのか?そのコロッケにはある特徴があり、それが何を意味するのか?30年前に起きた事件までさかのぼります。
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月の基本情報
- 放送局:テレビ朝日 日曜21時
- 放送開始日:2019年11月24日(日)21時~23時5分
- 脚本:真部千晶
- 音楽:吉川清之
- 主題歌:小田和正
- ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
- チーフプロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)
- プロデューサー:藤崎絵三(テレビ朝日)、丸山真哉(東映)、大西文二(東映)
- 演出:長谷川康
- 制作:テレビ朝日、東映
- 公式HP
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月あらすじ
京都市内の神社で男性の刺殺体が発見され、臨場した糸村聡(上川隆也)は驚く。殺されていたのは昨夜、同窓会の会場で見かけた男性だったのだ。同窓会といっても糸村自身のものではなく、現在、入院中の強盗傷害事件の被害者の思いを伝えるため、代理として出向いたのだった…。
被害者は身元を示すものは何も所持していなかったが、糸村は遺留品のひとつに興味を抱く。それは、保存容器に入った“コロッケ”――。前夜の同窓会のメニューにはない品で、殺された男はなぜコロッケを持ち歩いていたのか、糸村は不思議に思う。
特別捜査対策室の面々は被害者の身元を突き止めるため、同窓会出席者に聞き込みに行くが、皆、一様に殺された男のことを知らないという。糸村もまた、同窓会メンバーのひとり、旅行会社社長・名波清香(南野陽子)に事情を聴きに行く。彼女は先日、宇宙旅行ツアーの発売を発表し、世間の注目を集めた人物だったが、清香も同様に被害者のことを覚えていないと話す。いったい殺された男は、何者なのか…!?
その矢先、同じ凶器を使った殺人事件が発生。第二の被害者は、なんと清香の会社が主催する宇宙旅行ツアーに申し込んでいた人物だった。一気に疑惑の深まった清香はアリバイを問われ、同窓会の後は同級生の新田千栄子(田中美奈子)の自宅で過ごしたと話す。だが、もうひとりの同級生・八十嶋真理(濱田マリ)によると、2人は最悪の仲だとわかり…!?
やがて、コロッケに使用されていた“ある食材”を手掛かりに、第一の事件の被害者の身元を突き止めた糸村。30年間、隠し続けてきた清香たちの秘密、悲しき連続殺人の真相に迫っていく…!
公式HPより
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月の登場人物とキャスト
- 糸村聡(上川隆也)
- 神崎莉緒(栗山千明)
- 雨宮宏(永井大)
- 滝沢綾子(宮﨑香蓮)
- 岩田信之(梶原善)
- 村木繁(甲本雅裕)
- 佐倉路花(戸田恵子)
ゲスト
- 名波清香(南野陽子)
- 新田千栄子(田中美奈子)
- 八十嶋真理(濱田マリ)
- 八十嶋敏和(橋本さとし)
- 千葉尚也(マギー)
- 青池亮子(中原果南)
- 青池広務(矢柴俊博)
- 福本貞夫(姜暢雄)
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月のネタバレ
青池広務・福本貞夫殺害犯
八十嶋真理
動機
30年前の事件のことを告げる電話に真理は焦る。弁護士の妻というポジションに収まり、やっとクラスの中心にいた彼女たちと渡り合える立場になった、この地位を手放したくなかった。
同窓会の日、青池が床に落とした写真を見て、この人物が電話をかけて来たに違いないと思い殺害。
しかし、また電話がかかってきて、向こうの要求を聞く振りをして待ち合わせる。その場に真理が行き福本を殺害した。
大森春奈殺害犯
八十嶋敏和
動機
修学旅行の時、密かに思いを寄せていた清香の後をつけていた。千栄子と春奈が口論となり、間に入った清香の弾みで春奈は倒れて頭を石に打ちつけてしまう。血を流して意識のない様子に慌てた2人はそのまま逃げてしまう。
清香はずっと自分が春奈を殺害したと思っていたが、春奈の死因は窒息死だった。
その後、つけていた八十嶋が現れ、倒れている春奈に近づき息があるか確かめる。春奈が意識を戻し驚いて叫んだため、焦った八十嶋は口を押さえつけて塞ぐ。そうしている内に窒息してしまい、春奈は死亡した。
真相への道筋
千栄子が旅行代金を踏み倒していることを知った千葉が、千栄子のところに乗り込んで怪我を負わせてしまう。千葉を取調べしている際に、青池が現像した写真を復元したものを見せると、修学旅行の時の写真だと言う。
殺害された福本は30年前に起きた、女子高生殺人事件の第一発見者で目撃者でもあった。しかし、当時の似顔絵から捜査線上に犯人は浮かび上がらず未解決のまま終わる。福本は嘘つき呼ばわりされてイジメにあい、その後、京都の親戚の家に預けられた。その時の被害者、大森春奈が青池の復元した写真に、千栄子と清香と共に写っていた。
清香は千栄子のところにいたというアリバイを証言するが、千栄子の家周辺の防犯カメラを調べたところ姿はなかった。そこで、警察で聴取を受ける。
30年前、千栄子が春奈を呼び出し、断れずに清香も同行した。2人はすぐ口論になり、間に止めに入った時、弾みで春奈が転倒してしまい頭を石にぶつけた。焦った2人はそのまま逃げてしまい、後に彼女が死亡したことを知る。清香はずっと自分が殺してしまったと思っていた。
青池が同窓会の日に来て、写真を見せてきた。その写真を見て亮子は全て知っていて、脅しに来たのではないかと思い、青池との待ち合わせの場所へは行かなかった。
福本の母親の所で入手した、当時の似顔絵を持って帰って来た岩田と雨宮は、卒業アルバムと比較してみる。すると、そっくりな人物がいた。それは、弁護士の八十嶋だった。
八十嶋を呼び出して当時の話をするが、既に時効を迎えていた。記録には残らないからと言って、佐倉が話を聞きだす。
福本が清香の会社の社長室にいた時、八十嶋の家に電話をかけていた発信記録があった。そこで、真理を事情聴取すると青池と福本の殺害を自供した。
3分タイムの内容
青池の店で糸村は清香を連れてコロッケパンを作る。なぜ、あの時、青池はコロッケを持っていたのか。その理由はこのコロッケが清香と亮子の2人の思い出の味だったからだった。
清香はあの事件以来、亮子を遠ざけ口もきかなくなった。亮子に全てを話したい衝動と、殺人犯として逮捕される恐怖との葛藤があった。清香は亮子を遠ざけることで、事件のことをこのまま封印しようと思っていた。
亮子が引っ越してしまった理由は、自分のせいじゃないかと思っていた清香だった。だが、亮子は両親が離婚したため、母方の実家に帰ることになって引っ越したのだった。
亮子と清香が高校生の頃、2人は将来の夢を語る。清香は旅行の仕事をして、自分の輝ける場所を探したいと語る。亮子は宇宙に行きたいと語る。その理由は宇宙なら星みたいに輝ける、亮子はそう語った。
元々学校で売られていたコロッケパンがきっかけで、2人は仲良くなった。その後も、昼休みに2人はコロッケパンをよく食べていたので、思い出の味だったのだ。
離れ離れになった亮子と清香だが、亮子の心にはいつも清香があった。清香が宇宙旅行の企画をしたのを知った亮子は、高校時代のことをもしかして覚えていてくれたのかもと思い喜んだ。そこで、2人の思い出であるコロッケパンを宇宙食で持っていけるように改良を考える。
しかし、亮子は病に冒されて余命宣告をされていた。それでも清香の存在を励みに頑張った亮子、だから亡くなった後に青池がコロッケを持参し、礼を言いに来たのではと、糸村は清香に伝える。
清香は思い出のコロッケパンを半分に割り、片方を亮子の遺影の前に泣きながら供えた。
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月の感想
今回の話は原因になった悪い人は、誰一人捕まりません。遺留捜査に後味の良さを求めてはいませんが、それにしても結構嫌な感じの回でした。
中でも千栄子はかなり酷いです。現時点では何の罪にも問われません。ぜひ清香が代金踏み倒しの件で裁判でも起こして欲しいものです。また、罪を犯していても法には問えない八十嶋も何だかなぁという感じです。社会的制裁は受けるでしょうが、それだけです。
清香も結局、本当に大切な友人である亮子を無視します。亮子はそんな清香のことを離れても大切な友人だと思っていたという、何とも泣かせる展開ではあります。もちろん、今回も小田和正さんの歌が盛り上げて、涙を誘う話になっています。
遺留品であるコロッケが挟まった、思い出のコロッケパンはどういうものだったのか。宇宙旅行はどういうものだったのか。そして、罪に問われない人たちの罪について掘り下げます。
ネタバレの詳細となります。未見の方はご注意ください。
しじみコロッケパンとは?
今回の遺留品であるコロッケ、それは高校時代の思い出の味であるコロッケパンのコロッケだと分かります。どんなパンだったのか?
- 帷子高校の学食で売っていたパン
- 肉の代わりに中にしじみが入っている
- グレープシードオイルと綿実油のブレンドされた油で揚げている
このコロッケの最大の特徴が中にしじみが入っていることです。元々はベイクハウスキタノという、学食に下ろしていた店が作ったものでした。
それを、青池夫婦がカフェを開く時に店で出すため習いに行きます。その後、お互いに店を行き来したりしていたという話です。お店で出していた時は、こんな感じのメニューでした。
当店のオススメ「コロッケパン(コールスロー付き)」¥480
しじみを中に入れたコロッケを当店自慢のパンに挟んだ「アリエスあおいけ」の看板メニュー!
コロッケ本来の味としじみの味が絶妙にマッチした逸品です。
糸村がコロッケを試しに揚げていたのを、みんなに配ったところ美味しいと言っていました。どんな味のものなのか興味があります。調べたところ通販などはやっていないようですが、レシピと販売している店が見つかったのでリンクを貼っておきます。
宇宙旅行について
清香のやっているななみトラベルでは、宇宙旅行の企画をしています。本当に宇宙に行けるのか?番組内ではこんな風に紹介されていました。
お一人あたり3800万円で宇宙へ行ける!
かけがえのない体験を宇宙でしてみませんか?
地球を出発してから帰還するまで、数時間の宇宙旅行になります。事前訓練と健康診断を終えれば、いよいよ出発の日になります。
お客様は宇宙服に着替えて宇宙船「スペースガリレオ」に乗船。
滑走路から離陸し、音速を超えるスピードで宇宙空間を目指します。
エンジンを切った後は、シートベルトを外して無重力空間をお楽しみください。
そして、宇宙空間に浮かぶ我々の美しい地球の姿。
一生の思い出になることは間違いないでしょう。
3800万円で宇宙へ行けるようです。これを高いと思うか安いと思うかは、資産と宇宙への情熱で変わると思います。お金があって宇宙へ絶対行きたい人には安いでしょうし、お金もないし宇宙にそんな興味のない人には高いでしょう。宇宙への情熱が価値を決めます。
ちなみにキャンセル料として、500万取られたと福本は言います。アメリカで聞いたところ本当は100万程度のキャンセル料だったのに、なぜそんなにボッタクったのか?実は会社の経営が自転車操業だったことが分かります。その原因は清香の経営の問題というより、千栄子にありました。
本当の悪人は誰だ?
冒頭でも書いたように今回の話は、悪人は捕まりません。どれだけの悪人なのか、なぜ捕まらないのかについて触れていきます。
新田千栄子の場合
個人的に一番の悪人だと思っています。主にどんなことをしたのか?30年前の高校生時代の話も含めてまとめました。
- 華道の生徒たちとの旅行の代金を清香に支払わない
- 未払い総額は2000万円ぐらいになる
- いい宣伝代金だと言って払うつもりなし
- どうでもいいその他の人は視界にも入らない
- 落ちこぼれが来るような場所ではないと千葉を侮辱
- 高校時代は偉そうで女王様気取りで傲慢
- 元カノの春奈を呼び出して口論からもみ合いの喧嘩
- 嫌いな相手には酷い陰口を言う
- 真理も陰口を言われていた
- 春奈を殺したのは清香であって自分ではない
- 清香の弱みを握っているので当然旅行代金も払う必要はない
学生時代はクラスの中心にいるような人物で、なぜか取り巻きを何人も従えています。その中の一人が清香だったり真理だったりしたわけです。現在は華道の先生で生徒を集めて教えています。
清香の弱みというのは春奈殺害についてです。元々、二人で言い争いになっていたところを、見かねた清香が割って入った弾みで春奈が倒れてしまいます。そこで頭を打ちつけて死亡したと2人は思っていたため、清香が殺人をしたと千栄子も清香自身も思っていました。
スクールカーストの頂点的ポジションだったのか、妙に千栄子は学生時代も偉ぶります。嫌われると意地悪をするというイジメもしてくるようで、真理はその被害にあい清香も怯えて過ごしていたようです。
今回の殺人事件に関しては何もしていません。よって、罪には問われません。罪に問えるとするならば、旅行代金2000万円踏み倒しについてかと思います。殺人をしていなかったと分かった清香が、この後告訴することを期待します。というか千葉、やるならちゃんとやってくれればいいものを。
八十嶋敏和の場合
真理の夫である弁護士の八十嶋がどれだけ悪い男なのか?最後の最後までそれは分かりません。しかし、この人物はとんでもない人物でした。
- 大森春奈を殺害した
- 今さら犯人だと気付かれても痛くも痒くもない
- 時効は成立しているし、関係ないと無視すればいい
- 法律の勉強したのは時効までに捕まらないため
- 時効が成立してからマスコミに積極的に出るようになった
弁護士ですがこの男は殺人犯です。既に時効は成立しているので、罪に問うことは残念ながらできません。しかし、妻の真理が福本から電話があったため、勘違いして青池を殺害。その後に福本も殺害します。
殺人犯の夫の弁護士という烙印は押されるかもしれません。ですが、この男自体は罰せられることはありません。今回、真理が捕まったことで夫の過去の殺人の話をし、それが噂になれば今後弁護士資格の剥脱なども考えられます。
社会的に抹殺されるだけで、この男は服役や被害者に詫びることもなく生き続けるのです。何ともやるせない終わり方でした。
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月のロケ地
今回は滋賀県でのロケがありました。分かったところを記載しています。
滋賀県立国際情報高等学校
帷子高校
カフェレストラン ペコリーノ
アリエスあおいけ
パビリオンコート
同窓会やった会場
京都大学 花山天文台
天文台
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月のその他気になったこと
- 遺留品を食べようとする村木
- 学年全員の名前は大体分かるらしい岩田
- 花を活ける糸村は筋がいいらしい
- 千栄子に「何様だよ」とボヤく神崎
- 村木の名前が思い出せない糸村
- 友達は星だけな福本
- 村木の糸村化が止まらない
- 揚げたコロッケを滋賀まで持っていく糸村
- 油がちゃんとスポンサーの油
- スペースガリレオの模型にスポットライトが当たる
- よっちゃん、さっちゃん、みっちゃん、知るわけねーじゃんと言う村木
- 村木の辞書に「できない」なんて文字はない
- 真理の動機に呆れる神崎
- 木の影に八十嶋
- 清香の千切りが危なっかしい
- 村木特製スペシャルコロッケパンの中身はふな寿し
- 食べた糸村の感想は無し
【遺留捜査スペシャル1】2019秋11月のまとめ
今回の話は悪い人が捕まらない嫌な回でした。こういう人を裁く罪というのはないので、法的には何も問えないというのが一番の無念です。そして犠牲になるのはいつも、普通に生きてきた人たちです。現実世界ではこんなことはよくあるので、せめてドラマ内では裁かれて欲しいと思いますが【遺留捜査】はそういうドラマではありません。
遺留品の意味を探りその裏側にあった事実を掘り下げるドラマなため、実は勘違いだったなんてことがよくあります。あの時、どうしてそうしなかったのか、後悔と無念を改めてほじくり返したりします。今回で言えば、清香は亮子をどうしてあの時突き放してしまったのか、そんな後悔が蘇ってきたでしょう。
そこを毎回小田和正さんのあの歌声が入って来て涙を誘います。今回も憎らしいほどのタイミングで曲がかかり、亮子の無念さを思うと涙を流したくなってしまう演出となっていました。
12月1日にもまた遺留捜査スペシャルが放送されます。村木が撃たれてしまうようです。