2019年春の「世にも奇妙な物語 ’19雨の特別編」は5話構成となっています。ホラー系の話や後味の悪い話はありませんが、怖いのを楽しみにしていた人には物足りない回でした。全話ネタバレ含む感想となりますので、未見の場合はご注意ください。
第1話「さかさま少女のためのピアノソナタ」概要とネタバレ
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キャスト&スタッフ
- 黒木 聖(玉森裕太)
- 吉野八重(黒島結菜)
- 野下(大内田悠平)
【原作】北山猛邦(講談社ノベルス『千年図書館』所載)
【脚本】皐月 彩
【編成企画】渡辺恒也、狩野雄太
【プロデュース】小林 宙、中村亮太
【演出】河野圭太
あらすじ
音楽大学のピアノ科に通う黒木(玉森裕太)は音楽コンクールに挑戦するも良い結果が残せず、天才的才能を披露する同級生・吉野(黒島結菜)と比べ、自分には才能がないのではと落ち込んでいた。そんなある日、薄暗い道に見慣れない古本屋を発見する。立ち寄ったその古本屋でふと目に止まった古いドイツ語の楽譜集。その中から落ちてきた赤黒いシミのついた楽譜に何か引かれるモノがあり、楽譜の余白に書かれていたドイツ語を翻訳してみる。するとそこには『さかさま少女のためのピアノソナタ』『絶対に弾いてはならない』と書かれていた。気になってソナタについての検索を始める黒木。たどり着いたサイトには「この曲をもし弾き間違えたなら、必ずや手を失うだろう」と書かれていたのだった!友人の野下(大内田悠平)は鼻で笑うが、黒木はどうしてもその楽譜が気になり、そのピアノソナタに挑戦することを決意。弾き始めると突然まわりの音が消え、ピアノ以外の音が聞こえなくなったのだ。不思議に思いふと見上げると外で降っていた雨、メトロノームや壁時計の秒針もすべて止まり・・・。それが天才ピアノ少女にまつわる悲劇の序章だった。
公式HPより引用
ネタバレ
黒木がその曲を弾いてみると、なんと時間が静止します。そして弾き間違えてしまった、野下は両手を失いはしないものの怪我をしてピアノが弾けなくなってしまいます。また別の日にピアノを弾いていた黒木が静止した窓の外を見ると、なんと吉野が逆さまになって落下している姿が。そう、吉野は飛び降り自殺をしている最中だったのです。
小さい頃からピアノ漬けだった吉野は、ピアノを弾くのが楽しくなくなり留学のオーディションを逃げ出します。しかし、いざピアノを辞めると自分にはそれしかなかったことに気付いて絶望します。そういった会話を静止した状態の中で黒木と話しをします。
何とか救おうとして曲を弾き終えたそばから、また最初から弾く黒木です。弾き間違えたら自らの手を失う可能性もあるのに弾き続けます。そうして弾いているうちにあることを思い出します。学校の授業でやっていた、ベートベンの話を思い出し、楽譜を逆さまにして曲の終わりから弾きます。
すると時間が巻き戻って吉野は助かります。黒木に感謝の言葉を告げに来た吉野は、そこにあるピアノでその曲を弾き始めます。時間が静止した窓の外には、野下が逆さまに落下してました。黒木はその姿を見て「さかさま…少女?」とつぶやいて物語は終わります。
第1話「さかさま少女のためのピアノソナタ」感想
この話が唯一ホラーっぽい部分があります。この劇中の曲である「さかさま少女のためのピアノソナタ」について調べてみると、今回のドラマのために倖山リオさんという方が作曲したものだそうです。
一話目がこの話で良かったんじゃないかなと思います。感動話過ぎもせず、いきなり大根振り回したり、頭に草生えていたり、特撮ヒーローが出てきたらチャンネル変える人もいると思うので。そつなく短い時間の中でまとまっている話で、余韻も少し残る話の構成となっていました。
曲についての説明
- 原題:klaviersonata fur umgedrehtes madche
- 邦訳:さかさま少女のためのピアノソナタ
- 1921年アルベルミラーが「さかさま少女のためのピアノソナタ」を演奏するが、照明が落下し両手を失ってしまった。楽譜は存在するが、誰にも聴くことができない曲といわれる。
- この曲をもし弾き間違えたなら、必ずや手を失うだろう。
謎
曲を聴くことが出来ない理由が、時間が静止するからということなのだとは思いますが、吉野は「大丈夫。あんなに聞かせてもらったし」と言います。“さかさまの少女”だったから聴けたのか?ちょっとわかりません。
また最後に黒木が「さかさま…少女?」とつぶやきますが、救えるのは“さかさまな少女”だけなのかも?と勝手に思いました。
第2話「しらず森」概要とネタバレ
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キャスト&スタッフ
- 長田遥子(吉田 羊)
- 長田昭彦(長谷川朝晴)
- 長田尚之(髙橋 來)
- 少女(平澤宏々路)
- 遠野清美(広岡由里子)
- 遠野武広(梨本謙次郎)
【原作】『しらず森』乾 緑郎(集英社文庫『思い出は満たされないまま』所収)
【脚本】守口悠介
【編成企画】渡辺恒也、狩野雄太
【プロデュース】小林 宙、中村亮太
【演出】小林義則
あらすじ
仕事ばかりで家族の事を顧みない夫との夫婦仲がうまくいかず、息子を連れて実家に帰っている遥子(はるこ・吉田羊)。遥子は小学校の同窓会に参加し、そこで30年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こす事に。何を埋めたか全く覚えていないタイムカプセルを息子の尚之(なおゆき・髙橋來)と一緒に持ちかえるその帰り道、同窓会で幼い頃の思い出話をしていた遥子は昔よく遊んでいた森を思い出す。尚之と一緒にその懐かしい森の中に入っていくと尚之が足を滑らせてどこかへ消えてしまう。森の中には尚之の帽子と先ほど掘り起こしたタイムカプセルが残されていた。遥子は夫とともに尚之を必死に探すが、いっこうに見つかる気配がない。そんな中、ふと目に付いたタイムカプセルを開けてみるとそこには信じられないものが入っていて・・・。
公式HPより引用
ネタバレ
タイムカプセルに入っていた缶の中を開けると、バッジと手紙が入っていた。その手紙は過去の自分からの手紙で、その証拠としてバッジも同梱していたのだった。手紙に書いてある内容を見て、神社の奥へと向かう遥子と昭彦たち。
手紙に書いてあったように「もういいかい」と何度も呼びかける。するとどこからか「まーだだよ」と声が聞こえ始め、何度となく呼びかけている内に息子が戻って来る。戻ってきた息子が「帰るってどっちのおうち?」と遥子に聞くと、遥子は「もちろん私たち3人のおうちよ」と答え、夫婦仲も元通りに戻ったのだった。
第2話「しらず森」感想
結果的に丸く収まる話です。劇中で散々“不審者に注意”など書かれたポスターが出てきたり、怪しすぎる神社の人などで煽りまくるのですが、一切そういったことが関係ありません。むしろ神社の人がなぜあんな怪しい人になってしまったのか、そっちの話のほうが気になります。
さらに全く当時のことを覚えていない遥子も凄いです。ましてや同窓会の後で記憶も刺激されたでしょうに、全然当時あった出来事を思い出すこともなくパニクります。
話としては可もなく不可もなく、劇中の煽り部分と実際が乖離しているタイプの話でした。
手紙の内容
物語のカギとなる手紙です。
未来の私へ
なおゆきくんが迷子になっています。
すぐに神社の奥の森へ行ってください。
神社の人に聞いてみましたが、あの森で
神かくしにあったときは、
「もういいかい、もういいかい。」と、
返事があるまでよびかけなければ
いけないそうです。
それからなおゆきくんが大事にしている
バッジも入れておきます。
なおゆきくんが悲しんでいるので、
お父さんと仲良くしてあげてください。
6年1組 連野遥子
番組内より引用
第3話「永遠のヒーロー」 概要とネタバレ
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キャスト&スタッフ
- 大場博人(郷 ひろみ)
- 大場亜希(上白石萌音)
- 室長(村杉蝉之介)
- 桜井五郎(神尾 佑)
- 山本大介(森田甘路)
- 小牧りさ(木本夕貴)
【脚本】ブラジリィ-・アン・山田
【編成企画】渡辺恒也、狩野雄太
【プロデュース】小林 宙、中村亮太
【演出】紙谷 楓
あらすじ
科学の進歩により、人体の能力を最大限まで引き出す改造人間技術が発達した世界。その技術を悪用する怪人が現れ、市民の生活と安全を脅かすようになっていた。この緊急事態に日本政府は警察庁内に外部機関として怪人対策室を設置。最新科学技術を駆使したヒーロースーツを開発し、怪人たちに対応している。中でも怪人検挙数トップを誇り、活躍しているのが“レッドライガー”こと怪人対策室警部・大場博人(郷ひろみ)。日々、さまざまな怪人たちを撃退し、世界の平和を守っている。だが、仕事が忙しすぎて、世界で一番大事な娘・亜希(上白石萌音)となかなか会えず、テレビ電話で会話することだけが毎日の生き抜きとなっていた。来年こそ、定年を期に娘とゆっくり暮らせると思っていたが、怪人・マスターカイザーから世界を揺るがすテロ予告が届き・・・。
公式HPより引用
ネタバレ
マスターカイザーを一人で倒しに行くレッドライガーだったが、敵に捕まってしまいやられそうになる。しかし、スマホ越しの娘に励まされて力を発揮し倒した。世界の平和を守れたと娘に報告する大場だったが、娘はどこか浮かない顔をして「だから何?そんなことして何になるのよ」と言って一方的に通話を切ってしまう。
亜希の様子が気になる大場は、室長に休みを願い出る。だが室長は娘に会いに行くのは駄目だと言う。大場は構わず自宅に行くがそこは空き地だった。そのことを室長に問い詰めると、「娘はAIだ。コンピューターの中にだけ存在する人工知能」と答える。そして他のみんなの家族もそうだと言う。
大場は娘が生まれた時に抱き上げた記憶や、入学式や誕生日を祝った記憶があるのだからそんなわけないと反論する。しかし室長が言うには、改造手術を受けた際に、記憶がすり替えられた偽物の記憶だという。黙っていたことは謝るが、真実を知ればみんなの士気が下がるのでどうか内緒にしてくれという室長だった。
真実を知ってしまった大場は娘からの電話に「ヒーロー辞めようと思う」と話す。そして娘がAIであることも指摘する。すると亜希は「そうだったら良かったのに、明日手術を受けるの」と寂しげに答える。亜希は病気を患っていて入院生活を送っていた。そのそばにある写真立てには、父親と写る赤ん坊の頃の亜希の写真があった。しかし、父親は大場ではなく別人だった。
入院中の自分のところに母親が見舞いに来てくれない日もあった。退屈しのぎに始めたスマホのゲームの名は「永遠のヒーロー」というゲームだった。そこで選んだキャラクターは“レッドライガー”だった。その設定は“猫舌”で必殺技は“レッドサイクロン”という設定だ。そして自分との関係は“父親”だった。大場こそゲームの中の人物でありAIだったのだ。
さらに亜希は続ける。「でもお父さんがいたから辛い時も頑張れた、お父さんは私のヒーロー、私だけのヒーロー。今までありがとう」と言って通話を終えてしまう。
後日、大場は再び仕事に戻った。仲間に迷惑をかけたと詫び、必ず戻って来ると信じていたと迎え入れられた。世界平和のために戻ってきたのか?と問われ、「それだけじゃない」と答える大場の机の上には、一度はビリビリに破ってしまった亜希との写真が飾られていた。
第3話「永遠のヒーロー」感想
特撮好きな人なら知っていると思いますが、“イバライガー”という茨城県のご当地ヒーローが出演しています。そして山寺宏一さんが1人10役で、マスターカイザー、ゲルゲルゲ、手下1~7、ナレーションを務めていました。
話としてはフィリップ・K・ディックの小説や、マトリックスみたいな話です。何が真実で何が虚像なのか、自分の存在が何者なのかを葛藤するような話となっています。なんて書くと凄い壮大な話のようですが、限られた時間の中でやっているので、気軽に見れる話にちゃんとなっています。
やたら娘と会話してばかりいるなと、思っていたらそういうことかと、後で腑に落ちます。また、郷ひろみさんがヒーローを演じているせいか、アースジェットのCMをどうしても思い出してしまいました。
ゲーム概要
- ハリケンライガー、サンダーライガー、ゴーライガー、レッドライガー、ドラゴンライガーの5人から選択
- 得意技、特徴、関係を選べる
- 関係は兄、弟、父親、恋人、友達、上司が選べる
- レベルアップすると新しいベルトなどが手に入る
- 戦闘時のコマンドはこうげき、アビリティ、回復魔法、ぼうぎょの4つが選べる
関係で上司を選ぶとどうなるのか?「仕事が出来ないお前の代わりに、怪人倒しておいたぞ」とか言われるのでしょうか。ちょっと嫌です。
なお、会話は選択式で「世界で一番大事な娘だ」に対し、「ありがとう」「私もお父さん大好き!」「はずかしいから、やめてよ」「ふーん、だから?」が選択できます。
謎
亜希の部屋にある父親と写る写真が、自分が赤ん坊のころの理由は、その頃に母親が離婚したとか死別といった何らかの理由があるようにも見えます。だから“父親”を選択したのか?
その後、亜希の手術はどうなったのか?治る病ではないらしいので、あれが本当に最後の別れだったのか?それとも大場が職場に戻って来たということは、再び亜希と通じた証なのか?ちょっと説明がないので分かりませんでした。
第4話「大根侍」概要とネタバレ
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キャスト&スタッフ
- 立川 樹(浜辺美波)
- 男(小手伸也)
- 萩山 翔(井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.))
- 老人(久保酎吉)
【原作】田丸雅智『大根侍』(出版芸術社『夢巻』所載)
【脚本】向田邦彦
【編成企画】渡辺恒也、狩野雄太
【プロデュース】小林 宙、中村亮太
【演出】植田泰史
あらすじ
女子高生・立川樹(たちかわ・いつき/浜辺美波)は、バスケットボール部のマネージャー。憧れの先輩・萩山翔(はぎやま・かける/井上瑞稀)の大好物であるブリ大根を作るべく、大根の入ったレジ袋を提げ意気揚々と歩いていると、すれ違いざまに男(小手伸也)とぶつかってしまう。浪人風の出で立ちをしたその男は、大根を刀のように腰に差していた。不審に思い、立ち去ろうとした樹だったが、男はいきなり大根で斬りかかってきた!なんとか身をかわしたものの、大根の切っ先が樹の腕をかすめ、なんとそこから血が…。大根で腕を斬られパニックになり、拝むように命乞いをする樹。「決闘は一か月後にしてやる」と訳のわからないことを言う男。樹の生徒手帳にある先輩の写真を見つけ、「もし逃げたら、代わりにこやつを斬る。(それまでに)せいぜい腕を磨くがいい」と言い放ち、去っていった。樹が茫然としていると「わしの弟子にならぬか」と老人の声が…。袴姿のその老人もまた、腰に大根を差していた。「わしの指導を受ければ、必ずあの男に勝てる!」半信半疑だった樹だが、その老人の元で野菜を武器に修行を始めるのだった…。
公式HPより引用
ネタバレ
修行をし始めた樹はまず長ネギから練習を始める。そしてゴボウになり、ヘチマになる頃にはぶら下がる野菜を避けて進むといった修行もこなすようになる。達人ともなればあらゆる野菜を自在に操り、武器として使用することができるらしい。
やがて大根を渡される日が来た樹、手にした大根で巻きわらを斬ると鮮やかに斬れた。そうしている所に飛んでくるアスパラ、矢文のような要領で突き刺さったそれを見ると対決の日と場所が書いてあった。しかし、その日はバスケ部の試合だった。マネージャーである樹は悩むが、大好きな先輩を守るために同行を辞退し、決闘へ向かう。
師匠と共に決闘の場所に現れた樹、あの謎の男との戦いが始まる。修行をしたお陰で男と互角に勝負をするが、男は奥の手を使い始める。持った大根をゆっくりと円を描くように回し、その後に樹に切りかかると樹の大根が真っ二つに割れてしまう。
もはやこれまでかと思った樹だが、先輩を守る気持ちで諦めず折れた大根で男の大根を受け止める。そして大根に噛み付いて食べてると、名刀を傷付けられたと男は怒る。先輩の好きなぶり大根を作るまでは死ねないと奮起する樹は、先輩のダンクシュート姿を真似るよう高く飛び上がり、二つに折れた大根で男を斬る。倒れた男に「安心せい。峰打ちじゃ」と告げて勝負を終えた。
男に勝った樹は妙な歌を歌いながら、極上のぶりを手に入れたことに上機嫌だった。手にしたぶりを見て喜ぶ樹だが、謎のガンマンに「俺の後ろに立つとはいい度胸だな」と言われ、男は持っていたぶりの頭を銃のように持って樹に向かい弾丸を発射するのだった。
第4話「大根侍」感想
シュールな話です。大根で何で切れるんだとか、気にしたら負けな話です。そういったことが気になってしまうと、馬鹿馬鹿しい話にしか見えなくなってしまいます。気にせず見た感想としては、昔のカンフー映画みたいな修行と、眠狂四郎の円月殺法を小手さんが繰り出すシーンを見て楽しみました。
また、通っている学校が“根大付属”だったり、きゅうりがヌンチャクになってたり、キャベツとナスでできた鎖鎌のような武器があったりで、馬鹿馬鹿しい中でも面白い部分もあります。
ただ、なぜ前後編に分けたのか?普通にやれば良かったとのではと思います。3話目と5話目の間に入って前編が放送されたので4話目としました。結局先輩とうまくいったのかも分かりませんが、樹が渡した“大根ドリンク”は先輩は気に入ったようです。
この野菜何系?
せっかくなので真面目に考えてみました。どうやらこの世界では長いのは剣、アスパラのような細いのは投擲武器、キャベツやカボチャのような大きいものは打撃系の武器っぽいです。そして、頭にトマトを乗せて修行するシーンがありますが、トマトのような中身が柔らかい野菜は爆弾系になるのでしょうか?
- ブロッコリーは房を分けて投げる投擲系か?棍棒のような打撃系か?
- ジャガイモも投げる投擲か?それとも爆弾系か?
- トウモロコシは剣なのか?それとも粒を飛ばす爆弾系か?
- 貝割れ大根などのスプラウト系は、剣山みたいな使い方か?
- ほうれん草や小松菜はダーツみたいに投げるのか?
- 大葉は手裏剣みたいに投げそうだ
答えはないのですが、考えてみると楽しいものです。ちなみに果物は武器にはならないのか?スイカなんて重いし、爆発したら威力がありそうです。
しかし、魚は銃器のようです。“魚”縛りなら違いますが、クジラが可ならきっと波動砲並みの威力でしょう。
第5話「人間の種」概要とネタバレ
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キャスト&スタッフ
- 春田 緑(木村文乃)
- 春田 希(6)(粟野咲莉)
- 春田 希(15)(山田杏奈)
- 春田 希(31)(岡本 玲)
- 遠藤太一(笠原秀幸)
【脚本】嶋田うれ葉
【原案】山﨑 亮
【編成企画】渡辺恒也、狩野雄太
【プロデュース】小林 宙、中村亮太
【演出】河野圭太
あらすじ
デザイン会社に勤めるごく普通のOL春田緑(はるたみどり・木村文乃)は、3年以上つきあった恋人からプロポーズされるも、返事をすることができなかった。誰にも言えない悩みを抱えたまま帰路に着いたその夜、「幸せの種」という名の植物の種を思わず購入する。ある日の夕方、ふと、その種を植えた花壇の土から何かが飛び出しているのに気づく。よく見るとそれは子供の手で…。恐る恐る土を掘るとそこには人間の頭が!?それは頭から芽を生やし、白いワンピースを着た少女・希(のぞみ・粟野咲莉)だった。不思議な少女は、泥を払いながら居間にある家族写真を手に取る。「あなた誰…?」と尋ねる緑に「あなたのお母さん。緑が種を植えてくれたんでしよう?」と希。ふと種の袋を見ると「あなたにとって必要な花が咲きます。花の種類:人間」と書いてある。信じられないと驚く緑をしり目に、母親しか知りえないことを次々話し出す希。「緑が大好きだったロールキャベツ作ってあげる」と台所に立って料理までし始める始末。その日から、娘・緑と頭に芽の生えた母・希の不思議な親子生活が始まったが…。
公式HPより
ネタバレ
母親を名乗る少女がシャワーを浴びに行き、騒ぎ出す声に緑は急いで駆けつける。すると、さっきの少女ではなく十代ぐらいの少女に変貌していた。彼女いわく水がかかったせいで成長したということだった。
別の日に今度は母親を名乗るその少女が緑の会社を訪ねに来る。どうやら緑と交際している太一と話をしに来たらしい。慌てる緑は“いとこ”だと言って玲子を言いくるめるが、そこに丁度太一がやってくる。余計なことを言われては困ると思った緑は、何とか母親を追い返した。
家に戻り緑に怒られる母親だったが、一度太一のことを見ておきたかったと、二人の結婚を応援する。そして、緑が6歳の時の誕生日の話をし始める。緑は魔法の指輪というおもちゃが欲しかったが、売り切れていたため、別の物を母親は買って来た。少し寂しげにしている緑を見て、母は「自分の気持ちに素直になって言っていいんだよ」と言う。緑は素直に指輪が欲しいと言い、母は今から取替えに行って来るといって家を出た。しかしその後、母は事故に遭ってしまい二度と戻って来ることはなかった。
その時の緑が自分の気持ちに素直になってくれたことが、母は嬉しかったという。だが、緑はそんな話したくないと言って怒るのだった。
また別の日、緑の部屋を漁る母を見た緑は怒る。母はあの魔法の指輪を探していた。母は死んでしまったため、直接渡すことができなかった。受け取ってなかったのか心配だった。すると緑はしまっておいた指輪を出して母に見せる。なぜ今頃そんなものをと言う緑に、母は「自分の気持ちに素直になってくれた思い出だから。そのことを思い出して欲しくて」と、結婚をためらっている緑に対して後押しをする。
緑はその言葉に怒り、「自分がこんなものを欲しがったせいで母は死んだ」と言い、指輪を窓の外に投げ捨ててしまう。「指輪なんていらないから、お母さんに帰ってきて欲しかった。お母さんを殺した自分が、幸せになっちゃいけない」と自責する。そのせいで緑は結婚をためらっていると気付いた母に、「もう構わないで」と緑は言うのだった。
ある雨の日、母の姿は部屋になかった。姿を探す緑はゴミ箱につまづく。出てきた紙くずを手に取ると、そこにはあの種の注意書きがあった。それを見た緑は急いで母の姿を探しに表へ行く。雨が降りしきる中、母は緑が投げ捨てた指輪を探してずっと庭にいた。寿命が縮まるから早く部屋に入ってという緑、母の頭の芽は既に開花し姿もずっと成長していた。
やっと指輪を見つけた時には花びらはもう散り始めていた。母は「指輪を買いに行ったことは全然後悔していない。辛い思いをさせてごめんね。恨まれても仕方ないと思っている」と告げる母の花びらは一枚、また一枚と散る。散ってく花びらに別れが近いのを知り緑は「恨んでなんていない、ただお母さんと一緒にいたかっただけなの」と泣きながら母へいう。「緑のお母さんになれて幸せだった。だから緑も幸せになって欲しい」という母は次第に反応が薄くなり、「幸せになりたい、幸せになる」と言う緑の腕の中で母は力尽きた。
緑は太一と結婚式を挙げている。父親が母の写真と花束を持ってその姿を見守っていた。その花は母の頭に咲いていたあの青い花だった。
第5話「人間の種」感想
今回一番感動的な構成と演出な話になっています。最初は疑心暗鬼だった緑が受け入れ始め、最後にはトラウマを払拭してハッピーエンドといった話です。冒頭から死体が埋まっているような演出で始まりますが、怖い話ではありません。
問題はあの後、どうしたのか気になります。まさかゴミの日に出すわけにも行かないでしょうし、かといって埋めたらいいものなのか、どうなのか。幸せの種は処分に困るものなので、買う時に店員も色々教えて欲しいものです。緑は種をまいた後も注意書きすら読んでいないですし、結構うかつにまきます。
幸せの種の説明
- あなたにとって必要な花が咲きます。
- 花の種類:人間
- 種まき:花壇にあらかじめ水やりをしてから、5mmほどの深さでまきます。プランターなどではなく、必ず花壇か庭などのある程度の広さを確保できる場所にまいて下さい。まき時は通年ですので、気候気温条件もありません。
- 発芽までの日数:8~12時間
- 発芽適温(地温):無し
- 育成適温:無し
- 注意:花の寿命は1週間です。ただし、水を与えすぎると成長を促し、寿命が短くなる恐れがあります。
まとめ
全体的に感動する話が多いのですが、大根侍のようなシュールな話もありました。恐らく5話目の「人間の種」が好きな人が多いと思いますし、他人に薦めるなら「人間の種」でしょう。しかし、個人的には3話目の「永遠のヒーロー」が面白かったです。ホラーっぽい話や、見終わった後にゾッとするような話が一話ぐらいあっても良かったんじゃないかなと思います。
久し振りに見ると一話辺りの時間も短いのでテンポもよく、逆に今の時代に合っている気がしました。しかし、最近こういった話があまり流行らないのか、見かけることがありません。だからといって、幸せな恋愛話だけをオムニバスで放送されても、ぼんやりしてしまうので「世にも奇妙な物語」のような話でお願いしたいものです。
恐怖は外からやってくるものではありません。全て人間の心が生み出すものです。
見逃し配信はどこで?
現時点で「世にも奇妙な物語’19雨の特別編」の見逃し配信の予定はないようです。可能性があるとすればFODで配信されると思います。6月9日現在はAmazonアカウントで加入すると、1ヶ月無料で見れます。詳しくはFODでご確認ください。
「世にも奇妙な物語」は下記の未DVD化の作品が配信されています。
- 1990年4月19日放送分「恐怖の手触り」「噂のマキオ」「楊貴妃の双六」
- 1990年6月28日放送分「猿の手様」「悪魔のゲームソフト」「死後の苦労」
- 1991年1月10日放送分「瞳の中へ」「もういちど」「盗聴レシーバーの怪」
- 1991年1月31日放送分「U・F・O・―未確認飛行物体―」「テレフォン・カード」「プリズナー」
- 1991年2月21日放送分「コレクター」「極楽鳥花」「運命の赤い糸」
時代を感じさせるものもありますが、今見ても面白い作品もあります。