※本記事では【テミスの不確かな法廷】第2話の事件内容、正当防衛の成否、証言の矛盾、そして判決までをネタバレありで整理します。
第2話「真実義務と誠実義務」は、傷害事件と集団窃盗事件を軸に、弁護人の役割とは何かを真正面から描いた回です。
正当防衛か否か、教唆かほう助かという法的争点の裏で、「真実を明らかにする義務」と「被告人の利益を守る義務」が衝突していきます。
99.9%有罪といわれる刑事裁判の現実の中で、裁判は誰のために行われているのか。その問いを、裁判官・安堂と弁護士・小野崎の視点から掘り下げていきます。
結論|第2話の真相は「二人が兄弟だった」こと
第2話の事件の答えは、被告人・栗田奈央と被害者・八木一喜が、血のつながった兄弟だったという事実でした。
八木は、弟である栗田を守るために真実を語らず、栗田は恐怖と保身から、正当防衛を装うために嘘の証言を仲間に指示していました。
本件は正当防衛の成否や教唆・ほう助の線引き以上に、「真実を語ることで、誰が救われ、誰が傷つくのか」という選択を突きつけた裁判だったと言えます。
登場人物(第2話)
レギュラー
- 安堂清春(松山ケンイチ):裁判官。本件を単独で担当し、証言の違和感を見抜く
- 小野崎乃亜(鳴海唯):弁護士。被告人の弁護と真実義務の間で揺れる
- 古川真司(山崎樹範):検事。冷静に事実を積み上げるが、事件の裏も察している
ゲスト
- 栗田奈央(山時聡真):橙陽台学園3年生。被告人
- 八木一喜:被害者。意識不明から回復するも証言を拒否
今回の事件の整理(傷害+集団窃盗)
- 起きたこと:栗田奈央が、他校の元バスケ部員・八木一喜を殴り、転倒させて意識不明の重体にした。
同時に、栗田は仲間とともに集団で窃盗を行っていた疑いをかけられる。 - 被害者:八木一喜
- 被告:栗田奈央(特定少年)
- 罪名:傷害罪、窃盗教唆罪
- 目撃者:正木祐介/河野聡/川越雄一。いずれも「八木が先に殴った」と証言
第2話の争点|正当防衛か?教唆か、ほう助か
本件の争点は大きく2つです。
- 1つ目は、傷害が正当防衛にあたるかどうか。
- 2つ目は、集団窃盗が教唆なのか、ほう助にとどまるのか。
しかし最大の問題は、被害者である八木が長期間意識不明だったため、真実を語れる当事者がいなかったことでした。
法廷メモ(整理)
- 検察側:傷害+窃盗教唆
- 弁護側:否認(正当防衛+ほう助)
- 最大の壁:被害者が証言できなかったこと
- 新事実:栗田と八木は兄弟
時系列(ネタバレあり)
① 事件の全体像と第一回公判
栗田奈央は、半年前から仲間たちと集団で窃盗を繰り返していたとされる。
この事実を知った八木一喜と口論になり、八木を突き飛ばして重傷を負わせた。
第一回公判で小野崎は全面否認。
- 傷害は正当防衛
- 窃盗は教唆ではなくほう助
検察の古川は、栗田が集団の中心となり、恐喝から大規模窃盗へと犯罪をエスカレートさせたと指摘する。
② 安堂が見抜いた「証言の違和感」
正当防衛を裏付ける目撃証言は3名。
しかし、
- 声を聞いた場所
- 現場までの距離
- 到着までの時間
これらが食い違っていることに、安堂は違和感を覚える。
同じ内容の証言、異なる立ち位置。
偶然なのか、それとも――。
③ 集団窃盗の正体と「握る」という言葉
調査の中で浮かび上がったのは、生徒たちの間で行われていた集団賭博の存在だった。
「いくら握りますか?」
その合言葉の裏には、大人たちの賭博事件と、学園の“空気”が影を落としていた。
親の背中を見て育つ子どもたち。
学園という閉じた共同体で、異常は“普通”へと変わっていった。
④ 小野崎の過去と、折れた心
小野崎は語る。
無実を信じて戦っても救えない裁判。
否認よりも「認めたほうが得だ」と勧める自分。
それでも、前回の裁判で感じた「よし!」という感覚。
その一瞬が、彼女を再び法廷へ戻した。
⑤ 衝撃の真実──二人は兄弟だった
第二回公判。
意識が戻った八木は証言を拒否する。
小野崎は法廷で明かす。
栗田奈央と八木一喜は、血のつながった兄弟だった。
偶然の再会。
左右対称(シンメトリー)の名前。
「縁を大切にしろ」という父の言葉。
すべてが、一本の線でつながる。
⑥ 本当の真実
事件当日、八木は栗田を救おうとしていた。
- 窃盗した金は返そう
- 自首しよう
- 未来を台無しにするな
しかし、恐怖と保身から栗田は嘘の証言を仲間に指示する。
八木が倒れ、意識を失ったことで、真実は闇に沈んだ。
法廷で、栗田はすべてを告白する。
⑦ 判決
裁判長・安堂は語る。
「『真実』という漢字は、左右対称です」
判決は、
- 懲役2年
- 執行猶予3年
- 保護観察付き
もし自白がなければ、猶予はなかった――検察の古川はそう語り、法廷を去る。
証言・証拠の要点|目撃証言の矛盾はどこにあったのか
正当防衛を裏付ける根拠とされたのは、3人の目撃証言でした。
しかし安堂は、「どこで声を聞き、どのくらいで現場に到着したのか」に着目し、証言の信用性に疑問を抱きます。
目撃証言の内容と矛盾点
- 正木祐介
昇降口付近で言い争う声を聞き、現場へ向かったと証言
→ 到着まで 約15秒 - 河野聡
体育館付近で声を聞き、現場へ向かったと証言
→ 到着まで 約20秒 - 川越雄一
グラウンド入口付近で声を聞き、現場へ向かったと証言
→ 到着まで 約40秒
3人はいずれも、「八木が栗田に殴りかかるのを見た」と、ほぼ同じ場面を目撃したと証言していました。
しかし、立ち位置と距離を考えると、到着時間には明確な差が生じるはずです。
特にグラウンド入口からでは、現場に着いた時点で『八木がすでに倒れて動かなくなっていた』と見るほうが自然でした。
この「同じ内容なのに、成立しない時間差」こそが、正当防衛を支えていた目撃証言の信頼性を崩した決定的なポイントでした。
この証言の矛盾が、正当防衛という主張そのものを揺るがすことになりました。
ここがポイント
- 証言内容は一致している
- しかし「見えたはずの場面」は、立ち位置的に一致しない
- つまり証言は事実ではなく、作られた可能性が高い
第2話の真相|栗田奈央と八木一喜は兄弟だった
八木は栗田を守ろうとしていました。
二人は血のつながった兄弟であり、八木は栗田の未来を壊したくなかったのです。
栗田は恐怖から嘘を重ね、真実を隠したまま裁判が進んでいました。
最終的に栗田は、自分が先に手を出し、嘘の証言を指示したことを認めます。
判決(第2話)|懲役2年・執行猶予3年
- 懲役2年
- 執行猶予3年
- 猶予期間中の保護観察
自白がなければ、執行猶予はつかなかった可能性が示唆されました。
第2話が突きつけた問い
- 真実を明らかにすることは、誰のためなのか
- 被告人の利益を守ることは、どこまで許されるのか
- 正しさを選ぶのは、制度か、それとも人か
第2話は、裁判官と弁護士、その間にある「裁量」という曖昧で重い領域を、静かに、しかし鋭く描きました。
刺さったセリフ
「裁判って、何のために、誰のためにやってるんですか?」
被告人を救えなかった過去と向き合い、弁護士という職業そのものに疑問を抱いた小野崎の本音です。
制度の中で働く者が、制度に絶望する瞬間が率直に表れています。
「秘密ってのは、外に出たがるものなんだ」
証拠も自白も揃っていない段階で古川から語られた言葉ですが、この事件が必ずどこかで破綻することを示唆する一言でした。
真実は隠し続けることができないという、本作全体の通底テーマでもあります。
「偶然の偶然は、必然なのかどうか」
栗田と八木の関係性、名前のシンメトリーに気づいた場面での安堂の言葉です。
出来事を単なる偶然として片付けず、その背後にある因果を疑う姿勢こそが、安堂という裁判官の核心だと分かります。
これらのセリフはいずれも、事件の真相を直接語るものではなく、登場人物の「立場」と「迷い」を浮き彫りにしている点が印象的でした。
※「テミスの不確かな法廷」各話まとめ(目次ページ)はこちら(作成予定)
