【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】のネタバレ感想|全ての元凶は鉢植え事件?

終着駅シリーズ スペシャルドラマ
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2019年11月3日に放送された【森村誠一ミステリースペシャル 終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】は、食品メーカー創業者一族に起きる殺人事件の話でした。牛尾刑事が事件に隠された21年前の真実に迫ります。

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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】の基本情報

  • 放送局:テレビ朝日 日曜21時
  • 放送開始日:2019年11月3日(日)21時~23時5分
  • 原作:森村誠一「鬼子母の末裔」(光文社文庫)
  • 脚本:橋本綾
  • 監督:池広一夫
  • プロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之(東映)、井元隆佑(東映)
  • 制作:テレビ朝日、東映
  • 公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/program/0073/

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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】のあらすじ

 大手食品メーカー“根本フード”の副社長・根本佳枝(矢吹春奈)が、自宅リビングで遺体となって見つかった。新宿西署の牛尾正直刑事(片岡鶴太郎)らが臨場したところ、佳枝はクッションを顔に押し付けられて窒息死させられたものと思われた。夫で社長の根本圭一(窪塚俊介)が事件の前後から行方知れずの上、現場からくしゃくしゃに丸められた離婚届が見つかったため、離婚をめぐって夫婦間でトラブルとなり、カッとなった圭一が妻を殺害したものと推測された。

 だが、別のマンションで暮らす圭一の母で根本フーズ会長の景子(真野響子)は、息子夫婦の間に離婚話などなく、離婚届はふざけて書いたものだろうと話す。しかし、圭一が失踪中と聞いて、景子は動揺する。
 捜査の過程で21年前、圭一の父、つまり景子の夫・英雄(佐伯新)が、釣りに出かけた先の千葉・勝浦の海で失踪し、死亡者扱いとなった事実が浮上。一家の大黒柱であり、会社を立ち上げたばかりの英雄を失ってから、景子と圭一は寄り添いあって生きてきたとわかる。周囲によると、圭一は景子に決して逆らわず、佳枝との結婚すら景子が決めたことも判明。母子が非常に強い絆で結ばれていることを知った刑事たちは、景子が圭一をかくまっているのではないかと疑うが、圭一の携帯電話の電波は事件翌日の朝、千葉・船橋付近で途絶えたまま、依然として行方はつかめず、事件から5日が経過していた。

 そんなとき、突然、景子が圭一の同級生・浜田勝弘(深水元基)の自宅マンションに押しかけ、「この男が圭一夫婦を殺した」と騒ぎ立てる。景子は最初の証言とは異なり、佳枝と浜田が不倫関係にあったと言い出し、牛尾たちは混乱。だが、浜田もまた、事件当日から行方知れずだとわかり、謎は深まっていく。
 手がかりを探して、1年前の圭一と佳枝の結婚披露宴のDVDを確認した牛尾は、ある場面でかすかに引っかかるものを感じる。?わずかな違和感を糸口に執念の捜査を続けた牛尾は、我が子を思う母の愛が引き起こした悲しい殺人事件の真相、そして21年前の衝撃の真実に迫っていく…!

公式HPより引用
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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】の登場人物とキャスト

  • 牛尾正直(片岡鶴太郎)
  • 牛尾澄枝(岡江久美子)
  • 根本景子(真野響子)
  • 根本圭一(窪塚俊介)
  • 谷口浩一(六平直政)
  • 根本佳枝(矢吹春奈)
  • 根本英雄(佐伯新)
  • 浜田勝弘(深水元基)
  • 山岡晴子(野村真美)
  • 山岡夏子(竹内佳菜子)
  • 大上刑事(東根作寿英)
  • 山路刑事(徳井優)
  • 坂本課長(秋野太作)
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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】のネタバレ

根本英雄殺害犯

根本景子

動機

圭一が小学生のころ修介に嫉妬して、“鉢植え事件”を起こしたと思っていた。英雄が晴子と不倫関係になっているのを知り、修介に父親まで盗られたと分かったら、圭一が4回目の犯行を起こすのではないかと思って、釣りをしている夫の背中を押して海に落とし殺害した

根本佳枝殺害犯

根本圭一

動機

自分のことを非難する言葉に耐え切れず、黙らせるためにクッションで口を塞いでそのまま殺害してしまった

浜田勝弘殺害犯

根本佳枝

動機

圭一が浜田に首を絞められて殺されそうになり、背後から首を絞めて殺害した

真相への道筋

佳枝の遺体が発見されてから、圭一は行方不明になっていた。母親の景子に聞くが景子も行方が分からず、浜田の家の扉を叩いて騒いでいた。

浜田の行方を追っていたところ、同級生の話を聞く。そこでかつて“鉢植え事件”という事件が起きていたことを知る。さらに浜田は同級生に特ダネがあるといい、それを理由に株で儲けられるからと言われ金を貸した話を聞く。

その後、浜田が千葉県勝浦市で遺体で発見される。21年前当時を知る谷口に話を聞き、父英雄がいなくなる直前、圭一は「磯波」に預けられていたことを知る。磯波は“鉢植え事件”の被害者修介の家だったことが分かる。だが、当時、2人は初対面のようなフリをしていた。

そこで牛尾は晴子に話を聞く。晴子は英雄と不倫関係にあったことを言う。きっと景子もそれを知っていたはずだがあの時、初対面のフリをしたのは景子がそのように振舞ったのを見て、何も言わないほうがいいと思ったからだった。

行方が分からなかった圭一が誰かに匿われていると思った牛尾は、勝浦の店「磯波」の姪っ子である夏子がまだ旅行から戻って来ていない話を思い出す。奇しくも夏子が旅行に行った日は佳枝が殺された日と同じだった。

そこで牛尾は圭一の携帯の電波が最後に確認された場所、船橋駅近辺をもう一度聞き込みする。不動産屋へ行き根本夏子という名前で借りているアパートを発見した。そこへ行くと夏子と圭一の2人を見つけ、圭一を逮捕する

一方、自ら佳枝と浜田を殺害したと出頭してきた景子に、圭一を逮捕した話をする。景子は自分がやったと言うが、圭一からの供述もあり景子が2人を殺害していないのは明らかだった。

だが、行方不明となっていた英雄については、景子が殺害したと牛尾は言う。なぜなら、結婚式の日、母親への花束贈呈のシーンで写真立てを伏せていた。息子から父を奪った人殺しの自分が、賞賛されることに耐えられなかったからだ。

逮捕された圭一は全てのことを自供する。あの日、不倫の現場を押さえに自宅に戻り、浜田と佳枝が家にいたこと。そして夏子は父の不倫相手である晴子の姪っ子であること、母が父を殺した話、その理由は自分が4回目の犯行をするに違いないと母が思っていたことを聞く

突然浜田が圭一を殺そうとし、佳枝と一緒になって会社の乗っ取りを口にする。だが、佳枝が浜田の首を絞めて殺害し、母親がしたように勝浦の扇岩から遺体を流すことで完全犯罪ができると思っていた。

自宅に戻ってきた2人だったが、佳枝は圭一が母に比べて劣っていることなどを延々指摘する。それを聞きたくない圭一は黙らせるため、クッションを佳枝の顔に押し付けて殺害した

自供した圭一は母への憎しみを語る。自分が夜釣りに行かせて大きい魚を取ってくるよう言ったせいで、母から父を奪ってしまったと思っていた。だから、21年間ずっと母を悲しませないよう言いなりになっていた。しかし、母が殺したことを知り、その原因が“鉢植え事件”にあると分かり憤る。自分が殺すべきは佳枝と浜田でなく母だったと言った

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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】の感想

【終着駅シリーズ】お馴染みの勝手に思い違いをして殺人をするという話です。いわゆる毒親と親離れできない息子が、共に何だかなという感じのオチでした。そもそもの原因が21年前の父親失踪にあり、その時の理由も凄いのですが、そこから最終的に今回に繋がります

出演者もある意味分かりやすい感じの役どころを演じてくれているため、こういう感じなんだろうなと見ていて想像しやすいのも2時間ドラマの良いところです。もう最初から最後まで景子役の真野響子さんは怪しく、視聴者だけでなくドラマ内でも登場人物に怪しまれ続けます。犯人当てする意味よりも、なぜそうなったのか?に重きを置いているとしか思えません。

また、息子の圭一に関してはずーっと出て来ないで、最後にぽっと出て来て自分の生い立ちを延々とするという構成です。真実を知ってからは悲しみよりも憎しみや怒りのほうが強く、もはや供述より愚痴を聞いているほうが長そうです

今回の物語に関係する登場人物の詳細と、21年前に起きた父失踪の元となる、通称“鉢植え事件”などについてまとめました。

ネタバレの詳細となります。未見の方はご注意ください。

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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】の登場人物の詳細

根本フードという会社の関係者とその周りにいる人物が、今回の物語のメインとなる人たちです。根本フードというのはどういう会社なのかも含めてまとめました。

根本フード

  • 平成3年に根本英雄と景子の夫婦が創業
  • 神奈川県藤沢市内に3坪のベーカリーを開業
  • 21年前に藤沢・二子玉川・青山と3店舗に拡大
  • 名前を根本ベーカリーから根本フードに変える
  • 現在は傘下の子会社含め従業員1400人年商120億円の大企業

根本景子(真野響子)

  • 根本フードの会長
  • 圭一の母
  • 21年前に夫が失踪
  • 女手一つで圭一を育て会社を大きくした
  • 佳枝を圭一の結婚相手に選んだ
  • 山岡修介への嫌がらせを自分がしたと噂を流す

根本圭一(窪塚俊介)

  • 根本フードの社長で31歳
  • 景子の息子で佳枝の夫
  • 母親に頭が上がらない
  • ママと社員の前でも呼ぶためついたあだ名は“ママ圭”
  • 浜田とは小学校から大学まで一緒の幼馴染
  • 小学生の時はプリンス
  • 小学2年の2学期までは何をやっても一番だった
  • 山岡修介が転校してきてから一番の座から陥落
  • 山岡夏子と3年前から交際

根本英雄(佐伯新)

  • 景子の夫で圭一の父
  • 21年前に千葉県勝浦で夜釣りに行ったまま失踪
  • 妻が山岡修介に対し嫌がらせをしたことを謝りに行く
  • それ以来、晴子と不倫関係だった

根本佳枝(矢吹春奈)

  • 根本フードの副社長
  • 圭一の妻で31歳
  • 父の仕事の関係で5歳の時からアメリカ暮らし
  • 圭一と結婚して一年ちょっとになる
  • 仕事はできるが家事は苦手
  • ストレートな物言いをする
  • 浜田と不倫関係

浜田勝弘(深水元基)

  • フリーのルポライターで31歳独身
  • 下世話なネタを週刊誌に売り込んで生計を立てている
  • 金と女にだらしなくいい噂がない
  • 圭一の幼馴染
  • 小学生の時は圭一の太鼓持ち
  • 佳枝と不倫関係
  • 鉢植え事件の首謀者

山岡晴子(野村真美)

  • 宿と食堂の店「磯波」の店主
  • 修介の母で夏子の叔母
  • 弟が死んだため姪っ子の夏子を引き取る
  • 東京から実家の勝浦に戻った
  • 英雄と不倫関係だった

山岡夏子(竹内佳菜子)

  • 晴子の姪っ子
  • 圭一と3年前から交際
  • 船橋に“根本夏子”名義でアパートを借りている

21年前は景子・英雄・晴子の三角関係がありました。今は圭一と夏子、浜田と佳枝という不倫関係があります。圭一は佳枝と結婚する前から夏子と交際し、現在まで続いている状態です。佳枝と浜田の不倫はそれよりも後に起きています。

圭一は夏子と結婚したかったのだろうと思いますが、母の言いなりなので母が決めた佳枝と結婚します。不倫があちこちにある上、この鉢植え事件という事件が全ての元凶になります。

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鉢植え事件とは?

圭一が小学生の時に起きる事件です。その時同級生だった人たちから証言を得ます。山岡修介が越してきたことで、圭一が一番の座から陥落したことが発端となります。その状況から圭一がやったんじゃないかと囁かれ、さらには景子がやったに違いないと噂が流れます。

  • 1件目:修介が歩いているところに、上から鉢植えが落ちてくる
  • 2件目:修介が信号待ちしていると、後ろから押されて道路に飛び出してしまう
  • 3件目:修介の住んでいるアパートのゴミ箱が燃えてボヤ騒ぎになる

完全に殺人未遂です。たまたま修介はケガもありませんでした。このことを圭一がやったと学校で噂になったせいか、当時圭一は母親に自分はやっていないと泣きながら言います。しかし、景子は全く信じずに圭一がやったに違いないと思います。そこで、圭一の罪を被ろうと、自分がやったという噂を流します。

それを聞いた夫の英雄が修介の家へ謝りに行きます。それがきっかけで晴子と出会い、父親のいない修介や夏子も懐くものだから不倫関係になってしまいます

後に、圭一が言うには子供の争いでそんなことをする妻が恐ろしくなったのではないかと、それで心が離れてしまい晴子のほうへ気持ちが行ってしまったに違いないと考えます。確かに殺人未遂するような妻と一緒にいるのは嫌ですが、だったらちゃんと籍抜いて離婚しろと思います。

牛尾が言うにはこの時にちゃんと圭一の話を信じてやれば、殺人事件も起きなかったと言います。歯車が狂い出した最初の話という意味では確かにそうです。しかし、その時々に殺人を止める方法はいくらでもあったと思います。それを踏みとどまれないような人物だから、鉢植え事件の時も信じられなかったのかもしれませんが。

この事件の主犯は浜田だということが、21年後に本人の口から分かります。なぜ浜田がこんなことをしたのか?それについては特に話さないので、本当のところは分かりませんが考えられるのは2つです。

  1. 本当に圭一のためを思ってやった
  2. 実は圭一がずっと嫌いだった

圭一が一番じゃないと嫌だという幼い正義感みたいなもので、修介を排除に向かったという考えが一つ。もう一つは仲がいいというより“太鼓持ち”だったということ、最後に「いいチャンスだから殺そう」と言って圭一に手をかけることから、心のどこかで圭一を憎んでいたので、これをきっかけに圭一に濡れ衣を着せようと思ったかです。いずれにしても浜田は大人にになってもどうしようもないクズでした。

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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】のロケ地

基本的に千葉が多いです。

旅館磯波

その名の通り晴子の店「磯波」です。

勝浦ホテル三日月

英雄と圭一が泊まったホテル

JAちば東葛 農産物直売所ふなっこ畑

聞き込みに行った場所の1つ

船橋グランドホテル

聞き込みに行った場所の1つ

ホテル市松

聞き込みに行った場所の1つ

大西屋酒店

同級生の酒屋

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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】のその他気になったこと

  • 結婚式でなぜかみんなでラインダンス
  • 6時間近くドライブする景子
  • 景子に婚活を激しくオススメする佳枝
  • 結婚式のDVDをみんなで見る刑事たち
  • 修介のあだ名は“天才くん”
  • 殺していない証拠を見せろと逆ギレする景子
  • 写真に喋らせろとキレる景子
  • 完全犯罪のいいお手本と言われる景子
  • 殺人犯の鑑と言われる景子
  • 所々英語交じりで死んでいく佳枝
  • 最後の最後まで鬼子母神関係ない展開
  • 圭一と景子の顔が半分ずつ映る謎の画面構成
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【終着駅シリーズ35 鬼子母の末裔】のまとめ

親も親なら子も子だなという感じの話です。圭一も景子も良かれと思ってやったような感じで言いますが、結局景子は圭一を信用してませんし、圭一は自立していないだけです。自分の思い通りにしたい母と、自分で何か苦労する気にはなれないポンコツ息子です。

そりゃ、完全に自立した佳枝のような海外生活が長い嫁をもらったら、圭一はバカにされるでしょう。そもそも不釣合いなのに“優秀な人物”というだけで結婚させても、遅かれ早かれ離婚した気がします。しかし、佳枝はあの時なぜか圭一を助けます。もしかしたら浜田のことは別にどうでもよく、金のある圭一のほうが良かったのかもしれません。

そして最後の最後に取ってつけたように鬼子母神です。別に鬼子母神でなくとも、他の神話でも当てはまりそうです。何気に母親は子供のためを思ってと言いますが、実は不倫されたことが悔しかっただけなんじゃないのかとも思えます。

2時間ドラマが各局あまり放送されないので、今後とも頑張って続けて欲しいシリーズの一つです。

今回のいいセリフ

海が夫を返してくれない…

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