2025年7月18日からテレビ朝日系で放送開始した、【しあわせな結婚】1話のネタバレと感想をまとめています。
独身主義を貫いてきた弁護士の原田幸太郎は、病院で知り合ったネルラを電撃結婚をする。幸せを満喫している幸太郎だが、ネルラにはある秘密があると聞かされ……。
【しあわせな結婚】1話のあらすじ
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— 「しあわせな結婚」2025年7月17日スタート!木曜よる9時【テレビ朝日公式】 (@wasekon_tvasahi) July 17, 2025
この結婚生活、なんか変?
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冤罪事件で無罪を勝ち取って以来、テレビにも出演するようになった弁護士の原田幸太郎(阿部サダヲ)は、忙しくほぼタレントのような日々を送っていた。
ある日、出演する討論番組の休憩中に突然倒れ、病院に搬送される。一命は取りとめたものの、家族もなく孤独な幸太郎は急に寂しさを感じる。そして偶然病院のエレベーターに乗り合わせた女性・鈴木ネルラ(松たか子)に声をかける。ネルラもなぜか持っていた袋を幸太郎に渡して去っていった。
それ以来、ネルラのことが気になって仕方がない幸太郎は、彼女に直接メッセージを送るが、返信はなかった。退院の日、ダメ元でメッセージを送ると、ネルラが病院の前で待っていた。彼女はいきなり「うちに行きませんか?」と自宅に誘う。
驚きながらもネルラに運命を感じた幸太郎は、50歳にして電撃結婚をする。各階に彼女の親族が住むマンションに移り住み、奇妙な新婚生活が始まる。
だが、彼女の秘密を思わぬところから知らされ、幸太郎は戸惑い始め……。
2話→
【しあわせな結婚】1話のネタバレ
ネルラは15年前、婚約相手の布勢夕人という画家の遺体第一発見者だった。事件当時は事故死として扱われたが、司法解剖の結果、転落死ではつかない傷が頭部にあった。それでもネルラは殺害を否定した。
15年後、捜査一課の刑事・黒川が再捜査をすることにしたと、ネルラの伝えにいく。彼はネルラが犯人だと疑っていた。
黒川から事件の話を聞かされた幸太郎は、驚くと同時になぜネルラは教えててくれなかったのかと疑念を抱いた。
出会いは突然に
原田幸太郎(阿部サダヲ)はニュース番組のコメンテーターやクイズ番組、討論番組に次々と出演し、街を歩けば声をかけられるほど多忙な日々を送っていた。ある討論番組の収録中、休憩時間に突然倒れた。脚の血栓が肺へ飛んだ肺塞栓だった。蹴られた覚えはないかと問われたが、原田は嘘をついて否定した。
交際相手の内藤つばさ(小雪)から結婚を迫られ、のらりくらりとかわしていたところ、彼女は苛立ちのあまり幸太郎の脚を蹴りつけて去っていた。幸太郎は病院のベッドの上で、あの一蹴が自分を死の淵へ追いやったのではないかと考え込んだ。
病室では他の患者を見舞う、家族の声が時折届く。スマートフォンを開けば、上辺だけの言葉が並ぶばかりで、本気で案じる者はいない。「家族に囲まれても、死ぬときは結局ひとりだ」と強がるが、胸に広がる孤独と不安に思わず涙が滲んだ。
看護師に促されてリハビリがてら歩き、エレベーターに乗り込むと、先に女性が乗っていた。話しかけても彼女は答えず、振り返ってじっと原田を見つめた。到着階で扉が開くと、彼女は持っていた袋を差し出し、「どうぞ、あげます」とだけ告げて立ち去った。
恋の予感
幸太郎は病室で袋を開け、中に彼女の名刺と現金の入った封筒を見つけた。困惑したまま鈴木ネルラ(松たか子)に連絡し、返却の意思を伝えると、彼女は送らなくてよいと言い、彼の病室番号を尋ねた。番号を告げるとすぐにネルラが現れ、彼女は原田をよく知っている様子だった。父親が先週退院した際の謝礼として医師に渡すつもりだった金だと説明し、礼を述べて部屋を後にした。
その日の夜、幸太郎は「今日はあなたに会えてよい日だった」とメッセージを送ったが既読のまま返信はなかった。
以後、彼はネルラが再び現れることを密かに期待したが、訪れるのは別の人ばかりだった。退院前日に「明日退院する」と知らせても返事はなく、肩を落としつつ病院を出ると、玄関にネルラが立っていた。幸太郎が再会を願っていたことを伝えると、彼女は「迎えに来た」と答え、さらに「うちに来ませんか」と誘った。唐突な申し出に戸惑いながらも、幸太郎は彼女の家へ向かうことを決めた。
そして結婚
やがてネルラと幸太郎は結婚した。奇妙な名前のとおり、ネルラは寝相も独特で、朝になると歩き方がぎこちない。股関節の具合が悪いらしく、彼女はベルリオーネという画家が描いた『股関節の女』を引き合いに出し、「donna alla moda」という響きの美しさと、その絵が絵画におけるフェミニズムの原点であると語った。
夕飯に食べたいものを尋ねられた幸太郎はビーフシチューを希望するが、ネルラは「きょうは皆で食事をする日」と答えた。結婚生活は面倒に感じることも多いが、幸太郎は「それでもいい」と喜びをかみしめた。
学校ではネルラの結婚が話題となり、生徒たちは夫との出会いについてからかい半分に質問を浴びせたが、彼女は一切応じず淡々と授業を進めた。
一方、幸太郎は上条事件についてテレビでコメントし、収録を無事終えた。番組後、倉澤ちか(堀内敬子)が現れ、祝いの品は何がよいかと尋ねる。倉澤は「あなたを変えた人はどんな人なの」と問いかけるが、幸太郎ははぐらかし、空気清浄機を所望した。倉澤は了承しつつ、「まったく、どうして私じゃなかったのかしら」と独りごちた。
奇妙な家族
幸太郎はネルラの父が所有するマンションに、彼女の家族とともに暮らすことになった。1階は弟のレオ(板垣李光人)、2階がネルラと幸太郎、3階に叔父の考(岡部たかし)、4階に父の寛(段田安則)が住む。週に一度は全員で食事を囲む習わしだ。
初めての家族食に参加する日、食卓に着く前に鈴を鳴らし、仏壇に手を合わせた。声をかけてもネルラは反応せず、場がもたないのでレオに話題を振った。ワインを掲げた寛が「ネルラをよろしく」と乾杯の合図を出し、食事が始まる。料理は幸太郎が希望したビーフシチューだった。
考は姉であるネルラの母が死んでから、料理も裁縫も覚えたと話す。やがてその影響でレオが裁縫にのめり込み、小学一年で自分の服を縫っていたという。芸能事務所にスカウトされた際も「おたくのアイドルの衣装はだめだ!僕に任せろ!」と豪語して採用を勝ち取ったらしい。レオは「僕のお母さんは考ちゃんだから」と屈託なく言う。
学費が無駄だから大学をやめろと寛が言い、学費は自分で払っているから問題ないとレオが返す。レオは東大を休学中で、その話題から食卓の空気がやや重くなる。
そこでビーフシチューに蓮根が入っているのを見つけた幸太郎は意識的に話題を変えた。ネルラの好物が蓮根で、シチューだけでなくカレーやハンバーグにも入れるという。
蓮根が好きなのかと幸太郎が尋ねると、ネルラは「幸太郎さんも好きよ」と答えた。家族の手が一斉に止まり、視線が集まる。ネルラは少し照れながら、「蓮根より好き」と付け加え、静かなざわめきのなかでスプーンを口に運んだ。
名前の由来
食事を終えると叔父の考が仕事へ向かった。副総理にレッスンを行う予定らしい。リビングには幸太郎と父の寛だけが残り、棚の宮沢賢治全集が目に留まった。それは亡くなった妻の蔵書で、ネルラの名は『銀河鉄道の夜』のカンパネルラから、レオの名は画家レオ・レオニからとったと寛は語る。
母の顔を知らないレオのために絵本を置いているものの、本人はほとんど手を伸ばさないという。幸太郎はその宮沢賢治全集を借りることにした。妻は宮沢賢治とレオ・レオニを「ユーモアと正義の神様」と呼んでいたそうだ。寛は「今度相談に乗ってほしい」と言いながら、弁護士が嫌いだとも漏らした。話を終え、幸太郎たちはエレベーターで下階へ降りた。
思い出のクロワッサン
退院したその日、初めて新居に足を踏み入れた。まもなく叔父が焼いたというクロワッサンを手にネルラが現れる。幸太郎は一つちぎって口に運び、素直に美味いと漏らした。ネルラも続けざまに丸ごとかぶりつき、砕けた屑を気にも留めず夢中で食べ進める。口元に残った破片に気づいた幸太郎が「付いてる」と指摘すると、ネルラは慌てて指で払おうとしたが取れない。幸太郎がそっと拭い取ると、ネルラは嬉しそうに微笑んだ。
ネルラはクロワッサンを初めて家で食べたとき、本当は幸太郎に抱きつきたかったと打ち明ける。病院の前からずっと抱え込んでいた衝動で、自分は意外と激しい性格だと笑った。そして「シャバシャバのビーフシチューってどんなの?」と尋ねる。幸太郎が事務所近くの定食屋にあるから今度一緒に行こうと約束すると、ネルラは甘えるように身体を寄せ、幸太郎は戸惑いながらもそっと抱き寄せた。
妻の密会
事務所に行くと今泉憲資(金田哲)から「結婚式はしないのか」と問われたが、幸太郎は式を挙げるつもりはないと答えつつ、妻との新婚生活を得意げに語った。
学校が終わり幸太郎にメッセージを送ろうとすると、非通知の着信がありネルラはそれを取った。一方、幸太郎はずっと定食屋で待っていた。メッセージにも応答がなく、電話は留守番に切り替わった。幸太郎は事務所に連絡し、臼井義男(小松和重)に頼んで警察へ身元不明の40代女性の交通事故情報を照会させたが該当なし。学校に足を運んでもネルラの姿はなく、街を探し回るうちに黒塗りの車の中で男と並ぶ彼女を見つける。ネルラが首を横に振っている様子が見え、車はやがて走り去った。
帰宅するとネルラが戻っており、幸太郎は「一時間待っていた」と告げた。ネルラは謝ったが、事情を尋ねても口を閉ざし、「今は言えない」とだけ答えた。夜更け、ネルラはベッドを抜け出して窓外を凝視し、幸太郎は気づきながらも眠ったふりを続けた。
謎の男と接触
翌朝、事務所へ電話が入った。磯村大臣の放蕩息子・磯村正(戸塚純貴)が昨夜、泥酔した裸のまま六本木通りを疾走し、制止した警官に暴行して公務執行妨害と公然わいせつで逮捕されたという。まもなく釈放されるので迎えに来てほしい、との依頼だった。
幸太郎は警察署へ向かい、取材陣に対しては一切反応せず無視するよう正に指示した。謝罪の一瞬を撮られれば、記事が拡散して火が大きくなるだけだと判断したからだ。署の出口で報道陣に取り囲まれる磯村を庇って立つと、人垣の向こうに昨夜ネルラと車に乗っていた男の姿を見つけた。幸太郎は足を止めて男を追おうとする。
その隙に磯村は路上で突然土下座を始めた。幸太郎は慌てて引き起こし、臼井とともに車へ押し込み、すぐさま男の後を追った。
男は地下鉄の階段を降りていく。視界から消えたかと思った瞬間、背後から声がかかった。幸太郎は「ネルラの夫だ」と名乗り、昨夜なぜ彼女と会っていたのかを問い質した。男は立ち止まり「理由を話す」と応じた。
【しあわせな結婚】1話の結末
幸太郎は家に帰り、静かに思案した。男は警視庁捜査一課の刑事・黒川竜司(杉野遥亮)だと名乗り、原田ネルラに関する15年前の事件が再捜査になったと告げた。
2010年8月13日、港区の倉庫で布勢夕人(玉置玲央)が死んでいるのが見つかり、第一発見者は婚約者の鈴木ネルラだった。
当初は階段からの転落事故と判断されたが、司法解剖で頭部に不可解な二つの傷が見つかった。それは転落ではなく鈍器で殴られたような痕だった。ネルラは何度事情を聞かれても無実を主張し、犯人は特定できず事故扱いのまま終結した。
再捜査を求めたのは黒川で、いまもネルラを疑っているという。「15年前のことを知らずに結婚したのか」と刑事に問われ、幸太郎はうなずいた。「なぜ奥さんはあなたに話さなかったのだろう」と返され、言葉が出なかった。
警視庁では再捜査の方針をめぐり刑事たちが応酬していた。鈴木ネルラが何らかの形で事件に関わったことは疑いようがない、と黒川は断言する。しかし再捜査の根拠が乏しいと反発する者も多く、黒川は「嫌なら降りろ」と突き放した。15年間この事件が頭を離れず、裁きを受けるべき人間が必ずいる、と黒川は言い切った。
夜更け、幸太郎は寝顔のネルラを見守った。彼女は浅い眠りの中でうなされ、「sono innocente」とか細くつぶやく。言葉の意味に胸騒ぎを覚えながら、幸太郎はただその様子を見つめた。
背中合わせに眠りながら、幸太郎は黙して考え込んだ。
2話→
【しあわせな結婚】1話の謎
いわゆる考察系のドラマになると思います。今回気になったことは5つです。
- 『股関節の女』
- 2つの戒名
- 名前の由来
- ネルラの寝言
- 主題歌の謎
これらにについて分かったことや、考察を記しています。
謎①『股関節の女』
ネルラはベルリオーネという画家が描いた『股関節の女』という絵が好きだと語ります。しかし、調べたところ見つからなかったので、創作の可能性が高いです。
その時ネルラが言っていた「donna alla moda(ドンナ アラ モーダ)」は直訳すると「流行の女」となり、意味としては “おしゃれな女性”“ファッショナブルな女性”ということになります。
謎②2つの戒名
寛の部屋にある仏壇に位牌が2つあります。1つは平成11年7月7日に亡くなった女性のもので「慈照院妙優日華信女」という戒名が書かれています。もう1つは平成12年の7月20日に亡くなった男性のもので「法空日五信士」とあります。
女性のものはネルラとレオの母なのかと思わせますが、実際どうなのか?平成11年は西暦1999年となり、仮にレオを産んですぐ亡くなったとしても、彼は今26歳になります。大学を長らく休学しているのか、留年か浪人したのか、院生なのか謎です。
もっと気になる問題はもう1つの位牌です。こちらはなぜか院号がありません。なぜこっちには院号をつけなかったのか?そして誰の位牌なのか?気になりました。
謎③名前の由来
ネルラの名前は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に登場するカンパネルラからつけられたと言います。
カンパネルラはもう1人の登場人物である、ジョバンニの友人として登場します。2人は一緒に銀河鉄道の旅をしますが、現実世界でカンパネルラは悲しい最後を迎えます。ネルラの未来を暗示しているのか?不吉です。
一方、レオは画家のレオ・レオニからつけました。レオ・レオニといえば『スイミー』が有名です。レオは母のことは知らず叔父が母代わりだったと言います。絵本を母親の代わりに置いていたが、読もうとしなかったともいいます。
レオは実母に対して感情がないのか、それとも嫌悪しているのか、ネルラとは違う母親なのか?不思議な感じがしたので気になりました。
謎④ネルラの寝言
ネルラが夜、うなされているような状況で、「sono innocente(ソノ イノチェンテ)」とつぶやきます。和訳すると「私は無実」という意味になります。
まるで15年前にあった事件についていっているような、そんな寝言です。寝言など無意識なものがイタリア語なのは、ネルラの母国語は日本語ではないのか?と思わせますが、特に意味はないかもしれません。
謎⑤主題歌
なぜ主題歌がOasisの『Don’t Look Back In Anger』なのか?当然何かしらの理由があると考えたくなります。そこで歌詞を和訳してみると、この歌にのサビでサリーという女性が出てくる部分があります。
And so Sally can wait
She knows its too late as we’re walking on by
Her soul slides away
“But don’t look back in anger” I heard you say
サリーは待っていてくれる
隣を歩くのは もう手遅れだと知りながら
彼女の気持ちが離れていく
だけど「悪い思い出にしないで」と 君の声が聞こえた
別れた相手への未練を残しながら、過去にこだわらずに前に進むといった感じの歌です。タイトルを直訳すると「怒りで振り返るな」となるのですが、曲の全体を通して考えると「過去に囚われずに、前に進もう」という感じになると思います。
果たしてこの歌は幸太郎とネルラのことを歌っているのか?
【しあわせな結婚】1話のまとめと感想
結婚相手は過去に婚約者殺害の嫌疑がかかっていた女性だったという話でした。
この二人が夫婦役ときいたとき、思い出したのは『スイッチ』というドラマでした。しかし脚本家は大石さんであって、坂元さんではなかったのでどういうことなのかと思っていたら、後日、幸太郎の設定を参考にしたということが分かって腑に落ちました。
初回なので謎だらけです。ネルラは大人の女性なのですが、幼さが残る愛くるしい女性に見えます。クロワッサンの食べ方や、蓮根よりも好きだと言ってみたり、会った時からすぐ抱きつきたかったと告白したり、甘え方も猫のようだったり。とにかく幼さが純粋さに繋がって無条件で受け入れたくなる、儚さや危うさがある女性です。
また家族も奇妙な家族で、本当にみんな血縁関係なのかと疑いたくなる不気味さがあります。刑事の黒川はなぜネルラにこだわるのか、その理由も後に分かる気がします。
仮に裁判になったら幸太郎は、ネルラの弁護を引き受けるのか?それともどこかに真実があるのか?今後の展開が楽しみなドラマです。
2話→