【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】10話のネタバレと感想をまとめています。
井伏が狙撃され不破は幾多を疑うが、彼が撃ったという決定的な証拠がなかった。不破は調べていくうちに加勢を殺した人物が誰か分かり、直接本人に確かめるが……。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】10話のあらすじ
不破利己(杉野遥亮)は井伏愁(観月ありさ)を狙撃した人物を探しに行くと、そこにいたのは幾多学(橋本じゅん)だった。しかし幾多の衣服からは硝煙反応が出ず、決定的な証拠はなかった。
幸い井伏は命に別状はなく、飛鷹千寿(反町隆史)は彼女に付き添っていた。すると彼女は託したいものがあるといい、自分の持っているチップがある場所を千寿に伝える。
チップの中を見ると、首都爆破テロが行われる日までのカウントダウンタイマーが動いていて……。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】10話のネタバレ要約
不破は門真に送ったメールの送信元を調べた結果、スポーツバーと同じネット環境だということが分かる。
そして千寿のドライブレコーダーを確認すると、事件現場で加勢と会った後、爆弾を起動させる音が入っていた。
千寿は爆破計画を阻止するために加勢からチップを奪おうと、加勢を殺害したことを認めた。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】10話の詳細なネタバレ
怪しい室長
幾多学(橋本じゅん)は不破利己(杉野遥亮)から詰問されていた。「ライフルを使って井伏さんを撃ったんですか?」と。しかし幾多は冷静に否定する。「私はライフルを見つけただけだ」と。不破の目は疑念に満ちていたが、幾多の言葉に確証を得られない様子だった。
一方、井伏愁(観月ありさ)はすぐに病院へ運ばれ、緊急処置を受けた。幸い命に別状はなく、やがて静かに目を開けた。「狙われた理由はチップがなくても支障がないからか…」とつぶやく飛鷹千寿(反町隆史)。その場にいた結城倫子(白石麻衣)は、「じゃあ、チップはどこにあるの?」と深く考え込む。
オクラ内では幾多への疑惑が広がっていた。硝煙反応は出なかったものの、ライフル銃の保管帳に幾多の名前が記載されていた事実が重くのしかかる。「もし室長でないなら、いったい誰が?」とメンバーたちは困惑していた。その緊迫した空気の中、志熊亨(有澤樟太郎)と尾瀬義郎(松角洋平)管理官が現れる。尾瀬は冷静な声で「加勢の件で捜査協力をお願いしたい」と言い渡し、オクラに新たな捜査本部が設置された。志熊と不破が事件の担当となり、捜査が動き出した。
その頃、千寿は病室で井伏のそばに寄り添っていた。井伏がゆっくりと目を開け、「あなたに託したいものがある」と告げる。「私のチップ…デスクにある」とその場所を明かした。
千寿は決意を固め、すぐにアジトへ向かい、井伏のデスクからチップを回収した。中を見ると目に飛び込んできたのは、カウントダウンタイマーが刻まれる画面だった。警告のように数字が減っていく。千寿はファイルを開き、そこに記された爆弾に関する情報を読み進めていた。
オクラのメンバーはテレビで防衛費の増額が報じられるニュースを見ていた。「これでまた新たな波乱が起こるんじゃないか」とぼやく声が響いた。
全員を取り調べ
京浜埠頭爆破事件についての捜査会議が開かれた。不破はこれまでの状況を整理し、事実を一つひとつ明らかにしていった。会議ではまず、加勢英雄(中村俊介)の所持品に携帯電話が含まれていなかったことが指摘された。また、事件現場で見つかった爆弾は10年前の警察官連続殺人事件で使用されたものと酷似していたが、井伏の証言から模倣犯の犯行であることが判明した。さらに井伏には、爆発が起きた時刻に科捜研で残業をしていたというアリバイが存在していた。
捜査はさらに進展し、門真衛(山中聡)のパソコンから解析されたメールが新たな手掛かりを提供した。そのメールには爆弾の指示が記されており、差出人として幾多の名前が浮上した。しかし、オクラのメンバー全員がメールを操作できる状況だったため、一人ひとり取調べを受けることとなった。
幾多を皮切りに、オクラのメンバー全員が取調べを受けた。最後に千寿が取調べを受けたが、結局、新たな決定的な情報は得られなかった。
夜になり、千寿、倫子、不破がアジトで落ち合った。三人は事件の核心に迫ろうと情報を交換するが、爆弾がどこに仕掛けられているのか、未だ特定できていなかった。話題は井伏が語った情報に移り、彼女の証言によれば、計画の首謀者が持つもう一枚のチップが存在するという。そのチップを所持していた可能性が最も高いのは加勢だったのではないか、と井伏は考えていた。
「加勢警視正が殺された理由、それがこのチップだとしたら…」倫子の言葉に千寿も頷く。加勢を殺した犯人が、爆破テロの計画に深く関与している可能性が高い。
その場で、これまでの捜査でチップが見つからなかったことが話題に上がった。しかし、不破は幾多が持っていたお守りに目を留めた。何か引っかかるものがあるらしく、彼の表情は次第に険しさを増していった。
幾多の過去
牧原祈里(青木さやか)が幾多の過去を調べたところ、オクラに来る前の彼は公安部に所属していたことが判明した。ただし、具体的な配属先は不明のままだった。そこでオクラのメンバーは幾多を直接問い詰めることにした。
幾多は静かにお守りを取り出し、中を見せた。中に入っていたのは、古びたおもちゃのお金だった。メンバーが困惑する中、幾多は語り始めた。
「これは、30年以上前の話になります。当時、私は交番勤務をしていて、よく遊びに来てくれた男の子がこれをくれたんです。でも、その子は『杉並一家惨殺事件』で亡くなりました。当時ニュースにもなった事件で、男の子はまだ4歳でした」
幾多の声には、どこか悔しさと悲しみが滲んでいた。「事件は解決されないまま、時効を迎えました。私は強行犯係に配属され、その事件を再調査しました。しかし、警察の上層部が決定的な証拠を握りつぶし、オクラ入りにしてしまっていたことを知ったんです」
幾多はその後、公安部に潜り込み、上層部の闇を暴こうとした。しかし、そこで得られたのは「闇の部隊」に関する噂だけだった。具体的な証拠は何一つ掴めないまま、幾多自身が「反逆分子」とみなされ、オクラに飛ばされたという。さらに、上層部の反感を買った幾多の経歴は、データから抹消されてしまった。
「でも、このおもちゃのお金を見るたびに思うんです。あの事件、この子の命の重さを絶対に忘れてはいけないって。それが私の原動力になっているんです」
幾多の告白を聞き、メンバーの誰もが言葉を失った。しかし、話し合いは再び進み始めた。「一体誰が門真にメールを送ったのか?」その疑問に不破が「成りすまし」という言葉に引っかかり、吉岡雷(前田旺志郎)にメールの送信元を再度洗い直すよう頼んだ。彼の表情には、何か心当たりがあるようだった。
一方、千寿は井伏と話し合いを続けていた。「爆弾の詳細はわかったが、肝心の場所がわからない」新しいチップを手に入れたとしても、加勢が亡くなっているためパスワードの解読が難しいと井伏が語る。千寿は深く頷きながら、解決への糸口を探ろうとしていた。
残酷な現実
倫子は千寿に尋ねた。「愁さんのチップのパスワードって、どんなものだったの?」千寿は少し考えてから答える。「警察官連続殺人事件を起こした日付だったよ」「記念日とか誕生日とか、その人にとって特別な日にするものなんだろうね」倫子は何かを思案するように呟いた。
その時、不破が部屋にやってきた。「千寿さん、車の鍵を貸してもらえませんか?」千寿は軽く頷き、ポケットから鍵を取り出して不破に手渡した。不破は鍵を受け取るとそのまま車へ向かい、しばらく車内で何かを考えているようだった。
やがて戻ってきた不破は、鍵を千寿に返した。その時、千寿が声をかけた。「証拠が見つかったら、相手が誰であろうと、ためらうな。必ず捕まえろ」不破はその言葉に力強く「はい」と答えた。千寿は満足したように頷くと、そのまま外へと出ていった。
一方、不破は一人部署に残り、パソコンの画面をじっと見つめていた。すると、静かに涙が頬を伝い落ちた。彼は机の上にある物を全て払い落とし、大きくため息をついた。そして携帯電話を手に取り、千寿に電話をかける。「千寿さん、話したいことがあります」不破の呼びかけに千寿は静かに応じ、足早に部屋を後にした。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】10話の結末
千寿の車が駐車場に滑り込むと、そこには待ち構えていた不破が立っていた。車から降りた千寿に、不破は一歩前に進み、硬い表情で告げた。「加勢警視正を殺した犯人がわかりました。犯人は…千寿さん、あなたです」千寿はボンネットに腰を下ろし、肩をすくめて静かに答えた。「話を聞こうか」
不破はその言葉を受け、淡々と話し始めた。「最初に千寿さんと出会ったのは、キャバクラの前でしたよね。あの時、サーバーを複雑に経由させていた店から、タレコミメールを送っていたのが千寿さんでした。それで、アカウントハッキングの可能性を考えました。もしハッキングすれば、オクラのPCを使わずとも幾多室長に成りすましてメールを送ることができます」
不破は続けた。「吉岡君に頼んで門真に送られたメールを調べてもらいましたが、送信元は特定できませんでした。ただ、彼が気づいたんです。オクラにいつもタレコミメールを送ってくる人物と同じネット環境が使われていたことに。それがスポーツバーでした」
千寿は軽く頷きながら、「動機は?」と尋ねた。「動機は二つあります。一つ目は、警察官連続殺人事件の実行犯を突き止めること。門真が事件の共犯者だと以前から知っていました。それで今回、爆弾を模倣して門真に再び犯罪に手を染めさせました。結果、井伏さんが実行犯だとわかりました」
不破は一息つき、重い口調で続けた。「二つ目は、加勢警視正からチップを奪うこと。これが本当の目的だったのかもしれません。結城さんのチップを解読する前から首都爆破テロの計画を知り、その計画に加勢警視正が関与していることも」
不破は千寿の車のドラレコ映像を示した。「これには加勢警視正と千寿さんが話している場面が映っていました。その後、加勢警視正は爆弾が仕掛けられた廃墟に向かい、起爆スイッチを押す音が記録されていました。千寿さんはその現場で加勢警視正からチップを回収したんですね」
話を終えた不破は、一歩千寿に近づき、問いかけた。「どうして何も言わないんですか?俺は殺してないって言ってくださいよ、千寿さん!」涙ながらに訴える不破に、千寿は静かに立ち上がり、彼を見据えた。
「加勢を殺したのは…俺だ」その言葉に、不破は息を飲んだ。千寿は続けた。「門真に連絡して爆弾を仕掛けさせ、加勢が廃墟に来たタイミングで起爆装置を押したんだ」
そして彼は、不破の涙を受け流すように冷静に銃を抜き、不破に突きつけた。「よく暴いてくれたな。さすが期待のルーキーだ。でもな、捕まるわけにはいかない」
そう言うと、千寿は手錠を取り出し、不破の手を車のハンドルに繋ぎ止めた。「悪かったな、利己」千寿は背を向けて立ち去ろうとした。不破は叫んだ。「待ってください、千寿さん!」
しかし、その言葉が千寿の足を止めることはなかった。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】10話のまとめと感想
加勢を殺したのは千寿だったという話でした。
オクラのメンバーに裏切り者がいるのではないか?という話から、まさかの加勢殺しは千寿の仕業という展開になりました。
爆破計画を阻止するためとはいえ、警察官がそこまでするのか?とちょっとビックリです。これがスパイとかもっと国家レベルの仕事に携わっている人ならともかく、普通の警察官です。
井伏は死んだのかと思っていたら、実は生きていました。撃ったのは幾多ではないと自分では否定していますが、結局誰が狙撃したのかは現時点では不明です。
誰が味方か敵なのか、最後の最後まで目が離せません。次回最終回はどうやって終わるのか楽しみです。