【世にも奇妙な物語 35周年スペシャル】『BLACK ROOM』のネタバレと感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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2025年5月31日にフジテレビ放送された【世にも奇妙な物語 35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~】の1話目、木村拓哉さん主演の『BLACK ROOM(ブラックルーム)』ネタバレと感想をまとめています。

アメリカに留学中だった湯ノ本ナオキは、両親を驚かそうと3年ぶりにこっそり日本に帰国した。しかし自宅は真っ暗で自分が住んでいた頃とは様子が違い、さらに知らないうちに妹がいるというが……。

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ネタバレ

湯ノ本家はナオキがいない間、国際特務機関になっていた。南極に出現したガッソンという怪獣を映し出すモニター、母はテキパキと任務をこなしていく。やがて現れた妹のマサコはどう見ても男で、非常勤戦闘員ということだった。

父と妹が戦闘機に乗って発進すると、母はいつもの母に戻っていた。何があったのかきこうとするナオキだが、母は時期が来ればあなたも忙しくなると告げるだけだった。ナオキは素直に「はい」と答えて敬礼した。

2話『夜汽車の男』→

3年ぶりの帰国

南極時間で午前11時12分、日本では午後7時12分。湯ノ本ナオキ(木村拓也)はタクシーから降りた。アメリカに留学中だったが、両親を驚かせようと、こっそり3年ぶりに日本に帰国した。だが、周囲は真っ暗で何もよく見えなかった。

家に到着すると、なぜかハッチを開けて中に入ることになった。リビングでテーブルを挟み、父のカズオ(志賀廣太郎)と母のカズコ(樹木希林)と会話を交わすが、どこか様子がおかしい

父は会社を辞めており、駅前は明るいのに家の周辺だけが暗い理由を尋ねても、はっきりした答えは返ってこない。家の中も薄暗く、部屋の配置も以前とはすっかり変わっていた。

かみ合わない会話

ナオキが埒のあかない話を続けていると、突然、両親が立ち上がり彼を驚かせた。母は「オヨコーロド」やと言い、「驚いた」という言葉が逆再生すると同じになるのだと話し、再び腰を下ろす。ナオキが自分の部屋がどこなのか尋ねると、母はその話はゆっくりしたいと言った。

さらに話は逸れ、アメリカ人のガールフレンドがいるのかと執拗に聞いてくる。ナオキがそれを認めると、今度は彼女がブスかどうかを問いただす。性格は良いと答えると、母は急に手を伸ばし写真を見せろと言い出した。両親はその後も密談を始め、彼女がブスなのか美人なのかをしつこく気にし続けていた

広すぎる家

「ここってなんなの?」とナオキは両親に問いかけた。ここに来るまでが大変だったと話すナオキに、母は「キッチンよ」とだけ答え、茶を汲みにどこかへ行ってしまう。しかし、なかなか戻ってこない。長く足音だけが響き、ようやく母が戻ってきた。

「広いのか?」とナオキが尋ね、立ち上がって歩き回ろうとすると、父は危ないからと止め、座るように促した。無理やり椅子に座らされるたび、父はおならの音を真似してはしゃぐ。ナオキが呆れて文句を言うと、父は突如机を叩き、「父親に向かってこの野郎とは何だぁ!」と怒鳴った。

謎の妹

父は一つ約束をしてほしいと言い出したが、両親は笑い出してなかなか本題に入ろうとしない。ようやく話したのは、家のことについてはあまり詮索しないでほしいということだった。今は「私とカズコとマサコの家だ」と父は言う。

「マサコって誰?」と尋ねると、「妹だ」と返ってくるが、ナオキにはそんな記憶はなかった。父は「いろいろ理由があって言えない」と濁し、続けて「マサコのことはきかないでくれ」と言って泣き始める。母のカズコも一緒になって泣き出した。

「いつ生まれたんだ?」と問うと、「10歳だ」と父が答える。ナオキはふと写真立てに目をやる。父は「ボランティアに行ったときの写真だ」と説明し、再びナオキに座るよう促す。養女なのかと尋ねても、明確な答えは返ってこなかった。

ナオキは過去の記憶を思い出す。父が「ナオキに妹でもいればよかった」と言い、母が「ごめんなさいね」と謝っていた。そして父は「ナオキが生まれただけでも奇跡なんだ」と語っていた。ナオキはそれをこっそり聞いていた。

それを思い出したナオキは、マサコについてこれ以上尋ねるのをやめることにした

人間失格

父はビールを取りにどこかへ出ていった。しばらくして、バイクのエンジン音が響く。やがて父はビールを手に戻ってきた。その間、母は眠っていた。

家の広さを改めて感じたナオキは、思わず「広いじゃん!」と声を上げた。母は目を覚まし、手にしたビールを一気に飲み干す。その様子を見ながら、ナオキは考え込む。

そのとき、ようやく気づいた。久しぶりに再会した両親の奇妙な態度の原因に。1日に50本のビールを飲む人間が、世間でどう呼ばれているか。人間失格――。

ナオキは決意する。明日になったら、2人を病院へ連れて行こう。妹がいるという話も、きっと作り話だ。しかし、妹がいると聞かされて、思わず喜んでしまった自分が今は悔やまれる。

だが、もし本当に妹が存在するとしたら。果たして、そんな2人にマサコを任せておいていいのだろうか――不安がナオキの胸をかすめた。

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ドラマの結末

突然、警報が鳴り響いた。両親は酒を飲むのをやめ、慌てて机に備え付けられたボタンを押す。父は電話の受話器を取り、「南極にガッソン出現?ただちに特別非常事態宣言を出します」と言って通話を切った。

母はすぐさまキーボードを叩き始める。「国際特務機関湯ノ本。南極大陸及びその周辺にいる同士に告げる。光学によりガッソン捕捉、特別非常事態宣言を発令します。速やかに指定のシェルターに避難してください」――淡々と避難指示が発せられた。

父はどこかへ向かい、モニターには巨大な目玉を持つ異形の生物と戦う人の姿が映し出される。それが“ガッソン”だった。

ふいに、どこからともなく現れた人物――国際特務機関湯ノ本の非常勤戦闘員、湯ノ本マサコ(我修院達也)だった。だが、ナオキはその姿を見るなり突っ込まずにはいられなかった。「どう見ても男だろ。しかも親父より年上に見えるだろ」と。

部屋の様相が一変し、父とマサコが人型の戦闘機に乗り込み、発進していく。ナオキは思わず「すげえ」と呟いた。

しかし振り返ると、母は何事もなかったかのように茶を啜っていた。事情を尋ねようとするが、母は静かに言った。

「きかない約束よ、ナオキ。時期が来れば、あなたも忙しくなるわよ」

ナオキは「はい」と応え、敬礼した。

2話『夜汽車の男』→

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『BLACK ROOM』のまとめと感想

初回2001年放送のシュール系の話です。若き日の木村拓哉さんが主演で、今は亡き樹木希林さんと志賀廣太郎さんが家族設定です。

話の内容以前に樹木さんや志賀さんが見れることが嬉しい上に、2人の奇妙な掛け合いが面白いです。ほぼ暗い舞台のようなセットでの演技でも、お陰で飽きずに見られます。

若人あきらさんこと我修院達也さんも妹役で出演し、まるでコントのような雰囲気なのですが、そこに木村さんが戸惑いながら絡んでいくことで笑いだけではない話になります。

最終的には我が家が世界平和を守るため組織に変わっていたことに気付き、自分もいつか出撃する日を待つというオチでした。

昔を知っている人には懐かしく、初めて見る人には不条理ながらも新鮮な話だったと思います。

2話『夜汽車の男』→

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