【能面検事】6話のネタバレと感想をまとめています。
堂島駅前で7人の死者を出す通り魔事件が発生。被疑者は就職氷河期世代で、世間への恨みを募らせたゆえの犯行だと動機を話す。やがて大阪地検で荷物が爆発し、ロスト・ルサンチマンなる者が被疑者の釈放を訴える声明を出し……。
【能面検事】6話のあらすじ
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— 『能面検事』テレ東系毎週㊎よる9時放送🎭⚖️【公式】 (@tx_drama9) August 13, 2025
『#能面検事』
🎭第6話は8/15(金)よる9時放送
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次週は「孤独な復讐者」
物語は新章に突入!
不破(#上川隆也)は通り魔殺人事件を担当する。
犯人・笹清( #安井順平 )は就職氷河期世代で、
犯行動機は社会への復讐という。… pic.twitter.com/Cs2gVdKmx5
堂島駅前で子どもを含む7人が犠牲になる通り魔事件が発生し、被疑者の笹清政市(安井順平)はその場で確保された。その後、大阪地検で届いた荷物が爆発し、開封作業を担当していた前田拓海(大西流星)が病院に運ばれ意識不明の重症となる。
直後にテレビ局に犯行声明が届き、ロスト・ルサンチマンを名乗る者が、逮捕された笹清の釈放を要求した。
榊宗春(寺脇康文)は不破俊太郎(上川隆也)に通り魔事件と爆破事件の両方を担当するよう命じ、不破は早速笹清を聴取する。すると笹清は突然ひたすら謝り出し、不破は起訴前鑑定を行うことにした。
再びロスト・ルサンチマンからSNS上で声明が発表される。内容は刑法39条が笹清を救うだろうというものだった。
やがて大阪府警から本部長の帯津英介(山崎樹範)がやってきて、笹清の責任能力があることを示すため、再度実況見分を行うという。不破は反対するが、帯津は構わず見分を始め……。
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【能面検事】6話のネタバレ
実況見分に反対だった不破は、規制線の外から様子を見守っていた。所轄の成島が警備の抜けがあると帯津に提言するが、帯津は何もしなかった。不破は警備のことは所轄の刑事が一番分かっていると思い、配備し直すよう成島に告げた。
やがて笹清が現れ実況見分が始まる。規制線を越えて笹清に近づく女性がいた。それは被害者の母親だった。女性は取り押さえられて事なきを得た。不破はこの混乱に乗じて近づく者がいないか見張る。すると怪しい人物が笹清に近づいてきた。
不破は男の前に立ちはだかり阻止する。逃げ出す男に向けて銃を構える刑事に不破は「撃つな」と制し、男を刑事たちは追いかける。しかし結局取り逃がしてしまった。
なぜ非公開の実況見分の日時がわかったのか被害者の母親にきくと、日時が記された手紙が自宅に届いたという。
男を取り逃がしたことに激怒する帯津は、すべて不破のせいだと榊に迫る。最初は話を聞いていた榊だが、あまりに不破のことを罵るためついに口を開く。そもそも不破は反対していたのに、押し切ったのはあなただろうと指摘された帯津は、何も言い返せずそのまま出て行った。
仁科に頼んで他の被害者家族にも手紙が届いていたか確認したところ、届いていたことがわかった。そこには場所日時が記され、ロスト・ルサンチマンからの手紙だった。
通り魔事件発生
堂島中央駅前で突如、悲鳴が上がる。男が通行人に襲いかかり、偶然居合わせた新聞記者の内海菜月(石井萌々果)はその様子を遠くから撮影していた。だが、逃げ遅れた小学生に気付き、庇おうと前に出た菜月は男に刺されてしまう。
ほどなくしてテレビが通り魔事件を報じる。8時ごろ、堂島中央駅前で男性4人、女性3人の計7人が刃物で襲われ、男は現場近くで取り押さえられ、殺人未遂容疑で逮捕と伝えられた。
ニュースを見た惣領美晴(吉谷彩子)は、理解不能だと憤り、はっと我に返って慌ててテレビを消す。不破俊太郎は(上川隆也)理解できない出来事に理由を求める心情は分からなくもないが、この種の犯罪に納得可能な理由は存在しないと語る。多くは「うまくいかないのは社会のせいだ」という稚拙な他責や、不合理な報復論に過ぎないと断じた。
逮捕後、被疑者の取調べでは、所轄の刑事である成島貴一(飛永翼)が、被疑者の笹清政市(安井順平)を追及する。被害者7人の名前を読み上げ、顔見知りがいるかと問うが、笹清は聞き覚えがないと答える。成島が「ナイフで刺されて亡くなった7人だ」と告げると、笹清は笑った。
思わず成島が掴みかかるも、同席した緑川啓吾(結木滉星)が制止する。笹清は「俺が殺したのは人間だって理解している。無敵の人――自分のように失うものがない人間は何でもやれる。無敵とはそういう意味だ」と笑い続けた。
笹清は非正規雇用で職を転々とし、5年前から引きこもり状態にあった。被害者は子ども1人を含む7人。笹清は動機を「就職氷河期世代を切り捨てた社会への復讐」と供述する。物的証拠は揃い、本人の自白もあることから、事件は収束へ向かうと誰もが考えた。
爆破事件と犯行声明
惣領は総務課で仁科睦美(観月ありさ)と話していた。笹清を擁護する声があり、彼をロスジェネ世代の代弁者と見る向きがあるという。殺人鬼を擁護するなど理解できないと前田拓海(大西流星)がぼやく。前田は荷物の仕分けを担当していたが、荷を開封した瞬間に爆発が起きた。
大阪地検で郵便物が爆発し、総務部職員が重症との一報がテレビ局に入り、速報が出る。そこへ駆けつけた人物が犯人からテレビ局に届いた声明文を持ってくる。そこには『勾留中の笹清政市を直ちに釈放せよ さもなければ大阪地方検察庁への粛清は続く ロスト・ルサンチマン』と記されていた。
惣領は病院に駆けつける。仁科は軽傷だが、前田は重症と告げられる。仁科は笹清が鬼畜なら今回の犯人は外道だ、絶対に許さないと憤る。
府警によれば、テレビ局に届いた声明文には爆弾の部品と成分が具体的に記され、使用された爆弾と一致したと榊宗春(寺脇康文)が説明する。笹清の背後関係を洗っているが、共犯が疑われる人物は見当たらない。爆破事件と通り魔事件は密接にリンクしていると見て、榊は不破に両事件の担当を要請する。
笹清の起訴を固め厳罰を目指すのは当然として、地検の威信をかけ爆破犯を暴いてほしいという。警察の役目ではないのかという問いに対し、相手は大阪地検への宣戦布告であり、捜査検事が現場で陣頭指揮を執るのは例外だが不可能ではない、これは命令だと告げる。不破は拒む権利はないとして、引き受けた。
取り調べ開始
不破はロスト・ルサンチマンは、ロストジェネレーションとルサンチマンを合わせた造語と捉える。ルサンチマンとは弱者から強者へ向かう屈折した怒り、復讐心を指す。すなわち、失われた世代の復讐という含意になり得ると不破は述べる。
その他人事のような口ぶりに惣領が憤るが、不破は本来他人事であるべきだと応じる。感情的になればなるほど理性的判断は損なわれる。個人も組織も同じだ。笹清の取調べを思えば不安を覚えるのは当然だが、司法に携わる者は決してそれを表に出してはならない――不破は淡々と告げた。
笹清の取調べが始まる。犯行計画は社会への復讐だという笹清。生まれた時期が少し違うだけで底辺の生活を強いられ、それでも世間は我慢しろと言う。鬱屈した怒りが根底にあった。
自分は運が悪く恵まれない――それが7人を殺害した動機かと質せば、そうだと認め、「俺より恵まれた人間から幸福を奪う。これでやっと他の人間と俺が公平になる」と述べる。
ロスト・ルサンチマンを知っているか問われ、刑事が言っていたから知っているという。そこで知り合いかと詰めると、「さあ、どうですかね」と笹清ははぐらかした。
爆破事件への関与を問うと、留置中だったのでと言いつつも「まったく無関係とも言えない」という。なぜなら、ロスト・ルサンチマンと自分は同士であり、世間に一矢報いようと考える人間は日本中に多いと挑発する。爆破が一件で済むとは限らないとも口にする。
不破は、いまの聴取内容はそのまま記録に残る、爆破再発をほのめかした記述も残るので留意せよと告げる。すると笹清は突然「ごめんなさい…」と何度も何度も言い出す。不破は構わず直ちに退室させるよう命じる。続けて不破は起訴前鑑定の実施を決める。惣領は演技の可能性が高いと見るが、想定される障害はすべて排除しておくと告げ、手続を進めた。
第2の声明
惣領は爆破現場に赴く。そこでは仁科が作業に没頭していた。何かしていないと落ち着かないという。自分はロスジェネ世代で、どうにか司法試験に引っかかって検察官になれた、家の事情で事件と向き合う時間が十分に取れなくても、事務官として食っていけているのは死に物狂いで努力してきたからだ、と仁科は語る。
皆が同じ条件ではないにせよ、うまくいかないことを他人のせいにする笹清だけは絶対に許せないとも吐き捨てる。その一方で、自己責任論に鬱屈を抱えるロスジェネが多い現実も認め、模倣犯の出現はいつでもおかしくないと警告した。
まもなくSNSに声明が現れる。『不遇をかこつ同士に告ぐ。笹清政市は我々世代の代弁者にして救世主である。今は愚者の無理解ゆえ勾留中だが、刑法39条の光が道を照らす。ロスト・ルサンチマン』
刑法39条は心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為は刑を減軽すると定める。捜査本部は、先の脅迫文を送った爆弾犯と同一人物の可能性が高いとみるが、正体に通じる手がかりは得られていない。
そこへ榊がやってきて大阪府警の帯津英介(山崎樹範)本部長を不破紹介する。帯津はロスト・ルサンチマンに関する情報を警備部公安課との共有を求め、犯行様態はテロに近いと主張する。だが、不破は現時点でテロリストと断定する根拠はないと退けた。
帯津はさらに、ロスト・ルサンチマン逮捕後に不破の取調べを経て、一時的に公安へ身柄を預けてほしい、聞き取りが済めば返すと申し出る。すかさず不破はきっぱり拒否する。捜査の進捗を無関係の部署に知らせる義理はなく、被疑者を“レンタル”するような軽挙は許されない。
さらに、司法機関が記録に残せず公表もできない措置は、多くが軽挙妄動のそしりを免れない――そう言い置いて引き取るよう告げる。榊は帯津の狙いを察していた。ロスト・ルサンチマンを特定した段階で横取りし、出身の公安課に花を持たせたいのだろうと。不破は正体については皆目見当がつかないと認めつつ、今やるべきことをやるだけだと結ぶ。
所轄の話
惣領と不破は堂島署へ向かう。なぜ堂島署なのかと問う惣領に、不破は逮捕直後の笹清の様子を知る者から話を聞き、記録にない事実を確かめたいと答える。つくなり署内は市民からの電話対応で混乱していた。
不破は成島と緑川に面談する。市民は「刑法39条が適用されて釈放されることはないのか」と恐怖に駆られて電話をかけてくるという。笹清の供述にロスト・ルサンチマンとの関係を示す要素があったかを尋ねると、特に感じられず、家宅捜索でも手掛かりは出ていないと回答だった。
不破は緑川の員面調書を評価する。笹清の述べた事実のみを淡々と記録していたからだ。緑川は、7人の被害者と遺族から「笹清に相応の償いをさせよ」と託されている自覚を語り、極刑を見据える以上、初動に遺漏も誇張もあってはならないと自らに銘じ、感情を必死に抑えたと明かす。
犯行当時の責任能力について問うと、緑川は笹清はより多くの人間を殺す方法を、冷静に計算し計画を実行した。紛れもなく正常な判断のもと殺人を犯した、責任能力がないはずがないと断じる。
続いて成島は逮捕直後、笹清が自らを「無敵の人」と称し、失うものがないから何でもできると口にしていたと証言し、その自己規定こそ自らの意思と判断で犯行に及んだ証左ではないかと述べる。
署を出た不破は矛盾を指摘する。ロスト・ルサンチマンは当初、笹清の即時釈放のみを要求していたが、第2の声明では刑法39条まで持ち出して釈放を主張している。崇める「救世主」に39条適用を前提化するのは論理破綻であるはずだ。
もし焦っているのなら、声明文ではなく爆弾によるより効果的な世論扇動に出るはずだが、二度目の声明が一定の効果を発揮するなら、その前提も揺らぐと冷静に状況を分析した。
府警と対立
テレビではロスジェネ世代のゲスト・ふかわりょう(本人)が、自分にも虐げられてきたという感覚はある、と前置きし、善悪を措くとしてもロスジェネをはじめ、社会的弱者を置き去りにした社会が、笹清やロスト・ルサンチマンを生んだのだと語る。直後、「社会的弱者を置き去りにしてきたこの社会に制裁を」とSNSに投稿した人物のもとへ、非通知の着信が入る。
不破が検察に戻ると、榊と帯津が待っていた。声明文が各所で業務を乱し、府警にも大阪地検にも支障が出ているという。捜査本部は週明け、笹清の実況見分を実施し、犯行時に正気の判断で凶行に及んだ事実を明らかにすると帯津は強調する。
不破は起訴前鑑定の結果が出る以上、拙速な再実況見分は不要だと退けるが、帯津はそれで起訴を確実にし、警察・検察批判を鎮められると躍起だった。不破は論外と一刀両断する。
ロスト・ルサンチマンの正体も狙いも未解明のまま、彼らは一貫して笹清の釈放に固執している。いま身柄を動かす実況見分は極めて危険だ。最善はロスト・ルサンチマンの身元特定と逮捕、それ以外はありえない。
帯津はさらなる爆破が起きたらどう責任を取るのかと迫るが、榊が間に入り、今回の実況見分について大阪地検は後方支援に徹する、と落としどころを示した。
大失態
実況見分当日、成島たちも現場にいた。成島は捜査員の配置に抜けがあるとして、帯津に進言したが却下されたという。この建物は通り抜けが可能で出入口も多く、現在の体制では十分に要員を置けていない。他にも気になる点がいくつかあると成島は指摘する。
不破は即座に追加配置を命じ、町の地の利を最も知る所轄が急ぎ対応せよと促した。成島は緑川を呼び、2人で配備に走った。
やがて笹清が到着し、見分が始まる。見物人が徐々に増え、周囲の熱気が高まる。不破は違和感を覚え、視線を巡らせた。さきほどまでなかった紙袋が階段に置かれているのを捜査員が発見し、現場が一気にざわめく。
笹清を一度安全圏へ移動させる段取りに切り替えた矢先、女性が駆け込んで「菜月を返せ」と笹清に掴みかかろうとする。不破は制止するよう命じるが、惣領は動いてしまい女性の元へ駆けつける。
不破は改めて周囲を精査し、不審者の動きを探る。すると一人の男が笹清へ向けて歩み出した。不破は即座にその前に立ちはだかる。男は身を翻して逃走に移り、刑事が銃を構えかけるが、不破は撃つなと制止した。
【能面検事】6話の結末
惣領は菜月の母・圭以子(鶴田真由)の怪我に気づき、ハンカチを差し出す。そこへ不破が現れ、情報は非公開のはずだがなぜ来られたのかとただす。圭以子は手紙を受け取ったからだと答える。
検事局に戻った不破たちは、帯津が怒号を上げる中でも、自分は配置への助言を行ったとだけ述べた。現場から逃走した男は確保に至らず、不審人物をロスト・ルサンチマンと断定する材料もない。銃撃は不適切との判断が妥当だと不破は主張した。帯津は不審人物を取り逃がしたのは不破の責任だと怒り、世論が大阪府警ばかりを叩くのはおかしいと不満を漏らす。
話を聞いていた榊が「しかたないな」と不破に声をかけると、惣領は「不破検事がいなければ笹清を奪還されていた」と逆上気味に反論する。不破は逃した事実は変わらない、市民への影響を踏まえれば弁明の余地はないと言い置き、席を立った。
榊は帯津に謝意を示すが、帯津が不破への不満をいつまでも並べ立てると、「帯津さんあんた、ものすごい偉そうに言うてますけど、吐いたつば飲み込みなさんなや」と語気を強めて返す。
配置の穴を指摘されても無視したのはそちらだ。現場の一部は本部長ではなく検事の意見を採った。不審人物はもともとの死角へ逃げ、配置換えがなければ追い詰めることすらできなかっただろう。
そして、被疑者確証のない相手への不適切発砲を止め、負傷者や死者を出さなかったのは地検だ。それにそもそも不破は実況見分に反対していたのに、強行したのは帯津だと一つ一つ指摘した。すると帯津は「あなたがたの考えはよくわかりました」とだけ言い残し、退いた。
その後、不破の電話に着信が入り、進退問題はいったん棚上げとなったと知らされる。帯津が無神経に虎の尾を踏みにいったのだろう、不破は評した。榊は厳しく当たるが内心では不破を頼りにしている、と惣領は悟った。
そこへ仁科が現れ、不破が要請していた資料を捜査本部から取り寄せて持参する。内海家以外の被害者にも同様の手紙が届いていたことが判明した。手紙には「8月25日 笹清政市 堂島中央駅にて 実況見分 読後要焼却 ロスト・ルサンチマン」と記されていた。
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【能面検事】6話のまとめと感想
通り魔事件を発端に爆破事件も誘発され、前田が重症に陥ったという話でした。
現在が不幸だと人間何をしでかすか分かりません。結局、今真っ当に生きている人たちを守るためにも、弱者や恵まれない人へ救いの手を差し伸べる必要があるのだと思える話でした。
元々不満を抱えている人たちが感化され、さらなる犯罪を生む。物語はそういった感じで進んでいきますが、実況見分の日時を知っていたあたり、内部の人間が関わっていそうです。もしかしたら、警察関係者が笹清を殺すためにわざとやっているのかもしれません。
帯津がなかなかに感じ悪く、さすがの仏の榊も堪忍袋の緒が切れました。見ていて面白かったです。
前田は一応意識は取り戻しますが、果たして仕事に復帰できるのか?予告を見るとまた不破が誰かに襲われるようですが、以前刺した人間なのか?というか、大阪地検は爆弾やら襲撃やらで、やたら危険な場所だなと思いました。
感情的になればなるほど、理性的判断ができなくなる。それは個人も組織も同じだ。
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