【終りに見た街】ネタバレと感想|大泉洋×宮藤官九郎脚本でリメイク

スペシャルドラマ
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2024年9月21日に放送された【終りに見た街】のネタバレと感想をまとめています。

主人公の住む家が昭和19年にタイムスリップしてしまい、家族はその時代で何とか生き延びようとする。やがてやってくる東京大空襲、1人でも多くの人を救いたいと避難を促すが……。

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キャストとスタッフ

  • 田宮太一…大泉洋
    49歳。脚本家。ペンネームは宮田一太郎
    キャリア20年、代表作はまだない
    『刑事七、八人』の脚本家
  • 田宮ひかり…吉田羊
    46歳。太一の妻。ドッグウェア専門店『jumping pooch』でパートしている
  • 田宮信子…當真あみ
    太一とひかりの娘。高校生
  • 田宮稔…今泉雄土哉
    太一とひかりの息子。小学生
  • 田宮清子…三田佳子
    88歳。太一の母。軽い認知症を患う。戦争体験者
  • 寺本真臣…勝地涼
    ドラマ『刑事七、八人』を手掛けるテレビ局のプロデューサー
  • 五十嵐…神木隆之介(特別出演)
    ドッグウェア専門店『jumping pooch』のオーナー
  • 小島敏夫…堤真一
    太一の亡き父の戦友の甥
    早期退職してエキストラ事務所に所属
  • 小島新也…奥智哉
    17歳。敏夫の息子
  • 瀬尾竜次…篠原悠伸
    新也と同じ工場で働く工員
    サバゲーから入ったミリタリー系YouTuberをしていた
  • 黒焦げで死んでいく男…猪野学
    太一に水をねだる
  • 先輩俳優…田辺誠一(特別出演)
    『刑事七、八人』の出演俳優
  • 後輩俳優…塚本高史(特別出演)
    『刑事七、八人』の出演俳優
  • 農夫…西田敏行(特別出演)
    太一と敏夫が物々交換で食べ物を分けてもらう
  • 老人…橋爪功(特別出演)
    太一を怪しんで襲ってきた

スタッフ

  • 原作:山田太一『終りに見た街』
  • 脚本:宮藤官九郎
  • 音楽:沢田完
  • 演出:片山修
  • エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
  • プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、後藤達哉(テレビ朝日)、
    山形亮介(角川大映スタジオ)、和田昂士(角川大映スタジオ)
  • 制作協力:角川大映スタジオ
  • 制作著作:テレビ朝日
  • 公式HP
  • 公式X
  • 公式Instagram
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視聴率と見逃し配信

視聴率:世帯8.1%(個人4.8%)

10月5日23時59分まではTVerで無料見逃し配信中です。それ以降はTELASAで有料配信となります。

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あらすじ

2024年6月、鳴かず飛ばずの脚本家・田宮太一(大泉洋)は、プロデューサーの寺本真臣(勝地涼)に終戦記念ドラマの脚本をするよう言われる。乗り気でない太一だが、家のローン返済もあるので引き受けることにした。

田宮家はドッグウェアを作る店でパートに勤しむ妻のひかり(吉田羊)、娘の信子(當真あみ)と息子の稔(今泉雄土哉)、さらに認知症気味の母の清子(三田佳子)に愛犬のレオの5人と1匹で過ごしていた。

自宅に届いた膨大な戦争に関する資料を読んでいるうちに、寝落ちしてしまった太一が衝撃音で目を覚ます。窓の外を見ると近隣の住宅はなく、森の中に我が家があった。家ごと昭和19年6月にタイムスリップしていた。

不意に家の電話が鳴り取ってみるとそれは、父の戦友の甥である小島敏夫(堤真一)からだった。彼もまたこの時代に息子の新也(奥智哉)と共にタイムスリップしていた。

戦時下の東京で終戦までなんとか生き延びようと、敏夫たちとも協力して過ごす一家。母の記憶を頼りに空襲を避けていたが、逆にそれが多くの人を救う手段になるのではと、太一は思い始め……。

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ネタバレ

家を捨て愛犬とも別れた一家は、母の記憶を頼りに安全で食料も手に入る三鷹へ移り住む。軍国主義的教育が受け入れられない太一は、妻や子供たちと違い、時代に馴染めなかった。

母はむしろ元気で、その理由を敏夫に尋ねると、自分のことが好きだからだという。信じられない太一に、毎朝枕元に置かれていた折鶴を見せる。中を見るとそこには「お慕い申し上げます」と書いてあった

母親に敏夫が好きなのかをきくと否定する。どうやら母が好きなのは、息子の新也だったと分かり驚く太一。実は母の初恋の人に新也が似ていた。初恋の人は小島敏彦といい、敏夫の叔父にあたる人物だった。

母が7歳の時、敏彦を戦地に送り出した。彼は終戦の1年後に亡くなったという知らせが届いた。敏彦の墓の前にいた清子に同じ部隊にいたという兵士が、敏彦からの預かり物といってきれいな貝殻をくれた。

以来、毎年墓参りついでに彼は、清子に顔を見せてくれていた。それが田宮孝義、太一の父だった。

ある日を境にして忽然と新也が姿を消した。一家は食料も入手できなくなり、三鷹の家を引き払い荻窪の空き家に住むことになった。

あれだけ反発していた太一も、国民登録を申請して配給を受け取ることにした。その結果、軍需工場で徴用されることになった。しかし、太一は役に立たず、免除となった。敏夫やひかり、信子でさえ国に尽くしていた。

空襲がいつどこで起きるか、母の記憶を頼りに何とか一家は逃れていた。3月10日は東京大空襲が起きる日で、下町一帯で10万人の死者が出ていた。上野公園に避難した人は助かったという話を、もらった資料で知っていた太一は、なんとか1人でも多くの人を救えないか考える。そこで敏夫のところに行き、下町に行って噂をしたらどうかと提案した。

空襲警報が鳴り響く中、太一は避難した先で3月10日に大きな空襲が来ると触れ回る。しかし誰も聞く耳を持たなかった。そこで今度は母を占い師に見立て、3月4日に雪が降ると、母の日記から知っていた天気を街中で予言する。案の定、4日は雪が降ったが、これでどれぐらいの人に知れ渡ったのかは不明だった。

今度はビラをまくことにしようと、自宅で大人たちは文字を書くのに勤しんでいた。しかし信子と稔は反発し始める。人が人を殺していい理由なんかないと、懸命に諭す太一だが子供たちは納得していなかった

一人頑張って下町でビラをまき続ける太一のところに、敏夫がやってきて手伝ってくれた。ビラがないなら叫べばいいと、敏夫が空襲が来ると叫ぶと聞きつけた警防団に追いかけられる。

ふとその中にどこかで見たような顔の男がいた。警防団、将校、兵士、みんな同じ男だったと太一は思い出し、もしかしたら現実じゃないのかもしれないと思い始めた。

自宅に戻ると新也が瀬尾という人物と一緒に戻ってきた。新也はまるで人が変わったようになり、軍国主義を大いに歓迎していた。そして太一や父のことを腑抜けだと非難し、信子や稔までも大人たちに文句を言ってきた。

自分たちで歴史を変えると息巻く新也たちだが、空襲警報が鳴り響き、みな一斉に避難しに外へ出た。太一は稔の手を引いて外に出ると、あたりはもう火の海だった。

辛うじて逃げ切った太一と稔は、避難した場所で一息つく。すると稔が立ち上がり、空襲が来るから下町に逃げてはダメだと叫んだ。それに伴い、太一も一緒に辺りにいる人たちに警告をした。

その時、太一は何者かの視線を感じた。それはあいつの目、その正体に気付いて太一は兵士を追いかける。寺本と声をかけるが、振り向いた男は寺本とは別人だった。その瞬間、轟音が鳴り響き、太一は吹き飛ばされた。

太一が目を覚ますと瓦礫の中に横たわっていた。痛む体を起こしてみたところ、左腕がなくなっていた。何が起きたか分からず、稔を探す太一だが返事はない。ふと辺りを見るとビルが倒壊し、現代のような雰囲気だった。

うめき声が聞こえ、その人物に水をやりながら、今が何年なのか男にたずねる。男はしゃがれた声で「にせん…にじゅう…」と言って息絶えた。

落ちていたスマホに寺本からの通知が入る。「じゃあ、これ…何だよ。何だよこれ…」と漏らす太一。背中に子供の頃の母を背負う、学生服姿の敏彦がスマホを踏み潰しながら通り過ぎた。

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感想

最後に見た街は現代の日本だったという話でした。

どこからどこまでが現実なのかが、分かりにくいドラマです。昭和19年にタイムスリップをしているのか、それともしていないのか?現代は崩壊したのかしてないのか?そのどれにも明確な答えはありません。

ただ、考えられることがいくつかあり、太一は最初に『大空襲の夜、会いたい、君と…』というタイトルで、戦争恋愛ドラマを書くよう言われました。それは清子と敏彦の恋愛ドラマだったとすれば、全ては太一の脚本だった、現実ではないともとれます。

さらに太一は最初に「世界を終わらせる。この瞬間、私は万能の神である」という発言をしており、ドラマとして世界を終わらせたとも考えられます。

逆に全て現実ともとれます。ラストに昭和19年に買った稔のめんこが落ちており、さらには寺本が核シェルターが快適と言っていたり、外はミサイルで大変なことになっていると発言しています。つまりタイムスリップもしたし、ミサイルも飛んできたということです。

その他考えられることとしては、実はとっくに死んでいたor未来説です。男が最後に「にせん…にじゅう…」と言って息絶えます。それは2020年のことをさすのか、2020年代のいずれかをさすのか不明です。

仮に2020年だとしたら、太一は2024年から昭和19年に行って、2020年に戻ってきたことになります。つまり2024年の田宮家は存在せず、その前に死んでいたことになり、昭和19年に行った太一たちも実は存在しない可能性があります。

もし2024年以降の年なら、未来に起きたことになり、将来日本にミサイルが落ちて崩壊するというラストになります。いずれにしてもどうとでも取れる終わり方です。

戦争を考えるのに、どこか照れ臭いからこんな感じにした。みたいな雰囲気もあります。昭和19年のコンプライアンスに若者は逆に馴染み、老人は生き生きとしたりと、何がその人にとって響くか分からないものだなと思いました。

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