【サギデカ】1話ネタバレ感想｜『夜中の逃走』の歌詞と歌っている人は誰？

8月31日21時からNHK総合で始まった【サギデカ】第1話「名前のない男」は、振り込め詐欺のアジトのガサ入れをしてかけ子を捕まえます。なぜ彼らは振り込め詐欺に手を染めるのか？そして劇中でかかる『夜中の逃走』の歌詞と歌っている人は？

【サギデカ】1話のあらすじ

警視庁捜査二課の今宮夏蓮(木村文乃)は、がむしゃらかつ綿密な捜査を重ね、バイクを駆って犯人をどこまでも追い詰めていくような女性刑事。彼女の内偵が功を奏し、同僚の森安(眞島秀和)らは係長・手塚（遠藤憲一）の指揮のもと、振込め詐欺のアジトに突入。実行犯“かけ子”たちの逮捕に成功する。しかし彼らは犯罪組織の末端に過ぎず、大金を手にする上層部の事を何も知らない。そのうちのひとりの青年（高杉真宙）に至っては、彼自身どこの誰なのか、全く手がかりが掴めない。そして青年は今宮の取調べに対し「僕らの“仕事”は社会の役に立っている」と奇妙な主張を始める…

公式HPより

【サギデカ】1話のネタバレ

【サギデカ】1話の感想

今回は振り込め詐欺の話でした。しかし、上層部を捕まえることはできず、捕まえたのは末端の人間のみでした。初回から空振りの話ですが、主に人物紹介と大体の流れを紹介するような回です。

被害者側と加害者側、それぞれの話が描かれ、時には犯人の主張に夏蓮は言葉を詰まらせます。困窮者が成り上がるためには悪事に手を染めるしかない、子供を助けるためなら金などいくらでも払う、そんな両者の思いが振り込め詐欺の背景にありました。

こんな世の中になった社会が悪いのか、子供を思うのは悪いのか？そんなことを突きつけられる話でした。そのどちらにも夏蓮は見捨てずに寄り添います。悪を悪とただ糾弾するのではなく、騙された被害者を貶すこともなく、“弱者”を助けようとします。

もちろん警察の話なので罪は罪なのですが、加地のことを単なる悪者として扱いません。名も知らぬ彼のことを自らの足で調べ上げ、自分は加地のことも見捨ててはいないと自ら証明してみせます。

詐欺にあった被害者を被害者家族が責め立てるという話は実際よくあるようで、そのことで自責し自ら死を選んでしまう人もいるようです。慰めるべき家族が存在を否定する、家族だからこそ辛く当たってしまいがちですが、そうならないよう気をつけたいと改めて思う話でした。

今回は最初は名も無き容疑者だった加地の詳細と詐欺の手口、劇中でかかる藤岡正明さんの“夜中の逃走”の歌詞についてわかったことをまとめます。

『夜中の逃走』の歌詞と歌っている人は誰？

取調べをしている人物がどこの誰なのか？それがわかるきっかけとなるのが、音楽プレイヤーに入っていたこの曲でした。ドラマ書き下ろしの曲で作詞作曲が谷口尚久さんで、藤岡正明さんが歌っていました。

曲としてかかるのは短いのですが、ドラマ内では曲目リストに書いてあった分数だと4分20秒あります。夏蓮はこの曲を22回聴いたといい、結構好きですと言っていました。加地はこの曲を1万2439回再生していました。一部歌詞が聴き取れたので引用します。

ジャンルは曲目リスト内ではロック扱いとなっていました。レイジライダーという名前のバンドで出したけど売れなかった曲という設定です。

ちなみに結構いい曲でした。発売することがあるのかは現在わかりませんが、問い合わせがありそうな気がします。

藤岡正明さんは昔あった番組の『ASAYAN』の「男子ボーカリストオーディション」で最終候補の4名に残った人です。この時のグランプリはCHEMISTRYとなります。その後、ミュージカルなどにも出演し、現在もミュージシャンとして活動されています。

加地颯人とは？

捕まえたはいいもののどこの誰なのか全くわからない謎の人物でした。身分を証明するようなものは、所持品にも自宅にも一切置かない徹底ぶりに夏蓮も感心していました。どんな人物なのでしょうか？

両親が幼い兄弟を残してどこかへ行ってしまいます。そのため、弟が衰弱死してしまいました。そんな状況でも高校はなんとか通って卒業し、上京しますがその後消息不明となっていたようです。

戸籍を変えたわけではないと思いますが住民票を移してないのか、上京後何をしていたのかは公にはわからないようです。そんな環境で生きてきたせいか、この困窮から逃れるには振り込め詐欺しかないと思ったようです。

彼には彼の奇妙な理論があります。

幼少期に苦労をしたせいか、金を稼ぐということに強い執着があるようです。そんな若者の心に詐欺組織の教育役は甘い言葉や、具体的な金額を示して煽ります。悪いことをしているわけではない、金が稼げるぞと言うわけです。

夏蓮は悦子が詐欺の被害で自殺未遂したことを知り、最終的には命を落としてしまったのを聞いています。決して許せないと心では思っています。最初は正論や法を持ち出して反論しますが、キレてとんでもないことを言い出します。

やるんだったら、本当にガメつい年寄りをピンポイントで狙ってよ！このご時勢にいまだに恫喝で人に言うことを聞かせて、若者を虐げて搾取して、自分は労せず庶民が見たこともないようなお金を集めて、誰にも渡さず既得権益に守られて、のうのうと生きてる、そういうやつから奪いなさいよ！

具体的な人物でもいるのかと思うぐらい、妙に細かく夏蓮は言います。これには取調べを見ていた手塚係長も、鉄拳食らわすよりマズいと言ってました。

振り込め詐欺組織の内容

今回題材となった振り込め詐欺組織はどういったものなのか？分かったことをいくつかまとめました。

振り込め詐欺グループの役割

隠語が多いのでわかり辛いですが、こんな感じのことを言っています。

詳しくは詐欺師たち目線のドラマである、こちらに書いてあります。

報酬

5分前に来ることと私語厳禁を守った者たちは合格します。そしてさっそく金の話をして気持ちを高めます。

交通費だけで2万もらって日当も2万もらえます。事務所に行くだけで4万円もらえる計算です。その代わり10時間電話をかけ続けなければなりません。

ですが、強制はしない、暴力はふるわない、辞めるのも自由と言います。もちろん、警察にタレ込んだりした場合には何かしらの制裁があるとは思いますが。話だけ聞くと金が欲しい若者は飛びついてしまいます。

富の再分配

景気が良くなっているのになぜ若い人のところには行かないのか？そんなことを、ホワイトボードに書いて説明します。

現在70代の人というのはいわゆる戦後生まれの団塊の世代と呼ばれる人々です。高度経済成長期に就職し、バブルの時に働き盛りという日本のいい時の恩恵を受けてきた人たちです。勤めている時にはボーナスが沢山出て、退職金はちゃんともらえ、年金も十分もらえる人も多いでしょう。

今の若い世代の人が聞いたら別の国の話なのではないかと思うような、景気のよさと雇用形態です。彼らが金を持っていて手放さないから自分たちは貧しいと店長が語ります。だから、奴らから金を奪うのは、社会の役に立っていると言って詐欺の罪悪感を薄めます。

これは夏蓮も言いますが“人から奪うのは犯罪”です。相手が金を持っていようがいなかろうが、金を奪うのは理由に関係なく犯罪です。本人たちは義賊のような気分なのでしょうけれど、貧しい者に分配するために盗るわけでなく、彼らは自分たちの欲望のために盗っているだけです。

マニュアルの一部

組織なのでマニュアルがあり、徹底してかけ子にそれを教えます。かけ子は役になりきるということが大事で、ある意味役者の卵みたいな人がやるとうまくいくのかもしれません。

この通りにやった結果か、加地は成功して仲間たちと心の底から喜びます。そして加地はグループ内でもトップの成績を叩き出すようになりました。

【サギデカ】1話のその他気になったこと

【サギデカ】1話のまとめ

単なる勧善懲悪なドラマでなく、被害者と加害者それぞれに寄り添い話を聞き、弱者を助けるという部分でブレない主人公です。現状はどうあれ、これからを変えるために活動をしている、そんな感じの回でした。

コメディ色も多少交え、基本的には地道な張り込みなどの捜査をし、取調べで犯罪者の気持ちも聞く、といった流れなのか？テンポよく話が進むので、あっという間に終わります。

主に夏蓮が中心となって話が進み、趣味のバイクで息抜きした先で、青木さん演じる廻谷と出会い恋でも芽生えるのかもしれません。このコンビは【殺人分析班シリーズ】で共演してまして、11月からまた新シリーズが始まるのでそちらも楽しみです。

次回は振り込め詐欺の話がメインではなく、投資詐欺とか地面師の話になるのか？初回を見た感じでは面白かったので、また次回も視聴してみたいと思います。