3話目「溺れる女」のゲストは谷村美月さんでした。今回の話はホラーチックな話でした。愛情が過ぎて変質的になった時、人は一線を越えて理性もぶっとぶ行動に出てしまうという回でした。
ドラマ【W県警の悲劇】3話のあらすじ
監察官・松永菜穂子(芦名星)に発せられた指令はある所轄の女性刑事が少女惨殺事件に関わっているかを調査すること。犯行現場に残された遺留品に女性刑事・日下凛子(谷村美月)のものがあり関与が疑われた。警官が殺人事件に関わっているなど大スキャンダルになる。
公式HPより
情報が公になる前に調査し適切に処理することに。日下凛子を呼び出し詳細を聞き出す菜穂子は、凛子が同じ署内の先輩刑事と不倫していることを見抜く。
ドラマ【W県警の悲劇】3話のネタバレ
江川瑠美殺人犯
寺田和音
動機
瑠美と祐司が交換日記を始めたりしたことで、母親の自分にだけに向けられていた愛情が、瑠美へと変わってしまう。それが許せなかった和音は、瑠美が忘れ物を届けに来た時に、自宅に上げて殺害し遺棄する。
日下凛子をハメた犯人
鑑識の安岡
動機
上原のことが好きだった安岡は、凛子の存在が邪魔だったため、死体発見現場に凛子のボールペンを置いた。
解決の道筋
菜穂子は上原との不倫を自供した凛子と一緒になって、殺人事件を推理する。もし最後の目撃者である母親の証言がウソだとしたら?祐司は母親をかばってウソの証言をしているのでは?そう考えると全ての辻褄がう。そこで凛子に確認をしに行ってもらい、和音と話をしている内に、祐司がおかしくなったのはあの女のせいだと言い始めた。
一方上原の家には安岡が訪ねて来て勝手に家に上がりこむ。拒む上原に構わず自分の思いを告げてくる安岡、凛子とは不倫するくせになぜ自分とはダメなのか?凛子が邪魔な存在と思っていた安岡は、もうじき凛子は捕まると言い、自分がボールペンを死体発見現場に置いたからと告げる。
ドラマ【W県警の悲劇】3話の感想
愛情が過ぎれば独りよがりなものになるという、なんとも恐ろしい話でした。たまたま今回出て来たのは女性でしたが、当然男性にも言える話です。登場人物はみな愛情と言ってはいますが、結局自分がしたいようにしたいだけで、本当の愛情とは違う気がしました。
凛子はあれだけ好きだったのに、全てが終わってみれば憑物が落ちたように、気持ちが一気に冷めます。人の気持ちなんてそんなもんです。恋に限らず何かに夢中になっている人との会話は聞いていても、部外者としてはぼんやりするもんです。
凛子が「人を好きになるのは罪ですか?」と聞く時思ったのが、警察官でないなら好きにすればいいと思いますが、警察官という立場の人としてはどうなんだろうか?一般的な倫理感がある人がなる職業ではないのか?とは思いました。
少女殺人事件の内容
菜穂子が円卓に命じられたのは、この殺害現場に凛子のボールペンが落ちていたということで、事実の確認をするようにということでした。この事件がどういったものか、番組内で説明されていたことを紹介します。
- 被害者:江川瑠美(12歳)
- 発見場所:小谷南町の郊外の雑木林
- 発見者:バードウォッチングに来ていた近所の老人
- 発見時状況:地中に埋められていたものが、動物に掘り起こされて発見に至る
- 遺体状況:全身30ヶ所以上を鋭利な刃物で刺されている。乳房や性器は執拗に切り裂かれていた。
- 死因:首をロープなようなもので、絞められたことによる絞死。首を絞めて殺害後、遺体をめった刺しにした
- 死亡推定時刻:5月20日の午後5時から7時の間
遺体が無残な状態で発見されているのですが、なかなか手がかりが見つからない状況です。凛子は捜査をしていくうちに、瑠美が誰かと交換日記をしていたことがわかります。その交換日記の相手が犯人なのではないか?と推理します。
そこで最後に立ち寄った家の子である、寺田祐司という子に話をききます。すると「大人の男の人と交換日記をしていた」と証言します。小学生の女の子と大人の男?それ自体がすでに怪しいのですが、本当にそうなのか?実際は祐司がウソをついていることが後でわかります。
正義とは?
凛子のボールペンが遺体発見現場にあったことで、菜穂子は話を聞いていきます。瑠美が殺害された日の時間帯、何をしていたか問われて凛子は最初言いません。
しかし実は上原と不倫をしていて、ホテルに行っていたことを後で話します。その時、凛子は自分の倫理観を語ります。
- 好きな人を守ろうとするのは当然
- 奥さんがいる人を好きになるって、そんなに悪いこと?
- 好きな人に、たまたま奥さんがいただけ
- その人と一緒にいたくて幸せを感じることも、私には許されないということ?
- 向こうの奥さんからしたら邪魔な女でしょうけど、でもそれは彼がどちらを選ぶかでしょ
- 人を好きになっただけで、それを罪だと言われても困る
これは凛子の倫理観なので、これの良し悪しについて菜穂子は語りません。ただ、それが凛子の正義なのか?と問います。そして凛子が貫きたい正義だとするなら、それを応援したいと言います。その上での選択肢を提示します。
- 2人がしていたことを罪だと認めること
- 好きな人を守って、自分だけが処分を受けること
- その処分自体に異を唱えて戦うこと
- ただし、菜穂子が見逃すというのはなし
警察官として選んでというと、凛子は警察官としてなら、瑠美を殺した真犯人を捕まえることです。と答えます。確かにと菜穂子も納得して、ここから二人で推理が始まりました。
この時点でもし凛子が選ぶとしたら、2番目を間違いなく選んだことでしょう。最終的に凛子はこのどれでもない、上原と別れたという選択をします。しかし、起きてしまったことには処罰を受ける覚悟をします。
そこで菜穂子は「私は私の正義を貫く」と言い、女性警察官が差別のない体制を作りたいため、女性警官のマイナスイメージは良くないといいます。それに終わったならね?と、要するに不問にします。
こうして菜穂子はまた一人、自分の味方につけます。
ドラマ【W県警の悲劇】3話のその他気になったこと
- パンドラドールは子供に人気なアニメ
- 上原の耳たぶをプルプルしたいと思う凛子
- 二人の関係を聞かれて「佑司くん」と名前呼びしてバレる凛子
- W県警は不倫に敏感らしい
- 奥さんに恨まれていない?殺しに来るとかと脅す菜穂子
- 上原はパンドラドールのファン
- それに近い格好を凛子にさせたりしたらしい
- 安岡に追われて室内をグルグル回る上原
- 上原のためにパンドラドールの格好をし「似てません?」と問う安岡
- 上原は「似てません…」と小声でツッコミ
ドラマ【W県警の悲劇】3話のまとめ
異常な愛情が行き過ぎておかしくなってしまった、ホラーな回でした。どうやら祐司は母親と関係すらあったような、そんな感じのことを母が言います。普通はそうじゃないと気づいて「おかしい」と祐司が離れた時に、瑠美と仲良くしていたため、瑠美が犠牲者となってしまいます。殺人だけでなく相当ヤバい母親です。
結局倫理観や正義は人によって違うので、それをいくら言ったところで仕方ありません。今回の凛子のように上原に夢中だった時は、何を言っても耳を貸さなかったでしょう。問題は相手に夢中になっている時となっていない時で、倫理観が変わるのはどうなんだろうと思いました。