WOWOWのオリジナルドラマ【シャドウワーク】3話のネタバレと感想をまとめています。
あの家で行われていることに紀子は戸惑いながらも、初めての仕事に参加する。淡々と手際よく進んでいく仕事に、紀子は自分の役割を果たすだけで精一杯だった。そして昭江の口から語られる“持ち回り”の意味がようやく分かり……。
【シャドウワーク】3話のあらすじ
連続ドラマW #シャドウワーク
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) December 6, 2025
明日午後10:00放送・配信🏠
物語も折り返し💥
|◤第三話
何者かによる襲撃を受け重傷を負った薫(#桜井ユキ)は
夫・晋一(#竹財輝之助)が犯行に関与していると疑う。
紀子(#多部未華子)は、昭江(#寺島しのぶ)たちの秘密裏の計画を察知し―https://t.co/5cKolaAwk7#WOWOW pic.twitter.com/1cwvKtV1iO
北川薫(桜井ユキ)が何者かに襲撃され、しばらくの入院を余儀なくされた。その頃、紀子(多部未華子)はあの家で行われていることに戸惑い、一度は家を出て行ったが再び戻ってきてしまう。
そしてとうとう初めての仕事に参加することに。家のみんなが手際よく仕事をこなしていく中、紀子は自分の役割を果たすだけで精一杯だった。
家に戻った紀子に昭江(寺島しのぶ)は“持ち回り”の理由を説明し、紀子はようやくその意味が分かり……。
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【シャドウワーク】3話のネタバレ
紀子は路子と一緒に新潟へ向かい、町村信三という男の家を訪ねる。路子は弁護士に扮して、妻との和解の条件として謝罪文を書くよう迫る。すると町村は渋々ながらも謝罪文を書き始めると、紀子はお茶をいれながら睡眠薬を町村の湯飲みに入れる。
町村がそれを飲み干してしばらくすると、眠気に襲われて意識を失う。すると路子は手早く町村の体を持って、テーブルから畳へと移そうとする。しかし紀子はショックから呆然と立ち尽くしていたため、路子は他のメンバーを呼んで手伝ってもらった。
路子が手際よく町村のシャツの袖をまくり血管に針を刺すと、雅代が空気注射を繰り返す。ようやく我に返った紀子は、その場に加わり町村の死を看取ってからみんなと一緒に立ち去った。
家に戻った紀子に昭江は、半年から1年に1回の割合で“持ち回り”が行われると明かす。奈美が今回参加しなかったのは、役目を果たしたからだった。役目を果たすと後の人に自分の問題を託す、そういうルールだった。
今回殺した町村は奈美の夫でもなければ、自分も知らない男だという昭江。自分たちは奈美の夫には一切触れず、同じような仲間が奈美の夫を殺してくれる手はずになっていた。そうやって入居者たちは役目を果たしながら、自分の夫が殺されるのを待っていた。
あの日から2日後、町村の遺体が発見され、心不全ということで処理された。同日、別のグループが奈美の夫を殺害した。奈美は涙ながらにみんなに感謝した。
路子は薫が自分のところに電話をかけてきた話をし、それを聞いた紀子は薫がここに来ることになっているのを知って怯える。だが昭江はここを台無しにするようなことはないから安心するよう告げた。
薫は美佳子の遺体が発見された海岸で手を合わせているとそこに夫が現れる。夫がこっちに近づいて来ると、薫は思わず後ずさりした。
夫の差し金か
北川薫(桜井ユキ)は病院のベッドで意識を取り戻した。混濁する意識の中、見舞いに訪れたのは荒木悠真(川西拓実)だった。荒木は刑事として、彼女の体調を気遣いつつも事情聴取を始める。事件当時、近隣住民が防犯ブザーの音に気づき、不審に思って通報したという。その通報を受けて現場に駆けつけた巡査が、倒れていた薫を発見した流れだった。
しかし、犯人はいまだ特定されていない。犯人はバイクで現場から逃走しており、ナンバープレートは意図的に隠されていたため、車両の特定も難航している。荒木はわずかな手がかりでも得ようと、何か特徴はなかったかと薫に問いかける。薫が思い出したのは、犯人が履いていたブーツだった。かかと部分に金具がついたブーツが、妙に印象に残っていたという。
さらに荒木は、病室で薫の身を案じるように「旦那さんですか」と何気なく声をかける。しかしその問いに、薫は答えなかった。それ以上語ろうとはせず、話を切り上げるように視線を逸らす。荒木はそれ以上踏み込むことなく、静かに病室を後にした。事件の核心に迫る手がかりは乏しいまま、不穏な余韻だけが残される。
DVとは
荒木は署内で一人、「DVとは」と検索していた。薫の無言の態度が、どうしても頭から離れなかったからだ。答えを探すように画面を見つめる荒木の中で、ある疑問が形を取り始めていた。
その後、谷口と食事を共にした際、荒木は一つの話を持ち出す。それは、かつて行われたとある実験の話だった。オリに入れられた犬に対し、理由も規則性もなく電気ショックを与え続けるというものだ。しかも、そのオリの扉は最初から開いたままだった。
実験の初期、犬は苦しみもがき、逃げようとする。しかし、いつ電気ショックが来るのか分からない状況が続くうちに、犬は次第に学習していく。「何をしても無駄だ」「どうせ虐待される」という認識を刷り込まれていくのだ。その結果、自由に外へ出られる状態であっても、犬は逃げようとせず、ただ無気力にオリの中に座り続けるようになる。
荒木はその状態がDVの被害者に重なると語る。逃げる選択肢があっても、心が縛られ、動けなくなってしまう。その説明を聞いた谷口は、一瞬だけ間を置き、「あいつのことに首を突っ込むと厄介だぞ」と警告するように告げる。そしてそれ以上は語らず、席を立って去っていった。荒木だけが、その言葉の重みを抱えたまま、静かに残されるのだった。
何のため
病室に署長の斉藤義久(宮崎吐夢)が姿を見せる。医師からは退院まで3か月はかかると言われているが、薫自身はそこまで長引かないと考えている様子だった。「私は大丈夫ですから」と気丈に振る舞う薫に、署長は思わず「どこがだよ」と言葉を返す。
署長は本題に入り、薫が例の件を追い続けていて本当に大丈夫なのかと懸念を示す。その言葉に対し、薫はただ「真実が知りたい」と静かに答える。署長はその強い意志を受け止めつつも、冷静な視点を崩さない。「それは正義じゃなく、私怨を重ねているだけなんじゃないのか」そう問いかけられても、薫は否定も肯定もしなかった。
しばらく沈黙が流れた後、署長はこれ以上踏み込むことをやめ、「とにかく今は、ゆっくり休め」とだけ言い残し、病室を後にする。一人残された薫は、スマートフォンを手に取り、路子(石田ひかり)に電話をかけるべきかどうか思い悩む。画面を見つめながら、動かない指が、彼女の揺れる心情を物語っていた。
戸惑い
奈美(トリンドル玲奈)は紀子(多部未華子)の様子を気にかけ、「最近、何かあったでしょ」と声をかける。しかし紀子はそれ以上踏み込ませまいとするかのように、特に何もないと取り繕い、真意を語ろうとはしなかった。
やがて紀子は、昭江(寺島しのぶ)の手伝いのために家へ戻る。ちょうどその時、路子と昭江が奥で話し込んでいた。紀子は偶然、その会話を立ち聞きしてしまう。「新潟の件、紀子さんには?」と路子が切り出すと、昭江は「もうこの家のこと、気づいているのかもしれない」と低い声で答える。その言葉は、紀子の胸に重く突き刺さった。
動揺した紀子は、思わず物音を立ててしまう。その気配に気づいた路子がこちらをのぞき込むが、紀子はとっさに身を隠した。だが、その直後に雅代(須藤理彩)が紀子に声をかけ、隠れていたことが露見してしまう。
紀子の存在に気づいた路子は、事を荒立てることなく「2人で話そう」と声をかけ、外へと誘った。逃げ場のない状況で、紀子は真実と向き合う局面へと引き出されていく。
家の謎
路子と紀子は、静かな店で食事を共にしていた。重い空気の中、路子はあの家を紀子に紹介した理由を語り始める。それは偶然でも同情でもなく、自らの意思で紀子を選んだのだという。過酷な経験をしてもなお、生きようともがいていた姿を見て、この人だと思った、と路子ははっきり告げる。
紀子は意を決し、「あの家には何があるんですか。新潟の件って何なんですか」と問いかける。路子は一切ごまかさず、「想像している通りよ」と答えるだけだった。そして、新潟へ行くかどうかを決めるのは紀子自身だと言い切る。どちらを選んだとしても、誰も責めることはない。それだけは確かだと、路子は強調した。
最後に路子は、紀子の目をまっすぐに見てこう告げる。「これだけは覚えて。あなたは決して一人ぼっちじゃない。いつか必ず、あの家に集う人たちの結束を実感する日が来る」その言葉は、紀子の心に静かに、しかし確かに残っていった。
出奔の果て
紀子は自宅に戻ったものの、答えの出ない思考の中で一人悩み続けていた。やがて意を決したように鞄を手に取り、夜更けに家を抜け出そうとする。玄関の戸を開けようとした瞬間、背後に気配を感じて振り返ると、そこに立っていたのは昭江だった。
紀子は耐えきれず、「私には無理です。誰にも言いません。だから……」と懇願する。しかし昭江は感情を乱すこともなく、「いいのよ、話しても。そんな覚悟でやってるんじゃないから」と淡々と告げ、そのまま部屋へ戻っていった。その言葉は、引き留めでも脅しでもなく、逃げ場のない現実そのもののように響いた。
夜道を歩く紀子の前に、今度は夫の清明(森岡龍)の姿が現れる。遮断器の向こう側で笑顔を浮かべ、手を振りながら「帰ろう」と呼びかけてくる。次の瞬間、紀子の足に黒いガムテープが蜘蛛の巣のように絡みつき、身動きが取れなくなっていく。やがて電車が通り過ぎると、そこにはもう清明の姿はなかった。それは紀子の妄想だったのだと、静かに突きつけられる。
結局、紀子は再びあの家へ戻ってきた。玄関で昭江は何も言わず、ほうきを差し出す。それを受け取った紀子に向かって、「紀子さんはここで、掃除をしてたの」とだけ告げ、鞄を預かった。紀子は逆らうことも問い返すこともなく、「はい」と従順に答え、自分の部屋へと戻っていった。逃げることも選ぶこともできず、紀子は再び、同じ場所に身を置くことを受け入れていた。
決行
昭江に呼ばれた紀子が向かった先では、すでに全員がテーブルを囲み、待ち構えていた。そこで明かされたのは、翌日の計画だった。明日の14時、町村信三(小宮孝泰)の自宅マンションで会うことが決まったという。町村信三、60歳。清掃会社に勤める男だった。
その場で、紀子の前に携帯電話と金が置かれる。逃げ道も言い訳も許されない合図のようだった。作業はいつも通り別行動で進められる。雅代と洋子(上原実矩)は新宿発、路子と紀子は東京発で新潟へ向かう。帰りは最終列車に必ず間に合わせる段取りで、現地での移動手段もすでに手配済みだった。
駅に到着すると、女性が車で迎えに来ていた。そのまま町村の住むマンションへ向かい、路子とともに車を降りる。町村の妻の代理人として面会するという設定で、路子は弁護士に扮する役割を担っていた。
紀子に与えられた役目は、町村の飲み物に薬を入れることだった。建物には表から入らず、エレベーターで6階まで上がってから外階段を使って降りていくという、周到な動線が組まれている。そして指定された手順通りに移動した後、2人は町村の家のインターホンを押した。すべては既に決められた流れの中で、静かに進行していく。
それぞれの役割
町村の部屋に通されると、路子は弁護士だと名乗り、紀子は調査員という立場で挨拶をした。町村は落ち着かない様子で妻はどこにいるのかと問いただす。路子は、妻は自分の事務所の事務員と一緒にいると説明し、その場をやり過ごす。
本題に入ると、路子は町村に謝罪文と誓約書への自筆署名を求める。この条件を飲まなければ示談交渉は不成立になると、淡々と告げた。追い詰められた町村は、しぶしぶ謝罪文を書き始める。
そのやり取りの中でも、飲み物が出てくる気配はない。紀子は様子を見計らい、「飲み物をいただいてもいいですか」と切り出す。町村は自分で用意しようと立ち上がりかけるが、路子がそれを制するように、「今、奥様と電話で話しています」と、妻と連絡を取っているふうを装う。
町村の注意はすぐにその会話へ向かい、その隙に紀子が茶を用意する流れとなった。役割分担通り、静かに計画は次の段階へ進んでいく。
緊迫
勝手の分からない家の中で、紀子は1人お茶の支度を始める。部屋は散らかっており、何がどこにあるのかも分からず、落ち着いて探すことすら難しい。手探りで動く中、思わずグラスを落としそうになり、息を詰める。幸いにも割れずに済んだが、その一瞬で張り詰めた緊張が全身を走った。
ふと視線を上げると、棚の中に茶葉が置かれているのに気づく。紀子はそれを使って茶を入れ、震える手を抑えながら、用意してきた薬を町村の湯のみの中に落とした。小さな音すら気になり、時間が引き延ばされたように感じられる。
そして、何事もなかったかのように町村の前に茶を置く。しかし町村は謝罪文を書くことに夢中で、視線すら向けず、茶に手を伸ばそうともしなかった。緊張の糸が切れないまま、紀子は固唾を呑んで見守った。
戦慄
路子は核心に踏み込み、妻に暴力を振るったのかどうかを町村に確認する。町村は語気を強め、「自分はやっていない」と繰り返し主張した。生活を支えているのは自分だ、食わせてやっているのはこっちだと言い放ち、次第に本性をにじませていく。
その勢いのまま、「女のくせに偉そうなことを言うな」と口を滑らせ、DVなど誤解だと開き直る。自らの言葉が何を示しているのかに気づく様子もない。感情を吐き出すように話した直後、町村はふと机の上の茶に手を伸ばし、それを一気に飲み干した。
その瞬間を、紀子は凍りついたような表情で見つめていた。計画が進んだという安堵ではなく、むしろ底知れない恐怖が胸に広がる。目の前の男の姿と、自分が置かれている現実に対し、言葉にならない戦慄だけが残っていた。
初めての仕事
やがて町村の口調は鈍くなり、まぶたが重そうに落ち始める。紀子は指示通り、さらに茶を注ぎ足した。抵抗する気力もなくなった町村は、そのまま深い眠りに落ちていく。
路子は町村の意識が完全に落ちたかを慎重に確認すると、持参したボンベを取り出し、何かを吸わせた。「念のため」と短く言い添え、雅代たちに電話をかける。その直後、町村の体を運ぶのを手伝うよう紀子に命じるが、あまりの出来事に紀子は言葉を失い、身動きが取れなかった。
そこへ雅代たちが合流し、手際よく作業が進められる。町村のシャツがめくられ、腕が露出されると、路子はためらいもなく針を刺し、注射器を接続する。次に雅代がシリンダーを押し、空気が体内に送り込まれる。さらにもう一本、同じように空気を注入する。その行為は一度で終わらず、何度も繰り返された。
やがて紀子は、ただ怯えて離れて立っているだけの自分をやめ、彼女たちのそばへ歩みを進める。恐怖は完全には消えないが、拒むこともなく隣で見守った。全てが終わると、彼女たちは何事もなかったかのようにその場を離れる。ただ、取り返しのつかない一線を越えた重さだけが、紀子の中に静かに残されていた。
持ち回り
家に戻った路子たちを待っていたのは、張り詰めていた緊張が一気にほどける瞬間だった。紀子は玄関に入った途端、足の力が抜け、その場に崩れ落ちる。昭江はそれを見て、知恵熱だろうと静かに告げる。紀子は「まだ現実味がなくて」と、かろうじて言葉を絞り出した。
昭江は、今回のことで「持ち回り」がどういうものか分かっただろうと言う。それは半年、あるいは1年に1度の割合で行われる。段取りは毎回路子がつけ、誰を、いつ、どこで、どうやって、というところまで事前に決められている。ただし、実行する役目だけは皆で順番に回す。それが、この集まりのやり方だった。
奈美が姿を見せなかったのは、すでに役目を終えているからだという。あの日、奈美は昭江とともに熱海に行っていた。役目を果たした者は、自分が抱えていた問題を次の誰かに託す。それが暗黙の了解だった。
だが、町村は奈美の夫ではない。紀子たちにとっても、まったく縁のない男だった。奈美の夫には、自分たちは指一本触れない。その代わりとして、自分たちが新潟へ行ったのだという。こうした行動をしているのは、ここだけではない。自分たちと同じような仲間が各地に存在し、密に連絡を取りながらも、互いの正体や関係性には踏み込まず、無関係を装っている。
昭江は最後に、紀子に向かって「紀子さんは1人じゃない。1人で背負わないで」と念を押す。そして、「ひとまず知ってほしいのは、これぐらい」と言い残し、部屋を後にした。紀子の胸には、恐怖と同時に、もう後戻りできない場所にいるという自覚だけが、重く沈んでいた。
誰のため
荒木の調べによれば、薫の夫は事件当日、会食をしており、アリバイが成立しているらしかった。その報告を受ける中、署長が姿を現す。
署長は薫の体調と今後を案じ、復帰後は内勤に回るのはどうかと提案する。薫は即答せず、「考えさせて欲しい」とだけ返した。署長は続けて、自分はあと3年で定年になること、その間は薫が刑事課にいられるよう取り計らうつもりだと語る。だがそれ以上のことは自分にはできない、と正直な胸の内も明かした。
そして署長は、薫に問いかける。「お前がやっていることは、自分のためだけじゃないんだよな」と。薫は一瞬の間を置き、「そう思っています」と答えた。その言葉を聞いた署長は、それ以上何も言わなかった。薫の覚悟を、黙って受け止めたようだった。
自由を獲得
その夜、皆が集まり、町村の件について共有が行われた。町村はあの一件から2日後に発見され、死因は心不全として処理されたという。事件性は認められず、表向きは自然死という結論だった。
さらに西山千栄子(街田しおん)から、奈美の夫に関する報告が続く。同じ日に実行され、川崎のアパートで発見されたという。死因は一酸化炭素中毒で、こちらも事件性はないと判断された。現在は事務的な手続きが進められており、すべてが終わるまで、もう少し時間が必要だと説明された。
その話を聞いた奈美は、堪えていた感情が溢れ出したように涙を流し、「ありがとうございました」と深く頭を下げる。言葉はそれだけだったが、その一言には、長い苦しみから解放された重さが込められていた。
当分の間、奈美はこの家で暮らすことになる。役目を終えても、居場所はここにある。その事実だけが、静かに皆の間で共有されていた。
【シャドウワーク】3話の結末
路子は、薫が自分のもとを訪ねてきたことを皆に共有する。薫とは、あの怪我の後に再び顔を合わせていた。美佳子との電話のことをきかれ、電話でのやり取りはあったものの、直接会ったのはその一度きりだと路子は答えた。
それを聞いた薫は、相談を受けていたにもかかわらず、なぜ黙っていたのかと問いかける。路子はシェルターの存在について説明する。そこでは美佳子をかくまっていたが、その性質上、外部に存在を明かすことはできず、あえて何も語らなかったのだという。
美佳子がシェルターにいたのは、前の夫との関係の時で、6年前に約1年間滞在していた。後に、夫が亡くなったと聞いて施設を出ていったという。最後に連絡を取った際、美佳子はもう一度逃げ込みたいと訴えてきたが、路子ははっきりと断った。経験上、同じ状況を繰り返す人間を何度も救う余裕はない。2度目はないと決めていたからだ。それでも、結果的にここまで追い詰められていた現状を見ると、かわいそうなことをしたのではないかという思いも残っていると語る。
薫は、なぜ美佳子が再び戻りたいと思ったのかを問い、路子はメンタルケア的な支援は行っていたと答える。薫はその施設を見学させてほしいと申し出るが、断る理由もなく、路子はそれを受け入れた。美佳子の前夫も、松原もすでに亡くなっており、その点を薫は不自然だと感じているようだった。互いに、これ以上関わりがあるようには見せないため、会っていないことにしようと話がまとまる。
一方で紀子は、刑事がこの家に来ること自体に強い不安を覚えていた。しかし昭江は、この家が台無しになるようなことはないと静かに断言する。
その後、薫が美佳子の遺体が発見された場所で手を合わせていると、背後に夫の晋一(竹財輝之助)の姿が現れる。気配に気づいた薫は、とっさに後ずさりした。静かな場所で、再び緊張だけが立ち上っていく。
【シャドウワーク】3話のまとめと感想
ついに紀子が“シャドウワーク”に参加したという話でした。
全国各地に鎌倉の家のようなシェルターがあり、DV被害者の中から条件に合致する人をスカウトして、持ち回りで仕事をしていたということが明かされます。
何回参加すれば自分の夫を殺害してもらえるのかは不明ですが、奈美は今回仕事には不参加で夫をようやく殺害してもらえたようでした。夫が生きている限り、外に出ても安全ではないと、紀子は家を出て行って実感します。
そこに薫が加わるのか、それとも薫は摘発するのか?個人的には前者であって欲しいです。薫が刑事でいることで、事件性はないと判断するアシストを行い、そして自分の夫が殺害されるのを待つ。そんな展開を望みます。
残り2話、どういった結末を迎えるのか楽しみです。
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