ドラマ【絶叫】最終回のネタバレと感想|生きるとはあがくこと

絶叫 WOWOW
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ドラマ【絶叫】最終回のネタバレと感想をまとめました。

今回で最終回を迎える【絶叫】は、八木と共謀して陽子は無事神代から逃げ切れるのか?そして最終的に陽子はどうなってしまったのか?全ての謎がこの回で解き明かされます。

物悲しくも必死に生きる人間の叫びが心に響く内容です。

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ドラマ【絶叫】最終回のあらすじ

陽子(尾野真千子)はこの場から逃げ出すために、八木(片桐仁)を説得して味方にしようとする。最初は信じなかった八木も、陽子が示す数々の証拠にようやく信じて仲間になる。

脱出するには保険金の隠し場所を、まず見つける必要があった。陽子は部屋中を探して金のありかを探るがなかなか見つからない。だが、ある部屋に入った時、床の音が明らかに違う場所に気づく。調べてみると隠し金庫が見つかり、保険金を見つけた。

実行計画は陽子が全て考えた。それまで全く変わらず普通に神代(安田顕)と楽しげに過ごす陽子、その姿を見て八木は自分が騙されているのではないかと思ったほどだった。

やっとその時が来る。陽子は自分の誕生日である10月21日を決行日に決めた。神代と二人きりで朝まで過ごしたいからと言って、家に住んでいる他の者たちを出て行かせる。八木も外出する素振りを見せるが、実は部屋のクローゼットで隠れて陽子の合図が出るのを待っていた。

陽子と八木の計画は果たしてうまくいくのか?そして陽子の運命は?

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ドラマ【絶叫】最終回のネタバレ

ネタバレのまとめ

  • 八木が捕まる
  • 陽子が神代を殺害
  • 陽子は樹里を遺体の身代わりにした
  • 母親も殺そうとする
  • 綾乃が陽子を発見した

2018年札幌:八木が逮捕

あなたは金魚だった。水槽の中に1人ぼっちで誰にも見つめられない金魚。あなたは金魚と共に喘ぎながらいきていた。

唯一の生き残りである八木の行方を追って、警察は札幌へ向かう。事前に得た情報から待ち伏せをし、警察は八木を確保した。

八木の取り調べに綾乃も参加する。既に捕まっている他の3人は、保険金詐欺については認めているが、神代殺害は否認していた。10月21日に匿名の男性の声の電話で神代の殺害が発覚し、この時にアリバイがないのは陽子と八木の2人だけだった。

神代殺害後、陽子を殺して逃走したのではないかと問うと、八木は陽子が死んだことを知らなかった。また、保険金の3億円の行方についても知らなかった。八木は陽子から1千万受け取ったが、怖くて使えなかった。

八木が捕まる

2017年:隠し金庫を発見

陽子は八木を説得していた。八木の前に殺害された沼尻のことを話し、彼もまた殺人に加担させられ、用が済んだら保険金を掛けられて殺された告げる。さらに保険の支払い証明書を見せ、これが証拠だと教えた。

カインドヘルプに囲われてる人たちは、もう何人も殺されて換金されている。次は八木が殺される番だと陽子は主張する。今逃げたら殺される、逃げても逃げなくてもあなたは殺される。では、どうしたら良いのかときく八木に、自ら考えた計画を話し始めた

計画を考えたのは陽子だと、取調べ中の八木は自白する。陽子は裏で計画を進めながら、表向きは普通の生活を続けていた。だから陽子が保険金のありかを探していたなんて、他の誰も気づかなかっただろうと証言する。

保険金の隠し場所を探していた陽子は、ある部屋に入って探していると鳴る音が違う床を発見する。そして畳を剥がしてみたら、そこには隠し金庫があった

10月21日は自分の誕生日だから、たまには2人きりで朝まで過ごしたいと神代にねだる陽子。八木も適当な理由をつけて、外出をすることにした。

八木を説得して結託し、隠し金庫も発見

10月21日:神代殺害を決行

陽子の誕生日当日、神代と2人しか部屋にはいなかった。その頃八木はスタンガンを手に持って、陽子からの合図をクローゼットに隠れて待っていた。

神代は子供の頃のことを思い出し、陽子にその話を始める。憐れで無力な獣の目を見ると、自分が生きていると実感したという。残酷で最低な男だと陽子は言い切る。その言葉に嫌われてしまったかなという神代、とっくに嫌っていると言いながら陽子はキスをする。

八木は合図をもらい気づかれないように二階から降りてくる。陽子と神代の死角になるような位置でスタンバイをしていた。自分が憐れで卑しい目をしていたから、可愛がってくれたんだろうと。でも自分は家畜ではないと言った瞬間、八木が背後からスタンガンで神代を襲う

動けなくなった神代をどかし、陽子は日本刀を手に持つ。神代は悟ったのか目を静かに閉じ、子供の頃に神代と会った時のことを陽子は思い出す。そして絶叫しながら日本刀を神代に突き立てた

その時の様子を八木は証言する。何度も何度も刀を突き立てながら、陽子はなんだか泣いているようだったと。

八木がアシストして陽子が神代を殺害

陽子の行方は?

陽子は金庫の鍵を神代から奪って開けると、八木に1千万を渡す。行くあてもない八木にどこでも好きな場所へ行け、ないなら作ればいい。自分は自分になれる場所を作ると八木に告げた。

金庫にあった金額を問われても、八木は見ていないので知らなかった。他に陽子が言っていたことや、行き先を聞かれても八木はわからないと答えるばかりだった。

八木の立件できそうなのは、神代の殺害幇助と沼尻の殺害だけで、陽子殺しは難しい。しかも、あの遺体が陽子ではない可能性もあると綾乃は思っていた。だが、へその緒とDNAが完全一致していた。3億はどこへ?陽子のしたかったこととは一体何だったのか?綾乃はどうしても腑に落ちなかった。

陽子、あなたは死んだ。遺体は身寄りのない人物として行政の手により、事務的に処理されるだろう。本当は全てが計画通りだということを。

1年後

鈴木康明というホームレスの男の遺体が発見される。陽子の父親ではないかと考えられたが、DNA鑑定した結果、一致率が0%だった。もし亡くなったのが本当の父親で、へその緒のDNAが違うのだとしたら?しかし、遺体はとっくに焼却されてしまい、確認のしようがなかった。

陽子は生きているのか?

2017年7月:樹里殺害

計画は神代を殺す3ヶ月前に始まった。その人物がいたからこの計画に踏み出せた。陽子はある部屋を借りていた。神代殺害後、何度も身なりを変えてタクシーを乗り換え、足取りを完全に消し去った。

この日のために借りていた部屋に現れたのは、以前デリヘルで一緒に仕事をしていた樹里だった。樹里に食事を振る舞い酒を勧める陽子、そこで聞き出すのは前に見せてもらったお守りのことだった。お守り袋の中にはへその緒が入っていた

あなたと私、社会に捨てられた2人の棄民。光の届かない水槽で、ほんのすれ違った2人の棄民。2人の人生をその歴史を書き換える。私たち2人を捨てた社会を騙しきる。

眠る樹里の首に手をかけ陽子は殺害をした。

今日から自分が橘すみれだ。やがて猫たちが体を食いつくし、鈴木陽子はこの世からいなくなる。でも逃げ切るにはあと1つやることがある。

樹里を殺して“橘すみれ”になり変わる

母の始末

陽子は母の家へと向かい、仏壇の前にへその緒を置いた。へその緒以外に本人確認できるDNAがあったら困ると言い、母親を車に乗せて走り出す。

しばらく走らせた後、崖で車を止めて母を下ろす。なぜ母親が自分を嫌うのか、今はわかるという。私を見ていると、平凡でつまらない自分が見えてしまうのだろうと。

そして「私は生きるよ、これからも」といって母の首を絞め始める。だが、手を放して「お母さん」と涙ながらに声をかける陽子を母は突き飛ばし、「陽子」と笑みを浮かべながら告げる。そして自ら後退して崖の端へ向かい、そのまま身を投げた

誰もいない鈍色の空の下、風の音が泣いているように吹いている。陽子の絶叫は崖の下にこだました。

母親は自ら死を選ぶ

あの日私は捨てた、母親も昔の自分も。これで本当の棄民になったよ。朝焼けの空がすみれ色に染まる、あれが新しい私。私は生きる、私が私になれる場所で、私の居場所で。

2019年3月:物語の結末

綾乃は陽子の実家に来ていた。母親の行方は依然不明のままだった。仕方なく近所にある「ミスバイオレット」という名前の喫茶店に行く。そこの店員と綾乃は他愛もない話をする。1年前にここで生まれ育った人が死んだのだが、なんだか彼女が生きているような気がすると。

ふと、店の奥にいる女性に目が留まる綾乃。席を立ちふらふらと歩みを進めながら、「彼女のことをずっと追っていて、あなたのことをずっと探していた」とその女性にいう。この店のオーナーこそ、鈴木陽子だったのだ

鈴木陽子、もう二度と聞くことがないと思っていた名前。あたしはやっと気づいた。本当は誰かに見つけてもらいたかった。やっと終わる、これでやっと終われる。

綾乃は陽子を見つけ

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ドラマ【絶叫】最終回の感想

陽子という女の生き方を他人事と思える幸せな人生を送っている人には、全く響かない作品だったかもしれません。しかし、思い当たることが一つでもあれば、このドラマは涙なしには見れないものだったと思います。

この作品はまさにWOWOWでやる意味のあるドラマでした。

陽子の罪

結局陽子は何の罪に問われるのでしょうか?立件できるかできないかは別として、まとめてみました。

  • 保険金殺人3件
  • 神代殺害
  • 樹里殺害
  • 母親殺人未遂

この辺りでしょうか。細かく言えば売春の罪だとか、保険業務違反など色々あるとは思いますが、殺人にまつわる罪といえばこんな感じかと思います。

普通に考えて死刑になりそうな予感の罪の数々です。直接の殺害で2人、間接的な殺害が3件、未遂が1件となります。ただ立件となると、樹里はちょっと難しそうなので、保険金と神代の件だけになりそうな気がします。

金魚の意味

時折出てくる金魚ですが、これに陽子は自分を重ねます。祭りの屋台でもらった金魚が、陽子のあの年までずっと生きてるのは無理なので、恐らく東京に出てきてから飼い直したのだとは思います。

金魚だけあって水がないと生きれません。陽子はそれを空気に溺れると表現したりして、なかなか詩的な言葉で自分が金魚と同化します。また、水槽というものが狭い世界、抜けられない現状などを表していました。

誰にも見てもらえない寂しい存在であったり、ここにいるといっても相手にされない辺りも金魚に重ねます。神代を殺害後もちゃんと金魚を家から持ち出し、最後は沢山の金魚で水槽が賑わっていました。居場所を見つけた、仲間ができたということを表現したのかもしれません。

陽子はなぜ転落したのか?

陽子の転落していく様子を見て、どうしたらこうならなかったのか、考えてみました。

1.他人に愛情を求めた

母親との折り合いがつかない陽子ですが、こればかりは自分の気持ちだけではどうにもならないので、あまりこだわっても仕方なかったのだと思います。

母に愛されなくとも誰かに愛されていれば、それも気にならなかったのでしょう。しかし、残念ながら出会った男は、DVのヒモである元ホストという残念な結果です。

2.仕事選びの問題

そもそも仕事選びが悪かったのかもしません。保険の外交の前にテレアポの仕事に就きますが、これではお金が足りずに転職します。高卒の陽子にとって選べる仕事は限られています。

かかるお金を減らすか収入を増やすしかなく、その結果の保険の外交員ということでした。その仕事も結局クビになり、借金先から紹介されたのがデリヘルという仕事となります。

もちろん職業に貴賎はありません。しかし、陽子は職業選択の自由が狭いことは事実です。実家も借金で追い出されるので、大学に進むお金はなかったと思われます。学力がどの程度かは分かりませんが、普通だったとしたならこう考えられます。

3.借金の使い道

もし、借金をするなら、大学の授業料を借金するというのもありだった気がします。大学に行かないならば、手に職が就く仕事に勤めて、後に独立資金の借金なんていうのもありかと思います。

また同じ風俗関係に勤めるにしても、綺麗なのだからホステスとかを選んで、店を持つための借金なんていうのも良かったかもしれません。

それもこれも借金がいくらかによりますが、いっそそんなに多いなら自己破産も視野に入れても良かったのではとも思います。

先の展開が望めない仕事に、その場しのぎの金銭を得るために就くことは、もし転落したら自分が死ぬか犯罪を犯すかになってしまいそうです。

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ドラマ【絶叫】最終回のまとめ

全4回と短い物語ながら、抑圧された者の苦しみをこれでもかこれでもかと見せ付けられた話でした。絶望しかない話ではなく、生きるために必死な人のしたたかさもあり、どちらかというとピカレスク小説のような話でした。

それに現代の様々な問題を混ぜ、転落からの浮上、そしてラストに至るという見事な構成です。キャストの良さと時折入る陽子のナレーション、こだわりを感じさせる映像とセリフの数々、その全てが話を盛り上げるために合致していた良作でした。

今回のいいセリフ

生きるってさ、あがくことなんじゃないかな

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