WOWOWのオリジナルドラマ【災】の最終回のネタバレと感想をまとめています。
体型を指摘する夫の一言に腹が立った妻は、友人に勧められてアクアビクスに通い始める。やがて友人から紹介された人物はあの男だった。彼のことが気になり始める妻、あの男はそんな彼女に“災い”について語り……。
【災】最終回のあらすじ
❏❐連続ドラマW 災❏❐
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) May 4, 2025
第5話いかがでしたか?
次回の災は…
主婦・美佐江(#坂井真紀)は友人に誘われ、市民プールでのエクササイズを始めたものの、程なくして夫・和久(#テイ龍進)のある秘密を知ってしまい―
📍最終話 5/11(日)午後10:00放送・配信https://t.co/GbCTTsFfup#WOWOW #ドラマ災 pic.twitter.com/tLdyIMSGSq
妻に無関心な夫・岡橋和久(テイ龍進)はある日、妻の美佐江(坂井真紀)に向かって「お前最近太ったよな」と言い出す。普段は何も気にかけない夫からの何気ない言葉に腹が立った美佐江は、友人の涼子(黒沢あすか)に勧められてアクアビクスに通うことにした。
レッスンになかなかついていけずに凹んでいた美佐江だったが、涼子から紹介された歴島(香川照之)という男性のことが気になり始める。
偶然カフェで歴島と一緒になった美佐江は、男から“災い”について話され……。
【災】最終回のネタバレ
美佐江は罵る夫を尻目に、夫のポケットに入っていた店を調べる。そこを見張っていると、見知らぬ男からそこが発展場であることを知らされる。後をつけた美佐江は夫が若い男と手を繋ぎ、楽しげにしている姿を写真に収めた。一旦は夫にその写真を送って問い詰めようと思った美佐江だが、結局何もしなかった。
歴島のことが気になっていた美佐江は、ある日偶然カフェで歴島に遭遇する。彼が語る独特な思考に美佐江は反応に困った。
2024年、愛知県。あの男の部屋に無数の髪の束が、絵のように壁にかかっていた。
スポーツクラブのボイラー室で遺体が発見される。それはアクアビクスで人気のインストラクターだった。遺体は髪の一部が切り取られていた。
堂本が常に後手に回っていることを悔やんでいると、菊池はそもそも連続殺人犯はいないと思うと語る。それを聞いた堂本は亡くなった人たちが、みな自殺や事故だったのか、それとも殺人なのか分からなくなってしまう。
一人、考えながら車を走らせ、途中でガソリンスタンドに立ち寄る。そこの従業員として歴島はいたが、堂本は何も気付かず支払いを済ませて車を走らせた。
2025年、北海道のある牧場に飼料を納める業者として、あの男はいた。
無関心な夫
食事の後、岡橋美佐江(坂井真紀)が食器を片付けていると、夫の和久(テイ龍進)が突然「お前最近太ったよな」と言い出した。いつも妻に無関心な夫のあまりに唐突な発言に、妻は呆れ、文句を言い返した。
後日、美佐江はその出来事を友人の涼子(黒沢あすか)にカフェで話した。涼子は「暇ならスイミングのエクササイズがあるよ。旦那に太ったなんて言われないようにね」と冗談まじりに勧め、二人は笑い合った。
ある日、美佐江は一人で夕飯を食べていた。食後に届いた一通の手紙を開封すると、それは同窓会の案内だった。かつて学年の中心人物だった彼女に、女性代表としてスピーチをしてほしいという追伸も添えられていた。
美佐江は部屋に向かい、クローゼットからいくつかの服を取り出して着てみたが、どれも入らなかった。
新たなチャレンジ
美佐江はスイミングクラブでアクアビクスに挑戦していた。しかし思うように体が動かず、他の参加者についていけなかった。一方で、涼子は軽やかに動き、問題なくこなしていた。
授業が終わると、美佐江はうまくいかなかったことをこぼしたが、涼子は「あんなじいさんばあさんたちができてるんだよ?美佐江にできないわけないじゃん」と明るく励ました。同窓会は半年後に予定されており、続けていればそれまでに効果が出るはずだと涼子は言葉を添えた。
さらに、金曜日のインストラクターが人気であることを教えてくれた。彼は爽やかで明るく、ダンディーな男性だという。
その日の夜、美佐江は夫にアクアビクスのことを話した。だが、夫は鼻で笑い、挙げ句の果てには美佐江を罵り始めた。美佐江は何も言わず、自分の部屋へと向かった。そこには、亡くなった息子の遺影が静かに飾られていた。
ベッドの上には夫の上着が脱ぎ散らかされており、美佐江はそのポケットの中を探った。すると、あるレシートが出てきた。それがどんな店のものかを知るために、スマートフォンで検索した。
一方、妻に相手にされなくなった夫は、ひとりで食事をしながら文句を叫んでいた。その大声に美佐江は驚いたが、黙ったまま何も言わなかった。
災いの前触れ
堂本翠(中村アン)は中秋学院を訪れ、かつての退職者について話を聞いた。しかし、学院では記録を過去3年分しか保管しておらず、4年前の10月頃の記録は見つからなかった。唯一残されていたのはホームページ用の写真だった。堂本はそれを借りた。
一方、涼子と美佐江はプールサイドで並んで話をしていた。金曜日のインストラクターは、いつもの枯れた印象の中年男性だった。噂に聞いていた爽やかでダンディーなインストラクターは、先週から姿を見せておらず、クラスの参加者たちの間でも心配の声が上がっていた。
そのとき、歴島(香川照之)という男が涼子に声をかけてきた。彼こそ、以前涼子にアクアビクスのクラスを紹介した人物だった。美佐江はレッスン中も、自然と泳いでいる歴島の姿を目で追っていた。レッスンが終わったあと、涼子と話していた美佐江は、思わず歴島のことを褒めていた。
夫の裏切り
堂本は小湊(諏訪太朗)のもとを訪れ、過去の写真を見せてもらうが、塾の写真と共通した人物は写っていなかった。以前塾講師をしていたドライバーがいなかったかと尋ねるが、小湊はそんな人物はいなかったと答えた。
その夜、美佐江は橋の上からある建物を見つめていた。すると、背後から男に声をかけられる。「誰かを待っているのか?」と。その男によれば、あの建物の4階の通路で互いに惹かれた者たちが、個室に入っていくのだという。男は入口で様子をうかがうのが常で、特定の相手が来るのを毎晩待っているのだと語った。
しばらくして、美佐江の夫がその建物から出てきた。隣には若い男がいて、二人は親しげに笑い合っていた。美佐江は驚きながらもすぐに下へ降り、夫の後をつけた。夫は若い男の手を握りながら、楽しそうに夜の街を歩いていた。その姿を、美佐江はスマートフォンで静かに撮影した。
帰宅後、美佐江はその写真を夫のスマホに転送した。しかし、夫は筋トレ中で通知に気づかない。しばらくして、美佐江は送った写真を削除した。
その晩、美佐江はひとりでプールへ行き、静かに泳いでいた。すると、そこに歴島が現れた。美佐江は彼に近づき、その存在に身を預けようとする。だがそれは、彼のもとへ向かう夢の中の出来事だった。気づけば、美佐江はいつの間にか眠っていた。
災いとは
堂本は皆川慎(藤原季節)に二枚の写真を見せたが、皆川はどちらの写真の人物も知らないと答えた。ただし、事件の後に小木(宮崎吐夢)と志村(香川照之)という二人が退職していたという。皆川は小木の写真を堂本に提示したが、志村の写真は残されていなかった。そして皆川は「もし犯罪を犯すような人間がいるとすれば小木だ」と語った。彼には前科があるからだという。その後、堂本は旅館での勤務経験者の退職情報についても問い合わせを始めた。
一方、美佐江はカフェで歴島と偶然再会した。二人ともたまたま同じ店に居合わせたのだった。軽い世間話を交わしていると、突然地震が起きた。周囲がざわつく中でも、歴島は落ち着いた様子を崩さなかった。揺れが治まると、彼は真剣な表情で語り出した。
「美佐江さん、僕ね……偶然とか災難っていうのは、実は目に見えない力、引力みたいなものが働いた結果だと思っているんです」
美佐江はその言葉に少し驚いた。
「何かが起こるってことは、いくつもの目に見えない微細な力が、関与し合った結果なんじゃないかなって。つまり、本当の意味での偶然というものは存在しない」
歴島は顔をこわばらせながら、言葉を選ぶように、途切れ途切れに語り続けた。
「目に見えない力が積み重なって……可視化されるに至った時、人々は初めてそれを……偶然とか……災難という形で……認識するんじゃないでしょうか」
その独特な考え方に、美佐江は反応に困り、少し引きつった笑みを浮かべるしかなかった。
戦利品
堂本は2枚の写真を見つめながら、これらを撮影したのは誰なのだろうと疑問を抱いた。調査を進める中で、塾での写真はワタベシンジ、運送会社での写真は多田という人物がそれぞれ撮ったものであり、いずれもすでに退職していることが判明した。
飯田剛(竹原ピストル)が何者かに殺された可能性を考え、堂本は警察関係者の中に退職者がいないかを調べ始めた。しかし、警察内部での退職者は確認されなかった。そこで今度は、署内に出入りしていた外部業者に目を向けたところ、大門宏樹という人物が先月に退職していたことがわかった。堂本と菊池大貴(宮近海斗)は彼の履歴書に記載されていた住所を訪ねたが、そこは何もない更地だった。
愛知、2024年。あの男の部屋の壁には、絵のように飾られた丸い物体が掛かっていた。よく見ると、それは無数の髪の束で覆われていた。
さらに調査を進めると、その住所は3年前にはすでに更地になっていたことが判明した。そんな中、堂本のもとに一本の電話が入る。
「え、場所は?」と、驚きと警戒が入り混じった声で堂本は応じた。
降りかかる災い
プールのボイラー室で一体の遺体が発見された。堂本に状況を説明した刑事によれば、以前、飯田警部から「髪の毛が切り取られた遺体が見つかったら必ず連絡を」と指示されていたという。
遺体は、最近インストラクターとして勤務を始めた男性で、死後すでに約3週間が経過していた。彼こそ、かつて話題となっていた“ダンディーなインストラクター”だった。最後に出勤したのは9月27日で、それ以降は連絡が取れず、行方不明となっていた。
この日、ボイラーの点検のために室内へ入った男性が偶然遺体を発見した。検視の結果、首には絞められた痕があり、頸部を手で強く圧迫されたと見られる。また、髪の毛は切り取られていた。
この一報を聞いた美佐江と涼子も現場の騒ぎに驚き、戸惑いを隠せなかった。
誰もいない
堂本はプールサイドで立ち尽くしながら、静かに語った。
「また犯行を止めることができなかった。次の事件が起こるまで、ただ待ってるだけなんて。こんなのほんとに地震や土砂崩れと同じじゃない。私……なんで飯田さんが殺されなきゃいけなかったんだろうって……ずっと考えてる。飯田さんがなくなって……今私はこうして生きている。この差は何なんだろうって。動機も理由もない犯行だからって、それで納得できるはず無い」
今回の件について、菊池は「これは他殺だ」と断言する。これまでの事例と違い、自殺や事故として処理されてきた事件との共通点が崩れつつあるという。髪の毛の件は単なる偶然で、連続犯なんかいなかったんじゃないかなと菊池は堂本に語る。
その言葉に、堂本は呟いた。「いない?……いない……」
北川祐里(中島セナ)が自宅の団地の手すりに立ち、そのまま身を投げる。続けて、倉本加奈(佐藤みゆき)が橋から飛び降りる。突然動き出したエスカレーターから転落する崎山伊織(内田慈)、弟の俊哉(奥野瑛太)の隣で大麻を吸い死亡する岸文也(じろう)、そして飯田が自ら首を吊って死ぬ。
堂本の脳内でそれらの映像が交錯すると「ごめん、先に宿に戻らせて」とだけ言い残し、静かにプールを後にした。
【災】最終回の結末
堂本はガソリンスタンドに立ち寄った。そこには、あの男――歴島がスタッフとして働いていた。彼はいつもと変わらぬ表情で堂本の車のガラスを丁寧に拭いていく。
しかし、堂本はまったく彼に気づくことなく、車内で静かに過ごしていた。堂本はガソリン代を支払ってその場を後にした。歴島は車が見えなくなるまで、礼を言いながら見送っていた。堂本の車は、そのまま高速道路へと走り去っていった。
北海道2025年。ある牧場では、あの男が餌の枯れ草を抱えて牛舎へ向かっていた。牧場で働く若い青年(井之脇海)が一輪車を持ってやってきて、それを受け取る。青年はたばこを吸う男をじっと見つめていた。男はたばこをくゆらせながら、笑って青年を見送った。
【災】最終回のまとめと感想
あの男は捕まることはなく、また別の場所で名前を変えて仕事をしていたという話でした。
結局あの男は連続殺人犯なのか、どうなのか?それは明かされません。ただ、男の部屋には絵のように、髪の束が壁にかかっていました。これだけ見ると男が犯人なのでは?とも見えますが、犯行自体は男がやっておらず、髪だけを切り取った可能性もありますし、そもそも誰の髪かは分かりません。つまり、男は何もしていなくて、事故や自殺で勝手にみんな死んだ。という可能性もあるわけです。
災いについて語る男のセリフで「何かが起こるってことは、いくつもの目に見えない微細な力が、関与し合った結果なんじゃないかなって。つまり、本当の意味での偶然というものは存在しない」というのと、「目に見えない力が積み重なって……可視化されるに至った時、人々は初めてそれを……偶然とか……災難という形で……認識するんじゃないでしょうか」というものがあります。
何を言っているのか非常に分かりにくいのですが、簡単に言うと「人が死んで始めて偶然とか災難とか言うけど、偶然じゃないから。小さなことの積み重ねの結果だから」ということになります。そうなると、彼、彼女たちの死は“必然”だったのか?堂本が生きているのもまた、小さな積み重ねの結果で生きているのか?など考えたくなります。
しかし実際のところ、何が本当で何が思い込みなのかは明かされません。ただ亡くなった人たちはみな、希望の光が見えると死んでいたので、堂本にはまだ希望の光が見えていない=真相ではない。ということなのか?色々深読みしたくなる、余韻を残す終わり方でした。
結果が明確に示されないので、そういうのが苦手な人には向いてないドラマかもしれません。個人的には一話一話の映像自体、見ているのが楽しいドラマでした。