【東京二十三区女】2話「江東区の女」のネタバレ感想をまとめました。
今回の場所は江東区の夢の島が舞台になっています。
雑誌に持ち込まれた心霊写真を元に、璃々子が現地を探し調査しに向かいます。そこに秘められた哀しい物語とは?
【東京二十三区女】2話「江東区の女」のあらすじ
璃々子の元に送られてきた写真は心霊写真だった。自分の家が呪われていると話す女子高生の由菜は、先祖が自殺や病死しているという。そこで、この写真を持っていても大丈夫なのか、調べて欲しいと依頼する。
写真を手がかりに江東区の公園を捜す璃々子と島野。ようやく見つけた場所は若洲公園だった。
通称“新夢の島”と呼ばれるこの場所で、過去にいったい何があったのか?
そして、この写真に写った霊の正体とは?
【東京二十三区女】2話「江東区の女」のネタバレ
先にオチを知りたい人はこちらどうぞ。箇条書きで物語の内容を簡潔にまとめています。
謎の心霊写真
女子高生の益子由菜から週刊トゥルースに写真が送られてきた。
璃々子は由菜に直接会って家族の写真を見せてもらう。その写真は端のほうに女の顔が写っている心霊写真だった。
由菜は自分の家は呪われていると語る。深川で料亭をやっていた祖父母が自殺し、養子に入った父親の代で経営が悪化し、この写真を撮った後に病死してしまったという。
持っていて大丈夫な写真なのか、調べてもらうために璃々子に写真を渡す。
その写真を手にした瞬間、璃々子は写真から強い霊気と激しい怨念を感じ取る。場所は江東区だというが、具体的にどこの公園かはわからない。
璃々子は島野と共に写真を手がかりに、公園を探しに行く。夢の島公園に行き、同じ風景がないか探す璃々子。だが、同じ風景はなかった。
1974年12月の事件
深川の料亭の主人益子史郎には、料亭の仲居である伸子という愛人がいた。
深夜に2人は車を走らせながら、年が明けたら籍を入れようと話していた。
ゴミ捨て場にビニールシートで包んだ遺体を2人で運んで捨てる。
ここなら明日には新しいゴミが捨てられてわからない。
捨てた遺体を包むビニールシートの一部がめくれ、そこから女の顔が覗いていた。
それよりも以前の話。ある日、史郎の妻である益子志津子が伸子の家を訪ねてきた。
伸子に夫が来ているか問う志津子、すると奥から史郎が出てくる。
史郎は伸子と結婚するつもりだと別れを切り出す。だが、志津子は史郎の頬を叩き、家に上がり込んで伸子の産まれたばかりの子供の所へ向かう。
伸子と揉みあいになった志津子は、「仲居ふぜいが、人の旦那寝取って子供作って」と罵る。
伸子の首を絞めて殺そうとする志津子の背後から史郎が彼女の首を絞め、志津子はそのまま動かなくなってしまった。
志津子を捨てた二人だったが、伸子はやっぱり警察に行こうという。
しかし史郎は自首したら花苗が殺人犯の娘として生きていくことになる、といって反対する。
2人が言い合っているそばで、ビニールシートから覗く志津子の目が動く。
写真の場所を発見
別の公園を探し歩いている璃々子に、島野が埋立地の話をする。
夢の島は東京ドーム7個分ある人口の島で、この辺りは全部海だったと。
江東区の3分の2は江戸時代以降に人の手によって埋め立てられた土地だと。
そんな会話をしている内に、二人は若洲公園、通称新夢の島へ行く。そこには写真と全く同じ風景があった。
無くなった遺体の謎
死体を捨てて車で戻ろうとした史郎たちだったが、鍵がないことに気づいて史郎が探しに戻る。
しかし、さっきまでそこにあった遺体の包みは空になっていた。
いつまでも戻ってこない史郎を探しに伸子が歩いていくと、血まみれの史郎がいた。
驚く伸子の前には、シャベルを持った志津子がいた。
トドメを刺しておかないなんて、ツメが甘いと志津子は言う。
だが、こんな旦那だけど惚れているという志津子の怒りは、伸子へと向けられシャベルを何度も振り下ろして叩きのめす。
史郎は伸子を助けに向かうが、志津子の怒りは収まらず再び史郎にも向けられる。
殺さないでと命乞いする史郎に、殺されたくないなら伸子にトドメを刺せと命じる。
断る史郎だったが、生き返って警察に駆け込まれたらどうするといわれ決心する。
泣きながら史郎はシャベルで伸子にトドメを刺してしまった。
心霊写真の正体
「写真の霊ならば大丈夫です。その女性は由菜さんとお母さんのことを、いつも大切に見守ってますから」と、璃々子は由菜へメッセージを送る。
由菜は母の花苗と2人で若洲公園に行った。ふと由菜の耳に「花苗」と呼ぶ声が聞こえた。
物語の最後
伸子を殺害した後、史郎と志津子は家へ戻る。
花苗のいる部屋で見守るように座る人の姿が一瞬見えた。
人の気配を感じた志津子が行った先には、霊となって戻ってきた伸子の姿があった。
【東京二十三区女】2話「江東区の女」の感想
幽霊だけでも怖いのに、人間が生き返って襲ってきたりで更に怖い話です。
話としては哀しい話なのだとは思いますが、個人的にこういった話は常々「ちゃんと別れてから、付き合え」と思うタイプです。
今回の話はキャスティングが良いです。
まず、安達祐実さんは安定していますし、不幸な演技は【家なき子】からお馴染みです。
そして【後妻業】に続き不倫ダメ夫役が定着しつつある、長谷川朝晴さんもいい味出しています。
最後は極めつけの鈴木砂羽さんです。こういった役をやらせたら、彼女の右に出るものはいません。
もうこの三人で昼間のドロドロしたドラマでもやってくれないか、そんな気分にさせてくれる良いキャスティングでした。
話としては最初に言った通り、冷めた目線で見たくなる話です。
しかし、この三人の体当たりな演技を見ていると、ちょっとした格闘技を見ているような面白さがありました。
【東京二十三区女】2話「江東区の女」の補足
夢の島とは?
劇中でも島野が結構説明してくれますが、要するにゴミを捨ててできた埋立地です。
それを“夢の島”なんていうあたり、なんとも皮肉な話です。
この場所で思い出す名シーンといえば、先ごろ亡くなった萩原健一さんが出ていたドラマ【傷だらけの天使】で、アキラを捨てに行く場所が夢の島でした。
現在は夢の島に全て捨てに行くのではなく、各区に一つずつぐらいの割合で処分場が建てられています。
今でも燃えないゴミや粗大ゴミは埋め立てに使われているようですが、それでも昔に比べて減ったでしょう。
夢の島は現在、植物館や運動公園などがあり、憩いの場となっています。
中でも植物館は清掃工場で出る熱を利用し、温室内を温めているので熱帯の植物などが見れます。
温泉地などでは地下熱を利用した施設などもありますが、都会でこういった取り組みをしているのは面白いと思います。
新夢の島とは?
夢の島がいっぱいになってしまったので、新しく捨てる場所となったのが新夢の島です。
現在若洲公園となっていまして、東京ゲートブリッジのそばにあります。
こちらは屋外施設が主に多く、ゴルフや釣りなどもできる場所があります。
オリンピックのボート・カヌー場として話題となった「海の森水上競技場」は、若洲からゲートブリッジを渡った先にある場所です。
東京の人工島について書かれたこんな本もあります。
【東京二十三区女】2話「江東区の女」のまとめ
初回に引き続き2話目も、高度経済成長期の生んだ遺産です。
今回もそれを皮肉ったような話になっています。
何でも埋めていた“夢の島”は、こうやって死体が埋まっているかもしれない。埋まっていたとしてももう誰にも分からない。
しかし、心霊写真として写ったのは怨念ではなく、守護霊的な意味合いでした。
日本の高度経済成長期は1954年~1973年までの19年間となります。
この時代とバブルという時代は日本が元気な時代で、さらに出生率も高いので、共感できる人数も多いでしょう。
来週は豊島区が舞台の話となります。毎回怖いですが面白いのでまた視聴します。