【プライベートバンカー】5話のネタバレと感想をまとめています。
天宮寺グループ内の子会社・天宮寺アートで、約1億円もの横領があることが判明する。犯人は一体誰なのか?庵野が調べていくうちに、ある人物が浮上して……。
【プライベートバンカー】5話のあらすじ
天宮寺グループ内の子会社・天宮寺アートで約1億円もの横領があることが判明する。天宮寺アートの社長は天宮寺美琴(夏木マリ)であり、伊勢崎大和(吹越満)も役員として名を連ねていた。庵野甲一(唐沢寿明)は美琴に命じられ、伊勢崎と共に調査を開始した。
するとSNSで天宮寺グループで、10億もの横領があったという情報が拡散されてしまう。また株価が下がることを危惧した美琴は、すぐに犯人を見つけるよう庵野を急かした。
やがてスキームが分かった庵野は、犯人が誰かも検討がつき……。
【プライベートバンカー】5話のネタバレ要約
天宮寺アートで販売する美術作品は、代理店の「アートスマート+」が買い付け、さらに「アートスマート」がそこから仕入れて天宮寺アートに売っていた。
伊勢崎は妻が代表を務める「アートスマート+」で中抜きし、さらに「アートスマート」から儲けさせた見返りをもらっていた。伊勢崎は次村と共謀して中抜き繰り返していた。
普段使っているノートPCと同じ型のPCを使って、片方に金銭の流れを事細かに伊勢崎はつけていた。それを、罪をなすりつけてクビにした柳原に押さえられ、動かぬ証拠となった。
伊勢崎が謝罪すると美琴は今までの功績を考慮し、告訴はしなかった。
【プライベートバンカー】5話の詳細なネタバレ
横領しているのは誰だ?
伊勢崎大和(吹越満)は電話で、約束の期限として300万円の振り込みを求められ、絶対にバレない方法があると言っていたのではないかと脅され、結局応じることに決めた。
その後、庵野甲一(唐沢寿明)は全員が集まる場で、横領している人物がいると発表した。天宮寺昴(吉田ウーロン太)は政治家を辞めた後、グループの役員になったと話し、庵野はとある子会社のキャッシュフローに異常があることに気づいたと述べた。
御子柴修(上杉柊平)はその子会社について説明した。毎期2000万円ほどの赤字が発生し、それを補填するために親会社から定期的に5000万円が貸し付けられていたが、現金がほとんど残っていなかった。庵野の試算では、約1億円の現金が消えていると推定された。この子会社は「天宮寺アート」だった。
天宮寺アートはアート作品を販売する事業を行い、社員10人、資本金5000万円の会社で、天宮寺美琴(夏木マリ)が社長を務めていた。伊勢崎も役員として名前を連ねており、運営は現場に任せていた。伊勢崎は自分で調べるというが、庵野と2人で調査を行うことになった。
情報漏えい
早速、決算書類を見返し、社員のパソコンの中を全て確認することにした。仕入れは現場に任せていて、伊勢崎は直接関わっていないという。
美琴から横領の件が外部に漏れたと言われ、伊勢崎は急いで向かうことになった。その隙に庵野は伊勢崎の調査をするよう、御子柴に頼んだ。
SNSでは、10億円もの横領がされていると誰かが投稿していた。美琴は全員を集めて、誰が漏らしたのかと責めた。仕事が忙しい天宮寺沙織(土屋アンナ)はその場にいなかった。庵野はこれほどの大金が横領されていて気づかないわけがないと話し、調査していることを知って、尾ひれをつけて垂れ込んだのだろうと推測した。美琴は一刻も早く真相を明らかにするよう、庵野に命じた。
伊勢崎は、天宮寺アート以外も調査したほうがいいと言う。庵野は犯人が見つかるとは思えないと言いながら、すでに手は打ってあると答えた。
潜入
飯田久美子(鈴木保奈美)は天宮寺アートにパートとして潜入していた。作品の仕入れは柳原咲子(西原亜希)が担当しており、やがて伊勢崎がやってきて、お土産を渡した。伊勢崎はその後、自分の机に向かって仕事を始めた。
久美子は事前に庵野から、仕入れに関する情報を集めるように命じられていた。そのため、仕入れたものの写真を手当たり次第に撮っていった。途中、伊勢崎に沙織が電話をかけ、母親が横領しているのではないかと尋ねた。沙織は自分がトップになったら、相応しい地位を用意するつもりだとも話した。
事務所に戻った久美子は、得た情報を庵野に伝えた。アート作品は、アーティストから直接仕入れているのではなく、仲介をする代理店があることがわかった。また、在庫が異常に多く、すべてがアートスマートという会社から購入されたものだった。仕入れに関しては、伊勢崎は関与していないことが確認された。
御子柴からは、伊勢崎の暮らしぶりがかなり質素であることが報告され、さらに妻が入院中であることもわかった。
戦わざる者は勝たず
天宮寺アートの社員全員で食事をしていると、伊勢崎は途中で帰った。会計をしていると、急に庵野がやってくる。領収書をアートスマート名義で切っていたことがわかった。
久美子は酒を飲みすぎて伊勢崎を見張っていなかったため、庵野がやってきたのだ。庵野は「まさに戦わざる者は勝たず、損せぬ人に儲けなしですね」と言った。その意味は「戦わずして勝利は得られない、損を恐れる人は儲けも少ない」ということだと御子柴が教えた。
アートスマートは、アーティストと天宮寺アートのような販売会社の仲介をする会社で、明日から始まるアティレギャラリー主催の、展示会にも関わっていることがわかった。その展示会には久美子も手伝いに行くことになっていた。
展示会当日、庵野もやってくる。スキームがもうわかったと言い、伊勢崎が電話しているところにやってきた。庵野は天宮寺アートの在庫に関する資料が見当たらないことに気づき、もしかして隠しているのではないかと言った。そして庵野は犯人は伊勢崎で間違いないと確信した。
美琴に報告
伊勢崎は庵野に電話をかけ、これから副社長に報告すると告げた。庵野もその場に行き、伊勢崎の説明を聞くことになった。
伊勢崎は、これは横領でもなんでもなく、仕入れ担当の社員である柳原の職務怠慢だと話した。柳原はアートスマートの社長である次村一(遠藤綱幸)の口車に乗せられ、高額で作品を購入し続けていた。しかし作品が売れず、これはまずいと思った柳原は、立場を利用して在庫表などをいじり、その事実を隠蔽していた。その結果、5年間で約1億円の現金が消えていたように見えていたという。
横領は庵野の勘違いで、柳原本人も事実を認めていると伊勢崎は話す。居合わせた天宮寺努(安井順平)がアートスマートから金を取り返せないかと尋ねると、伊勢崎は法的に追求するのは難しいと答えた。
その後、伊勢崎はその場で土下座し、柳原を信用して全て任せていた自分の責任だと語った。柳原はすでに解雇しており、自分に対する処分も受け入れる、穏便に済ませてくれないかと美琴に頼んだ。美琴は伊勢崎の減給を半年間にして手を打った。
横領犯を特定
昴は沙織がSNSに情報を流したと思っていたが、実際には沙織ではなかった。努と妻の果澄(MEGUMI)が自分たちも被害者だから、今度絵を安く売ってくれないかと頼むと、伊勢崎はある絵を紹介した。
その時、庵野がやってきて、絵の作者が知り合いだと言う。現れたのは御子柴だった。実はこの絵は、御子柴が30分で描いた落書きだった。
庵野は、その落書きを知り合いのアーティストに頼んで1万円で売り込んでもらい、それが400万で売れたことを明かした。さらに、アーティストたちは「アートスマート+」という代理店を通して取引しており、ギャラリーやアーティストたちはアートスマート+と取引していると思っている。
そして、庵野は「伊勢崎さん、横領しているのはあなたですね」と言い、授業を始めた。
今回のスキーム
天宮寺アートにアート作品が並ぶまでにはいくつかの工程がある。アーティストからアートスマートが作品を仕入れ、それを天宮寺アートが購入し、商品として販売する。しかし、これは表向きの流れであり、実際にはアーティストとアートスマートの間にもう一社が関わっていた。その会社は、アートスマートに「+」をつけた「アートスマート+」という会社だった。
1万円の絵がなぜ400万になったのか。それは、アートスマートとアートスマート+という会社に中抜きされていたからだ。御子柴の絵を1万円で買ったアートスマート+は、価格を釣り上げてアートスマートに転売した。仮にその価格が200万だった場合、アートスマートはさらに価格を釣り上げて、天宮寺アートに350万で販売した。
この過程で、アートスマート+によって199万円中抜きされ、さらにアートスマートによって150万中抜きされた。最終的に天宮寺アートの利益分も上乗せされ、400万として販売されることになった。
アートスマートとアートスマート+が共謀し、天宮寺アートがそれを見逃していたことが明らかになった。アートスマート+の社長は伊勢崎弓枝、つまり伊勢崎の妻だった。
伊勢崎は「自分は知らない、妻が勝手にやった」と言い訳をするが、庵野は「アートに造詣があるあなたが、作品が相場以上の値段で、販売されていることに気づかないわけがない」と指摘した。
さらに、久美子の歓迎会で、アートスマートの名で領収書を切っていたのは、儲けさせた見返りに、経費として買い取ってもらうからだろうと指摘される。柳原は全く関係なく、罪をなすりつけようとしたのだろうと庵野は見抜いていた。
アートスマートの次村社長と共謀し、中抜きを繰り返してきた伊勢崎について、庵野は「伊勢崎さんらしい、実に見事な練りに練られた、非常に高度なスキームだ」と評価し、そのスキームを「アーティスティックダブルトンネル中抜きスキーム」と名付けた。
横領の動機
伊勢崎はしらを切り、証拠はないと言ったが、庵野はそれに対して証拠があると指摘した。そこに、久美子と一緒にやってきた柳原が、伊勢崎が隠していたパソコンの場所を教えた。伊勢崎は同じ型のパソコンを隠し持っており、パソコンの中には横領の流れが事細かに管理されている様子が記録されていた。
伊勢崎は「金なんて持っていない、調べればわかることだ」と言うが、柳原は「もうやめてください。本当のことを話してください。何か事情があるんですよね、どうしてもお金が必要だったんでしょう?」と追い詰める。柳原は伊勢崎が追い詰められた様子で、電話しているのを見たことがあると証言する。
伊勢崎は、妻を助けるために金を横領せざるを得なかったと語り始めるが、庵野は「いえ、ギャンブルにはまっていただけじゃないですか?オンラインカジノですか?スマホを使って」と言い、伊勢崎がカジノに興じる様子を肩越しに見ていたことを告げる。電話は胴元から借りた金の催促だろうと庵野は推測した。
さらに、伊勢崎が会社名義で購入したスマホを使って、通信費を経費で支払っていたことが明らかになり、履歴を調べればすぐにわかると庵野は言う。御子柴は伊勢崎の妻が実際には、脂肪吸引のフルコースを受けるための入院だったことが、後の調査でわかったと報告する。
決断の時
最終的に伊勢崎は「横領をしたのは私です!」と認めた。彼は「天宮寺グループがここまで大きくなったのは私がいたからですよ。この会社にどれだけ尽くしてきたか…」と語り始める。自分が提案したハナウマハンバーグの客前で焼くスタイルを、副社長は最初に反対したのに、ヒットすると自分の手柄にした話を持ち出す。
「そんな話はいくらでもあるんですよ!副社長にはものの価値がわからないんですよ」と続け、「あんた方も同じだよ!だから私が見合ったお金を使わせていただいたんです。それのどこが悪いんですか!」と開き直る。
すると、伊勢崎は近くにあった角材を手に取り、庵野に向かって振り下ろす。しかし、庵野はそれを避け、傘の持ち手で伊勢崎の足をさらって転ばせた。庵野は「戦わざる者は勝たず。損せぬ人に儲けなし」と告げると、久美子は「これからはご自分の力で戦ってみてはどうですか?伊勢崎さんなら、きっとやり直せるはずです」と言った。
庵野は「美琴には自分がかけあう。40年も会社に捧げてきた、サービス残業に休日出勤、全てを合わせれば数億の価値があるはず」と話し、伊勢崎を説得しようとする。伊勢崎は「いつから疑っていた?」と尋ね、庵野は「最初からだ」と答える。「バレずに横領できるのは、ある程度の立場にいて、お金の流れをしっかり把握できている方だけだ。そんな方、この会社にはあなたしかいない」と言い切る。
さらに、庵野は「横領は自尊心の高い人がすると言われている。低い低いと見えて高いのが血糖値と自尊心です」と言って、伊勢崎の自尊心の高さを指摘した。
【プライベートバンカー】5話の結末
伊勢崎は美琴に謝罪し、彼の功績は認めると言った上で、「100万まけてあげる。残りはきっちり返済してちょうだい。告訴はしないであげる。じゃ、ご苦労さま」と告げた。
伊勢崎は告訴されなかっただけマシだと安堵していた。そして「これだけは墓場まで持っていくつもりでしたが」と言いながら、カバンから何かを取り出してそれを庵野に渡した。「いつか役に立つ日が来るかもしれません。ありがとうございました」と言い、伊勢崎は去っていった。
そこにやってきた沙織が、慌てて伊勢崎を追いかける。すると伊勢崎は立ち止まり「以前、自分は副社長とは違うとおっしゃってましたね」と話し出し、「はっきりいいますよ、そっくりですよ、お二人とも」と言い切った。そしてお世話になりましたと告げて去った。その指摘に沙織はショックを受けた。
庵野たちは伊勢崎からもらったものを見て、それが世に出たら天宮寺アイナグループがひっくり返るだろうと久美子が言った。その後、天宮寺丈洋(橋爪功)から電話があり、庵野は「すぐにうかがう」と返事をして、頼まれていたデータを手に入れたことを報告した。
さらに、丈洋が誰に資産を譲るかを決めたということが伝えられた。
【プライベートバンカー】5話の金融格言
戦わざる者は勝たず、損せぬ人に儲けなし
戦わずして勝利は得られない、損を恐れる人は儲けも少ないという意味だと、御子柴はドラマ内で教えます。
今回横領が発覚した伊勢崎は、自分がどれだけ会社に利益を与えていたかについて語ります。そんな伊勢崎に久美子はこれからは自分の力で戦ってみたらどうか、と諭しました。
会社員である伊勢崎は、お給料をもらえるので損をすることはありません。しかし美琴は経営者なので、事業がうまくいかなかったら損をします。つまり、安全地帯にいながら文句を言う伊勢崎を見て庵野は、「戦わざる者」と評したのです。
【プライベートバンカー】5話のまとめと感想
仕入れる際に妻にやらせていた代理店を挟み、中抜きしていたという話でした。
庵野は最初から伊勢崎が犯人だと気付いてました。番組の途中で庵野が「犯人は伊勢崎さんで間違いない。ヒントは間違い探し、時間がある方は見返して見てください」と言います。最初、意味が分からなかったのですが、最後まで視聴すると思い当たるものがありました。
多分、それは伊勢崎のノートPCではないかと。会社で使っているのと持ち歩いているもの、型は全く同じなのですが、片方にはキズがあります。つまり、2つPCを使用していることを、言いたかったのではないかと思いました。
会社員でいるとヒット商品を生み出した時、嬉しい反面、自分でやってたらもっと儲かったのになとも思います。しかし、自分でやっていたら大損するかもしれません。
逆に言えば、戦わない人は勝ちもないが負けもない、損もしなければ得もないということです。ただ、自尊心高めな伊勢崎には、会社員は無理だったのかもしれません。
低い低いと見えて高いのが、血糖値と自尊心です。