冤罪はこうして生まれる|『シリウスの反証』が描いた指紋鑑定の盲点

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『シリウスの反証』第2話は、冤罪事件の「犯人探し」ではなく、なぜ冤罪が成立してしまったのかという構造に踏み込んだ回でした。

その中心に据えられたのが、一見すると絶対的な証拠に思える――指紋鑑定です。

本記事では、第2話で描かれた指紋鑑定の内容を整理しながら、科学捜査がなぜ冤罪を生みうるのか、その盲点を解説します。

※本作『シリウスの反証』はWOWOWで放送・配信中。
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結論3行|指紋鑑定と冤罪(要点)

  • 『シリウスの反証』第2話は、冤罪の原因が「捏造」ではなく指紋鑑定に潜む人為的バイアスである可能性を描いた
  • 指紋鑑定は科学捜査でありながら、最終判断は人の目に委ねられている
  • 善意と経験の積み重ねが、結果として無実の人間を犯人にしてしまう構造が示された
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『シリウスの反証』第2話で描かれた指紋鑑定とは

宮原有罪の決め手となった証拠は、凶器に付着していた指紋だった。
しかしその指紋は、完全な形ではなく片鱗指紋である。

片鱗指紋とは、指紋の一部しか残っていない、不完全な指紋のことだ。

ドラマ内でも説明されていた通り、

  • コンピュータは「似ている可能性のある指紋」を抽出するだけ
  • 最終的な一致・不一致の判断は鑑定官の目に委ねられる

つまり、指紋鑑定は科学だけで完結する作業ではない

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なぜ「鑑定ミス」は起こりうるのか

第2話で重要なのは、鑑定官・志村が相違点を見つけていたという事実である。

それにもかかわらず、

  • 他の2人の鑑定官は一致と判断
  • 主席鑑定官は「宮原は逮捕歴のある人物」と知っていた
  • 志村は自分の判断を訂正してしまった

ここで描かれているのは、単なる技術不足ではない。

鑑定官にかかる3つの圧力

  1. 事前情報によるバイアス
    「犯人らしい人物」だと知った状態で鑑定する危険性
  2. 経験者の判断への同調
    自分より熟練した人物の結論を疑いにくい心理
  3. 間違えてはいけないという無言の圧力
    科学捜査の現場ほど「誤り」が許されない空気がある

志村が訂正できなかったのは、無能だったからではない。

人間として、ごく自然な判断をしてしまった結果なのである。

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科学捜査=絶対ではない理由

『シリウスの反証』は、指紋鑑定そのものを否定してはいない。

むしろ、

  • 指紋鑑定は非常に精緻な技術である
  • それでも「人」が介在する以上、誤りは起こりうる

という、冷静な立場を取っている。

問題は、科学的証拠が「絶対」だと信じられてしまうことだ。

一度「指紋が一致した」という結論が出れば、

  • 捜査はその前提で進み
  • 裁判もその前提で組み立てられ
  • 異論は「無理な主張」として排除されやすくなる

こうして、冤罪は固定化されていく。

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なぜ第2話でこのテーマが描かれたのか

物語として重要なのは、第2話がまだ「真犯人探し」に入っていない点である。

この段階で描かれたのは、

  • 誰が犯人か
    ではなく
  • なぜ宮原が犯人にされたのか

という問いだった。

これは視聴者の視点を、

「犯人は誰だ?」

から

「正義は、どのように形作られたのか?」

へと切り替える装置になっている。

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『シリウスの反証』が突きつける問い

第2話、そして指紋鑑定の描写が投げかける問いは重い。

  • 証拠とは、本当に客観的なものなのか
  • 正しさは、誰の判断で決められているのか
  • 間違いを認めることは、罪なのか

冤罪は、一人の悪人が生み出すものではない。

善意、経験、責任感――

それらが積み重なった先で、取り返しのつかない結果が生まれることもある。

『シリウスの反証』第2話は、その現実を、静かだが確実に描き出した。

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