NHKBSプレミアムで12月8日に放送したドラマ【歪んだ波紋】の6話「たからもの」のネタバレと感想などを詳しくまとめました。
今回の主役は久し振りに登場する美沙でした。会社も辞めて子育てをしながら、語学学校で講師をしています。学校で起きた盗撮事件、その犯人が娘の通う保育園で見かけて美沙は恐怖を感じます。政彦の協力も得て美沙の戦いが始まります。
ドラマ【歪んだ波紋】6話のあらすじ
政彦(松田龍平)の元に、美沙(山口紗弥加)が、自分の勤める韓国語学校で起きた盗撮事件が、どの新聞にも報道されない理由を尋ねに来る。その背後にあったのは…
赤西峰子焼死事件を追う相賀(長塚京三)は、三反園(松山ケンイチ)に調査への援助を頼む。政彦(松田龍平)の元には、記者を辞めた美沙(山口紗弥加)が、ある事件の行方を知りたいと現れる。それは美沙が勤める韓国語学校で起きた盗撮事件だった。目の前で起きた逮捕劇だが、どの新聞にも報道されず、犯人は何事もなかったように美沙の娘の保育園へ、自分の子供の送り迎えをしている。この事件の背後には隠ぺい工作があった。
公式HPより
ドラマ【歪んだ波紋】6話のネタバレ
- 峰子の死亡した火事は放火と断定され、背後に詐欺グループがいることが分かった
- 相賀は三反園と組んで、この事件を取材し公表することにする
- 美沙は韓国語を教える仕事を空いた時間にしていた。その授業中に騒ぎが起き、警備員に盗撮犯が取り押さえられた
- 美沙が娘を迎えに行くと、あの盗撮犯が迎えに来ていた。娘と同じ保育園に犯罪者がいることに美沙は不安を感じる
- 夫にそのことを話してもあまり取り合ってくれないため、政彦に美沙は電話をする。政彦のほうで盗撮事件について探りを入れてくれた
- 政彦が記者クラブの曽我部に聞いたところ、確かに事件はあったが掲載はされなかったと言う。警察は発表しているがどの新聞社も記事にしていなかった
- 娘の杏が熱を出したため美沙は保育園に迎えに行く。仲良くしている男の子から手紙を渡され、中を見ると盗撮犯と同じ苗字の正田だった
- 正田昌司は著名な弁護士正田則夫の次男だと、政彦からのメールで美沙は知る。向こうがこちらの動きに感づいたから、早く手を打ったほうがいいと言われるが、杏のそばから離れることができない
- 政彦が妻の早百合に連絡して杏を預かってもらうよう頼んでくれた。美沙は恐縮しながらも早百合に預け、一人で弁護士事務所へと乗り込んでいく
- 最初は取り合わない則夫だったが、自分の子どもが通う保育園に盗撮犯がいる恐怖に訴え、子どもを守りたいという気持ち伝える
- 美沙の話を聞いた則夫は真相を語り始める。警察OBと地元記者の懇親会で、飲んだ後、あまり飲んでいない記者が車でOBの2人を送っていった。だが、巡回中のパトカーに止められてしまう。その時、動画を回して近づいてきた男たちがいた
- その男の1人の弁護を担当したことがある則夫の元には、時々動画が送られてくるという。則夫はその時の動画を見て不祥事を丸く収めた。その代わりに自分の息子の不祥事も表沙汰にされなかった
- 美沙はその動画を見せてもらうと、その時にいた記者というのは夫の新一だった。だから夫は親身になってくれなかったのかと愕然とする
- 杏を迎えに戻り早百合と話をする。娘を守るつもりが夫の間違いに気づくなんてと嘆く美沙
- 政彦は別れてすぐ結婚したので、自分も張り合って結婚したという美沙。最初は夫婦だと思えなかったと語る
- 早百合は早百合で元カノの美沙に嫉妬していたという。でも子どもが産まれてから過去や嫉妬はどうでもよくなった。美沙もそうでしょう?と聞く
- 子どもあやす夫を見て、この人と結婚して良かったと美沙も思っていた。「たからものができたんだもんね」と早百合が言う
- 美沙は今回のことを夫に話すと決意する。本当のことを言って壊れる関係なら、それでいいと覚悟を決めた
- 自宅に戻った美沙は新一と話をする。言わないほうが良かったのかなと言う美沙に、新一は「ありがとう」と答え間違いを正すことにする
- 翌日保育園に行くとリクはいなかった。聞くと父親の仕事の関係で転勤になったという
- テレビでは大日新聞の緊急謝罪会見がやっていた。警察OBとの癒着、飲酒運転についての謝罪だった
- 早百合は美沙が話をしたことをそれで知る。一緒に見ていた政彦もようやく自分の犯した過ち、敦子の誤報について早百合に話す。話を聞いた早百合は「大丈夫」と自分に言い聞かせるように政彦の言葉を受け止めた
- 敦子と母の関係を気にしていた安藤は、母親も今の君のように子供のためなら死んでもいいと思っていたはずだと告げる。敦子の心は揺れるが、外で待っていた母をまだ受け入れることができなかった
- 相賀と話をしていた三反園の元に桐野が現れ、接触してきたのだった
ドラマ【歪んだ波紋】6話の感想
会社を辞めた美沙が登場します。自分の娘が通う保育園に来る保護者の男が実は盗撮犯だったという恐怖に震えます。しかも事実は一切表に出ず、罰せられることもなく野放しです。当然美沙は何とかしようと考えます。
調べていくうちに夫の不正に気づいてしまう、恐怖だけでなくショックも受ける美沙。それを一緒に聞くのが早百合という、元カノと現在の妻の不思議な関係がありました。早百合はよくできた女性で、話を聞き励ますようなヒントも与えます。政彦にはもったいないぐらいのいい奥さんをもらったなぁと思いました。
それぞれの夫婦の関係や子どもに対する想い、そういったものが強く描かれた回でした。「子はかすがい」とはよくいったもので、今回のタイトルである「たからもの」とは子どものことでした。
敦子も子どもをお腹に抱え、母との確執が改善されそうな兆しが見えてきます。人の親になる、それは今までのわだかまりが解けるきっかけになるのだと、美沙、早百合、敦子が身をもって体験しました。
今回は起きた事件の詳細と、美沙と早百合の関係などについて掘り下げます。
ネタバレの詳細となります、未見の方はご注意ください。
ドラマ【歪んだ波紋】6話の事件の詳細
美沙が講師を務める語学学校で盗撮事件が起きます。犯人を捕まえることはできましたが、なぜか事件は表沙汰になりません。その裏側には警察の思惑がありました。
雑居ビルで盗撮 男逮捕
14日14時10分ごろ、神奈川県横浜市の語学学校などのテナントが入居する雑居ビルに侵入し、ビル内共用の女子トイレに盗撮目的でカメラを設置したとして、正田昌司容疑者(38)を建造物侵入容疑で逮捕した。
この正田という男は人権派弁護士の正田則夫の次男ということが分かります。さらに、美沙の娘が保育園で親しくしている男の子、リクの父親だというこも分かりました。
なぜか、微罪処分で即日釈放になり、マスコミ各社も記事にしません。その理由は警察OBの不祥事にありました。
- 県警OBと地元記者クラブのメンバーで親睦会が開かれる
- 最後まで残ったOBの2人が泥酔状態
- 酒の量が少ない記者が運転して送る
- 巡回中のパトカーに止められ酒気帯び運転が発覚
- 車を止めた警官がOBが乗っていることに気づきすぐ本部へ連絡
- 表沙汰にならないよう隠ぺいに動く
ここまではよくある話です。弁護士の則夫がどこにも出てきません。なぜ関わることになったのか?さっきの話には続きがあります。
- 動画を回しながら近づいてくる男たちがいた
- このメンバーの1人を則夫が弁護したことがある
- それ以降、動画を持って来るようになった
- 彼らは警察OBと新聞記者が捕まったことに気づかなかった
- そのため動画サイトに流す前に則夫が丸く収めた
この時の貸しがあったので、息子の件が表に出なかったのでした。この話はまだ続きがあります。美沙はその時の動画を見せてもらいました。すると、そこに映っていたのはカメラを回す男たちと言い争う夫の新一でした。飲酒運転をしていた記者、それは夫の新一だったのです。
美沙の決断
娘を守るために動いた美沙でしたが、夫の新一の間違いに気づいてしまいます。悩んだ美沙は娘を引き取りに行った時に早百合に話します。それは美沙と政彦の関係まで含めてでした。
- 政彦は美沙と別れてすぐ早百合と結婚した
- 美沙とは正反対の人物だと政彦が言う
- 美沙は悔しくなり張り合って結婚した
- 不純な動機で一緒になったから、最初は夫婦だと思えなかった
美沙は政彦と別れ、それがきっかけで結婚したため、新一にあまり愛情が湧かなかったようです。それでも一緒に居続けられた理由とは?話を聞いた早百合の口から分かります。
- 政彦はずっと美沙のことを引きずっていた
- 見えない美沙が憎くてそれが原因でよく喧嘩した
- でも息子が産まれて全部変わった
- 嫉妬とか過去とかどうでもよくなった
政彦は美沙に未練があったようです。そんな政彦に怒り喧嘩になったといいます。状況を一変させたのが息子の彰の誕生でした。早百合は子どもが産まれたことで、過去のことはどうでもよくなります。
だから今回、美沙の娘を預かる余裕も見せたのです。普通、元カノの娘など預かるのは嫌でしょう。もう早百合の中にはわだかまりはありません。
この話を聞いて美沙も娘をあやしている夫を見ていると、この人でよかったんだと思えたといいます。「たからものができたんだもんね」と早百合に言われて納得します。そして美沙は決意します。夫に今回のことを話すと。
新一と美沙は2人で話し合い、新一は悲痛な面持ちで話を聞きます。美沙は「言わないほうがよかったかな?」とたずねます。すると「ありがとう」と新一は答え、自らの罪を認めて正すことにします。
後に大日新聞は緊急謝罪会見を開きます。そこで警察OBとの癒着、飲酒運転について謝罪しました。新一は一ヶ月の休職処分となりました。
峰子の事件
4話目で起きた赤西峰子の火事が放火であったと断定されます。その件について調査したものを相賀は三反園に持ち込みます。三反園は相賀を歓迎し、ファクトジャーナルが取材費を出すといってバックアップします。
元大日記者が迫る連載第一回!
横浜放火殺人から闇金業者の詐欺グループを告発!大日新聞を退職した70歳の記者が、培った取材力を武器に詐欺グループの割り出しに成功した。同僚の死をきっかけに追い詰めた闇金業者から繋がったのは、卑劣な詐欺を繰り返す詐欺集団だった!
今年8月5日午後9時ごろ、神奈川県横浜市鶴見区鶴見西町で、木造アパートが全焼する火災があった。
この火災で亡くなったのが、アパートの1階に住む赤西峰子さん(58)。赤西さんは清掃会社に勤めており、火事のあったアパートに一人暮らしさった。
火は6時間後に消し止められたが、出火原因は不明であった。ところが後に、この火災が「放火」である可能性が浮上する。
亡くなった赤西さんは、多額の借金を理由に詐欺犯罪グループに利用されており、アパート火災はそのトラブルにより発生した放火殺人の可能性がある。
今後、この詐欺グループの全容が明らかになるのか?相賀の取材に期待です。
ドラマ【歪んだ波紋】6話のまとめ
子どもの存在が過去やしがらみを忘れさせ、逆に子どもを守るために奔走します。
そもそも盗撮男がちゃんと捕まって裁かれればよかったのですが、警察やマスコミの忖度が働いて表沙汰になりません。犯罪者側は得をしたかもしれませんが、まったく関係のない人たちはこれから被害者になるかもしれない恐怖にさらされます。
また、峰子の火事が放火だと断定され、詐欺グループの存在が浮上してきます。一つの誤報から転落し殺害される。そんな酷い仕打ちをなぜ受けなければならないのか?一つの過ちから人の人生を狂わせる、報道する人には非常に重い責任があると分かります。