2020年6月30日に放送された【探偵由利麟太郎】3話「殺しのピンヒール」のネタバレと感想をまとめました。
今回は三津木が容疑者として捕まってしまい、由利と等々力警部がコンビで行動します。
三津木の容疑を晴らし、ピンヒールキラーなるフェティッシュな殺人鬼を捕まえられるか?
所々に横溝作品オマージュが散りばめられた回でもありました。
【探偵・由利麟太郎】3話のあらすじ
クラブでのイベントに山岸(木本武宏)に誘われ参加した三津木(志尊淳)は、ショーを見ていると上からピンヒールが降ってくる。不思議に思った三津木が2階に上がり、同じヒールをはいていたソファで寝ている珠喜(島居香奈)に声をかけるが、彼女は既に死んでいた。すぐに警察が来て容疑者として三津木は逮捕されてしまう。
由利(吉川晃司)は等々力警部(田辺誠一)と一緒に現場検証をし、足跡をトレースしていく。すると、関係者以外に不可解な足跡が見つかった。それは裏口へと向かい、その場で踊っていた。
その後、三津木に面会行った由利は、彼に靴のサイズが34cmの人物がいたか聞く。三津木はピエロならいたと話し、ピエロなら踊っていても説明がつくと由利はいう。
同じモデル事務所に所属する優美(村川絵梨)の家にあったピンヒールの行方を聞くと、夫の名越恭介(浅利陽介)はピエロにピンヒールを盗まれたと話す。しかし、部屋には靴の痕跡はなく、素足でピエロは入っていた。
今度は優美や珠喜と同じモデル事務所に所属する文乃(阿部純子)の家を訪ねる由利たちだったが、応答がなく留守をしていると思われた。開いている車庫に入った由利は、何者かによって閉じ込められてしまう。そこにピエロが現れ由利に襲いかかってきた。しかし形勢が逆転しピエロは逃げ出してしまう。
ピエロの存在を見て文乃の家に入った由利たち、そこにはピンヒールをはいた状態で死んだ文乃の姿があった。
ピエロの目的はいったい何なのか?そして三津木は釈放されるのか?由利と等々力のコンビで謎に挑む。
【探偵・由利麟太郎】3話のネタバレ
今回の事件の始まりはクラブのイベント会場で起きます。そこに小説を書く参考になるために参加していた三津木が、遺体の第一発見者だったため容疑者として警察に連行されてしまいました。
由利は三津木の代わりに等々力警部と組んで、事件の謎を解いていきます。
1:第1の殺人
クラブのイベント会場は仮装姿の人が沢山集まっています。
そこにトレーに香水を載せたピエロがやってきました。
2階のブースに上がり、ショーを終えたモデルたちがいるところに来たピエロ。
かわいらしい瓶に入った香水を優美に勧め、彼女は一つ手に取りました。
しかし、同じモデル仲間の珠喜が奪ってしまい、優美がもう一つもらおうとしますが、ピエロの姿は既にありません。
もらった香水を噴霧する珠喜、すると途端に意識が混濁し、はいていたピンヒールを脱いで片足を上から落としてしまいました。
偶然下にいた三津木の帽子の中に入ったピンヒール。不思議に思った三津木は上にそれを届けます。
同じヒールをはいていた脚を見て、三津木はソファに座る珠喜に声を。
しかし、珠喜は返答するどころか既に亡くなっていました。
店員が叫び声を上げて騒ぎになり、駆けつけた警官によって三津木は取り押さえられ連行されてしまいました。
三津木が容疑者として警察へ連れて行かれる
2:現場検証
三津木が警察に連れて行かれてしまったため、由利は等々力警部と組んで現場検証を始めます。
得意の痕跡をトレースする技術で足跡の行く先を探り、いくつかわかったことがありました。
- 同じ靴をはいた人間が3人いた
- 優美は珠喜の異常に気づき救急車を呼びに外に出た
- 救急車を呼んでいる間、騒ぎに気づいて建物にまた戻った
- 文乃は2階のブースからステージをウォーキングしていた
- 悲鳴が上がった頃には、もう帰っていたと社長が証言
- 文乃は靴を脱いでランウェイを裸足で歩いた
- 2階のブースからピンヒール以外の足跡が裏口に続いている
- 犯人はそこにいて踊った
足跡を辿っていくと犯人らしきものが発見されます。
しかし、その足跡は妙な足跡で、裏口に行くと踊っていた。
同じ裏口にいた文乃は犯人を見ている可能性があります。
犯人は殺害後に裏口へ行って踊った
3:第2の殺人
珠喜が殺され1人になった部屋にいた文乃は、人の気配を感じて確かめに行きます。
その隙にどこから入ってきたのかよくわかりませんが、ピエロは加湿器に見るからに毒ですよという感じの液体を注ぎます。
何も知らず戻ってきた文乃が加湿器のそばに座り、室内には毒が充満し始めます。煙もちゃんと毒っぽく色つきです。
苦しみ始める文乃の前に現れたピエロ、音楽をわざわざ『チム・チム・チェリー』に変えて登場です。
もがき苦しむ文乃を見て、歓喜のダンスを踊っています。ピエロは死なないのか?大丈夫、ガスマスクを装着してます。
なぜか上に逃げる文乃は、階段の途中で絶命してしまいました。
文乃が殺される
4:優美に聴取
由利と等々力警部は関係者の優美の家に行き話を聞きます。
そこには夫の名越恭介もいました。料理好きの男らしく、自家製ハーブティーを作ったりします。
優美たちの所属する事務所は脚タレが多く、ネット通販の写真に使われたりするための仕事として、靴のメーカーの契約を取ろうと思ってやったイベントでした。
あの日、優美がもらった香水を珠喜に取られたため、自分ではなく珠喜が死んだということ。
珠喜は文乃と部屋をシェアして住んで、生活をやりくりしていた。
そんな話を聞きだします。
由利はその時、キッチンにあったローズマリーの鉢植えに注目し、何かを考えていました。いかにもヒントっぽいです。
ピエロのターゲットは優美だった
5:三津木に面会
拘留されている三津木の元に由利は面会しに行きます。
三津木は同じ拘置所にいる人が睨んでくるので怖いといい、由利と初めて会った時も怖かったと昔話です。
そのときの会話は主にこんな感じでした。
- 由利先生と呼ぶと「先生といわれるほどの馬鹿でなし」といわれる
- 色々な敬称を思いつきで三津木がいう
- 「大事なのは観察だ」と由利は告げる
- 三津木は言葉の意図を探らず、思いつきでいっていると指摘
由利に初めて会った時、じっとこちらを見つめる目にビビった三津木は、何も考えずにペラペラと適当な敬称を言い続けます。
そんな三津木をなだめるように、由利は「観察が大事」と教えたのです。
それを思い出した三津木は、由利に靴のサイズが34cmの人はいなかったか?と問われ記憶をたどります。というかそんな大足の人がいるのか?
あの日、仮装をしている人が多かった、そこにはピエロがいたと三津木は思い出しました。靴のサイズはわかりません。
しかし、由利はこう告げます。「ピエロなら踊るのも当然か」と。そしてさっさと行ってしまいます。
由利は恐らく君の観察を聞きたかったと等々力警部にいわれ、ちょっと嬉しげな三津木です。
ピエロが犯人と由利は推理
6:ピエロVS由利
優美の家を訪ねた時にあったピンヒールが、ピエロに持っていかれたと夫の恭介がいいます。
家に泥棒に来て靴だけが欲しいのか?なかなかの靴フェチな犯人です。
しかし、室内にはピエロの靴跡がないため、靴を脱いで素足で入ってきたのでは?となります。いちいち靴を脱いで上がる泥棒、礼儀正しいのかなんなのか。
そのお陰で足跡からDNAが採取できると等々力警部は喜びました。
ではヒールはどこへ行ったのか?由利たちがモデル事務所の社長に聞き込みです。
- 珠喜は事務所移籍が決まっていた
- 1人は殺されるし1人は裸足で歩くし契約が取れない
- もう優美だけが頼りだ
怪しげな風体の社長が関西弁で文句をまくし立てます。
等々力は社長のいいぶりから、優美は特別な存在ということか?と聞きますが、何がいいたいと逆ギレされます。ますます怪しいです。
そこで由利がピエロを見たか?と聞くと、スタッフの木島が見たと答えます。
次は文乃の家を訪ねますが、応答がありません。それもそのはず、視聴者は先に文乃が殺害されていることを知っています。
ガレージの中に由利が入ると突然シャッターが下りて閉じ込められてしまいます。
そしてピエロが現れ、手にはバールを持って襲ってきました。大柄な由利VS小柄なピエロ、見た目にどっちが襲われているのかわからない体格差です。
そして今回も由利のキックが炸裂します。回し蹴りで油か何かが入った缶を蹴り落とします。
するとピエロは零れた液体に足を取られて滑って転びました。ヤバいと思ったピエロは、電灯を壊してその隙に逃げます。
遅れて等々力警部がシャッターを開けてやってきました。
ピエロは逃げてしまう
7:ピンヒールキラー
ピエロがいたということは文乃の身に何かが起きた。由利たちは部屋に入り文乃の姿を探します。
階段で死んでいた文乃の足にはピンヒールがあり、壁には「ピンヒールは呪われている」と赤い文字で書かれています。
連続殺人鬼の犯行なのか?由利は違和感を覚えます。
- 本物のシリアルキラーはもっと自分のルールに厳格
- この犯人はいきあたりばったりで、いい加減すぎる
- あり合わせのもので辻褄を合わせようとしている
- 文乃がはいているのは優美のサイズの靴
なぜ文乃を殺害する必要があったのか?それについても由利は考えます。
ピエロはクラブの裏口から逃げるところを、文乃に見られたからだ。と。
見られただけで殺していたら変装している意味がないと、等々力警部も突っ込みます。
見られたのが何だったのか?それは、腕時計だったのです。
ピエロは表に出た時、そこにいた文乃に「いい腕時計ね」といわれます。
時計の持ち主は名越恭介だったのです。
ピエロの正体は名越恭介
8:殺害動機の謎
名越家にあったピエロの足跡から採取したDNAは、鑑定の結果名越のものとわかります。
さらにクラブの裏口には現場検証したとき、ローズマリーの草を踏み潰した跡があったと由利はいいます。
名越家にあったヒールが文乃の殺害現場に運ばれ、名越家には侵入者の形跡はない。
犯人は名越恭介であると由利は推理しますが、足りないものがあったのです。
それは動機です。なぜ彼が珠喜と文乃を殺害したのか?その動機がわかりません。
三津木は留置所で歯磨き粉か、何かわからない白い物体を持って壁に狙いを定めます。
由利っぽく的に映像が集まる演出が始まり、投げた白いものが的の中心に当たります。
三津木は名越の動機に思い当たることがあったのです。
そして由利の報告書により、三津木は容疑者でないとわかり釈放されました。
三津木が釈放される
9:犯人はどこへ?
由利たちが再び名越家に行くと車がありません。
由利たちは知りませんが視聴者は知っています。名越が優美と揉めてどこかに連れ去ったことを。
ピンヒールがなければシリアルキラーのふりはできない。
優美のは文乃にはかせて手元にないので、靴が沢山あるモデル事務所へ行ったのではないのか?そんな推理をして、警察は事務所へ向かうよう等々力警部が指示します。
警察が事務所に行くと木島が何者かに襲われていました。
そして社長は沢山のピンヒールが散らばる中で、ヒール部分を目に突き刺されて死んでます。ちょっとグロいですが、これこそピンヒールキラーと呼べそうな芸術的な殺人です。
一方由利たちは名越家を調べていました。
合流した三津木が思い当たった動機について教えます。
優美は事務所の社長と不倫していると。
その結論に満足した由利は、三津木のことを珍しく褒めます。
動機が妻の不倫だとするならば、なぜ文乃と珠喜が殺されたのか?
由利のいう行きあたりばったりがヒントとなります。
さらに毒物を一般人である名越がなぜ手に入れられたのか?という疑問です。
それについては由利が“清明のさとうきび”というものだと教えます。
どんなさとうきびなのか?陰陽師の式神的なさとうきびなのか?スマートスピーカーが教えてくれます。
カビが生え芯が赤くなったさとうきびは、清明のさとうきびと呼ばれ、蛇の毒より猛毒といわれる。
さとうきびにカビが生えることで、毒性が出てくるということのようです。
その毒を名越は使用して殺害していたと。そこで、さとうきび業者に問い合わせて名越に納入した住所を聞きだします。
そこは、名越が借りようとしていた料理スタジオでした。
- 社長が殺害される
- 名越は優美を殺害するため料理スタジオに連れて行った
10:ドラマの結末
清明のさとうきびを優美に吹きかけて殺害しようとしていた名越ですが、思いっきり頭突きを食らって瓶がどっかに行ってしまいます。
名越、なぜ足も縛っておかないのか。手だけ拘束しているものだから優美に逃げられます。
とはいえ、優美も手を使えないので、逃げる場所は限られていました。マネキンの中に隠れてやり過ごそうとします。
だが、名越が優美を見つけて再び殺害しようとしますが、もうシリアルキラーのふりをするどころじゃないらしく、ナイフで殺害しようとしていました。
そこに由利たちが現れて阻止しました。由利は名越の顔を殴ろうと拳を振り上げますが、既に気絶していたのでやめました。
なぜ自分が殺害されないとならないのか?優美はまるでわかってない女です。
三津木がキッパリと不倫の代償ですと言い切ります。
ではなぜ珠喜や文乃を殺したのか?
連続殺人は結果であり、最初から目的は1人だったと由利は語ります。
それは優美を殺害するのが目的だったのです。
最初の香水で殺すつもりだったのに、間違って珠喜を死なせてしまった。
さらに文乃には腕時計を見られたため、口封じで殺した。
すべて行き当たりばったりの殺人だったのです。
名越は優美と一緒にいるのが息苦しかった。自由を奪われると思っていたのです。
その結果、優美を殺して自由を得ようと考えたということです。
普通に離婚すればいいんじゃないのか?そう思いますが、どうやら名越は優美よりも収入がないようで、自分で稼ぐために料理スタジオをやろうと考えていたみたいです。
ピンヒールは優美にとって成功の証、それはそのまま劣等感に繋がった。
ピンヒール=憎い。そんな図式です。別にピンヒールフェチではなかったみたいです。
気を失っていた名越が起き上がり逃げ出そうとします。
そこに等々力警部が入ってきて、偶然ラリアット状態になって名越は再び捕まりました。
11:登場人物のその後
- 名越優美:殺害直前に由利たちによって救出
- 名越恭介:珠喜、文乃、鮎沢社長殺害容疑で逮捕
- 白川珠喜:恭介の手により毒殺
- 川瀬文乃:恭介の手により毒殺
- 鮎沢慎吾:恭介の手によりピンヒールで撲殺
- 木島:恭介に襲われるが無事
12:【探偵・由利麟太郎】3話のネタバレまとめ
ピンヒールキラー
名越恭介
動機
優美に対して劣等感を覚えていた名越は、自由が奪われている気がしていた。優美は自分に興味もなく、それどころか事務所の社長と不倫をしていた。
ただでさえ劣等感があったのに、侮辱された気がして怒りはマックスになる。
優美殺害を計画したものの、失敗して珠喜が死んでしまう。さらに文乃に腕時計を見られたため、口封じに殺害した。浮気相手の社長も殺害し、優美を殺害しようとしたところ、駆けつけた由利によって阻止された。
【探偵・由利麟太郎】3話の補足
今回は横溝正史オマージュのようで、背景や設定に様々な仕掛けがされていました。気づいたものについて触れます。
それと由利の過去について、少々わかったことがでてきのでまとめました。
横溝正史オマージュについて
- クラブ“EIGHT GRAVES”=八つの墓=『八つ墓村』
- モデル事務所“DOG GOD”=犬の神=『犬神家の一族』
最も気になるのは、スマートスピーカーに「ハウディ、サコン」と呼びかけるシーンがあります。
横溝正史作品に『左近捕物帳』という小説がありますが、果たしてここからなのか?
他2つに比べてちょっとマイナーすぎやしないか?サシチならともかく、サコンです。
ハウディは「やあ」や「こんにちは」的な意味です。これらも足して何か意味を成すのか?謎解きのようになってきました。よって、この元ネタに関しては不明です。
由利の過去について
前回、置いてある椅子は“彼女”が呼んでいた“追憶の椅子”であり、そこには“思い出”が座っていると、由利は言っていました。
この時点できっと奥さんなのかな?と悟りはしますが、今回、もう少し具体的なシーンが出てきます。
由利が壊れた懐中時計を見つめ回想するシーンです。
白い服の女性が水の中に転落し、由利はその時、時計を落とし割れてしまいます。
その女性が妻なのか?
そして、名越の顔を殴ろうとした由利について、等々力警部は「妻をあやめようとするなんて、あいつは絶対許さない」といいます。
過去に関係あるのか?と三津木に聞かれると、それは自分が話していいことじゃない。と答えません。
自殺なのか事故なのか、それとも殺人なのか?シリーズが終わる前に判明することに期待です。
【探偵・由利麟太郎】3話のその他気になったこと
- “ミートゥ”とか言われないように気をつけろという忠告
- 弓道と相性悪すぎな先端恐怖症と突っ込む等々力
- 定食屋でたい焼きを食べる等々力
- 弓道部は部員が2人きりだった
- “マスター由利”と大げさに呼ぶ三津木
- ただの料理好きの男でしかないというディス
- 由利は“睨んでいない”
- 「しょうがないにゃー」とカワイイ語尾の三津木
- マネキンに亀甲縛り
- ピンヒールにもビビる由利
- 華麗な回し蹴りで缶を落とす由利
- 優美も人の話しは“聞かない”
- 目を開けたまま寝ている留置所の男
- ナビが使えず化石状態の等々力
- トドとユリリンと呼ぶ仲
【探偵・由利麟太郎】3話の感想とまとめ
計画的な連続殺人かと思いきや、実際は行き当たりばったりの殺人という話でした。
三津木とのコンビでなく、大学時代の弓道部コンビである、由利と等々力コンビで事件を解決しました。
前回はホラーっぽい回でしたが、今回はフェチっぽい回で、やたら脚がアップになったり艶かしいシーンがあります。
昔の江戸川乱歩のドラマシリーズのような、淫靡さをどことなく彷彿とさせる作りです。
21時から放送する地上波のドラマの割には、残酷さもエロティックな部分も攻めてます。
金田一ばかりが注目される横溝正史作品ですが、由利麟太郎も負けじと面白いシリーズです。
次回は『蝶々殺人事件』の前編で、7月7日21時から放送予定です。
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