【オクトー】7話のネタバレ感想|感情のない殺人犯

2022夏ドラマ
記事内に広告が含まれています。

【オクトー〜感情捜査官 心野朱梨〜】7話のネタバレと感想をまとめています。

朱梨と風早が今回担当するのは、感情がない殺人犯だった。いくら犯人の目を見ても何の色も見えず、朱梨は混乱し始める。何の感情もなく、人を殺すことは果たしてできるのか?異色の回です。

スポンサーリンク

【オクトー】7話のあらすじ

清掃員の川瀬洋和(ベンガル)を殺害した容疑で逮捕された成海道子(室井滋)を、取り調べすることになった心野朱梨(飯豊まりえ)風早涼(浅香航大)たち。成海はすぐに、川瀬をビルの屋上から突き落としたことを認めた。しかし、動機に関しては不明だった。

朱梨が成海の目をいくら覗き込んでも何の色も見えない。姉の紫織(松井玲奈)と同じ、真っ白い空ろな瞳だった。感情がなく人を殺すなんてありえないと、朱梨は何とかして彼女の感情を探る。だが、何度見てもやはり感情は見えなかった。

朱梨は姉のこともあって感情はあるべきだと思っていた。そんな朱梨の心境を見透かすように、成海は“傲慢”だと朱梨を非難した。その言葉を聞いた朱梨は悩み出し、ついには姉に八つ当たりまで始めてしまうが……。

スポンサーリンク

【オクトー】7話のネタバレ

今回は感情を捨てた女性が被疑者です。感情がなく殺人を犯せるのか?朱梨は悩みながらも真相を導き出します。

感情がない殺人犯

清掃会社スタッフの川瀬洋和(ベンガル)が、ビルの屋上から転落して死亡した事件が発生。その直前に一緒にいた成海道子(室井滋)が目撃証言から聴取を受ける。川瀬を突き落としたことに間違いないか確認すると、成海はあっさりと犯行を認めた。

取り調べを担当する心野朱梨(飯豊まりえ)と風早涼(浅香航大)は、動機を解明しようとしていた。しかし、成海の目からは何の感情の色も見えず、白く空ろな瞳のままだった。

殺意はどこから芽生えたのか、何とか聞き出そうとする朱梨。成海は「ウツボカズラ…」とつぶやく。その意味をたずねると「ウツボカズラはね。自分にとまった虫を殺すの。でも殺意はないの。ただ殺すだけ。私も同じ」と答えた。事実、成海の目からは感情の色が一切見えなかった。

成海の過去

そんなはずはないと殺人には、強い感情が必ず伴うはずだと信じて疑わない朱梨は混乱する。部屋を出て雲川幸平(山中崇)から「成海の過去を知ったら、そうは言えなくなるかもな」と言われる。

成海が7歳の時、女癖が悪かった父親を母親が刺し、その後自殺した。その一部始終を成海は目撃していた。その後、親戚の家をたらい回しにされ、行った先々で酷い目にあった。

ようやく良い人に出会って幸せな人生を送ったかと思えば、駅のホームから自殺しようとした若者を止めようとして、夫は巻き込まれて死亡してしまう。

いつ感情を失ったのかは分からないが、そうしないと乗り越えられないような壮絶な人生を成海は過ごしてきていた。

聞き込み

2人の勤め先の清掃会社へ向かい、トラブルなどなかったか聞き込みを始める。成海は穏やかで仕事もちゃんとしていたといい、川瀬も普通だったという。川瀬は以前、大手電機メーカーの帝都電機に勤めていたが、腰の低い人物だった。

2人の間にトラブルどころか、むしろ人付き合いの悪い成海が、川瀬とは珍しく気が合ったのか飲みに行ったりしていたという。

目撃証言をした清掃スタッフの男に改めて聞いたところ、2人と一緒にビルの清掃を担当し、休憩が終わっても戻ってこないから呼びにいったら、ちょうど成海が川瀬の背を押していたという。2人が言い争った声などは聞いていなかった。

仲が良かったという2人なのに、なぜ殺したのか?朱梨は何の感情もなく人を殺すなんて、信じられなかった。

謎のハンカチ

事件現場の屋上を見ていると、女性がやってきて花を供える。川瀬の妻である佐和子(大西多摩恵)だった。彼女に話を聞いてみると、夫と成海は仲が良かっただけではないと思うという。なぜなら、あの会社に入ってから夫は帰宅が遅くなった。さらに、成海からあるものが届いたという。

それは、夫にプレゼントしたハンカチだった。手紙には「奥様にお返しします」と成海の名前も記されていた。きっと2人は男女の仲だったに違いない。絶対にあの女を許せないと、妻は深い悲しみと強い憤りを感じていた

このことを成海に2回目の聴取でぶつける。そのことを認めた成海は、奥さんからどんな感情が見えたか朱梨にきく。深い悲しみと怒りが見えたと聞いた成海は、「そう…ありがとう」と告げどこか満足げだった。

そして感情なんてやっぱりないほうがいいと語り、感情が最初からなければ植物のようにただ生きていける。感情を捨てることは、自分を守ることだと語った。だが、朱梨はやっぱり感情なくて殺害できるとは思えなかった。

すると成海は朱梨が事件の真相が知りたいのではなく、私の中に感情を見つけたいのだろうと指摘する。「不幸に見える?そうだとしたら、とても傲慢ね」と、朱梨に毒づいた。

朱梨は取り調べ後、成海に言われた言葉を考えていた。自分は傲慢なんだろうかと。姉のところにいつものように見舞いに行っても、そのことが気になって頭から離れない。朱梨は病室を早々に引き揚げてしまった。

動機の手がかり

雲川が成海の動機となりそうな手がかりを見つけてくる。それは、成海の夫が巻き込まれて亡くなった事故で、その時自殺しようとした人物の上司が川瀬だったということだった。

川瀬は部下を厳しく指導していたため、部下は追い詰められて自殺しようとしていた。そこを成海の夫が助けようとして、共に亡くなっていた。

このことを成海にぶつけてみようとした矢先、成海は病院に運ばれてしまう。診断の結果、末期のすい臓がんだった。成海は治療を拒否しているため、もう手の施しようがない状態だった。

後日、成海の体調が良い時に朱梨は風早と病室に話を聞きに行く。川瀬に憎しみや怒りの感情が実はあったのではないか、単刀直入に成海へぶつけてみた。すると成海は思い返しながら話し始める。

夫が死んで以来、感情がなくなったこと。偶然川瀬が夫の事故の原因だったのを知ったこと。ある日、酔った時に川瀬は泣きながら自分に語った。「俺のせいで2人の人が死んだんですよ。俺は、それを一生背負っていかなきゃいけないんですよ」と。

その時、失われたはずの激しい怒りの感情が蘇ったと成海は語った。では、殺したことで怒りは消えたのかと朱梨がきくと、そうだと成海は答えた。しかし、朱梨は納得がいってなかった。人を殺したことで果たして本当に怒りの感情は消えるのだろうか。

本人の自供もあり、この件はこれで終わりにすると雲川に言われ、風早は朱梨がまだ納得していないと反対する。だが、朱梨は「もういいんです」と言って受け入れた。

壊れる朱梨

姉の見舞いに行った朱梨は、いつもと何ら変わらず感情のない姉に八つ当たりを始める。姉は何とも思わないのか?何とか言ってくれないのかと、反応のない姉に向かい胸倉を掴んで揺さぶる。その間も紫織は微動だにせず、ただ虚空を見つめていた。

何の反応もない姉に朱梨は「苦しいよ…お姉ちゃんのせいで…」と泣きながら訴えた。その様子を密かに見ていた甲本祐希(臼田あさ美)は風早にその話をする。そして、自分が朱梨を追い詰めてしまったのかもしれないと悩んだ。

風早は「あいつは最初から、ずっとお姉さんのことだけを考えてます。でも、今はその前提がゆらいでいる」と語る。紫織の感情を取り戻したいという思いで突っ走ってた朱梨だが、成海に感情自体を否定されてしまい指針を見失っていた。

その話を聞いた甲本は、朱梨のことちゃんと見てくれている人がいて安心したと風早に告げ「朱梨ちゃんのこと、よろしくお願いします」と頼んだ。

偽証

風早は朱梨に成海の事件はまだ終わっていないと話す。朱梨の見ていない感情を信じるなと、刑事の勘みたいなものがいっていると風早は朱梨を励ます。そこでもう一度、風早は目撃者に話を聞きに行った時の話をする。

目撃者の同僚は収入とは釣り合わない腕時計をしていた。そのことを突っ込むと、男はすぐに本当は成海が突き落としたところは見ていないと吐いた。

一緒に成海に確かめに行こうと誘う風早だが、朱梨は行こうとしない。色が見えないなら行っても意味がないと言って拒んだ。風早は「意味があるとかないとか関係ないだろ」と言い、さらに「大事なのは、今のお前の感情だ。見たくないのか?あの人の色」と誘う。朱梨は「見たいです。成海さんの色」と望んだ。

事件の真相

朱梨と風早は成海の病室へ向かった。目撃者が偽証していたと白状したと伝え、実際は成海が金を渡して「自分が突き落としたと証言して欲しい」と頼んだという話も聞いたとぶつける。「やっぱりダメね。感情に流されやすい人に頼んじゃ…」と成海はつぶやいた。

朱梨は知りたかった。なぜこんなことをしたのか。本当は川瀬に対して怒りの感情はなかったのかと。「怒りも悲しみも、私の中になんにも残っていなかった」と成海は認める。さらにがんだと分かった時でさえ、もっと生きたいとも早く死にたいとも思わなかったと。「ただ、死を待つだけの存在。花瓶の花みたいに」と成海は語る。

もう生きていないのと一緒だったが、そんな時に川瀬が屋上から落ちてしまった。その時成海は自分の役割を見つけたと思った。偶然の事故で人が死んだ時、一番不幸なことは残されたものが、怒りをぶつける相手がいないことだと成海は言う。

つまり、自分が殺人犯になることで、川瀬の妻の憎しみの対象になることにしたのだ。それが自分の役割だと成海は感じていた。なぜ彼女がそんなことをしたのか、朱梨は理解できずに問う。「なんにも感じなくなるよりは、いい。私みたいに。生きるということは、感情の中でもがくことだから」と答え「最後に役割が果たせて私は満足です」と語った。

ドラマの結末

成海の目から見えた色は、【悲しみ】の色だった。朱梨は彼女の涙に滲む目を見て感じ取った。風早と病室を後にし、歩きながら2人で話す。成海は本当に満足していたのかを。「あの人は最後に生きたんだよ」と風早は告げ「言ってただろ。生きるということは、感情の中でもがくことだって。だから、人生の最後にやっと少しだけ感情の中で、もがけたんだ」と説明する。

そして風早は「それが、たとえ悲しみだとしても、生きたんだ」と成海の気持ちを代弁し、朱梨がやっていることは間違っていないと励ました。

朱梨は姉の病室に行き、こないだのことを謝る。自分が苦しいのは姉のせいではない、姉と一緒に生きたいと思いを改めて伝えた。

風早は平安に呼ばれ、小野寺も横流しに関わっているはずだと伝える。そして雲川は自分たちの動きに気付き始めているかもしれないと話した。翌日、風早は雲川の動きを見張っていた。どこかへ出かけるのを見て、車で後を追いかける。着いた場所は廃墟ビルだった。悟られないよう風早は後をつけた。

スポンサーリンク

【オクトー】7話の補足

今回の事件部分とは関係のない件についてこちらで補足します。

雲川が横流し?

冒頭で風早が平安の所へ行き、朱梨と実は親しかったのかと問い詰めます。15年前、平安は朱梨の父が所属していた東神奈川警察署の署長で、朱梨の父親どころか雲川も小野寺のことも知っていました

朱梨の父親は平安の部下でもあり、友人だったと言います。平安が現場に駆けつけて遺体を発見した時、犯人は何としてでも自分が捕まえると誓ったと言います。あの時の捜査は今でも間違ってなかったと語ります。

しかし、ここで話を切り替えて風早の特命は心野家の事件とは関係ないと言います。そして別の事件を追って欲しいと言い、15年前に東神奈川署から押収した薬物が消えた件になります。

最近になって、薬物を横流ししていた刑事がいるというタレコミが入ったといい、それが雲川だという情報でした。恐らく小野寺も関わっていて、2人で薬物を横流ししているような展開になります。さらに雲川を尾行したところ、怪しい場所へ向かっていたためますます信憑性が高くなりました。

ただ、まだ確定していないので、平安の言っている事も100%信じきれない状況です。果たして誰が悪いのか?今後の展開から目が離せません。

スポンサーリンク

【オクトー】7話のまとめと感想

感情を失った女性が死ぬ前に自分の最後役割として、殺人犯になろうとしたという話でした。

感情がない相手の場合、やはり朱梨には何も見えませんでした。成海は姉の目と同じ、白く濁った目でした。感情もなく人が殺せるはずがないと、朱梨は経験上思いますが、本当に成海は感情がなかったのです。それもそのはずで、成海は人を殺していませんでした。

誰かが亡くなった時、なぜこんなことになったのか、理由を知りたいと同時に、誰かのせいにしたいというのが人の性なのでしょう。もしそれが偶然だった場合、誰を恨むこともできず悲しみに暮れる日々が続くことを、成海は身をもって知っていました。なので、理由と憎しみの対象になるのが、死を前にした自分の役割だと思ったのです。

そんな彼女は満足していると言いますが、朱梨は納得できませんでした。しかし、風早にそれが悲しみだとしても生きたんだと諭されて考え直します。“生きる”とは感情の中でもがくこと。感情を失った成海だからこそ、生きる意味を悟ったという皮肉な話です。

今回の話は今までの話と違う異色の話で、いつもよりも哲学的かつ詩的なセリフが多い回でした。多分、全話見終えた後でもこの話が一番印象に残っているのではないかと思えるぐらい、今回の話は現時点でベスト回です。

←前回キャストとゲスト

タイトルとURLをコピーしました