WOWOWで2020年4月18日から始まった【鉄の骨】1話のネタバレと感想をまとめました。
以前NHKでも放送された池井戸潤さん原作のこのドラマ、今回は神木隆之介さんが主役で再ドラマ化です。初回から話がどんどん進んでいき、見ていて非常に楽しいドラマでした。
【鉄の骨】1話のあらすじ
池松組の現場主任である富島平太(神木隆之介)は、ある日上からの命令で業務部へ異動させられる。業務部はいわゆる“談合”をするための部署であり、畑違いな平太は戸惑いながらも西田(中村獅童)と一緒に取引先を回る。違法な談合をすることを良く思っていない平太だったが、西田から“必要悪”だと言われて悩む。
談合の根回しをし今回の工事は池松組が請け負うことで調整がついたはずだった。しかし、そこに新規の業者として参加したトキタ土建だけが、談合に加わろうとしない。社長の山本(小手伸也)は何が何でも今回の工事を請け負う、そのために談合に参加せず赤字覚悟で入札に参加する意気込みだった。
そこで、常務の尾形(内野聖陽)が山本を説得しに行くが決別し、入札は事実上、池松組とトキタ土建の一騎打ちとなる。果たして池松組は落札することができるのか?
【鉄の骨】1話の要約
1話の内容を簡単に要約しています。ラストまで先に知りたい方はこちらからどうぞ。
- 平太が業務部に異動させられる
- 西田と一緒に根回しに向かう
- 区役所の道路課長に会って根回し
- 調整役の和泉に会って根回し
- 談合に対して疑問を抱く平太
- トキタ土建が談合に参加しない
- コストダウンを仕入れ業者に掛け合う
- 談合は“必要悪”だと諭される
- 池松組が落札することで談合がまとまる
- トキタ土建に尾形自ら行って説得する
- 山本はあくまで談合を拒否
- 入札はトキタ土建と池松組の一騎打ちになる
- 赤字覚悟でトキタ土建が落札する
- 落札できなかったことを社長が怒る
- 社運を賭けた地下鉄工事は必ず落とすよう命じられる
- “天皇”と呼ばれる調整役が存在することを知る
- 東京地検も談合が行われる可能性があるのでマークする
【鉄の骨】1話のネタバレ
平太の異動
現場主任の富島平太は仕事に真面目な男だった。作業員の態度が悪いことで揉めていると、現場所長の永山が来て場を何とか収めてくれた。
その後、平太は永山に呼び出され、この業界は清濁合わせ飲まないとならない業界であることを教えられる。それが業界で生き残っていくコツだと永山は言う。
ある日、平太は永山に呼ばれて本社の業務部に異動だと言い渡される。建築現場に携わっていたい平太は異動することを嫌がるが、その前に会社の人間だろと永山に言われて受け入れる。そして、業務部は現場以上に正しいことばかりが正しいわけじゃない部署だと教えられた。
平太が池松組に入ったきっかけ
業務部に異動となった平太は恋人の萌に仕事の内容を話す。業務部は営業みたいな仕事で、役所へ行って公共事業を請け負ってくるのが仕事だという。本社勤務は栄転なのでは?という萌に、物作りをする人間は経験もないうちに異動させられるのはよくないことだと教える。
平太を業務部に呼んだ尾形常務はやり手な人物で、大手ゼネコンの役員だった。池松組が経営難に陥った時、先代の社長がスカウトしてきた。あっという間に立て直し、「池松組に尾形あり」と言われている。
平太が池松組に入れたのも尾形常務のお陰かもしれないと、平太は面接の時を思い出していた。大手ゼネコンを全て落ち、中堅ゼネコンに狙いを変えた平太が最終面接までこぎつけたのが池松組だった。その時に面接した中に尾形常務がいた。
大きなビルを建てたいと思っていた平太に、尾形常務はうちではそんな建物は建てれない、夢のない仕事だと告げる。しかし平太は規模の大小に関係なく、そこには施主の何かしらの夢が詰まっていると言った。
業務部での仕事とは?
業務部に異動した平太は柴田と話し、部長の兼松を紹介される。しばらくの間、次長の西田と一緒に仕事をするようにと兼松は告げる。業務部は尾形常務直轄の部署だった。早速尾形の元に兼松と西田の3人で向かい、神宮前の地下道路工事の受注を請け負ってくるよう命じられる。
区役所へ行って“トラ”に会えと言われた西田と平太だったが、トラとは何者なのか不思議に思って平太が問う。区役所の道路課長の花木虎之助のニックネームがトラだと西田に教えられた。
花木に挨拶をしに来たと言っても会わせてもらえず、頼み込む西田の前に花木が偶然現れる。周囲の目を気にする花木に別室へ案内され、探りを入れ始める西田。業者は何社ぐらいなのか、どれぐらいの値段なのかなどを聞く。しかし、花木は具体的なことを言うわけにもいかず、肯定もしないが否定もしなかった。
もしかして談合?
今度はコレザワ建設へ向かい専務の和泉と話をする。和泉は関東の道路工事の仕切り屋で、落札企業の割り振りをする調整役だった。どこの工事をどの業者が落とすか、いくらで落とすかまで仕切る。不満もあるが従っておけば何とか生きていけるぐらいの仕事はもらえるという。
その話を聞いた平太はつまり談合ということか?と西田に聞く。そういうことだと認める西田に平太は疑問を感じる。もし、談合がなければ自然競争になり、工事の価格の叩き合いが始まり、落札できてもその値段ではやっていけないと西田はいう。
しかし、池松組は脱談合をしたはずと言う平太に、柴田は仕組みが変わらなければ談合はなくならないと答える。それが違法だったとしてもか?と食い下がる平太、生きていくのが先だと開き直る柴田だった。
受注数は営業が伸ばし儲けは業務部が出す。どこのゼネコンも談合は業務部が担当していて、脱談合なんて言ってても真っ赤な嘘だと現状を教えられる。
トキタ土建とは?
調整に1社だけ加わらない会社があり、西田たちは手こずっていた。それは今回から新規で参加しているトキタ土建という会社だった。
トキタ土建は創業5年の会社で、真延建設にいた山本誠司という男が社長だった。民間工事で思うように業績が伸びず、公共事業に来たのではないかと考えられる。損失がかなりあるため後がないはず、必死に工事を取りに来るだろうと尾形常務は予想する。なぜなら、たとえ赤字でも着手金が手に入れば、目先の迫った支払い回せるからだった。追い詰められた会社のほうが怖い、尾形常務の予想は的中する。
西田と平太は山本と直接話をすることになる。談合に加担することは犯罪に加担しろと言っているのと一緒だ、赤字だろうが落札したらそれは正当な結果だと言って談合には応じなかった。それを尾形常務に報告すると、真延建設のほうから手を回してもらうしかないと、やり方の変更を検討する。
トキタ土建が入札する金額が分からない今、できるだけ安く請け負えるように原材料費の削減に西田と平太は着手する。目標は現在の価格よりも5%削減することだった。電話をかけては業者に泣いてもらう交渉を続ける。
しかし、どうしてもそれでは無理という業者があり、目標金額に届かない。悩む平太たちの様子を知り、尾形常務はこっそりと業者に頼みに行く。すると、今まで断っていた業者が、提示した金額でやってくれることになった。ようやく目標金額まで下げることができた。
談合は悪なのか?
平太はふと思う。ここまでコストカットができるのなら、談合する必要はないのではと。だが、今回に限って言えばそうだとしても、毎回叩き合いになったら体力のない中小零細企業はあっという間に倒産する。下請けがなくなれば大手も危うくなるだろう。この業界は1社だけでやっていけるなんて思うなと、尾形常務から平太は忠告された。
平太の気持ちは次第に談合に対して嫌悪感を抱かなくなっていた。しかし萌は違った。談合は犯罪であり、談合やれば仕事が回ると言っている割には、池松組の業績は悪いと指摘する。社長は銀行へ頻繁に来ているし、逮捕者でも出たら終わりだと銀行員としての立場から助言をする。
道路受注はどうなる?
コレザワ建設の和泉から、今回は池松組が落札することに決まったと報告がある。3回にわたる入札の価格が各社それぞれ書いてあり、池松組より安い金額では入札しないことになっていた。だが、その表にはトキタ土建の名前がない。真延建設から手を回そうとしたが、難しかったという。
トキタ土建には何か裏がある。恐らく金が動いているはずだと和泉は言う。トキタ土建のメインバンクは萌がいる白水銀行だったため、平太は知り合いが働いているので金の動きを聞いてみると告げる。
萌にトキタ土建から区役所の誰かに金が流れていないか聞くと、萌は教えられないと突っぱねる。守秘義務があるのだから、外部の人間には教えられない、たとえそれが不正な金だったとしてもと断った。
そのやり取りを通りがかった園田が見ていて萌に言う。談合を必要悪だと彼らは思っているようだが、会社が弱いからで、強くする努力もせずに楽なほうへ流れていると。さらに検察が談合に目を光らせているから、彼氏も注意するよう言っておいたほうがいいと忠告した。
尾形常務直々に説得へ
トキタ土建の説得に尾形常務自ら行くことにした。社長の山本に長い目で見ればお互いのためだと説得するが、今回の工事をうちにくれるなら談合してもいいと言われる。しかし、常務がわざわざ出向くということは、協力をしろということだろうと山本は理解していた。
みんなで平等に分け合うのならいいが、実際のところ大きい仕事は大手が取って、自分のところのような小さな会社は小さい仕事しか来ない。それでは会社は永遠に大きくならないと山本は主張する。尾形常務は競争なら赤字の叩き合いになって共倒れになる、一社でけでは生き残れないと反論した。
山本は何も喧嘩したいわけではなく、今回の工事を受注したい、それだけのことなんだと談合に応じなかった。
運命の入札
トキタ土建が談合に応じなかったため、その場で入札価格を考えなければならない状況が予想された。そこで、決定権のある尾形常務自ら入札に向かうことにする。事実上、トキタ土建と池松組の一騎打ちである。
1回目の入札はどの業者も入札予算を超過していたため、2回目の入札をすることになった。その場で金額を決めなければならない状況に、限られた時間内で電卓を弾き金額を書き込む。22億2千万円と書いて入札することに決めた。
開票の結果、2社が予定価格を下回っていた。そして受注を落札したのは、21億7千万円でトキタ土建だった。池松組は勝ち取ることができず、尾形常務はすぐに席を立ち会場を後にする。
会社に戻り落札できなかったことを社長に文句言われる。トキタ土建は実績作りのために赤字で請け負ったが、うちは赤字で入札するわけにはいかなかったと報告する。社長は次の地下鉄工事の受注は何としても勝ち取るよう命じた。
2000億の公共事業に潜む闇
地下鉄工事の受注金額は2000億円規模のものだった。そんな巨額のものの調整役は誰がやっているのか、平太は西田に聞く。その人物は大物フィクサーで“天皇”と呼ばれている人物だった。背後には大物政治家が絡んでいるという。
一方東京地検特捜部では新聞に載る地下鉄工事の記事を見ていた。金額の大きさから必ず談合が起きる、そう考えていた。ホワイトボードには民政党議員の城山和彦と山館組の顧問、三橋萬造の写真が貼られていた。
【鉄の骨】1話の感想
初回の山場は談合をしないトキタ土建との入札勝負です。相手がいくらか分からないため、その場で予想して入札額を決めなければならないという極限状態となります。その緊張感が物語を盛り上げます。
非常に力の入っているドラマで、知らない顔の人がほぼいないというキャスティングです。主役の神木さんも文句なしのいいキャスティングです。本来なら地上波の『日曜劇場』あたりで放送するようなドラマなのでしょうが、色々スポンサーなどの事情もありそうな内容なため、WOWOWでの放送になったのだと思います。
話のテンポもよく盛り上げるところと、主人公が談合というものについて葛藤する部分とうまく描かれています。見ていて退屈するどころか、どんどん引き込まれていく初回でした。春のドラマが延期しているのが多い中、既に全話撮り終わっていると思われるこの作品は普通に放送されました。
全5話なので中だるみすることなく、このまま一気に駆け抜けていってくれることを期待します。
【鉄の骨】1話のまとめ
結局談合しなかった会社が今回の工事を落札しました。談合のために根回しをしていたのはいったい何だったのか?と思いたくもなります。しかし、建設業界も儲けがあるのかないのか、話を見ている感じだと結構ギリギリで何とか生き延びている感じが伝わってきます。
主人公の平太は最初は不正を許さない感じの人物なのに、次第に談合に対する考え方が変わってきます。それをおかしいと言うのはやはり外部の人間である萌です。外から見れば談合は確かに不正であり、おかしな習慣です。しかし、それがないと生き残れないという状況も確かにそこにあります。
地検が動くとなれば誰かしら逮捕者が出ることになるのでしょうが、果たして池松組は無事でいられるのか?そして“天皇”と呼ばれるフィクサーとはどんな人物なのか?最終回まで目が離せない内容です。
次回は4月25日22時から放送予定です。