【シャーロック】5話目はパワハラと親の愛情がテーマでした。パワハラ社員の自宅に血液はあっても遺体はどこに?リアルウォーキングデッドな話なのか?獅子雄が謎解きに挑みます。そして最終的にどんな罪になったのか?
ドラマ【シャーロック】5話のあらすじ
若宮潤一(岩田剛典)が誉獅子雄(ディーン・フジオカ)に文句を言っている。獅子雄は、同居しているくせに、家賃も生活費も一銭も払っていないのだ。「細かいことを言うな」と取り合わない獅子雄に手を焼いていると、そこに、江藤礼二(佐々木蔵之介)がやって来る。
公式HPより引用
いつものように事件解明を獅子雄に委ねたい江藤。今回も奇妙な事件だった。彼氏の留守中、部屋に入った女性からの110番通報で警察が駆けつけると、そこはスプラッター映画のような惨状。室内には大量の血液と破れたシャツ、バスルームには血塗れのタオルと凶器と思われる包丁とのノコギリが残されていた。しかし、被害者が見当たらない。周辺の目撃証言や、運び出された痕跡もない。部屋の持ち主、町田卓夫(永井大)を江藤と小暮クミコ(山田真歩)が取り調べるが本人は知らないの一点張り。
さらに、町田は政治家の息子だったため、江藤は上層部から解放するよう指示されてしまう。なんとか町田の鼻を明かしたい江藤は、獅子雄を焚きつける。捜査協力費用を得たい若宮も加勢。「死体が歩いたのかも」と言う若宮の言葉に、獅子雄は「死体は誇り高い。生きてる人間みたいにウロチョロしない」と否定し、“歩く死体”の謎に乗り出すことに。現場に残されたシャツに、町田と同じ会社で働く乾貴之(葉山奨之)のイニシャルが確認された。貴之は2日前から行方不明で、家族から捜索願も出ている。江藤は、貴之の母・千沙子(若村麻由美)から、「息子は町田のパワハラを受けていた」と聞く。社員たちはパワハラを否定するが、獅子雄は町田の不自然さを見逃さず…。
ドラマ【シャーロック】5話のオープニングナレーション
人は心臓が止まったときに死んだと判断される。
亡きがらがなければ医学的にも死は認められない。
だから愛する人が姿を消したとき、
僕らは永遠に待ち続けてしまうんだ。
ドラマ【シャーロック】5話のネタバレ
乾貴之殺害犯
自殺のためなし
動機
会社での町田のパワハラに加え、清水もパワハラをしてくる。そんな極度のストレス状態の上に、母親の愛情も重く父親は相談に乗ってくれようともしない。八方塞となった貴之は、自室のドアノブに紐を引っかけて首を吊った。
真実への道筋
町田の部屋に大量の血液があったが遺体はない。獅子雄は血液があった場所が寝室とバスルームだけという状態に違和感を覚える。
貴之の上司である町田のパワハラの実態が明らかになり、町田が恨みを買っていたことが分かる。そして町田が襲われ病院に運ばれる。
町田の携帯に届いた音声は貴之から送られていた。そこで貴之の送信履歴を調べると、清水にもメールを送っていたことが分かる。町田を襲ったのは清水だと推理した獅子雄が直接話を聞くと、貴之から脅されていたという。
獅子雄はレオに調べさせ母親が元オペナースだったことと、父親が別居しているのは愛人がいるのではなく、妻が息子にかける愛情の重さから逃れていたためだと分かる。
獅子雄は母親の千沙子の元へ行き話しをする。貴之の遺体が自宅にあること、エンバーミング(死体保存)するために水槽のポンプで血液を抜いたこと、そしてその血液を町田の部屋にまいたこと、それら全ての推理を話して真実を明らかにする。
千沙子は貴之が自殺したのを発見した時、町田への復讐を考えた。警察も法も裁けないなら、自分が裁くしかないと思い行動に移したのだった。
ドラマ【シャーロック】5話の感想
今回の話は本当に悪い人は捕まらない話です。月曜日にこんな話だと、会社に行く人たちが憂鬱になりそうな気がします。
今回は話はバッドエンドですが、配役は非常に良い回です。パワハラ上司の永井さんはピッタリ過ぎて憎らしいほどです。また、後半の真実が明らかになる時の、若村さんの演技はヤバいぐらい迫真の演技です。息子役の葉山さんは自分が見たドラマだと、「後妻業」「神の手」「モンテ・クリスト伯」と母親の愛情を受ける役柄が多いのですが、母親に愛されキャラなのでしょうか?謎です。
トリックも凝ったといいますか、思いついたとしてもよくやったなと思う内容です。科捜研に出入りしている風丘先生ならやるとは思いますが、今回は前職の経験はあっても普通の主婦の役なので驚きました。愛は何にも勝るのでしょう。
獅子雄がトリックを見破った理由と、登場人物が最終的にどうなったのかについて掘り下げます。
ネタバレの詳細となりますので、未視聴の方はご注意ください。
ドラマ【シャーロック】5話の獅子雄の推理
今回の獅子雄のトリック見破りは、前回ほど後出し感はないです。獅子雄のバイオリンタイムまでの間に、条件が揃って考えることができる回です。
- 乾千沙子
- クリスマスツリーをこんな早い時期に出している
- 『レクイエム』を聴いていたのは貴之を悼むため
- 大きな水槽に2匹しかグッピーがいないのは、水槽のポンプを抜いて他のが死んだから
- そのポンプを使って貴之の血を抜いた
- 貴之の部屋のドアノブが変形していたのはそこで首を吊ったから
- 手首の湿布は必死に心臓マッサージをしたから痛めた
- ごみ置き場にはドライアイスのダンボールが沢山あった
- 町田の部屋の床や壁には血痕が全くないのは血液だけを動かしたから
- 町田の悪行を印象づけるため、カメラの前でだけまったく化粧をしていなかった
- 清水弘人
- 貴之の気持ちがよく分かるのは自分がパワハラされていたから
- イジメの矛先が貴之に変わって自分も加担した
- 貴之のメール履歴を調べたら清水にも送っていた
母千沙子はオペナースをしていた優秀な看護師でした。なので、死体保存法を知っていました。保存するために水槽のポンプで血液を抜き、ドライアイスで保存していたということが分かります。
他殺を自殺に見せかけるのはよくありますが、自殺を他殺に見せかけるというのはあまりありません。その背景には息子への強い愛情があり、復讐の鬼となったわけです。直接町田を殺しに行こうとは考えなかったのか?わりと手の込んだハメ方をします。
そういったシーンは出てきませんが、貴之のスマホを使って母親が町田と清水にメールを送っていたのだと思われます。
同じくそういったシーンは出てきませんが、町田の部屋に入れたのは町田をつけていて、ポストに合鍵があるのを知ってそれを使用して入ったと思われます。
パワハラ事件の登場人物たちの罪
事件が解決したことでそれぞれ何の罪に問われるのか?最後に軽く触れていたのでまとめました。
- 乾千沙子:死体遺棄、死体損壊、住居侵入
- 清水弘人:町田に対する傷害罪
- 町田卓夫:現時点では何もなし
清水がキッチリ町田を殺しておかないものだから、月曜日からもやもやした終わり方になります。この事件の元凶は間違いなく町田です。それなのに、なんか母親の毒親ぶりに話を持って行って終わりになります。
今後町田が裁かれる可能性はないのか?貴之の死がパワハラによるものと認定されれば、恐らく罪に問えるでしょうが、大した罪じゃないでしょうし親が元大臣なので示談にしようとするはずです。よって、町田は野放しのままになります。
では、途中で出てきたように“社会的に抹殺”という方向はどうか?今回、最後に若宮が事件をネットで見ますが、町田のパワハラに書かれていないと言います。親が裏で手を回して揉み消したのだと思われます。普通にやったのではダメなので、残った父親があの恫喝の音声をどっかに送るなり公開するしかありません。
若宮がいいセリフを言っていたので引用します。
俺こう見えて精神科医でさ、パワハラで苦しんでる人を何回も診察したことがあるんだ。
立ち直ることができない人もいた。家族にまで影響することもあった。
心臓を刺すと血が出る。心を刺しても血が出ない。
でも、おんなじことなんだよ。
あんたが殺したんだ。分かってる?
入院している町田に対して若宮は“殺人”だと言います。しかし、町田はああいう男なので、俺には関係ないと答えます。清水よ、なぜちゃんと殺しておかないんだとつくづく悔やまれます。
ドラマ【シャーロック】5話のロケ地
今回の舞台は豊洲辺りなので、川沿いや道などはその辺りが多いです。
SHARE PARK CAFE AND DINING
町田と恋人が食事していた店
KOMAZAWA PARK CAFE
獅子雄と江藤と清水で話していたカフェ
豊洲ぐるり公園
獅子雄のバイオリンタイム
ドラマ【シャーロック】5話のその他気になったこと
- ロールシャッハテストは全てシマウマとライオン関係
- 若宮に一円も入れない獅子雄
- あいつが犯人でいいと言い出す若宮
- 不幸にも急所は外れて助かったと言う江藤
- 町田を襲った犯人を捕まえるのは盛り上がらねーと言う江藤
- 町田は“ブラックゼネコンのパワハラ大王”
- 文潮砲炸裂!という文春っぽい雑誌
- グッピーを見てメダカ?と聞く獅子雄
- 手帳にある“町田殺す”の文字の怖さ
- 鬼の形相で獅子雄を見る千沙子
ドラマ【シャーロック】5話のまとめ
月曜から後味の悪い回です。ドラマなのだから妙なところリアルにせず、スッキリさせて欲しいとましてや月曜のドラマだと思う人も多いでしょう。
結局罪に問われるのはパワハラ被害の一般家庭な遺族であり、パワハラ当事者は上級国民な親の加護を受けて無罪という皮肉な話です。
毒親と呼ばれる子離れしていない親とその子供、この家のせいにするのも何だか気の毒な話です。しかし、獅子雄は別に正義のために何かしているのではなく、謎を解決するのが好きな人物です。ハッキリと割り切っています。そこら辺がやはり“シャーロック”なのでしょう。
次回は11月11日放送予定で、ゲストは吉川愛さんです。
ドラマ【シャーロック】5話のエンディングナレーション
命は死によって終わる。
事件は真相が分かれば終わる。
この男と僕の関係にもいつか終わりは訪れる。
それはどんな終わりなんだろう?
少なくとも幸せな結末ではない。
そんな気がした。