【東京二十三区女】1話「渋谷区の女」のネタバレ感想|真夜中の恐怖

東京二十三区女 WOWOW
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長江俊和さん原作の【東京二十三区女】は、東京の各区に実際にあるものを題材にした、都市伝説的な怖い話となっています。

東京在住の人なら「身近にあるものが実は…」といった感じで、よりその怖さが実感できるでしょう。

真夜中に放送されたこのドラマは、その後眠れなくなりそうな怖い内容でした。

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【東京二十三区女】1話「渋谷区の女」のあらすじ

結婚を控えて今幸せの絶頂にいる涼子(倉科カナ)に見知らぬ相手からメッセージが届く。あなたの母親が会いたがっているという内容だった。

涼子はその後も届いたメッセージに従い、指定された渋谷川の暗渠へ向かう。そこで待っていた人物は、かつて母親の担当医である日向(佐野史郎)だった。

日向は母親に会わせてあげるといい、暗いトンネルの中をついてくるよう告げる。涼子は疑いながらも日向の後をついていった。

涼子がそこで見た物は――?

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【東京二十三区女】第1話「渋谷区の女」のネタバレ

オチだけを先に知りたい場合は、ネタバレまとめからどうぞ。箇条書きで内容をまとめました。

  • 涼子にメッセージを送ったのは医師の日向
  • 日向は母親の使いだった
  • 義父殺しは涼子のしわざ
  • 母は娘をかばって服役した
  • 涼子は自分の幸せだけを求め、母親をなかったものにする
  • 絶望した母は川で自殺していた
  • 暗闇から現れたのは、この世のものではない母親だった

謎のメッセージ

結婚式の相談を結婚相手としていたOLの工藤涼子は、突然見知らぬアドレスからメッセージが届いた。
その内容は「あなたの母親が会いたがっている。2月16日午前8時 渋谷の暗渠で待っている」というものだった。

再びメッセージが届き「明日の確認。午前8時渋谷川の暗渠、宮益橋跡にて。雨具とゴム長靴着用のこと」と、場所と格好をしてくるものだった。

涼子は約束の時刻に指定された場所へ、指定された格好で向かう。
トンネル内に入ると徐々に暗くなり、懐中電灯をつけて奥へ歩みを進めていく。

璃々子の歩く場所

一方その頃、フリーライターの原田璃々子は、元民俗学講師の島野仁と共に街を歩いていた。
島野は璃々子が歩く道は、かつての渋谷川だと気づく。
現在も川は存在しているが、暗渠といって地中に埋没させコンクリートで蓋をされている状態だった。
気配を感じるままに道を歩んでいく璃々子、その足取りは渋谷川の暗渠を辿っていた。

呼び出したのは誰?

涼子が進んでいった先に人影が現れる。その人物は母親の担当医の日向という男だった。
涼子が小学5年の頃に父親が死に、母親は資産家の男と再婚した。しかしその男はDVで、涼子や母に暴力をふるっていた。

それに耐えかねた母親のカスミが、夫を調度品の壺で撲殺してしまう。
逮捕後、心神耗弱を疑いで医師に看てもらうことになる。その時の担当医が日向だったのだ。
刑期を終えてカスミは出所し、その後行方知らずとなってしまう。

日向もカスミに会わせてくれると、メールで呼び出されてここに来たという。

母のことを「愛していた」という日向の言葉に、涼子は不信感を抱く。
そしてメールで呼び出したのは日向ではないかと問う。
日向は涼子を「試していた」といい、メールを送ったのは自分だと認める。
そしてカスミが待っているから行こうと案内をする。

渋谷の歴史

元々東京は川が多く、水源に恵まれていた。都市化が進むに連れて川は下水として使われドブ川になった。
昭和30年代の東京オリンピックで急な都市開発が進み、川は次々とコンクリートで塞がれ、渋谷川は暗渠になった。

島野いわく、渋谷は谷の底にある土地で、この地はかつて渋谷村と呼ばれていた。
渋谷川を含む多くの河川が流れ込み、緑溢れた自然の景色が広がっていた。
今ではとても考えられない光景だと璃々子はいう。

川が多かった谷底の土地は、川を全て塞がれ作り変えられていった。
東京の中でも渋谷は最も変貌した街といっても過言ではない、と島野は語る。
川を暗渠にしたのは、渋谷の街が発展するための犠牲だったのだ。

事件の真相

日向と涼子は更に奥へと進み、カスミが待つという場所へ向かう。
だが、いくら歩いても母親が現れる気配がなく、とうとう涼子は母がいるとは思えないといって足を止める。
日向は母の失踪に関与しているのではないか?それ以上に母を殺害したのではないか?と疑いを向ける。

日向は仮に自分がカスミを殺したならば、なぜこんな所に涼子を呼ぶ必要があるのかと逆に問う。
涼子が殺害の証拠でも握っているならともかく、そうでないとしたらなぜ涼子は来たのかとも続ける。
まるで母親が死んでいてもらいたいようではないかと、言われてしまう。

答えに窮する涼子に日向は「全部知っている」といい、自分の罪を告白しろと迫る。
最初はシラを切る涼子だったが、日向は17年前の事件はカスミではなく涼子が殺したと指摘する。
なせなら、カスミからその話を聞いたという。

結婚が決まっている涼子は、今更母親が出て来られては困るのではと、日向に突っ込まれる。
涼子は母親に会いたいといい、あの時私を守ってくれた母親に。と自ら罪を告白をしてしまう。
やっぱり17年前に義理の父親を殺害したのは、涼子だったのかと日向は確信する。
実はカスミは日向に何も言っておらず、涼子との約束を守り通していたのだった。

カマをかけていたことを日向は謝罪し、カスミはきっと喜ぶと思うという。
しかし、日向自身は涼子のことは信用していなかった。
なぜなら、母親が出所した時、涼子は会いたがらなかった。自分だけ幸せになろうとしていたからだという。

母との再会

子供に見捨てられたと思った母親は茫然自失し、自らが幼い頃に育った河骨川に身を投じ命を絶った。
きっと誰にも迷惑をかけたくなかったのだろう。だからこの暗渠を死に場所に選らんだ。
すると涼子は泣き出して、「母を拒んでいた、そんな自分が許せなかった。私は母を愛していた、ごめんなさい」という。

その言葉を聞いた日向は、その気持ちを直接お母さんに伝えるんだという。
死んだといわれていた母親にどうやって?涼子は泣き止み、トンネルの奥から聞こえる足音に怯える。
近付く母親に謝り続ける涼子。
俯いているカスミが頭を起こすと、死人のような生気のない顔だった。
見た瞬間、涼子は絶叫した。

その叫びのタイミングで璃々子は何かを感じ取る。
強い思念が一体誰のものかはわからないが、暗渠の奥底から狂おしい妄執の念を感じ取っていた。

それは東京の歴史に封印された、この世のものではない存在だった。

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【東京二十三区女】第1話「渋谷区の女」の感想

正直怖いです。こんな怖い話を夜中に見ると、いっそう恐怖が増します。
見終わった後に物音でもしようものなら、大袈裟に驚くこと間違いなしです。

涼子が自分だけ幸せになろうとして、母親のことを見捨てたことが今回の発端となります。
詳しい説明は一切ないので、どれだけ涼子が好き勝手していたのかはわかりません。
しかし、いざ人生の絶頂となる結婚というタイミングで、母の無念を知る医師によって場がセッティングされました。

この医師は一体どうやって母を呼んだのか?それも謎のままです。
この“暗渠”という東京の隠れた一面と、母親の無念がシンクロして怖かったです。

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【東京二十三区女】第1話「渋谷区の女」の補足

暗渠とは?

暗渠(あんきょ)とは、地中に埋設された河川や水路のことであり、開渠に相対する概念である。目的により、いくつかに分類することができる。

Wikipediaより

暗渠は自分が住んでいる街にもありますし、遊歩道のようになっているところが暗渠なんてこともよくあります。

自宅近所にある暗渠では金網状の蓋の部分から、水が流れてるのも見えますし音も聞こえてきます。そこに川がありよく溢れていたから暗渠にした、という話も祖父母から昔聞きました。

町の名前が残っているところがまだあり、それがどういう場所だったか想像つくところが東京は多いです。

暗渠についてこんな本も出ていました。興味深いです。

渋谷の川

渋谷はその名の通り谷なので、今でも下手すればゲリラ豪雨とかで水が溢れそうです。ちょうど、スクランブル交差点のある辺りに向かい、四方八方から道が下って来ているような地形です。

今回璃々子が歩いていた道は、原宿から渋谷に向かう明治通りに平行している道で、遊歩道のようになっている通りです。
橋の名前は確かに残っていて、そこに川があるかどうかは見た目にはわかりません。

センター街の辺りは「宇田川町」という地名で、その名のまま宇田川が今も地下を流れています。

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【東京二十三区女】第1話「渋谷区の女」のまとめ

娘をかばって刑務所にいったのに、娘は母親の存在を亡き者にしていました。

自分さえよければそれでいい、そんな娘に絶望した母が自殺し、無念は暗渠に呼び寄せられます。

あの後、涼子がどうなったのかは分かりません。生きているのか、死んでいるのかも不明です。

放送時間が30分なので、ビビっているうちにあっという間に終わります。

今後どんな怖い話になるのか?公式HPでは全話あらすじが掲載されているのですが、どの話も怖そうです。
リアルタイムで見るのが少々怖くもありますが、出演している俳優さんたちはどの回も良いので、楽しみにして見てみたいと思います。

今回の心霊スポット

渋谷川の暗渠

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