WOWOWで2020年4月25日に放送された【鉄の骨】第2話は、主人公平太が建設業界の大物である三橋と出会います。
談合について迷いがある状態の平太に、三橋は意外な言葉をかけます。
談合とは本当に必要なものなのか?悩む平太の知らないところで、着々と検察の捜査の手が伸び始めてきました。
不安の渦巻く第2話です。
【鉄の骨】2話のあらすじ
道路工事を落札したトキタ土建の山本(小手伸也)は、あのとき城山議員(西岡德馬)に実は手を回してもらっていた。その席には以前自分が勤めていた会社の真延建設の営業部長である長岡(六角精児)も同席していた。
地下鉄工事を落札するため、池松組ではプロジェクトを組みコストダウンを徹底する。他の会社が他社と組んで請け負うのに対し、池松組は単独で競争入札で参加することを目指す。
尾形(内野聖陽)に呼び出された平太(神木隆之介)は、休日に競馬場へ向かう。そこで紹介された人物が建設業界の“天皇”と呼ばれる三橋萬造(柴田恭兵)だった。三橋と平太の実家は同郷だったため、すぐに打ち解けて名刺を渡してくれた。
一方検察は金の動きを追うため、白水銀行に振り込み依頼書の提出を求める。萌(土屋太鳳)が資料の片付けをしているとき、付箋が貼られていたページに気づいてみると、それはトキタ土建のページだった。
平太から金の流れを探って欲しいと言われていたことを思い出し、検察はこの会社を調べているのではないかと萌は考える。
平太は三橋から電話をもらい茶会への招待を受けた。その席には大手ゼネコンの役員たちが出席し、平太のような若い社員はいなかった。彼らは池松組は入札を諦めたのかと平太を馬鹿にする。
悔しがる平太に三橋は意外な言葉をかけた。
【鉄の骨】2話の要約
2話の内容を簡単に箇条書きで要約しています。ラストまで先に知りたい方はこちらからどうぞ。
- 池松組は単独で地下鉄工事を請け負うと決める
- 談合はせず競争で落札を目指す
- トキタ土建の山本は城山に実は口を利いてもらっていた
- 地検は談合の証拠を掴むため金の流れを探る
- 尾形に呼び出され平太は競馬場へ行く
- そこで三橋萬造を紹介された
- 同郷出身ということもあり早速名刺を渡される
- 三橋とのコネのために平太は業務部に異動になったとがっかりする
- 三橋から茶会に招待される
- 検察が白水銀行に行き振込み依頼書を調べる
- トキタ土建のページに付箋が貼ってあったのを萌が気づく
- 茶会は大手ゼネコンの幹部が集まっている場だった
- 平太は他の会社の人たちに馬鹿にされる
- 茶会では調整の話は一切出なかった
- 萌はトキタ土建の金の流れのおかしな点に気づく
- 検察がトキタ土建の金の流れを特定する
- 検察は先日の茶会のメンバーも特定する
- コストダウンをするため工法の変更を平太は提案する
【鉄の骨】2話のネタバレ
池松組の目標
道路工事の落札ができなかった池松組は、新たな地下鉄工事へ狙いを切り替えていた。2000億円規模の工事だけに、他社はいくつかの会社と一緒になって請け負う予定だった。
しかし、池松組は単独で請け負うと尾形が宣言する。
なぜなら、他に負けない地下鉄工事の実績もノウハウもあると、絶対の自信があった。
調整が入ることはないのかと心配する平太に、談合ありきの小さな公共事業と違うと尾形は答え、調整が入るとすれば最終手段であると考えていた。
よって、池松組は競争入札で1社での落札を目指す。
不穏な空気
道路工事を赤字覚悟で落札したトキタ土建の山本は、衆議院議員の城山と会っていた。その場には山本の以前の勤め先である真延建設の営業部長である長岡もいた。
山本は城山に頼んで道路工事の入札に参加させてもらっていたのだった。
長岡は次の地下鉄工事の件を城山に頼むが、まだ口を出す段階じゃないと返答した。
地検の狙い
地検は山本が城山のところに出入りしているのを把握していた。
金が流れているはずだと考え、2つのルートから内偵を進めることにする。
- 北原と嶋野は城山の資金を追う
- 埜村はゼネコン談合組織を追う
三橋は城山の義弟なので、まずは三橋を検挙して城山の情報を探るつもりだった。
揺れる萌の心
平太の母と三人で食事をした萌だったが、園田と会って話しているうちに不安になってくる。
それは、談合で捕まった新聞記事を見せられ、検察が本腰を入れているという内容だった。
池松組も危ないかもしれない、恐らく業務部は無傷ではいられないと思うと園田は語る。
良くて解散、悪くすると逮捕者も出るかもしれない。平太も危ない可能性があった。
そして、園田は萌に対して大人なのだから少し考え直したほうがいいのでは?と平太との付き合いについて指摘した。
三橋との出会い
尾形に呼ばれて行った競馬場の貴賓席は平太にとって驚きの場所だった。
豪華な作りに圧倒されている平太に、尾形は声をかけて招く。
会社の他の社員は誰もおらず、尾形と平太だけだった。
馬券を買いに行った平太とすれ違った人物、それが建設会の“天皇”こと三橋萬造だった。
戻ってきた平太に三橋を紹介する尾形、何気ない会話から平太が長野出身だという話になる。
母親の実家が臼田町の出身でお茶屋をやっていると話すと、三橋は店のことを知っていた。
なぜなら、三橋はその町の出身だったのだ。
同郷であることから一気に打ち解けていく三橋と平太、帰り際に三橋は「お茶を飲みに来い」と言って名刺を渡していった。
平太が業務部に呼ばれた理由?
業務部では地下鉄工事請け負うために、積算部、土木技術部、調達部とプロジェクトチームを立ちあげる。
業務部はその旗振りとして今後はやっていくことに決まった。
スケジュールをさくさくと決めて、各部署に頭を下げてお願いをする西田の姿に平太はあっけに取られた。
その後、永山と一緒に酒を飲む平太は思わず愚痴を零す。
西田のようなセンスもなければ、兼松部長のような業績もない、自分は三橋とのコネのために呼ばれただけだと。
その話を聞いた永山は愚痴ってる暇あったらチャンスを生かすことを考えろと励まし、もしどうにもならなくなったら自分のところへ来いと言ってくれた。
三橋からの電話
平太の電話に三橋から連絡が入る。それは茶会への招待だった。
さっそく平太は尾形に報告し、作法が分からないから一緒に行って欲しいと頼む。
しかし尾形は、平太が呼ばれたのだから君が行くべきだと言って断る。
万が一、粗相があったら会社に損害を与えるのではないかと心配する平太に、尾形はそんなことにはならないと言い切る。
心配する平太だったが、尾形から隣の人の真似でもしておけと言われ、仕方なく単独で参加するこになった。
検察が白水銀行に来る
白水銀行に検察が現れ、以下の業種の振込依頼書、過去3週間分を提出するよう求められる。
- 不動産業
- 運輸業
- 建設業
- 病院
- コンサルタント業
- 商社
- 保険業
萌たちは言われるままに集め、検察が待機している部屋へ運んで行った。
ようやく調査が終わり資料を片付ける際、萌は資料のあるページに付箋が貼ってあることに気づく。
中を見てみると、そこにはトキタ土建のページだった。
以前、平太に調べて欲しいと言われていた会社だと思い出した萌は、園田に聞かれてここを調べていたのではないかと話した。
茶会での出来事
三橋の茶会に招かれた平太は家に行くと、そこには大手ゼネコンの役員たちが集まっていた。
平太の顔を見るなり馬鹿にする彼らに、あまりいい気分がしないまま参加する。
茶会では粗相がなかったものの、その後の待機している部屋で再び他の人たちに平太は侮辱される。
なぜ尾形常務でなく平太なのか?平太は自分が招かれたと言っても信じてもらえない。
挙句、「お前のような者が来る場所ではない」などと罵られ、平太は黙っていられず言い返す。
部下でもないのにお前呼ばわりされるいわれはない、池松組の代表として来ていると。
しかし、彼らは笑い飛ばして池松組も危ないのかもなと言うばかりだった。
三橋の考え
三橋は二人きりで話す平太に、今日の茶会の感想を聞く。
平太は正直にいい気分ではなかったと答えた。
三橋は人間の本性は若い人の前で出るものだと語る。
そして平太にこの業界でやっていけそうかとたずねる。
平太は自信はないが、あの人たちを見返してやりたいと悔しさを語った。
三橋はその答えに満足し、それでいい、やつらのようにはなるなと告げた。
平太は今日の茶会は地下鉄工事と関係あるのかと問うと、特に意味はないと答え、必要とされなければ自分は表に出ることはないと三橋は言う。
そして、談合ばかりしていては、この国は良くならないと意外な返答をした。
談合の是非
尾形に茶会の報告をする平太は、調整の話は一切なかったと事実を話す。
また、三橋は談合ばかりしていては駄目だと語っていたとも伝える。
平太は談合についてどう思うかを尾形に問われ、よく分からないが、必要悪と言われるとそんな感じもすると答えた。
逆に尾形はどう思っているのか平太が聞くと、談合なくしてこの国の公共事業は成立しない。
互いの利益を守るために必要なこと。今まではという。
では、これから先は?と聞く平太に尾形は、どうなるかは自分も分からないと告げた。
見つかる証拠
トキタ土建のことが気になっていた萌は、会社で一人調べていた。
トキタ土建の振込明細を見ていくうちに、あるおかしな点があることに気づく。
それは、三島クリエイト宛に振り込まれた300万円だった。
本来商売上の取引なら消費税があるので、端数が発生するはずなのにピッタリ300万円という金額に違和感を覚える。
園田に見つかった萌はそのことを正直に報告すると、個人的な理由で調べたりするのは駄目だと注意される。
平太にこのことを伝えようか迷う萌に園田は、彼が自らの意思でやっているのだから放っておけと言い、銀行の信用問題にもなるという。
何よりも萌にそんな危険な目にあわせたくない、園田は萌の身を案じていた。
検察の進捗
北原たちは三島クリエイトの口座がある三島中央信用金庫に来て調べていた。
やはり300万円という額面が気になり内藤に報告をする。
しかし、三島クリエイトのような小さな会社が城山に協力をするのか、少々疑問にも感じていた。
内藤は間違いなく協力すると言い切った。理由はこうだ。
- 高速の看板やサービスエリアの店舗デザインを多く手がけている
- 同業他社の受注量をはるかに超えている
- 会社の規模にしては多すぎる量を受けている
- 城山が便宜を図っているに違いない
- 資金洗浄に実態のない会社を使用するわけがない
- 地味な会社だから利用価値がある
それらの理由から絶対何かあると内藤は考えていた。
母と三橋の思い出
母が倒れたと連絡を受けて平太は急いで病院に向かう。
倒れた時に頭を打ったことで、外傷性のくも膜下出血だということだった。
このまま出血が止まれば手術をせず数日で退院できるが、予断は許さない状況だった。
ようやく意識が戻った母と平太は三橋の話をする。
母は三橋のことをちゃんと覚えていて、立派なリンゴのなるあの木は三橋が苗木をくれたものだと教えてくれる。
それは平太もよく知るリンゴの木だった。
今度はその苗木を三橋に持って行って欲しいと母は頼む。
言われた通りに三橋の家へ苗木を持って行った平太は、家に上がり食事をしていく。
三橋の父と平太の祖父が同級生だった関係で、以前から三橋の家と家族ぐるみの付き合いがあったことが分かる。
昔話を懐かしむ三橋に平太は昔に戻りたいと思うかと聞く。
すると三橋は思わないと答え、今が一番いいと思うようにしているという。
調整に乗り出すことはないのか、平太は再び三橋に問う。
コストを下げて競争を勝ち抜き利益が取れるなら、調整なんて全く必要ない。
そのまま勝ち抜けるのならそれに勝るものはないと三橋は告げた。
検察が掴んだ情報
検察は茶会に出席したメンバーを全員把握していた。
- 長岡昇(51)真延建設・営業部長
- 岸原貴之(56)猪田組・常務
- 木村亮一(59)青川建設・専務
- 坂上豊(57)大戸土木・常務
- 芦田幸雄(61)帝徳建設・専務
- 武田晃(51)牧内建設・営業部長
- 富島平太(26)池松組
平太の名前も検察に把握されている状態だった。
平太が考えるコストダウンの方法
コストダウンを命じ積算部に数字を出してもらったが、やはり目標金額を下回っていなかった。
原材料と人件費、この2つをこれ以上下げられないとするなら、後は工事そのものを安く上げるしかない、尾形はそう考えていた。
そこで平太は以前、マンションを建設した時に、工法を変更したことで大幅に金額を安くできたことを引き合いに出す。
地下鉄工事も工法を変更すればいいのではないか?提案する。
池松組の土木技術部次長の仁王の元に行き、平太は直接工法を見直すことができないか訴える。
そう簡単には無理という仁王に対し、“地下鉄の池松”ですよねとプライドを刺激する。
そして、この工事絶対うちで取りたいと意気込みを語った。
【鉄の骨】2話の感想
第2話もあっという間に終わってしまうテンポの良さです。
じわじわと検察の手が伸びてきているのが分かり、池松組はどうなってしまうのか?平太は逮捕されるのか?など気になる話になってきます。
与えられた仕事を迷いながら頑張る平太に、強力な後ろ盾がつきます。建設業界の天皇こと三橋萬造です。
同郷出身ということが、こんなにもパワーがあるのかと驚くぐらいの打ち解け方でした。
それを最初から知ってて尾形は平太を業務部に呼び寄せたと思われます。
そのことで平太は凹みますが、永山がグチってる暇あったらチャンスをものにしろとハッパかけます。
普通の人ではまず会うことのできない人物に、会えただけでなく気に入られた平太はチャンスをものにできるのか?
それとも、これが逮捕へのカウントダウンになるのか?気になるところです。
萌はもう平太から気持ちが離れつつあるようで、園田の横槍もあり見捨てそうな勢いです。
犯罪者の彼氏なんて嫌だということか、そもそも気持ちが離れていたのかは現時点では謎です。
三橋が結構人格者というか、色んな人を見てきたからか、平太を励ましてくれます。
平太は平太で物怖じせずに素直に思ったことを口にする、度胸の据わったところもある人物でした。
茶会での長岡の侮辱に対し啖呵を切るような反論は、強い覚悟を感じて格好良かったです。
【鉄の骨】2話のまとめ
第2話は前回謎の人物だった建設業界の天皇と呼ばれている三橋萬造との交流が主になりました。
平太は三橋にかわいがってもらい、この世の春を謳歌するのか、それとも地獄への道を歩むのか?どちらにも傾きそうな危うい状況にハラハラします。
検察が確実に外堀を埋めてきているため、言い逃れができない状況になるのではないか?平太は逮捕されてしまうのではないか?と煽ります。
しかし、平太も元々談合をしたいタイプではないので、競争入札で取れるよう今回コストダウンの方法を新たに考えます。
それは工法を別のものにするというアイデアでした。果たして新工法が何か見つかるのか?次回も楽しみです。
次回は5月4日22時から放送予定です。