【世にも奇妙な物語 35周年スペシャル】『恋の記憶、止まらないで』のネタバレと感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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2025年5月31日にフジテレビ放送された【世にも奇妙な物語 35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~】の5話目、斉藤由貴さん主演の『恋の記憶、止まらないで』ネタバレと感想をまとめています。

新曲ができずに悩んでいた志保は、ある日見た夢で曲のアイデアがひらめき新曲がヒットする。だが、昔録画したビデオに入っていたCMでかかっていた曲と全く同じで……。

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ネタバレ

志保は恐怖を感じながらも、新曲を歌い続けていた。CMで歌っていた宮島素子について調べると、彼女はCMに出演した後、急死していた。だが、死因ははっきり分かっていなかった。当時取材した記者にきいたところ、何度も謝りながら亡くなったという。志保は余計に不安になった。

そんな中、CMが決まり志保も出演して歌をうたうことになった。撮影を終えてスタッフたちとモニターを見ていた志保だが、突然画面が素子のCMに切り替わる。みんなに罵られているような気がして、パニックになった志保は、スタジオを飛び出した。

廊下の奥にたたずむ素子の姿を見て逃げ出す志保、扉の向こうからあの曲が聞こえてくる。素子が襲ってきたと思ったが、実際は事務所の社長だった。

自宅に戻り「ごめんなさい…」と何度も一人で志保は謝っていた。するとテレビが突然つき、志保のCMが流れ出したかと思えば素子のCMに変わる。「この曲、とらないで」と歌が聞こえ始め、画面の向こうの素子も「ごめんなさい」と謝り続けていた。

志保は「この女も誰かの曲を盗んだんだ」と気付いた瞬間、画面の素子は消えて志保の背後にたたずむ謎の女性の姿があった。彼女は志保の耳元で「この曲、とらないで。私の曲よ」と囁いて笑う。

そして志保も気がおかしくなったように笑いながら、暗くなったテレビの画面を見続けていた。

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スランプ

村瀬志保(斉藤由貴)は作曲のことに没頭するあまり、中居賢治(利重剛)の朝食を用意するのを忘れていた。賢治は気にする様子もなく、「満足できるまで続ければ」とだけ言い残して仕事に出かけた。

その夜、志保はレストランでライブ演奏を行ったが、客の誰一人として彼女の歌に耳を傾けていなかった。「いつからだろう?誰にも響かない歌を歌ってる」と、志保の胸には重たい疑問が渦巻いた。

SNSには、志保の歌に対する失望の声が並んでいた。帰宅した志保は、思うように新曲が作れないことを嘆きながら、深い疲れに沈んでいった。

手ごたえ

夢の中で、志保は白い服を着た少女たち三人を追いかけていた。すると、どこからか「恋の記憶止まらないで あなたの声 風に乗せて」という旋律が聞こえてきた

目を覚ました志保は、そのフレーズを逃すまいとすぐに譜面に起こし、ついに新曲が完成する。手応えは確かなものだった。

完成した曲をレストランで披露すると、SNSでは絶賛の声が相次ぎ、志保の曲はチャートにもランクイン。ライブには次第に多くの観客が集まるようになり、賢治との関係も次第に良好なものへと変わっていった。

謎のCM

ライブを終え、満足げな表情で自宅に戻った志保は、ふと物音に気づく。不審に思って部屋を見渡すと、一本のビデオテープが倒れていた。それは1983年、志保が津軽ちびっこのど自慢大会に出演したときの映像だった。

志保はビデオを再生する。画面には、小学3年生だった志保が「ぼくらはみんないきている」を歌う姿が映し出される。そして、その後に流れたのは一本のCM。森の中を白い服を着た少女3人が走る映像で、志保が夢で見た光景とまったく同じだった

映像はやがて滝へと切り替わり、そこでは白い服の女性・宮島素子(イチキ遊子)が「恋の記憶 止まらないで あなたの声」と歌っていた。それは「琴條」という日本酒のCMだった。

「嘘…この歌…」と、志保は驚愕する。そして「どうしよう…」と、困惑に包まれていった。

呪われたCMソング

志保は「地酒琴條 CM 青森」とネットで検索をかけた。その中で目に留まったのは、「最恐 都市伝説」という不気味なサイトだった。

そこには、「科学の進んだ現代にも恐ろしい呪い歌は生きている。それが『呪いのCMソング』。かつて青森県でたった一度だけ放送されたことがある地酒琴條のCM」と記されていた。

興味と不安が入り混じる中、志保は「最恐 都市伝説」のリンクをクリックし、その詳細を読み進めた。

そこには、次のような内容が綴られていた。

「青森県で一度だけ放送された『地酒琴條』のCM。出演していた女性歌手は、放送の直後に急死し、CMはすぐに打ち切られた。このCMに使われた楽曲は『呪われたCMソング』と呼ばれ、映像も音源も現存していない。歌を歌ったことで命を落としたのではないかと囁かれている……」

志保は息を呑みながら、繰り返しあのビデオを再生した。そこに映っていたのは、紛れもなく白い服をまとい、あの曲を歌う宮島素子の姿だった。

錯乱状態

志保はラジオ番組に出演し、DJ(石田佳名子)から「この曲はどのように生まれたんですか?」と質問される。志保はとっさに、自分の学生時代の恋愛経験をもとに作ったと嘘をついた。

その瞬間、突然ヘッドフォンから鋭いハウリング音が響き、志保は驚いてヘッドフォンを外したが、スタジオ内では何の異常も起きていなかった。

気を取り直し、志保は自ら曲の紹介を行う。そして曲が流れ出すと、彼女の耳には宮島素子が歌っていたあのCMソングが聴こえてきた。「どうしてこっちをかけるんですか!」と志保は怒って再びヘッドフォンを外す。

しかし実際に流れていたのは、志保自身の新曲だった。周囲のスタッフたちは何が起きたのか理解できず、呆然と立ち尽くしていた。志保は状況を悟り、慌てて謝罪した

新たなCM

その後、志保は宮島素子について調べ始めた。インディーズ歌手のデータベースに、彼女の名前が記載されていた。

そこには、「地元青森で活動する歌手。1983年没。地元紙・青森新報が報じるも、死因は不明」とだけ書かれていた。

それでも志保はライブ活動を続け、「恋の記憶」を演奏し続けていた。ある日の出演を終えた帰り道、志保はふと白い人影が見えた気がして足を止めた。すると、どこからか笑い声が聞こえてきて、思わず振り返る。

やがて尾形幹子(平栗あつみ)が現れ、志保にエステのCM出演の話を持ちかけてきた。プロデューサーの三宅佳彦(木下政治)も紹介され、しかも志保自身にも出演してほしいという依頼だった。

志保は戸惑いながらも、その申し出を受け入れた。

死亡記事

志保は、宮島素子の死を報じた記事を書いた記者(五頭岳夫)に連絡を取り、当時の話を聞いた。

記事内容

歌手・宮島素子さん死去 弘前
二十九日午前十時二十分ごろ、弘前市春日町の家屋で弘前出身の歌手・宮島素子さん(享年四三)が遺体で発見された。
弘前東署の調べによると、近所から異臭がすると通報があり、警察官が訪ねたところ、宮島さんの遺体が居間に仰向けで倒れており死後二~三日経過していたとみられている。何者かが外部から侵入した形跡もなく、外傷もないため、事件性は低いとみられている
宮島さんは既往歴は無く、死因は不明亡くなる前から周囲に何度も謝っていたとの証言もあり自殺の可能性もあるとみて、現在司法解剖にて調査している。
宮島さんは昭和十五年に弘前にて生まれ、地元の学校を卒業後、一度は弘前の信用金庫に就職するも、ミュージシャンの夢を諦めきれず退職。二十八才から青森を中心に音楽活動を行っていた。

記者によれば、彼女は地酒「琴條」のCMに出演した直後、突然亡くなったという。関係者に多大な迷惑をかけたことを気にしていたのか、亡くなる間際まで何度も「ごめんなさい」と謝り続けていたらしい。

話を聞いた志保は、手にした譜面を見つめ、不安に駆られていった。

自分の曲

志保は事務所に向かい、幹子に「実はあの歌は…」と言いかけた。だが幹子は、歌番組への出演が決まったと満面の笑みで報告し、話を遮った。

自宅に戻った志保は、ビデオテープを手にしながらこれまでの出来事を思い返し、深く悩んだ。葛藤の末、覚悟を固めた志保はテープをデッキから引き出し、「恋の記憶はもう私の曲。私の曲…」と繰り返しながら、ハサミでそのテープを切断した

迫る恐怖

志保はエステのCM撮影に臨んだ。撮影後、スタッフたちと共に映像の確認をしていると、突然、あの宮島素子が出演していた「地酒琴條」のCM映像が流れ始めた

志保は驚き、「どうして…」と動揺しながら画面を隠そうとする。モニターのケーブルを抜いても、映像は消えずに流れ続けた。

その場にいたスタッフたちの口から、「がっかりだよ」「曲盗んだんだろ」「最低」と非難の声が次々と上がる。志保は「違うの…私は…この歌は…」と必死に弁解しようとするが、その言葉は誰にも届かない。

ふと見ると、あの夢に現れた白い服を着た少女たち三人が目の前に立っていた。志保は叫びながらその場を飛び出す。

廊下に出ると、天井の蛍光灯が点滅し、その奥には素子が静かに立っていた。突然、蛍光灯が割れ、志保は悲鳴を上げながら扉を開けて逃げ出す。

逃げた先の扉の向こうからは、あの歌が微かに聞こえてくる。やがて歌声が止み、志保がほっとした瞬間、背後のドアが静かに開いた。

振り返ると、そこには素子が立っていた。彼女は無言のまま近づき、志保を突き飛ばす。床に倒れ、怯えながら錯乱する志保。

だが、その顔をよく見ると、それは素子ではなく幹子だった

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ドラマの結末

自宅に戻った志保は、一人きりで「ごめんなさい…」と何度も呟きながら謝り続けていた

すると突然、テレビの電源が入り、志保が出演したCMが映し出される。だが映像はすぐに切り替わり、あの素子の地酒CMへと変わる。

テレビからは、「この きょく とらないで」という声のような歌詞が聞こえ始め、画面の中で素子があの曲を歌っていた。そして彼女もまた、「ごめんなさい…」と何度も謝り続けていた

その姿を見つめながら、志保は「この女も誰かの曲を盗んだ」と気づく。

やがて画面から素子の姿が消え、滝の映像だけが静かに流れ続ける。志保はその映像をじっと見つめていた。

すると、背後に一人の謎の女性が立っていた。彼女は志保の耳元で「この曲、とらないで。私の曲よ」と囁き、静かに笑う。

次の瞬間、志保もまた笑い出し、暗い画面を見つめ続けていた。

←4話『美女缶』

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『恋の記憶、止まらないで』のまとめと感想

初回放送2019年のホラー系の話です。この話が比較的新しい話ですが、既にもう6年経過しています。

放送当時も思いましたが、このドラマ内に出てきたCMを見て、某製紙会社のCMを思い出した人もいるのではないでしょうか。そのCMも都市伝説的に語られ続けた『呪いのCM』でした。

素子からパクっただけかと思いきや、素子もまた別の人物から曲を盗作していました。つまりこの曲はパクられ続けてきた曲になります。さらにいうと、パクった人物はみな破滅します。

作った曲が偶然誰かの曲に似てしまうことは、知らず知らずのうちにありそうです。今は尚更、AIで作曲もできるので、実はどこかの誰かの曲をAIが作る可能性もあるかもしれません。

ホラー系の話として面白いですが、怖いのが苦手な方は驚かすシーンもあるので視聴には注意が必要です。

←4話『美女缶』

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