【相棒20】7話「かわおとこ」のネタバレと感想をまとめています。
子供が川に流されたのは妖怪川男のせいか?妖怪を見たという子供の証言を信じ、右京さんたちが捜査を進めていくうちにたどり着いた真相とは?
【相棒20】7話のあらすじ
【第7話 30秒PR】
— 相棒 (@AibouNow) November 22, 2021
いよいよ今週放送👻✨#相棒 season20
第7話『かわおとこ』
11月24日(水)よる9時
少年を溺れさせたのは川に潜む謎の妖怪⁉️
多発する水難事故との繋がりとは…
特命係が衝撃の真実を解き明かす‼️#水谷豊 #反町隆史 #黒坂真美 #米村莉子 #aibou
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辻浦千夏(黒坂真美)が息子の悠太(晴瑠)から目を離したすきに、行方不明になってしまう事件が発生する。後に川で意識不明の重体で発見された。世間では母親の怠慢だとバッシングしていた。
個人情報まで特定され流出した写真を見た右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)は、以前父親と言い争っていた少女の姿が写っていたのを知り独自に捜査を開始する。
悠太がいなくなった辺りで聞き込みを始めると、川の汚染が酷い状態だと住人たちが口々に話していた。さらに4ヶ月前にもガラス工場の社員が、同じ川で亡くなっていたことが分かる。
すると話に割って入ってきた百花(米村莉子)が弟は川男に引っ張られたんだと怒る。右京が百花の話に耳を傾けてみたところ、川男とは背が高くて色が黒い妖怪で、以前も川に来た時に姿を見たと言う。
子供の戯言だと半信半疑な冠城に対し、右京は百花の話を信じ、また見かけた時はすぐに連絡が欲しいと頼んだ。
川男と子供の事故、右京はやがて事件の真相を知る。
【相棒20】7話のネタバレ
【相棒】で時々ある、子供の戯言から真相にたどり着くタイプの話です。見てみないふりをすることの罪深さを問います。
不審人物
4ヶ月前に亡くなったガラス工場の若い社員・荻野は事故死として警察発表がありました。しかし、住人たちは川で魚の死骸が上がり始めた時期と重なり、殺人の疑いを抱いている人もいました。
さかのぼる事3年前、城西エレクトロニクスという会社の工場排水のせいで、川で魚が大量死していました。その後行政の検査が入り、有害物質は流せないようにしたはずなのに、また魚が死んでいたのです。
城西エレクトロニクスと揉めたりしていたので、なおさら事故ではなく殺人だったのではないかと考えている人もいたのです。
右京さんたちが荻野が亡くなったと言われる場所に行くと、笹沼硝子に勤める高部行人という人物がいました。彼は荻野の上司で、その場で部下の供養でもしているようでした。高部いわくこの場所は浅瀬から来ると途端に深くなる淵だそうです。
関係者へ聞き込み
右京さんたちはガラス工場へ向かい、偶然居合わせた社長の笹沼敏夫に話を聞きます。
荻野が水難事故にあったことを聞くと、真面目で優秀な社員だったと言います。高部が供養していた話のついでに、今日が命日なのか聞いたところ、亡くなったのは15日でした。
事件という噂については、住民と城西エレクトロニクスが揉めていたので、勘違いしただけではないかと言います。
ガラス工場も大量の水を使う事から、工場ではどう処理しているのかを聞きます。すると廃液はタンクに貯蔵し、定期的に専門業者が回収しているとのことです。ちなみに川男のことも聞いてみますが、当然ながら社長は知りませんでした。
荻野の死因は溺死で間違いなく、解剖所見によると肺に残った水の成分と河川の水は一致していました。頭部に外傷はありますが、転倒した際に頭をぶつけて意識を失い溺死した事故と判断されていました。
川男とは?
右京さんは川男が気になり、個人的に調べました。すると『倭訓栞』という江戸時代後期の国語辞典に記載がありました。
高山の流の大川に居るもの長甚だ高く色甚だ黒し。美濃などにて夜網に往きて逢いたる者多し。
という記載がありました。百花の説明していた身体的特徴に合致しています。
あまりメジャーな妖怪ではありませんが、『妖怪図鑑』という子供向けの本に掲載されていました。百花はこれを見て川男のことを知ったのだろうと、右京さんは推理します。
その後、青木に調べてもらったところ、3年前に問題となった工場排水は、現在定期的な水質検査で基準値を超えたことは一度もないということが分かりました。
右京さんは百花からの川男情報が入るのを待つしかないと言います。その言葉を聞いた冠城は、本気で子供の話を信じているのかと呆れ気味です。
そこで右京さんは世界各地に妖怪や妖精の類が、人を水中に引き込むという話はたくさんあると反論します。その中の1つとして例に出したのが“コティングリー妖精事件”というイギリスであった話です。
2人の少女が妖精の写真を撮ったのを見て、『シャーロック・ホームズ』の作者コナン・ドイルが本物と認めました。すると妖精の実在を巡って大論争が起きたそうです。
冠城は有名な詐欺事件でしょ?と指摘します。2人が年老いた時になって、写真は絵に描いた妖精をピンで止めて撮った偽物だと告白したのです。
しかし、この話には続きがあり、右京さんは後ほどその話をします。
川男を目撃
百花から連絡が入り、右京さんたちは話を聞きに向かいます。食堂の女将が川男を目撃したというのです。
先月の夕方頃、自転車で川沿いを走っていると、草むらが風もないのに動いているのを見たそうです。そこでよく見てみたら、黒くて背の高い人影が見えたと言います。
日付は先月の15日だったと言い、見た場所は百花が見た場所と同じでした。百花はこの証言に気を良くして、一緒にその場所に行こうと誘います。
食堂から出る際にこっそりとおばさんは、今の話はただの釣り人だと思うと言います。百花があちこち聞いて回っているものだから、気の毒に思い証言したそうです。
その後、百花に連れられて川男を目撃した場所へ向かいます。そこは荻野が溺死した場所でした。百花はここで弟と一緒に川男を見たと言います。
疑う冠城に反論する百花、右京さんは弟が溺れた場所は特定されていなかったことを思い出します。
現場をよく見てみると変わった靴跡が発見されました。冠城は釣り用の靴の跡だと言い、小さな丸い点々は靴底にピンを打ってグリップを利かせているのだと説明します。
やはり釣り人を見ただけだろうと冠城が言うと、右京さんは青いフタを見つけます。そのフタを見て右京さんはひらめきました。
そこに百花の母親がやってきてマスコミと勘違いして怒り、連れて帰ろうとします。右京さんは百花に耳打ちをしてから見送りました。
「川男は僕たちが捕まえるから、安心してください」と伝えたと言います。そんな約束をして大丈夫か?という冠城に、右京さんはひらめいた推理を話します。
黒くて背の高い川男、釣り用の靴跡、採水ボトルのキャップ、魚の異常死、水死した荻野。これらがみんな一つに繋がっていると。
川男発見!
川男を捕まえるため右京さんはある罠を仕掛けます。黒い人影が動いているのを見て「まさか…荻野か!?」とつぶやく人が現れます。荻野が亡くなった場所にやってきた人物、それは上司の高部でした。
川男を捕まえるために、冠城が川男に扮して待ち伏せをしていたのです。なぜ高部がやってきたのか?それには理由がありました。
右京さんは笹沼硝子の人が来たら川で有害物質が出ているという話を、食堂の客に扮した冠城に話すよう頼んでいました。それを聞いた高部がまんまと現れたという仕掛けだったのです。
右京さんは言います。荻野の月命日でもないのに、なぜ高部が来ていたのか不思議だったと。あの日、荻野の供養ではなく、意識不明で発見された悠太が助かるよう祈っていたのではないのかと、事故の責任を感じて。
悠太がいなくなったのが今月の15日、荻野が亡くなったのが4ヶ月前の15日、食堂の女将が怪しい人影を見たのがやはり15日。同じ日に同じ地点で川に入ってすることがあるなら、水質検査のために水を汲むことだったのではと右京さんは導き出しました。
魚の異常死の話が気になった荻野は、急遽調べに来たのです。夕暮れ時の雑草越しの黒いヴェーダー姿の高部が、子供達には川男に見えていたのです。
悠太は恐らく高部を追って淵にはまってしまったのではないかと切り出すと、高部は当時のことを話し始めます。
悠太に見つかった高部は母親が子供を呼ぶ声を聞いて、きっと母親が連れ戻すだろうと、川に入るなんて思っていなかったと言います。
つまり、子供が川に入らないように助けるのではなく、そのまま放置して立ち去ったのです。その結果、悠太は淵にはまって流され、意識不明の重体で発見されました。
川の水を調べていた理由
なぜ高部が水質調査に来ていたのか?廃液をタンクに貯めて流していないのにと右京さんは問います。高部は言いづらそうにしていると、土壌汚染の可能性があったのではと突っ込みました。
タンクから廃液が漏れて地中に染み込めば、地下の帯水層を通って目の前の川にも流れ込む。最近起きた魚の異常死は笹沼硝子が原因だったのです。
高部は真相を語ります。半年前に会社で貯水タンクの破損事故が起きていたと。その後修理はしたが、魚の異常死が起きて荻野が土壌の調査を訴えます。
しかし社長は住民が城西エレクトロニクスを疑っているのだから好都合だと、調べようとしませんでした。高部も社長に睨まれたくなかったため、見過ごしていたのです。
荻野は納得がいかず1人で川の水を調べ始めます。あの淵が定期的に水質検査をする場所で、他にもあの淵より上流と下流の合計3ヶ所が調べる場所でした。
荻野が亡くなったことを悔やんだ高部は、残したデータが無駄にならないように、こっそりと水質調査を続けていたのです。
右京さんは言います。高部は二度、見て見ぬふりをしたと。荻野の死も悠太が溺れた事にも直接手は下してはいない、けれど止める機会がありながら見過ごした高部に罪がないとは言えないと責めました。
冠城はせめてピンを打った靴を履いていたら、荻野は滑らずに済んだのではと言います。すると高部は荻野は打っていたはずだと、むしろ荻野がそれを自分に教えてくれたんだと言います。
それなのになぜ滑ったのか?右京さんは今まで調べた水質のデータを見せてもらって確信します。荻野の命を奪ったのは川ではないかもしれないと。
事件の真相
右京さんたちは笹沼硝子に行って社長の笹沼に、荻野が亡くなった日の夕方のアリバイを確認します。
笹沼は覚えていないといいますが、右京さんは城西エレクトロニクスの防犯カメラに映る、笹沼が車に乗って走行している映像を見せます。
その辺りを車で走ったのかもしれないという笹沼に、思い出してもらえるよう右京さんが話し始めます。
あの日、荻野が採水している上流の地点に車で向かい、荻野と口論になった。遺体の頭部にあった傷は、その時できたものだろうと。そして、転倒した荻野の頭を川に押し付けて溺死させたのではないかと推理します。
証拠がないという笹沼に対し、右京さんは荻野が溺死したのがあの淵ではない証拠はあると言います。なぜなら、工場の廃液に含まれるテトロエデンという物質が、工場の下流からのみ検出されているからです。
しかし、荻野の遺体の肺に残っていた水には、テトロエデンは全く含まれていません。つまり、何者かが上流で溺死した荻野を淵まで運び、水難事故に見せかけようとしたのだろうと。
キレてその場を立ち去ろうとする笹沼を、捜査一課の3人がやってきて確保しました。
ドラマの結末
その後、笹沼の車から検出された血痕のDNAが、荻野のものと一致します。タンクの破損事故については高部や他の社員も証言したため、土壌汚染の責任についても厳しく問われることになりました。垂れ流した有害物質が証拠となり、4ヶ月前の犯行が暴かれるなんて皮肉だと冠城は言いました。
百花に川男の正体を話しに病院へ行くと、高部と廊下で擦れ違います。病室にいた千夏に話を聞くと、高部は謝りにきたそうです。危ないから近づいちゃいけないと声をかけて止めるべきだったと、謝罪をしました。
千夏はあの人が止めてくれたら、自分がちゃんと悠太を抱き締めていたらと後悔します。すると右京さんは荻野の事件が早く解決していたら、悠太が事故に遭う事もなかったと警察の人間として謝罪しました。
そして、真相を解明できたのは百花が川男の話をしてくれたお陰だと感謝します。すると千夏は百花の話をちゃんと聞かない自分を責め始めます。
そんな母を見て百花は告白をします。自分が一緒に行けばよかったのだと。あの日、宿題があるから川に行けないと言ったが、実際は家でゲームをして遊んでいただけだったと。悠太の面倒をみるのが嫌になってしまい、つい嘘をついてしまったといって謝ります。
千夏は泣きながら謝る娘を慰め、悠太が元気になるのを一緒に待とうと声をかけました。
百花はずっと苦しんでいたのだろうと、弟が溺れたのも母親が世間に責められるのも自分のせいだと、冠城は言います。悠太が川男に連れていかれたと言い続けていたのは、きっとそう信じようとしていたのだろうと右京さんは言います。
悪いのは川男、お母さんは悪くないと。百花は母親を守りたかったのではないかと、右京さんは考えました。
小手鞠に場所を移し右京さんはコティングリー妖精事件の顛末を教えます。妖精写真は偽物だと告白したが、妖精を見たのは本当の事だと言ったそうです。大人たちが誰も信じてくれなかったから、写真を細工して見せたのだと。
子供の目にしか見えないものがある、自分たちに見えないから存在していないと断定することなんてできないと右京さんは語りました。
その頃病院では、意識を失っていた悠太の指が微かに動いていました。
【相棒20】7話のまとめと感想
子供の妖怪話がきっかけで、事故の真相を暴くという話でした。
右京さんは毎回、子供と話す際にちゃんと1人の人間として扱います。子供であっても敬語で話し、頭ごなしに否定しません。今回も子供の話をきちんと聞いたことから、意外な真相にたどり着くことができました。
見て見ぬふりを2度した高部は、部下の死と子供が重体になってしまうという事態を招きます。右京さんが言うように確かにそれを罰する罪はありませんが、何もしないということは罪と同等だと思い知らされます。
たった一言、川へ行ったら危ないよと声をかけるだけで防げたかもしれない事故。勇気を持って会社に異を唱えれば、死ななかったかもしれない部下。失われたものがあまりに大きすぎます。
人間誰しも自分の身がかわいいのは当然ですが、少しの気遣いや大事な時に勇気を出せる人間でありたいと考えさせられます。
また、母親の千夏の事情も知らずに非難するのも、なんだかなと思います。誰かが何かをやらかした時、その人を責める前に寄り添って事情を聞く耳を持ちたいものです。
いずれにしても頭ごなしに否定したりすると、真実が見つけられないと思わせる話でした。
次回は1週お休みして12月8日21時から放送予定です。