2019年10月6日から始まった【令和元年版 牡丹燈篭】は、登場人物それぞれの出会いと恋の話がメインでした。基本的に人間関係の話となるため、怪談ならではの怖いシーンは今回はありません。しかし、その人間関係が複雑に入り組んできます。
【令和元年版 怪談牡丹燈籠】1話のあらすじ
「牡丹燈籠」は単なる怪談ではなく、男女の愛欲とカネ、陰謀、あだ討ちが描かれる壮大な物語。今日はその第一夜。寛保三年、旗本の青年・飯島平太郎(高嶋政宏)は酔った浪人に絡まれ斬り殺してしまう。全てはこの事件が発端となる。やがて家督を継いだ彼には、お露(上白石萌音)という娘ができたが、妻は病死。女中だったお国(尾野真千子)が家内を取り仕切り権力を握っていく。お露は浪人新三郎(中村七之助)と出会い恋に…
公式HPより引用
【令和元年版 怪談牡丹燈籠】1話のネタバレ
- 1743年寛保3年、刀を見に来た飯島はそこで浪人、黒川孝蔵に絡まれる。相手をしないつもりだったが、腕を試してみたい欲求に負けて真剣で黒川を斬り殺してしまう
- 時は流れて20年後、平左衛門は書院番組頭になっていた。妻のりつは病にふせ、娘のお露と侍女のお米がりつの面倒を看ていた
- 同じく侍女のお国も妻りつの世話係ではあったものの、お露とお米はお国のことを嫌っていた
- 年頃の娘であるお露に縁談の話を平左衛門はするが、お露は学のない男には興味がなく縁談を断るばかりだった
- 飯島家に仕える家臣が年老いた者が多かったため、平左衛門は若い侍を1人召抱えたいので探して欲しいと、家臣の沢村に申し付ける
- やがてりつは亡くなり、医者の山本志丈が看取った。それを縁にか山本は飯島家のかかりつけの医者となる
- 萩原新三郎のところへ行った山本は、その話をしながら欲しがっていた書物を渡す。新三郎は親が残した土地と店子の家賃で悠々自適な生活をしていた
- りつが亡くなって49日も過ぎた頃、お国に平左衛門は自分のことはいいからどこかに嫁いだらいいという。しかし、お国は飯島家に仕えていたいといい、そのまま家に残ることになった
- 頼んでいた若侍が見つかり平左衛門と顔を合わせる。その者はかつて平左衛門が斬り殺した黒川孝蔵の息子で黒川孝助という者だった
- 孝助は父が殺害されたことは知っているが、詳細は知らなかった。厳しい環境に身を置きたいと欲し、江戸一番の剣客である平左衛門の所に来たという
- 平左衛門は孝助が仇討ちに来たわけではないと知り、その志の高さにか雇用することを決める
- お国は酌をしに平左衛門の部屋に行き、りつが亡き今、自分が支えたいといってそのまま2人は関係を結ぶ
- お米とお露にもその関係は知れ、元々嫌いだったお国が側室のような形になることに不満を抱く
- 偶然見かけた新三郎にお国は一目惚れし、じっと離れた場所にいる新三郎を見つめる
- 飯島家の敷地内に入ってきた人物に孝助は警戒する。だが、その人物は隣に住む親戚の宮辺進之丞だった
- 平左衛門と進之丞は将棋を指しながら話をする。お国とお露が仲があまりよくないことを知り、今後どうするのかをたずねる。すると平左衛門は婿を取ったらお国を連れて家を出て隠居するといった
- お国は正式に側室にはなっておらず、側女の状態だった。それなのに妻のような態度のお国に、お露もお米も孝助も納得がいかず態度は冷ややかだった
- そこでお国は柳島にある別邸にお露たちを追いやろうと画策する。平左衛門に提案したところ、孝助はそこにはやらないという。しかし、お露に話してみるとお国のいる家にいたくないため、お米と一緒に嬉々として家を出て行く
- 平左衛門と孝助が家に戻る途中、声を掛けてきたのは父が組頭だったときの配下にいた、相川新五兵衛だった
- 平左衛門たちは相川の家へ行き、孝助は食事を台所のほうでする。そこに相川の娘お徳がやってきて、食事をする姿を楽しげに見つめる
- 山本は新三郎を連れてお露のいる柳島の別宅へ向かう。お露も新三郎も互いの顔を見るなり心奪われてしまう
- 宮辺家の次男である源次郎が江戸に戻り、飯島の家に来た時に会ったお国に興味を抱く
- 孝助の下緒が新しくなっていた理由を聞かれ、お徳がくれたと孝助は語る。お徳は縁談の話を断り、孝助の妻になりたいと新五兵衛に告げる
- 平左衛門が泊まりで家を空けている時にお国の部屋に源次郎は忍び込み、そのまま2人は関係を結ぶ
- 新三郎に会えずに苦しむお露は、山本に恋文を託し届けてもらう。それを見た新三郎も山本に文を託そうとするが、山本は身分が違いすぎるといって関わり合いになるのを避ける
【令和元年版 怪談牡丹燈籠】1話の感想
登場人物の関係が複雑なため、誰が誰の家の人物でどういった関係なのかを知る必要があります。また、男と女がいればそこに愛情が芽生えるため、誰と誰が恋仲なのかも分かっていないと混乱します。
尾野さん演じるお国が結構したたかな女で、男を虜にして権力を持とうとします。当然そんな女なので他の女性からは嫌がられていますし、マウント取ろうとするものだから新参の孝助にも嫌がられます。そんな女性を艶っぽく演じる尾野さんの演技が、このドラマの見どころでもあります。
怪談っぽい怖さは今回の話はないのですが、冒頭の平左衛門が黒川の父を斬るシーンは一昔前の時代劇並みに血が凄い出ます。返り血を浴びたまま市中を歩く飯島の異常な姿は、ある意味怖いです。
今回は登場人物の関係性と、それぞれの恋についてまとめます。
ネタバレ前提となりますので、未視聴の方はご注意ください。
登場人物の関係性
それぞれの登場人物がそれぞれに関わってくるため、その関係性についてまとめました。
お国
- 飯島家の妻りつに元々仕えていた
- りつの死後、夫の平左衛門と関係を結ぶ
- 源次郎といい仲になる
- お露、お米、孝助には嫌われている
宮辺源次郎
- 宮辺家の次男で好き勝手に生きてる
- 平左衛門とは親戚関係
- 平左衛門がいない夜、お国の部屋に忍び込み関係を持つ
- お露には嫌われている
飯島平左衛門
- 孝助の父を殺害している
- りつの死後、お国と関係を結ぶ
- 宮辺家とは親戚関係
お露
- 飯島平左衛門の娘
- お国のことが嫌い
- 源次郎と結婚は勘弁
- 新三郎のことが好きでたまらない
黒川孝助
- 平左衛門が仇とは知らない
- 平左衛門の家の家臣になる
- お国を怪しんでいる
- 相川新五兵衛の娘お徳といい仲
萩原新三郎
- 親の残した遺産で悠々自適な生活している浪人
- 飯島家に出入りする医者の山本と友人
- 女よりも書物に興味があった
- お露に一目惚れしてしまう
それぞれの恋の始まり
男と女、二人いればそこに自然と恋が芽生えます。今回恋が始まった人たちについて、出会いや感情について詳細をまとめました。
お国と平左衛門
お国の一方的なアプローチで始まります。
お国は飯島家の後添えになって、金と権力を握りたいようです。
しかし、平左衛門がお露に婿をとらせたら、お国を連れて家を出て行って隠居すると宮辺に話します。
お国は隠居の妾は真っ平ごめんだと言い、現役であることを願いお露たちを家から別邸に追いやります。
お国と源次郎
江戸に戻って来た源次郎がお国に興味を抱きます。
平左衛門が泊まりで不在の日、お国の部屋に忍び込みます。
お国は純粋に自分に興味を持った源次郎に心奪われます。
そして2人はその場で関係を結びます。
お露と新三郎
新三郎の友人である医師の山本に連れられ、お露のいる柳島の別邸に行きます。
そこでお互いに一目惚れします。
お露は新三郎に会いたくてたまらず、食事も喉を通らない状態です。
新三郎もお露に会いたく恋文を山本に託そうとします。
しかし、山本はお露と新三郎では身分が違い過ぎるといって取り合いません。
お徳と孝助
相川新五兵衛の家へ行った時、娘のお徳と会います。
お徳は孝助に興味を持ったようで、下緒を結んであげます。
縁談を断るお徳が父に「孝助の妻になりたい」と言います。
お国は二股状態で、その他の人たちは相思相愛です。
中でもお露と新三郎は恋に焦がれて日常生活に支障を来たす状態です。
お徳と孝助はお徳は結婚したいと父親に言いますが、孝助がそこまでの気持ちなのかはまだ分かりません。
お国はどちらかに決めるのか?それとものらりくらりと二股関係を続けるのか?
今後、このカップルたちがどのような騒動を巻き起こしていくのかに注目です。
【令和元年版 怪談牡丹燈籠】1話のその他気になったこと
- ホラー映画並みに血しぶきが出る
- 山本は年増好き
- お盆を蹴飛ばすぐらいの勢いで抱き合うお国
- 不審者に間違われ「隣の親父だよ」という宮辺
- 側室と側女は違うといって、マウント取るお国をディスる孝助
- じーっと見られながら食事を食べる孝助
- そこらじゅうの代官所をたらいまわしになる源次郎
- 「吉原に行く金は貸さない」と言われる源次郎
- 孝助に「爪を切ったら捨てずにくれ。煎じて飲む」という源次郎
- お露に会えず道端の観音像に抱きつく新三郎
- 「会いたい」を連呼しながら手ぬぐいを引き裂くお露
【令和元年版 怪談牡丹燈籠】1話のまとめ
それぞれの恋が始まる回でした。お国は策略があって平左衛門に取り入りますが、源次郎の純粋に自分を欲する思いに心奪われます。
一方、孝助とお徳の関係は見ていて清々しいものです。
お露と新三郎の関係は会えない辛さに狂いそうな勢いです。
そもそも山本が引き合わせたのに、その後になって不釣合いだとか酷い話です。最初から二人を会わせなければ、こんなことにはならなかったはずです。無責任な山本です。
次回はいよいよ一般的に知られている、あの牡丹燈籠の話となります。怪談っぽい怖さがある回だと思われるので、怖いのが苦手な人は注意してください。