【プライベートバンカー】6話のネタバレと感想をまとめています。
子どもたちを集めて遺産相続の話をする丈洋は、もう一人相続する人物がいるといい、介護士の相馬英美子を養子に迎えると言い出す。まさかの話に子どもたちは怒り、庵野に英美子の調査を依頼し……。
【プライベートバンカー】6話のあらすじ
天宮寺丈洋(橋爪功)が子どもたちと妻の美琴(夏木マリ)を集め、新たな相続人として介護士の相馬英美子(山崎静代)を養子にすると言い出す。子どもたちはみな怒り、何とか阻止を試みて庵野甲一(唐沢寿明)に彼女の身辺を調査するよう命じる。
施設でも一番人気の介護士な上に、同僚の評判もすこぶる良い英美子。御子柴修(上杉柊平)は彼女の話を聞いて感激するが、飯田久美子(鈴木保奈美)は思い込みに注意するよう告げる。
やがて沙織(土屋アンナ)が高級ショップで買い物をしまくる英美子の姿を盗撮し、化けの皮を剥がそうとするが……。
【プライベートバンカー】6話のネタバレ要約
庵野は丈洋に相続税が半分かかるので、財団法人を作ることを勧める。すると、英美子はそれはダメだと反対し出す。
そこで庵野は英美子が、何人もの人物の養子になっていたことを暴く。すると逆ギレする英美子は、面倒見て報酬もらって何が悪いのかと開き直る。さらに子どもたちに対して知らずに死ねば幸せだったのに、親不孝だと言い放つ。
庵野は養子縁組は解消でいいかときくと、英美子は勝手にしろと言って出て行った。後日、介護施設も英美子はやめた。
【プライベートバンカー】6話の詳細なネタバレ
まさかの相続人
天宮寺丈洋(橋爪功)が子どもたちと美琴(夏木マリ)を集めたところに現れ、5082億円の資産があると話す。誰がその相続をするのかについてみんなで話していると、丈洋は「もう一人いる」と言って、相馬英美子(山崎静代)を養子に迎えることに決めたと告げる。
英美子は本当の娘たち以上に世話をしていて、天宮寺家にふさわしい存在だと丈洋は説明する。庵野甲一(唐沢寿明)は青年養子縁組には子どもたちの許可は必要ないが、妻の許可は必要だと話す。
丈洋はその後、美琴に二人だけで話そうと誘い、会計帳簿を出して「随分と会社を騙してるね」と笑う。美琴が脅しなのかと尋ねると、丈洋は何も言わず笑っているだけだった。部屋を出た美琴は「あなたを養子と認めます。天宮寺家へようこそ」と英美子に告げた。
英美子は辞退したいと丈洋に言うが、丈洋は突然泣き出して「もうなんでもあげちゃう」と言い、二人はその後帰っていった。
子どもたちは英美子を探るように庵野に命じる。御子柴修(上杉柊平)と飯田久美子(鈴木保奈美)は姉弟に扮して、丈洋が入る介護施設の見学に行く。案内役の島崎千智(阿南敦子)は、相馬さんは施設のエース格で、入居者からの指名ナンバー1だと言う。
丈洋は英美子が探られていることに気づき、庵野に電話をかける。庵野は正直に認め、納得できる形で相続させるのが自分の仕事だと答えた。
そして、アメリカの経営コンサルタントであるスティーブン・リチャーズ・コヴィーの言葉「子供に相続できるもので、永遠の価値を持つものは2つしかない。1つは‘ルーツ’である。そしてもう1つは……」と、こっそり丈洋に伝える。
順にいて逆を忘れず
事務所で調査報告を受ける庵野。英美子が丈洋の担当になったきっかけは、誤嚥した丈洋を素早く見つけて助けたことだった。その後、丈洋から指名されるようになったという。入居者や職員の評判も良く、時には無断で出勤することもあるらしい。
御子柴は英美子に直接話を聞くことにした。英美子は、10年前に唯一の肉親である父親が他界し、仕事で最期を看取れなかったことが心残りで、この仕事を始めたと語る。そして、ここにいる人たちは皆家族で、家族と過ごしているから毎日が休日のようなものだとも話した。その言葉に、御子柴は思わずもらい泣きした。なぜなら、御子柴の父親も最後は施設で亡くなり、あんな優しい介護士に見てもらいたかったと思ったからだ。
久美子はその話に否定的で、そんな聖人君子はいないと言い切る。庵野は「順にいて逆を忘れず、逆にいて己を捨てず」と言い、どんな相場でも永遠に上がり続けることはないし、逆に永遠に下がり続けることもないから、順調なときこそ逆のことを想定し、不調なときでも自暴自棄にならないように、という意味だと御子柴が教える。
「つまり思い込みはダメだってこと」と久美子が御子柴に注意した。
怪文書
英美子が施設に到着すると、千智からポストに入っていた手紙を渡される。その手紙には「相馬英美子は財産目当てで、老人たちに近づいている。クビにしろ」と、切り貼りされた文字が並んでいた。
さらに、施設に親族を預けている人々が怒鳴り込んでくる。電話で「相馬英美子という介護士が食事にヒ素を混ぜている」という情報が入ってきた。実は昴(吉田ウーロン太)がその指示を出していたことに気づいた庵野は、直接昴に注意しに行く。
昴は「その介護士には渡したくなかった」と言い、英美子に渡らなければ自分たちに回ってくると思っているのかと庵野は尋ねる。そして、庵野は「英美子を姉弟として認めないか?」と持ちかける。
その後、外に出ると沙織(土屋アンナ)から電話が入り、「あの女は黒です」と告げられる。沙織は自分で突き止めたという。
嘘か真か
英美子は休日に高級店で、バッグなどを次々と買いまくっていた。その様子を盗撮した動画が、丈洋の部屋で努夫妻によって見せられることになる。購入したのは200万円のバッグだった。その場でみんなに詰められた英美子は、土下座をして謝罪する。
英美子は、これらは丈洋へのプレゼントだと言い訳する。来月が丈洋の誕生日なので、サプライズでプレゼントをしようと考えていたと話す。また、丈洋がハワイに行きたいと言っていたので、旅行用のボストンバッグを買ったとも説明する。英美子は父に孝行できなかったことを悔やみ、その代わりに丈洋を喜ばせたかったと謝罪し、再び土下座を繰り返す。
庵野はその様子を冷静に見守っていた。丈洋は努(安井順平)に自分の誕生日をたずねるが、努は答えることができなかった。さらに養子縁組の申請は通ったという知らせが入った。
庵野と2人きりになるとベッドの上で丈洋は「腹の中何があるかなんて誰にも見えないだろ?だったら見えるものだけでいい。私はそれを信じるよ」と語る。続けて、庵野は愛犬の話を始めた後、もしみんなの腹の中が見えるとしたら、いかがですか?と尋ねた。
化けの皮
英美子は相変わらずバッグを買いまくっていた。その場に庵野が現れ、さらに沙織もやってくる。英美子は丈洋がいつか喉に詰まるタイミングを、待っていたのではないかと感じさせる発言をする。
英美子は「なんとでも言ってくれ」と言い、防犯カメラを見れば自分がいかに丈洋に優しく、本当の娘のように接しているか、そして沙織たちが丈洋を見捨てているかがわかるだろうと言う。
その後、英美子は沙織に向かって、丈洋が言っていた言葉を引用する。「あいつは母親に似て、大事なものを失ってしまったって」と語る。沙織を煽る英美子に、庵野が反論する。英美子が持っていたカードはブラックカードで、年間利用額が2500万以上、通算利用額が1億円以上の人しか持つことができないものだった。
庵野は会計時に英美子が見せた、平民を見下すような勝ち誇った表情こそ、まさに人間らしい一面だと言う。
沙織は「お父さんに言うから」と凄むが、英美子は「もう遅い」と返し、役所で確認するか?と挑発的に言い、「私の名前は天宮寺英美子になっている」と笑いながら去っていく。
その後、沙織は庵野に八つ当たりし、どんな手を使っても英美子に財産を渡さないでほしいと頼む。庵野はその言葉を受けて預かった。
介護士の正体
丈洋が子どもたちを集め、英美子と一緒にやってきた。庵野の勧めで、財団法人を作ることに決めたと丈洋が話す。何もせず通常通り相続した場合、相続税として半分持っていかれるため、それを防ぐ方法として財団法人を作ることになったという。
財団法人は、故人や企業などが拠出した財産を基に設立され、公益性のある活動を行う民間の非営利法人で、公益目的を達成するために税制上の優遇措置が適用される。丈洋は新興事業の支援をしようと思っていると説明する。
その理事に子どもたちを迎えたいと御子柴が話し、月々の報酬は30万円程度だが、賛同する人には将来的に財団も譲ると説明する。すると英美子は「お父さん、考え直してください」と異議を唱え、庵野を指さして「この人に騙されている」と言う。
子どもたちは全員財団法人に賛同しており、努は「だったら降りてくれて構わない」と答える。その後、美琴もやってきて、英美子に「何か不満なの?」と問いかける。
英美子は血相を変えて、「財団じゃ、財団じゃだめなんです」と丈洋に訴える。すると庵野が「落ち着いてください、鈴木様」と声をかける。英美子の以前の名前が鈴木であり、それ以前は近藤だったと告げられる。
英美子は鈴木正雄夫妻の娘であり、近藤眞也の娘でもあり、与田隆夫妻の娘でもあった。民法上、同時に何組でも養子になることができる。
その後、与田家にいる久美子と中継を繋ぎ、妻の与田昭子(芝村洋子)に英美子の写真を見せる。昭子は英美子が主人の介護をしているときに、良い人だったから養子になってもらったと話す。しかし、主人が亡くなり、遺産を手にした途端、英美子は家に寄り付かなくなったという。
努は英美子に「養子で稼ぐ、養子のプロじゃないか!」と言う。御子柴が「父親の話は嘘なのか? 入居者を家族だと思っているのも?」と詰め寄ると、英美子はボディに一発入れてから、左フックで御子柴を沈めた。
開き直り
英美子は開き直り、「何が悪いんですか? 何も悪いことしたわけじゃないでしょ?」と反論する。「じいさんの面倒見て、報酬もらって何が悪いの? 仕事と一緒でしょうが」とキレた。続けて、「みんなが詮索しなければ、このじいさんも自分は一人じゃないって思いながら死んでいけたんだよ!」と強調し、「本当、最後までお前ら親不孝だな」と言う。
美琴が「うるさい」と制すると、英美子は一歩引く。「英美子さん、やっぱりこれでさよならかな」と丈洋が言い、英美子は「長生きしないとね」と言って丈洋の頭をポンポンと叩いた。
去ろうとする英美子に、庵野はカバンを渡しながら「養子縁組は解消ということでいいですね?」と迫る。英美子は「勝手にしろ」と言い、去って行った。
美琴は「本当に、人を見る目がない」と呆れた。子どもたちはショックを受けている丈洋に対して、みんなで「ごめん」と謝った。
【プライベートバンカー】6話の結末
後日、丈洋の部屋に行くと、努夫妻が帰るところだった。英美子は施設を辞めたという。丈洋は午前中に沙織も来てくれたと話し、後継者争いの新たなレースが始まっているからねと笑う。努も沙織も、昴も気づいていないが、英美子さんと美琴だけが気づいたと話す。
美琴は事前に「これはあなたが提案したの?こんな残酷なやり方」と庵野に尋ねる。財団法人に財産を入れると、死んでも誰の手にも渡ることはない。英美子はそれに気づいて逃げたが、子どもたちは気づいていない。自分がいつか財産を手に入れられると思って、必死で機嫌を取っていたと笑う。
庵野に「もしあの時、英美子がそれでも丈洋のそばにいると言ったら受け入れたのか?」と尋ねると、丈洋は「どうだろうね、結果として血を分けた娘と息子が残った。よかったんじゃないかな、私にとってはあの子達も立派な財産なんだから」と答える。「まあ、家族に見守られながら、死んでいきますよ。今回も財産を守ってくれてありがとう」と感謝の言葉も述べる。
庵野は「子どもに相続できるもので、永遠の価値を持つものは2つしかない。1つは‘ルーツ’である。そしてもう1つは、悪い伝統を乗り越えるための‘翼’である」と語る。丈洋は「悪い伝統とはなんなのかね?私のことかな」とこぼした。
施設の外に出た庵野は、知らずに涙を流していた。その後、丈洋は倒れてしまった。
【プライベートバンカー】6話の金融格言
順にいて逆を忘れず、逆にいて己を捨てず
ドラマで御子柴は、どんな相場でも永遠に上がり続けるものはなく、逆に永遠に下がり続けるものもない。だから順調なときほどその逆を想定し、どんなに不調なときでも自暴自棄になるなという意味と言います。
久美子はつまり思い込みはダメだといっていましたが、どちらかというと常に冷静であれといった感じの言葉に感じます。
そして投資格言ではありませんが、今回はもう1つアメリカの経営コンサルタントである、スティーブン・リチャーズ・コヴィーの言葉が紹介されました。超ベストセラー『7つの習慣』の作者、といったほうが分かるかもしれません。
子供に相続できるもので、永遠の価値を持つものは2つしかない。
1つは“ルーツ”である。そしてもう1つは、悪い伝統を乗り越えるための“翼”である。
悪い伝統とは自分のことなのかと丈洋はつぶやきます。しかし、先代を全否定するのものではなく、あくまで悪い伝統の部分のみにフォーカスしているのだろうと思います。
【プライベートバンカー】6話のまとめと感想
プロ養子の介護士に財産を取られそうになるが、庵野がそれを暴き財団法人を設立することで防いだという話でした。
このドラマの面白いところの1つとして、毎回来る1話限りのゲストが問題を起こすのではなく、何回か出演している人物が問題を起こすのが良いです。
前回の伊勢崎に続き、今回は介護士の英美子が問題を起こします。数回出演している人物だと、やはり物語に深みが増します。それも特に目立っていた人物ではないところがいいです。
美琴と英美子しか財団法人の怖さを分かっていないのも、子どもたちはやはりよくも悪くもボンボンだというのが強調されました。
庵野はなぜか最後に涙を流します。丈洋を案じてのことなのか、他に意味があるのか?丈洋は最後に倒れてしまいました。果たして無事なのか?
腹の中なんてのは誰にも見えんだろ?だったら、見えるもんだけでいい。私はそれを信じるよ。