今回の【W県警の悲劇】第5話「欲望の女」のゲストは戸田菜穂さんでした。窃盗担当の刑事でありながら、あってはならない欲望を持ってしまう彼女。真相はもっともっと闇深いものでした。
ドラマ【W県警の悲劇】5話のあらすじ
“円卓の会議”より大物政治家の息子が起こした万引き事件を揉み消すようにと指令が菜穂子(芦名星)に下る。万引きした少年を逮捕した窃盗担当の女刑事・金井聡美(戸田菜穂)は万引きに並々ならぬ強い嫌悪感を持っているようだ。
公式HPより
ドラマ【W県警の悲劇】5話のネタバレ
傷害事件の犯人
立川大輔
聡美が取引した理由
偶然立川が傷害事件を起こしたところを目撃した聡美は逃げた犯人を追いかける。スーパーのトイレで着替えて出て来た立川を、店から出たところで捕まえる。すると立川は聡美が書店で万引きしていたところを目撃していたことを告げる。
そこで聡美は“取引”を提案する。スーパーの万引きで捕まってもらうことで、傷害事件が起きた時間に書店でも万引きしていたことにし、その時間のアリバイを証言すると持ちかけた。
しかし、聡美が本当に隠したいことは、万引きをしたことや取引をしたことではなかった。家族にも言えない“宝物”のことを隠したかった。
高校生の時に自殺した父を発見して以来、聡美の中で何かが壊れてしまい、父親の本屋を再現することに取り憑かれていた。その頃からずっと盗んできた本を貸し倉庫に集め、“宝物”として書棚に飾っていたのだった。
それぞれの処分
- 金井聡美:依願退職
- 立川大輔:被害者と示談が成立し無罪
ドラマ【W県警の悲劇】5話の感想
結果オーライなので構わないのですが、相変わらず菜穂子の見立てと対象者の真相が乖離しています。菜穂子は聡美が“クレプトマニア”であって、それはストレスから来るものだと思っています。しかし実際はもっともっと闇が深く、聡美の病的な部分は一番最後に本人の独り語りでわかります。
それもなんだかあまり具体的に言ってくれないので、番組を見てそういうことなのかなと想像するしかありません。原作ではどうなっているのかと思いましたが、この回の話はドラマオリジナルの話のようです。
クレプトマニアの動機が聡美の動機と違うのか?その差は正直自分もわかりません。どっちも物を盗むことに喜び、やめないとと思ってもやめられないという部分では一緒だからです。でも、聡美の動機はあくまで父親にあり、自分の欲望を満たすためとは言っても、盗む=アイデンティティのような動機となります。
聡美役を演じている戸田さんが、恍惚として笑ったりする表情が、闇の深さをより感じさせて怖かったです。
金井聡美とは?
今回の対象者である聡美がどんな人物か、それがオチにも繋がる結果になりますので、わかったことをまとめます。
- 本郷署の巡査部長
- 窃盗犯担当
- 父親は古書店を経営していた
- 高校生の時に店が潰れた
- 店が潰れた後に父親は自殺
- 店が潰れた原因は万引き
- 家族は父しかいなかった
- 4歳になる娘がいる
- 共働きの夫は家事に協力的
父親が古書店を経営していましたが、万引きのせいで店が潰れてしまいます。父親しかいなかった聡美は、父の死後何も出来なかった悔しさから刑事になったそうです。本屋が1冊万引きされたら5冊売らないとならない、そう聡美は力説します。
後にわかることですが父親は自宅で首を吊って自殺します。それを発見したのはもちろん聡美でした。父しか家族のいなかった聡美は、その後どう育って刑事になるかはわかりません。天涯孤独の身になって施設に預けられたのか、親戚の家に行ったのか説明はありません。
聡美が本を盗む時、防犯カメラに映る顔は菜穂子いわく“強い快楽を得た直後”のような顔をしていると言います。強いストレスを感じて本を盗みに行く、そんな感じでドラマでは進みます。しかし、スッキリしたり快感を得たいというよりも“父を感じたくて”盗っているのでは?と思いました。
なぜかというと、仕事で頑張っているのに子供が駄々をこねたりするシーンがあり、「私は必死にやってる。これ以上どうしろっていうの」と考えた後に書店に盗みに行きます。父親に助けを求めるかのように、本を盗りに行っているようにも感じます。
家事に協力的な夫に子供もいて幸せな家庭に見えます。なのに聡美は本を盗むことがやめれません。本人がいうにはあの日から“壊れてしまっている”とのことで、過去形で言うあたり周りがどうあれ、もう関係ないのかもしれません。
ちなみに盗る本に共通点があるのかないのか、よくわかりませんが、こんな感じのタイトルの本を盗ってました。
- 強く煌るもの
- HOME
- 玉子が孵る時
- 朝焼けが青くなる頃
- しんげつ
- 幸せのかたち
『HOME』と『幸せのかたち』は何となくそういう意味なのかなと思いますが、後の本はどういう選定なのか謎です。
今回の事件概要
聡美が立川を捕まえる万引き事件と同時に起きた傷害事件、その2つの事件がどういったものかをまとめました。
- 万引き事件
- 7月8日21時 書店で立川の万引きを目撃。聡美追いかける
- 21時30分 スーパーで万引きをした立川を検挙
- 傷害事件
- 7月8日21時 近所に住むサラリーマンがガード下で襲われる
- 財布を盗まれたうえ、突き飛ばされた拍子に頭を打って一時意識不明の重体
- 朝になって目を覚ましたが、手がかりになるようなことは覚えていない
- 犯人が男だったということしかわかっていない
- 謎
- 閉店間際の人がまばらなスーパーで見つかる可能性が高いのに万引き
- 短時間に立て続けに万引き
- 逮捕された立川は書店とスーパーでの万引きを自供している
- 立川はまるで逮捕を望んでいるようだ
- 書店は7月9日に被害届を提出。なぜ7月8日に被害に気づかなかったのか
菜穂子は不思議に思い、書店とスーパーそれぞれの防犯カメラを確認します。するとおかしな点が見つかりました。聡美はこのことを隠したかったのか?普通に考えればそう思います。しかし、もっと違うものを隠したいことまでは見抜けません。
ドラマ【W県警の悲劇】5話のまとめ
今回の話は大きなどんでん返しというより、じわじわと闇を感じるようなオチとなっていました。最後、聡美が閉ざしたシャッターの中に入って終わるシーンは、そこから出て来れない深い闇を感じさせます。
また盗品が家にあるかと思って呼んだという話に、一つ付け足しても良かったのではないかと思います。なぜか盗んだものは“家になかった”と。オチを見ればわかりますが、家にある可能性が低いからです。
結局、聡美はどうしたいのか?もう少しで完成すると言いますが、完成したら盗るのをやめれるのか?それに関しては謎です。父との思い出の場所を取り戻したい、という気持ちがあったのかもしれません。ただそのためになぜ盗むのか?店を潰された仕返しのような意味合いもあるのか?ハッキリとこれが答えだと示されない話でした。
次回は一週お休みのようで9月7日に放送されます。次もドラマオリジナルの話だと思います。また楽しみに視聴したいです。