ドラマ【W県警の悲劇】の最終回「追い詰める女」は、ゲストに伊藤かずえさんと、1話目に出演していた佐藤仁美さんでした。ゲストが2人出演した意味は?全ては衝撃のオチのためとなります。
ドラマ【W県警の悲劇】最終回8話のあらすじ
遂に警視正に昇格し円卓の会議の一員となった松永菜穂子。少女失踪事件の捜索に参加し見事、謎を見抜き事件を解決。すると“あの事件”の女刑事が現れ驚愕の結末に至る!
公式HPより
ドラマ【W県警の悲劇】最終回8話のネタバレ
下田杏奈殺害犯
松永菜穂子
動機
大雨の中、視界が悪く杏奈の存在に気付かず車ではねてしまう。杏奈はその場で死亡が確認され、菜穂子はキャリアを棒に振るのが嫌だったので隠蔽するために車のトランクに遺体を乗せる。そして、仕事を終えた後にこっそりと遺体を処分しようと沼へ行った。
松永菜穂子殺害犯
熊田清
動機
菜穂子と下田の取調べを聞き違和感を覚えた清は、お土産と称して渡した袋の中に携帯を忍ばせた。そのGPSを辿り菜穂子のいる場所まで来た清は、杏奈を殺害したのは菜穂子だと気付き、遺体を処分しに来たことを指摘する。
自分も父の殺害について告白する清だったが、それは“必要な殺人”であって菜穂子の殺人は清の倫理から外れていた。さらに自分が信じていた人が実は酷い人物だと裏切られたと知り、父の時もそうして殺害した清は警棒を握り菜穂子を殴って殺害する。その後、沼に菜穂子の遺体を遺棄した。
清が菜穂子の犯行と気付いたきっかけ
- 染みのついたシャツを捨てるような菜穂子が、ズボンの裾が汚れたままだった
- 雨の中、レインコートを着て出たに違いないと推理する
- 杏奈が虐待されていたと気付いた理由が、自分の経験則からとは信じがたい
- 杏奈に虐待の痕があったのを見たに違いない
- 「杏奈もお母さんのことが好き“だった”」となぜか過去形
ドラマ【W県警の悲劇】最終回8話の感想
オチがこうなると分かる人には分かるのかもしれません。しかし、自分はまさかそこまでの終わり方をするとは思っていなかったのでビックリしました。地上波で放送するには、ちょっと賛否両論起きそうな終わり方ではあります。
オチを優先させたかったのか、菜穂子が何もせずぼーっと突っ立っていることに、突っ込みたくはなります。その辺、清のほうが吹っ切れています。
何気にこの後どうなったのかとか、そういったことが描かれないので、「これで終わり?」というあっけない終わり方でもあります。円卓のメンバーがそれなりに処理をきっとするのでしょうから、女性警察官の“鑑”としてまとまるのかもしれません。
ただ、母親の友里は結構悲しい思いをするのではないのかと思います。それもどうやって処理するのか、事故的な感じで処理しそうな気がします。
なるべくネタバレなしで書こうと思いますが、念のため未見の人はご注意ください。
今回の事件概要
下田杏奈という女の子が行方不明になったということで、遠く離れた猿渡署まで菜穂子が一人でやってきます。母親が警察官ということなので、まだ大々的に捜索などはせず内々で解決するつもりなようです。
- 下田杏奈は小学校3年生
- 母親は少年課の下田友里
- 友里が4年前に離婚して以来2人暮らし
- 警察官の娘なのでしつけが厳しい
母子家庭の家で育っている杏奈は、学校での評判もよくイジメなどを受けていません。そんな杏奈ですが学校から戻って来ないため、母親が通報して事件が発覚します。行方不明当日の状況はこんな感じでした。
- 当日友里は非番だった
- スーパーに買い物を行って帰って来ても娘戻らず
- 学校を出て30分たっても戻って来ない
- 最後に杏奈の姿を見たのは担任の小幡
- 杏奈が日誌を先生に渡してから帰宅
最後に会ったのが担任教師の小幡裕之介という教師でした。彼は20代でまだ先生になって数年程度だそうです。学校での評判があまりよくないらしく、友里は過去に担任に意見を言ったことがあるといいます。それは、同級生の子が物が無くなった時に、担任が対応をしなかったといいます。そこで保護者を代表して友里が意見を言ったそうです。その時、小幡は減俸になったそうです。逆恨みでもしているのでは?そんな疑念が浮かびます。
小幡は後に警察に来て話をします。利き手を怪我していたため、杏奈に日誌を書くのを手伝ってもらっていたと言います。そのせいで杏奈の帰宅が遅くなり、学校内では小幡のせいで杏奈は事件に巻き込まれたのでは?と立場がないそうです。
その噂をなんとかして欲しいということで警察に来ますが、民事不介入であるため相手にされません。逆に小幡にロリコンの気があって、杏奈をどこかに隠しているのでは?など疑念を持たれる始末です。学校を退職することになるのではないかと清は言います。
犯人は誰なのか?そんな雰囲気になって来ますが、ここで菜穂子が友里を警察へ呼んで話を聞きます。
友里の隠したかったこと
友里の家に行った菜穂子は壁に貼られたスケジュールや、食事の献立など子供の字で書き込まれていたのを見ます。そして友里に気付いたことと自分の推理を語り始めました。
- 誘拐犯から電話はかかってこないと分かっているはず
- 車のタイヤが濡れていたので、外に探しに行っていたのでは
- 杏奈はあの日自宅に戻って来たが、その後出て行ってしまったのでは
- 車のトランクにはランドセルが入っているのでは
- 杏奈は自宅に戻りたくない事情がある
その後、友里の口から真実が語られます。友里は病にかかっていて長く生きられないといいます。それが具体的に何の病かは言いません。ただ、残された杏奈が1人で生きていけるようしつけをしていたといいます。
再現の部分では杏奈と友里はいつも2人で食事を作っていました。担任の手伝いをしていたと知らない友里は、杏奈の帰りが遅いことに対して文句を言います。それに杏奈はとうとうキレます、そして口論になった結果、友里がビンタして杏奈は出て行ってしまいました。
その時から行方がわからなくなってしまって、現在に至るということです。
このことについて菜穂子は“虐待だ”と指摘します。友里はよかれと思ってしていたことが、杏奈にとっては負担になっていたと友里もようやく気付きました。子供を残していくことに不安を覚え、余計に厳しくしつけてしまっていたそうです。親はなくとも子は育つと、構えてはいられなかったのでしょう。
菜穂子の過去
今までも時々菜穂子の過去について、回想シーンがありました。今回はもう少し本人の口から語られます。両親と仲良くないのは、以前からわかっていますがどういった理由でそうなったのか?
- 母親に虐待されていた
- 父が母を家庭に縛り付けて心を病む
- 父はそんな母を見ても放置していた
- 大学生の時に母が自殺する
父親が男尊女卑な人っぽくて、菜穂子と口論になってるシーンみたいなのがよく回想されていました。それは母親に対してもそうだったみたいで、母はおかしくなってしまったようです。その母が今度は娘に八つ当たりをし、結果的に虐待をしていました。
具体的にどういった虐待かは、あまり語られませんが、暴力を振るわれたりはしていたようです。菜穂子に暴力を振るいその後に「あなたのため」という、そんな話をしていました。
そんなわけで余計に自分は「母親みたくにならない」と思い、家族というものに対して嫌悪すら感じていたようです。自分は家族を持つつもりはないと、菜穂子は語ります。
ドラマ【W県警の悲劇】最終回8話のその他気になったこと
- 夕立ならぬ朝立ちといってはしゃぐ猿渡署
- 聞き込み先で生姜湯飲んで毛布までかけてもらう菜穂子
- 会話が筒抜けな猿渡署の別室
- 食事をするのはゴメンだと思われる猿渡署の署長たち
- 福本伸行作品のような清のジャッジ
ドラマ【W県警の悲劇】最終回8話のまとめ
女性初の警視正となった菜穂子が華麗に事件を解決、といかないのは最終回だからか?一度も事件を解決しないまま終わってしまう残念な菜穂子です。最後のシーンでの清役をやっている佐藤さんの演技が怖かったです。結局第1話も清で始まり最終回も清で終わる、清のジャッジが全てでした。
菜穂子は自分は泥に染まらないと言い聞かせていましたが、物語が進むにつれて出世のために他人を利用したりします。泥の中に徐々に引きずり込まれていたことになります。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいています。
もっとも、円卓に着席するためにはそんな人以外席に座れないのでしょう。出世と正義、どちらを取るかといったら出世を菜穂子は選んできたのです。
話としては最終回はラストが衝撃的なので面白いですが、それ以外だとやっぱり初回の話が作りこまれています。ということは、清が絡む話が面白いということになります。時にはホラーっぽかったり、時にはスッキリする話だったりするドラマでした。今期見ていたドラマの中で結構面白いドラマでした。
女性に対してつい見た目の美しさや可愛らしさに目がいきがちです。しかし、外見がどうあろうとも女性というものは、思っている以上に強いですし恐ろしいです。ドラマを通して見た限り、女性をナメてかかると手痛いしっぺ返しを受けます。女性はいつまでも“覚えて”いますし、覚悟を決めたら“怖い”です。