東京二十三区女 最終回 品川区の女 まさかのシックスセンス

東京二十三区女 WOWOW
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今回で最終回を迎える東京二十三区女は、品川区にある鈴ヶ森刑場跡が舞台の話でした。この回が全話の中で画面的に見て一番怖かったです。そして思いもよらない最後の終わり方に、まさに最終回といった感じの話となっていました。

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東京二十三区女概要

WOWOWプライムで4月12日から毎週金曜の0時より放送されています。東京の裏側にある様々な話を、各区ごとに解き明かしていくことで、想像を絶する恐怖に襲われてしまうホラーミステリードラマになっています。

キャスト

  • 原田璃々子(島崎遥香)
  • 島野仁(岡山天音)

スタッフ

監督・脚本・原作:長江俊和

第6話ゲスト

  • 白洲迅
  • 山崎真美
  • 椋田涼
  • 川並淳一
  • 田中研
  • 藤木由貴
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あらすじ

現存する江戸時代の処刑所、鈴ヶ森刑場跡。品川区の交番に勤務する木内巡査(白洲迅)は、事件現場で何度も不審な女性を目撃する。それは、璃々子だった。木内は鈴ヶ森刑場跡に入っていく璃々子を問い詰めるが、璃々子は意外な事件の真相を語りだした。木内を見つめていた人物の正体は一体誰なのか、そして、璃々子を取り巻く秘密も明らかになる衝撃の結末とは!?

公式HPより引用
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ネタバレ


続きはこちら

南大井警察の巡査長である木内修平は、交番内で勤務をしていると視線を感じた。誰かに見られている、そんな気がした。

その女性を初めて見たのは3ヶ月前、女性はじっとたたずんでいた。それから何度も見かけるようになった。巡回中、共に行動していた同僚にああいう女性が好みかとからかわれる。木内はそうではなくて、最近よく見かけるから気になってと答える。同僚いわくさっきの女性がいたマンションは自殺があったマンションだという。そこで木内は女性を見かけた場所を思い出して調べる。すると、自殺や事故のあった場所で見かけていたことがわかった。自分を見つめる視線と事件や事故現場に必ず現れる女性、一体何者なのだろうと木内は思った。

コーポの一室での事件内容

南品川のコーポ 30代の男性 遺体発見 死後数日経過

23日午前10時20分ごろ、品川区南品川のコーポ南品川の2階一室にて、30代男性遺体が発見された。品川南警察署は遺体は死後数日経過しており目立った外傷はなく、死因は心筋梗塞を発症した事による病死であるとみており、現在のところ事件性は認められないと発表した。

ある日連絡が入り同僚と共に事件現場に駆けつける。無線では車に乗っていた男女が刺され、通報は被害女性からだという。犯人は刃物を持ったまま逃走中ということだった。
駆けつけた先に停車している車に木内は近づき、中で怪我をしている男女を発見する。声を掛けて意識を確認していると、路上に血の痕跡がある方向へ続いていた。それをライトで照らして追っていく木内、いつも感じる視線に周囲を見渡しても誰もいない。すると、突如背後から被害女性が抱き付いてきた。驚くも冷静に安否を気遣い、もう大丈夫だからといっている内に被害女性は意識を失うのだった。

非番の日に事件現場を見に来ていた木内の目に、最近よく見かける髪の長い女性がいた。木内はその女性の後をつけていく、やがて鈴ヶ森刑場跡に辿り着くが彼女の姿はなくなっていた。脇の方に隠れていた女性が声をかける、どうしてつけてくるのかと。木内は正直に実はききたいことがあるという。ここ3ヶ月ぐらいによく見かけるが、事件や事故の現場ばかりで、巡回中に見かけて気になっていたと。そしておとといの夜何をしていたかと問うと、女性は疑われているのかときく。そうではなくて個人的に知りたいという木内、通り魔事件が起きた時に真っ先に現場に駆けつけたが、奇妙な視線を感じたのだと。それは10日前の火災事故でも感じた。率直にいうが視線の主はあなたではないのかとたずねると、女性は大きな勘違いをしているという。少なくともあなたなんか見ていない、通り魔の現場にも火災の現場にも行っていないという。必要ならアリバイも証明できるという。ではなぜさっきあの場所にいたのかと問われれば、東京を調べていると答える。

この鈴ヶ森刑場で処刑された八百屋お七という女性がいる。火をつけた理由は、過去に火事で焼け出された時に出会った男性にまた会いたいと思ってつけたという。彼女が罪を犯したのは、恋する人に会いたい一心だったと。通り魔事件と鈴ヶ森になんの関係がと問う木内、呪いや怨念は途切れることなく連鎖している。土地に残された恨み、今起こっている事件は全て関係があると答える。そして女性がその場を去ろうとすると、木内は名前をたずねる。女性の名は“原田璃々子”雑誌のフリーライターだと答えた。

3日後、近所をねぐらにしていたホームレスが逮捕された。彼女ではなかったと木内は思った。そして巡回中にまた璃々子を見かけて声をかける。こないだは犯人扱いをしてすまなかったというと、いいんですと答え、でもあのホームレスが本当の犯人とは思えないと璃々子はいう。どうしてと問う木内に、この東京には歴史の影に封印された恐ろしい力が、現実の事件に影響を及ぼすことがあると答える。事件は鈴ヶ森刑場の近くで起きた、火災事故と通り魔事件、木内を見つめる視線の正体は、それらを合わせて考えればわかると璃々子はいう。全く見当のつかない木内は悩むと、璃々子はヒントとして火災事故と通り魔事件の共通点は何かという。木内は同じ地域で起きた事件ということかと言うが、璃々子はまだあると思うという。そしてこの2つの事件に急行した警察官は誰か、同じ警察官が行っていると思うと教え、木内は自分のことだとようやくわかる。なぜ自分がという木内に璃々子は“八百屋お七”ですよと言う。

その後、一人交番で木内は考える。火災現場の野次馬の写真を見返すと、通り魔事件の被害者である藤川奈緒の姿が映っていた。まさかあの視線はと考える木内、璃々子の言っていた八百屋お七の話を思い出す。戦慄していると突然電話が鳴って取ると、すぐに署に来いという。被害男性の意識が戻って話を聞くと、藤川奈緒が自分を刺したという。さらに奈緒は病室を抜け出して行方がわからないという。受話器を持ったまま固まっていた木内の背後には奈緒がいて、抱き付いてきたその手にはナイフが握られていた。

奈緒は交際相手を刺して自分も襲われたように偽装、26歳の巡査は意識不明の重体というニュースがやっていた。

璃々子と木内のやり取りには続きがあった。なぜ東京の史跡や死亡事故の起こった場所を調べているのかときく木内に、東京は呪われていると璃々子は答える。なぜならある人物がこの東京にある呪いの封印を解いてしまった。その人物はコーポの一室で命を落としてしまった。彼を成仏させるには、呪いの根源を突き止めなければならないという。だからそれを求めて東京23区を巡っているのだと。その人物は恋人とかなのかときく木内に「違います、私の先輩です」と璃々子は言った。

璃々子と島野は一緒に歩きながら話をする。この東京で探しているものは見つかったかと問う島野、品川では見つからなかったと璃々子は答える。これ以上巻き込まないで欲しい、オカルト記事の取材なんて一切協力しないという島野に、ついてきて欲しいなんてお願いしていないと答える璃々子。絶対認めないから、幽霊とか霊魂とか非科学的な存在をという島野に、いつか先輩も実感する時が来るはず、この世には人知の及ばない現象が存在するということをと璃々子は言う。しかしその隣には島野はいなかった。


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感想

璃々子が主人公の話かと思いきや、警官の木内が主人公の話でした。鈴ヶ森刑場で処刑された八百屋お七の念が、現代にまで影響を及ぼし事件を起こすという話になっていました。その二つの話を掘り下げてみたいと思います。

鈴ヶ森刑場とは?

劇中でも璃々子が言っている通り江戸時代にできた刑場です。1651年にできて1871年に閉鎖されます。220年間刑場として存在していました。10万~20万人が処刑されたといいますが、明確な記録は残されていません。ここは東海道の江戸の入り口にあり、当時江戸に入ってくる人はまずこれを目にしないとならないという、なんともすごい状況だったのだろうと思います。

北の入り口には日光街道沿い小塚原刑場がありました。こちらは現在でいうところの荒川区南千住にありました。
さらに西に大和田刑場があり、こちらは現在の八王子市大和田町にありました。この三つを江戸三大刑場と呼びました。

八百屋お七とは?

劇中でも説明していた通り、一度会った人にまた会いたくて放火をしてしまった女性です。

実在した人物ということですが、詳しいことはどうもわかっていないようです。江戸幕府の処罰の記録である「御仕置裁許帳」にもお七の名前はなく、お七の年齢も放火の動機も処刑の様子も事実として知ることのできる記録はなく、そもそもお七の家が八百屋だったのかも裏付ける確実な史料がないようです。

ただ言えることは、お七の事件の3年後に書かれた井原西鶴の「好色五人女」があることから、モデルになった人物はいるのではないかということと、もし実在しない事件なら3年後にあれほど同情を集めなかったはずだということです。

この好色五人女が当時大人気となり、後に歌舞伎や浄瑠璃、落語など様々な作品に影響を与えたそうです。

話の内容としては一般的なお七の話と同様に、火事焼け出され避難した寺で知り合った男の人にお七が恋心を抱き、初々しいやり取りなどあった後にお七は実家に戻ります。そしてもう一度会いたいと思って火をつけるが、ぼやで消しとめられてしまいその場で自白、市中引き回しの上火あぶりになって処刑されます。病でそのことを知らなかった男ですが、真新しい卒塔婆にお七の名を見つけ、男は後を追おうとします。しかしお七の両親や人々に説得され、出家した後にお七の霊を供養しました。

好色五人女とは?

好色五人女は五巻あって、全て当時世間で知られていた実話をベースに書かれています。なのでお七の元になる話も何かしらあったのだと思います。

  1. 姿姫路清十郎物語(お夏清十郎)
    • 清十郎とお夏の恋物語。駆け落ちの途中で捕らえられ、清十郎は刑死、お夏は発狂してしまう。
  2. 情を入れし樽屋物かたり(樽屋おせん)
    • 隣の家の麹屋の女房がおせんに嫉妬し、しつこく嫌がらせを受ける。そこでおせんは仕返しに麹屋の夫と不倫してやろうと考え、いざことに及ぼうとした時に夫が起きて、おせんはその場で自害、麹屋も後に捕らえられる。
  3. 中段に見る暦屋物語(おさん茂兵衛)
    • おさんが奉公人の茂兵衛と関係を結び、家を逃げたが捕らえられて刑に処される。
  4. 恋草からげし八百屋物語(八百屋お七)
    • 寺小姓吉三郎に恋した八百屋お七が、もう一度会いたいために放火する話。お七は処刑、吉三郎は出家した。
  5. 恋の山源五兵衛物語(おまん源五兵衛)
    • 武士源五兵衛と琉球屋の娘おまんの恋が成就し、巨万の富を得る話。

の五つの話となっています。この内五巻目の話以外は、全て悲劇的な結末で終わります。

しかし本来五巻目の話も歌舞伎とかでは悲恋です。おまんは別の男と恋仲で源五兵衛が横恋慕し、相手の男を切ってしまいます。そしておまんは自害し、源五兵衛も切腹するという話です。

シリーズの終わり方について

まさかのシックスセンス的オチで終わります。

呪いの根源を突き止めるためにあちこち巡る璃々子ですが、だとしたら真っ先に行く場所は、もうあそこ以外考えられません。なぜ遠回りするのか?怖くて行けないのか?とにかくまずは、将門の首塚に行くべきです。行ったけど違うというならわかりますが、今回の二十三区女に“千代田区の女”はありません。
もっとも、これを初回にやってしまうと、それ以外の回の怖さが小さく感じるので、やらないというのはわかります。

シリーズ全体としては面白かったです。行ったことのある場所が出てくるので、親近感も湧きますし由来の再認識もできました。二十三区全て回って欲しかったです。
個人的には無理にオチをつけるでなく、普通に璃々子と島野は雑誌記者と専門家で、そこで起こる怪異を調べるといった話でも十分面白かったと思います。

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まとめ

30分という放送時間が完全に良い方向に作用したドラマでした。初めから終わりまでテンポ良く進んでいくので、見ていてずっと飽きずに集中して見れました。個人的には2話が一番面白かったです。一番可能性がある話だと思ったというのもありますし、登場する俳優さんがみなさん適材適所でした。本では新しい話があるようなので、また新作を見れるのを楽しみにしています。

今回の心霊スポット

鈴ヶ森刑場跡

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