【海に眠るダイヤモンド】6話のネタバレと感想をまとめています。
端島の年が明け、新たな一年が始まる。リナは進平と暮らし始めて、子供が生まれる。賢将は百合子へプロポーズをし、結婚することになった。そして鉄平は朝子に告白をするが……。
【海に眠るダイヤモンド】6話のあらすじ
端島の年が明け、荒木進平(斎藤工)は父・一平(國村隼)にリナ(池田エライザ)も一緒に暮らしてもいいかと問いかける。不思議がる進平だが、母親のハル(中嶋朋子)はリナに赤ちゃんがいるのだとすぐに悟った。
一方、出水朝子(杉咲花)の両親は結婚を早くするよう迫る。朝子は荒木鉄平(神木隆之介)のことが気になっていたが、鉄平は中々朝子に思いが告げられずにいた。
やがて古賀賢将(清水尋也)が森百合子(土屋太鳳)にプロポーズをし、2人は結婚式を端島で挙げる。式が終わった後、とうとう鉄平は朝子に告白をするが……。
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【海に眠るダイヤモンド】6話のネタバレ要約
賢将が百合子にプロポーズをし、結婚式を挙げる。同時にリナが出産し、男の子が生まれた。
鉄平はようやく朝子に告白をし、朝子は受け入れて交際が始まる。
しかし、現代の朝子であるいづみは、鉄平がどうなったのかは分からないという。
【海に眠るダイヤモンド】6話の詳細なネタバレ
新しい家族
いづみ(宮本信子)の本名が「池ヶ谷朝子」であることが判明した。東京に出てから事業を始め、今の成功を手にした彼女だが、その背景には深い物語がある。いづみが社長として手に入れた鉄平の日記。今年の春に入手したその日記は、彼女の心に特別な意味を持っていた。玲央(神木隆之介)は「続きを読ませてほしい」と頼み込む。いづみが見せてくれた日記は膨大な量で、その一つ一つが鉄平の思いを記録していた。
元旦を迎えた端島は活気に満ちていた。翌年に控えた東京オリンピックの話題が弾み、炭鉱も三が日は休み。島の人口はついに5000人を超え、かつてない賑わいを見せていた。島には全国各地から人々が集まっているため、注文される餅も様々だ。「これが端島らしい」と笑い合いながら、住民たちは新年を祝った。
その場にはリナ(池田エライザ)の姿もあった。荒木家の一員として、彼女も穏やかなひとときを楽しんでいた。
新年の明るい雰囲気の中、進平(斎藤工)は父・一平(國村隼)に真剣な表情で切り出した。
「リナと一緒にこの部屋に越してきたいんだ」
父の顔に一瞬驚きが浮かぶが、進平の言葉は止まらない。さらに、リナが妊娠していることを明かした。その子は進平との間に授かった命だった。しかし、進平にはまだ前妻・栄子の死亡届を提出していない事以外にも、リナが追われている身の上なため戸籍を取りに行けず、リナとは正式な婚姻関係を結べないでいた。それでも進平は「端島ならなんとかなる。大丈夫だ」とリナを安心させる。
リナもまた、進平の強い意志に支えられていた。
「今度こそ幸せになるんだろ?俺は幸せだ、今」と進平は彼女に笑いかける。その言葉にリナも静かにうなずき、涙ぐみながら彼を見つめた。
リナと進平の間に芽生えた新たな命。過去の試練を乗り越え、二人は共に未来を歩む決意を固めていた。
ふうけもん
年が明け、出水朝子(杉咲花)の両親は彼女に結婚を急かし始めた。しかし、朝子はまだその気にはなれず、適当にはぐらかしていた。焦る家族を横目に、彼女は自分の心の整理をつけられずにいた。
森百合子(土屋太鳳)は古賀賢将(清水尋也)の家を訪れ、新年の挨拶を済ませた。その後、荒木鉄平(神木隆之介)も賢将のもとに挨拶にやってきた。そして二人は連れ立って初詣に出かける。新しい一年の始まりに、静かな時間を共に過ごすことを選んだ。
一方、一平は酒を手に炭鉱長の古賀辰雄(沢村一樹)の家を訪れた。新年の挨拶を兼ねて一緒に飲むつもりだったらしい。杯を重ねながら、一平は思い出話を語り出した。
「前の炭鉱長は善人ぶって、この部屋に鉱員集めて宴会してた。それがなんか気に食わなかった。でもな、なんか違ってたんだよ。俺もバカ、あんたもバカ、俺たちはみんなバカだ。バカだからさ、お互いの顔が見えないと相手を人間だと思えなくなる。そんなもんだろ?」
一平は豪快に笑い、さらに言葉を続けた。
「いや、長崎風に言うなら、ふうけもん(愚か者)だな」
賢将の父・辰雄は静かに一平の話を聞いていた。そして、妻が島を去った理由を口にした。
「妻が出て行ったのを、この島のせいにしてた。息子が島の子どもになっていくのに、いらだちを感じたんだ」
一平は辰雄の言葉をじっと聞き、焼いた餅を差し出しながら笑った。
辰雄は深々と頭を下げた。
「賢将はあなたやこの島に育てられた。じゃなきゃ、あんないい子に育ってない。私じゃない、お恥ずかしい限りです。私は、ふうけもんです」
その言葉に一平はまた豪快に笑った。
「でもな、あんたの息子は生きてる。まだここにいる。いいじゃねえか」
島に吹く冷たい風の中、一平と辰雄は餅を焼きながらささやかな語らいを続けた。愚か者と呼ばれても、互いに抱える思いを少しだけ分かち合ったその時間は、新たな一年の始まりに相応しい穏やかなひとときだった。
端島緑化プロジェクト
朝子が百合子のもとを訪れると、百合子は開口一番問いかけた。
「ねえ、あなたたちどうなってるの?鉄平の気持ち、誰がどう見ても分かるわよ。朝子のことが好きだって」
朝子は言葉を失い、視線を落とした。そんな彼女を見て、百合子は優しくため息をつく。
その日の午後、百合子は無期限ストライキの開始を食堂に告げにきた。朝子は参加を決め食堂の仕事を放棄した。
部屋にリナも含め、女3人で集まる。「歌は好きだったけど、今がいっちゃん幸せよ」とリナは微笑む。「罪悪感もあるけどね。今の幸せの下には、たくさんの犠牲があるのかなって。海の下に眠る石炭だって、あれは植物の死骸でしょ。その死骸に私たちは生かされてる、そんな気がするの」
彼女の言葉に百合子と朝子は深く頷いた。生かされているもの、それは何なのだろう。みんな心の中でその答えを探していた。
一方で、鉄平の遠慮は賢将に対する配慮から来ていた。孤立している彼に、自分の幸せを見せつけるような真似はしたくない。そんな鉄平の姿勢をいづみは語った。
「鉄平ってそういう人だったから、好きだったのよ」と昔を思い出して語るいづみ。「誰かを好きになるとか、全部嘘じゃん」玲央は苛立ちを隠せないままそうつぶやいた。
岩礁だった端島。植物のないその地は雑誌に取り上げられ、改めてその厳しい環境を見つめ直すこととなった。
「何とかしてこの島に植物を根付かせたい」――朝子のその思いは次第に形になりつつあった。彼女は鉄平に相談し、緑化の可能性を探った。そしてふと思いつく。
「屋上を緑化するのはどうかな?」
その案を鉄平が聞くと、早速動き出した。辰雄に許可を求めに行き、最終的に計画は承認された。日本初の鉄筋コンクリートマンションの屋上にに緑の庭園を作る。それは端島の新たな象徴になる計画だった。
土を運び入れ、水を撒き始める鉄平たち。しかし、水が下の階に漏れるトラブルが発生した。
「長崎の植木屋に相談すればよかった」と悔やむ朝子。それでも彼女はくじけない。緑をこの島に根付かせることへの情熱は揺るがなかった。
鉄平はその彼女を見つめ、話そうとした。しかし、朝子はすでに別のアイデアを練るのに夢中だった。彼の言葉は飲み込まれ、その場に静かに消えていった。
土の問題
朝子がずっと欲しがっていた植物の種が、頼んでいた人によって届けられた。島に緑を根付かせるという彼女の夢は、一歩ずつ形になろうとしていた。しかし、端島の現実は厳しかった。岩礁を三度にわたって埋め立てて作られたこの島には、石炭こそ豊富だが、土はほとんどない。最初に使った土は野母崎の業者から分けてもらったものだったが、それ以上の調達には莫大な費用がかかる。
電話で土のことを相談している朝子の横で、母親が電話を切ろうと邪魔をする。そこへ百合子がやってきた。
「いい場所があるの。ついてきて」
百合子に連れられて、朝子や鉄平たちは賢将の家に集まった。辰雄が「晩御飯を食べていけ」と気前よく招いてくれる。
土の酸性度が問題だと話題に上ると、辰雄が提案をした。
「石炭灰を使えないだろうか?」
会社の肥料部門でしている研究で、石炭灰を使えば酸性に傾いた土壌を中性にできることを説明した。端島には石炭灰がないが、近くの高島にある火力発電所なら手に入る可能性があるという。
「関連会社の残土を活用できるかもしれない」と朝子が考えを重ねる。「中性にした土に有機物を混ぜて寝かせば、堆肥になるわ!」
こうして、彼らは端島で土を作る計画を進めることになった。全員で手を動かし、とうとう自分たちで作った土を島に運び入れる日が来た。
一方、東京では玲央が澤田(酒向芳)に相談を持ちかけていた。鹿乃子(美保純)が提案する案といづみの案、どちらが正しいのか迷っていたのだ。
「目先の利益を考えれば鹿乃子さんの案が正しい」と澤田は答えた。「だけど、それは社長の信念とは違う」
いづみが大切にしてきたものは、利益だけではない。玲央はその言葉に考えを巡らせる。そして、鉄平の日記を手に取ったが、ページの一部が破かれているのを見つけた。
端島と東京、それぞれの場所で物語は交差しながら、未来へと向かって動いていた。
指輪と百合子の涙
辰雄も様子を見に現場にやってきた。その場で、賢将が鉄平に歩み寄る。
「相談しに来てくれてありがとな」と賢将が言えば、鉄平も微笑む。「こっちこそ、ありがとう」
ふと、賢将が口を開いた。「テッケン団、解散しないでいてくれて助かったよ」
「親友だからな」と鉄平は即答する。すると、賢将は少し躊躇しながら「親友のお前に先に言っとく。もっと早く言うべきだった」と、耳打ちするように秘密を打ち明けた。
その瞬間、鉄平の目が大きく見開かれ、賢将の肩を何度も叩きながら「なんで今まで黙ってたんだ!」と笑い混じりに叱る。
その日の夕方、賢将は百合子の元を訪ねた。緊張した様子で「長崎で買ってきた。百合子に」と言って、ハンカチを開いて指輪を見せる。
かなり驚いた表情を見せた百合子の指に、賢将はそっと指輪をはめた。遠くからその様子を見ていた朝子と鉄平は、微笑みながら見守っている。
「でも…私、カトリックよ。離婚なんてできない」と百合子が声を震わせながら言う。
賢将は柔らかい声で応える。「わかってる、百合子がそのこと気にして今まで生きてきたこと、父さんにも話した。そしたら、『二人がいいなら、それでいいじゃないか』って言ってくれた。これからもつきあってよ、俺の人生に。俺も百合子の人生につきあうから」
その言葉に、百合子の目には涙が浮かぶ。「私の人生、手ごわいわよ」
「俺はタフだよ。百合子がいれば大丈夫だ」
「私がいなきゃダメじゃない」百合子が少し茶化すように問いかける。
賢将はまっすぐ頷いた。「そうだよ」と力強く答え、涙を流す百合子をそっと抱きしめた。
二人の姿を見つめる朝子と鉄平は、顔を見合わせて喜び合った。春風のような優しい空気が、周囲を包み込んでいた。
【海に眠るダイヤモンド】6話の結末
青空農場では、真っ赤に熟したトマトが次々と収穫されていた。その頃、リナが産気づいたという知らせが島中に広がった。進平はその報告を受け、急いで現場から戻ってきた。部屋には男の子が誕生していた。
「ありがとう。本当にありがとう」と進平は何度も頭を下げ、涙を浮かべながら新しい命の誕生を喜んだ。
一方、百合子と賢将の結婚式も執り行われた。親族と鉄平や朝子たちが見守る中、幸せそうな二人が誓いの言葉を交わし、温かな拍手が響いた。
結婚式が終わり、日が傾き始める頃、鉄平はふと立ち止まり、遠くの空を眺めていた。「この景色が見たかったのかもしれない。俺が外勤になった理由ってさ」と静かに呟いた。
朝子も隣で景色を見つめ、「鉄平は端島に生かされとる」と言う。「私にもまだようわからんけど、私の人生にもそういうものがあるとよかね」
鉄平は微笑みながら、朝子が手に持っていた種に目を留めた。「それ、何の種?」
「ほんとはこれが植えたかったとよ。コスモスの種」と朝子は種を見せた。「来年は田んぼにするんよ。端島でとれた米を食べるのが目標。食堂の朝子をやりながら、屋上の緑化も続けるつもり」
「そういえばストライキの条件って何だったんだ?」と鉄平が問うと、朝子は少し笑いながら答えた。「結婚しろって、親がうるさくてね。結婚なんてしとうなか」
その言葉に鉄平は少し緊張しながら、口を開いた。「朝子、俺、朝子が好きだ。好きなんだ」
朝子は驚きつつも真剣に耳を傾ける。「朝子の気持ちもあるし、俺はその、気が長い人間だ。朝子と一緒にいつまでも、いつでも端島にいるから。だから、ゆっくり長い目で見て欲しい」
朝子は少し笑いながら「分かった」と答えた。
「告白する前にふられたかと思った」と鉄平が苦笑すると、朝子は手に持ったコスモスの種を渡しながら言った。「鉄平、私お婿さんになる人とコスモス植えたいけん、これ持っていて」
「朝子、それってどういう意味?」と鉄平が尋ねると、朝子は照れ隠しに笑い、「このふうけもんが」と呟いた。
後日、鉄平のノートに張ってあった種を玲央が撒いたところ、芽が出たことをいづみに報告する。
いづみの若い頃の写真を見ていた玲央は鉄平に尋ねた。「これ、鉄平ってどれ?」
いづみは写真を見つめながら静かに言った。「私も知らないの。彼が…鉄平がどうなったのか」
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【海に眠るダイヤモンド】6話のまとめと感想
リナに子供が生まれ、賢将と百合子が結婚したという話でした。
続々結ばれていきますが、鉄平はまだ朝子に告白もしていない状況でした。しかしようやく好きだと告白し、朝子も思いを受け入れてくれました。
肝心なことをあまり語らずに話が進むので、いくつか疑問が残る回です。百合子が賢将と結婚する際、百合子が気にしていたことを知っていると賢将がいいますが、何を気にしていたのかは説明されません。恐らく被爆関係のことなのではないかと思います。
鉄平がどうなったのか分からないというのも、どういうことなのか?写真にいないということは、死んでしまったかどこかへ行ってしまったのか?どちらにしても鉄平とは結ばれないようなので、今後の展開に注目です。
リナも子供を抱いて島を出るので、進平がいなくなってしまうのか?次回が坑内火災の話なので、何か不穏な空気が漂います。
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