【モンスター】8話のネタバレと感想|闇バイトごっこと年齢差別

2024秋ドラマ
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【モンスター】8話のネタバレと感想をまとめています。

高校生4人組が家に押し入り傷害事件を起こしてしまう。検察は闇バイトの首謀者を捕まえるため、彼らを無理矢理闇バイトに関連付けようとするが……。

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【モンスター】8話のあらすじ

橘清美(石野真子)の家に仮面をつけた4人の高校生が忍び込み、帰宅した清美と遭遇した際、怪我を負わせてしまう。すぐに逮捕された4人だが、3人は栗本颯(坂元愛登)の指示でやったと口裏を合わせたように主張する。

検察の藤吉伸(近江谷太朗)は逮捕された闇バイト組織の指示役・キングこと土井克也(丸藤慶治)を、なんとか起訴したいがため、4人の事件も闇バイト絡みにしようと画策をする。

神波亮子(趣里)はそれを阻止すべく、調査の結果、被害者のある秘密を知ることになるが……。

←7話9話→

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【モンスター】8話のネタバレ要約

日々の鬱憤から仲間4人と闇バイトごっこをした結果、傷害事件を起こしてしまう高校生4人のうち、栗本颯1人のせいにされかかる。

亮子は検察の描いたストーリーを壊すため、被害者の清美に協力を要請し、彼女の戸籍偽造を明かしてストーリーを書き換える。

その結果、闇バイトとの関連性は否定され、清美のお陰で栗本颯は無罪になった。

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【モンスター】8話の詳細なネタバレ

今回の案件

橘清美(石野真子)の家に、仮面をつけた4人の少年が忍び込んだ。清美のいない隙に部屋中を物色する彼らは、押し入れの中や引き出しを次々と漁っていく。しかし、その最中に清美が予想外に帰宅する。鍵の開く音に慌てた少年たちは、一瞬で凍りついた。

「誰!?」と叫ぶ清美。返事はなく、ただ数秒間の沈黙。次の瞬間、谷口優生(林裕太)が手にしていた重厚な置物を振り上げ、清美の頭を殴りつけた。清美は崩れ落ちる。少年たちは慌てて家を飛び出したが、外には巡回中の警察官が待っていた。すぐに取り押さえられた彼らの逃亡劇は、あまりに短命だった。

その後、4人の少年たちは警察署で取り調べを受けた。中でも栗本颯(坂元愛登)は、他の3人の供述によって追い詰められていた。「颯の指示でやったんだ」と、仲間たちは揃って証言していたのだ。

少年法による保護が適用される年齢ではあるが、今回の事件は強盗致傷。家裁での審判を経て、彼らは検察へ逆送されることとなった。特に颯は、「主犯」としての責任を問われる形となる。

「何かの間違いに違いありません……」

颯の両親は、神波亮子(趣里)の事務所を訪ねてそう訴えた。優等生で目立つ問題もなかった息子が、なぜこんな事件に関わったのか。父親の伸行(瀬戸寛)は語る言葉を失い、母親の千佳(片岡礼子)は涙ながらに亮子に助けを求める。

亮子は颯に直接会いに行った。アクリル板越しに見える颯の顔には反抗的な表情が浮かんでいる。

「君が言い出したことなの?」亮子が静かに問うと、颯は少し考え込んでから答えた。「違います。やるって言い出したのは谷口です」

颯は事件が起きる前、学校の屋上で谷口と話していたことを思い出していた。

「ただの闇バイトごっこだよ」谷口は軽い調子で話し始めた。「鍵のかかってない家に入って、物は取らない。ただ写真を撮るだけ」

「なんでそんなことするの?」と颯は疑問を投げかけた。

「毎日退屈だから」谷口の返答はあまりに無邪気で、颯は言葉を失った。

「犯罪だけど?」

「見つかんなきゃ分からない」

「見つかったら?」

「逃げる」

「捕まったら?」

「終わり」

「リスクしかないじゃん」

「だからお前だったらやるかなって思って」谷口は薄ら笑いを浮かべて答えた。

「なんでこんなことをしたの?」杉浦義弘(ジェシー)が問い詰めると、颯は少し気まずそうに目を逸らした。「少年法で守られると思ったから……」

清美が急に帰宅したとき、谷口が焦って殴ったのだと颯は話した。しかし、他の3人は「颯の指示だった」と証言している。

亮子がそのことを指摘すると、颯は一瞬眉をひそめた。「僕ならこんなくだらない遊びじゃなく、もっと面白いことを考えますよ」

「じゃあ、彼らが嘘をついているの?」

颯は少し首を傾けた。「口裏を合わせてるとしたら、二つ理由が考えられる。僕に罪をなすりつけたいのか、それとも僕がなんとかしてくれると思ってるのか」

最後に亮子が被害者について触れると、颯の表情が曇った。「被害者の人、どうなったんですか?」

杉浦が答える。「退院して、警察の事情聴取を受けているところだ」

颯は小さく頷いたが、それ以上何も言わなかった。その姿に亮子は複雑な思いを抱えたまま、その場を後にした。

関係者に聴取

橘清美に直接話を聞きに行った亮子。清美は、頭を殴られた瞬間の記憶がなく、犯人たちは全員マスクをしていたため顔は分からないと答える。事件の衝撃が残る彼女の言葉に、亮子の表情も曇る。

次に亮子と杉浦は颯の担任教師の加納小夜子(吉田有希)を訪ねた。教師は、颯を「成績優秀で運動もできる生徒」と評し、家庭も教育熱心で母親は中学校の教頭だと説明。学校ではみんなと群れず、落ち着いた印象だった颯が、今回のような事件を起こしたとは信じられない様子だった。

「谷口とはたまに一緒にいるのを見ました。でも、どうして一緒にいるのか不思議でしたね」と担任。谷口は成績が一番下で、学習態度も良くない。「喫煙しているところを見た」という生徒の証言もあり、学校内でも問題視されていた存在だった。江上功(中川慶二)や沢渡陽介(影岡侑樹)については成績は芳しくないものの、授業態度は悪くなく、谷口が2人を引き連れている印象が強いと教師は語る。

事務所に戻った亮子は颯の両親に現状を報告。闇バイト組織とのつながりは否定されているが、亮子は「敷地内に入った時点で住居侵入罪が成立します」と告げた。無罪を期待していた両親の顔色が曇る。

その後、事務所で杉浦と亮子は事件を振り返る。「息子の成績以外には関心がなさそうな両親だな」と杉浦。さらに「成績の悪いほうが良いほうを、そそのかしたと当たり前に思っている感じだった」と語り、親子関係や友人関係に潜む闇を改めて考えさせられるのだった。

粒来の探り

薄暗いバーのカウンターで、粒来春明(古田新太)は検事の藤吉伸(近江谷太朗)と並んで座る。グラスを傾けながら、粒来が問いかける。「お前みたいなエリートが、なんであんなガキのグループ犯罪を担当してるんだ?本当は誰を挙げたいんだ?」

藤吉は笑みを浮かべながら答えた。「お前が思ってる人物で正解だよ」それはキングこと土井克也(丸藤慶治)のことだった。藤吉は怪訝そうに眉をひそめる。「その人物挙げたら、何か都合の悪いことがあるわけ?」粒来は少し間を置いて「ある、かな?」とつぶやいた。

「ほんとに闇落ちしたのか、お前。必ず挙げるから」と藤吉が言うと、粒来はわずかに視線を外した。

「神波亮子って、お前の…」と藤吉が続けると、粒来は一瞬だけ真剣な顔を見せた。「その弁護士、あんまりなめないほうがいいかもな」

裁判が開始され、検察側は颯が闇バイトに関与しているという証拠としてメッセージのスクショを提出した。そこには颯と「キング」と名乗る人物が闇バイトについて相談しているやり取りが記録されていた。

亮子は反論の手を緩めない。「栗本さんたちが一緒に視聴したという『闇バイトに応募してみた』というネタ動画を見てください。ただ動画を見ただけで、闇バイトに関わったという証拠にはなりません。それに、このスクショの出どころはどこですか?栗本さんの端末ですか?そうでなければ、このメッセージが栗本さん本人のものだという根拠はありません

緊迫した空気の中、傍聴席にいた粒来が静かに立ち上がり、外へ出て行った。

面会室で、颯は杉浦に不安を口にする。「どうしても僕が闇バイトをしたことにしたいみたいですね」杉浦は毅然とした声で答えた。「やってないんですから」
颯はさらに問いかける。「闇バイト、したことになんてなったりしませんよね?」杉浦は短く「もちろん」と答えたが、彼の表情には複雑な色が見え隠れしていた。

事務所に戻ると、粒来が待っていた。
「わかりやすすぎたな、検察は」と粒来は皮肉めいた口調で言った。「あんなスクショを出して、結局奴らが逮捕したいのはキングだけだ」
亮子が問いかける。「土井克也、通称キング。闇バイト組織の指示役。それだけ?」
粒来は肩をすくめる。「さあ、それ以上は俺も知らない」と言い残して事務所を去った。
彼の背中を見送りながら、亮子は小声でつぶやいた。「粒来、嘘ついてる。本当は知ってる、キングのこと」

検察の描いたストーリー

法廷に立った谷口は、検察の質問に明確に答えていった。
「今回の計画には誰に誘われたのですか?」と問いかけられると、谷口は迷うことなく答えた。「栗本です」
続けて、「計画の指示元については?」と聞かれると、「闇バイトからの指示だと言っていました。他の二人も、闇バイト組織からの指示だと話していました」と証言した
その口ぶりは、まるで事前に練り上げられた脚本を読み上げるかのように整っていた。

閉廷後、亮子は検事の藤吉に直接声をかけた。「検察側の証言、3人ともまるで口裏を合わせたかのようでしたね」
藤吉は微笑みながら、「そう見えましたか?」とかわした。
亮子は鋭く問い続ける。「土井克也は公務執行妨害で逮捕されましたよね。そして彼の担当も藤吉さん。今回の少年4人の事件、どうしても闇バイト組織の犯行にしたい理由がそこにあるんじゃないですか?」
藤吉の笑みが少し消えた。亮子はさらに言葉を重ねた。「まるででっち上げようとしているみたいに見えます。ストーリーを作り上げて、土井克也を起訴するための材料にしようとしているんじゃないですか?
藤吉はしばらく亮子を見つめたあと、小さく笑いながら「続きは法廷で」とだけ告げてその場を去った。

手がかり

面会室で対面した母親と颯。母親は息子に問いかけるが、颯は沈黙を守り続けた。しかし、母親が「颯が指示したの?」と口にすると、ようやく重い口を開いた。
「そう思ってるんだ?」と冷たい目で母を見つめる颯に、母親は慌てて否定する。「そんなこと思ってるわけないでしょ!」
だが、颯は耳を貸そうとしなかった。その態度に母親は言葉を失い、面会を終えた。

面会室を出ると、藤吉検事が待っていた。「どうでしたか?様子は」と穏やかな口調で尋ねる。
藤吉はさらに続けた。「裁判が長引いても、息子さんにとっていいことはありませんよ。協力的であれば、たとえば自白するなど、罪が軽くなる可能性もあります
母親は戸惑いながらも、「息子が協力すれば、本当に罪を軽くしてもらえるんですか?」と藤吉に尋ねた。

その後、亮子に会いに事務所を訪れた母親は、息子を少しでも助けたい一心で話を切り出した。
「先日、あの日に使用したマスクのレシートを検察官に渡しました。少しでも罪が軽くなる方向でお願いできませんか?」
その言葉に杉浦は呆れた様子で、「母親自身が息子を主犯だと思っているのか?」とため息をつく。
亮子は冷静に、「清美さんの家で事件現場の状況を確認してみます」とだけ告げた。

亮子は清美の家を訪ね、「事件について確認したいので、現場検証をさせていただけませんか?」と頼んだ。
「他の3人は栗本さんのせいにして早々に釈放される可能性が高いんです」と事情を説明すると、清美はためらいながらも許可を与えた。
亮子と杉浦は事件当日の状況を改めて清美に尋ねた。

「栗源さんがマスクをかぶったまま、橘さんの前を通って家の中に入ったんですよね?」と杉浦が確認する。
「変なマスクをかぶった人たちがいたのに、怖くなかったんですか?」と亮子が問いかけると、清美は「怖かったです。でも……」と口ごもり、「よく覚えていません。気が動転していたんだと思います」と答えた。

そこへ、清美の同級生だという恵が現れた。亮子たちは事件の手がかりを探るため、清美の5年前の写真を見せてもらう。
写真を見た恵は驚きの声を上げた。「えっ、清美、若返ったみたいじゃない!」
その一言が、事件の核心に迫る新たな疑念を呼び起こした。

清美の秘密

城野が持ってきたスーパーの防犯カメラ映像に、橘清美の姿が映っていた。清美はこのスーパーで副店長として働いていたのだという。
亮子は変装してスーパーの店員・明石真知子(小野由香)に接触する。「副店長さん、辞めたんですか?」と尋ねると、真知子は「ああ、佐和子さんね」と答えた。真知子によると、副店長の佐和子さんは辞める少し前に、高校生たちとちょっとしたいざこざがあったという。

「高校生たちが、適当な品物を他のお客さんのカゴに入れる遊びをしてたんです。佐和子さんが見つけて注意したら、逆ギレして出ていったんですよ」と真知子は話す。その高校生たちは谷口たち3人だった。そして、颯もこのスーパーでアルバイトをしていたという。

事務所に戻った亮子たちは、清美の過去を整理し始めた。「佐和子」は13歳下の妹で、清美は妹の名前を使って働いていたのだ。

「2人が姉妹だということは誰も供述していません。でも、あの日、橘さんが栗本さんだと気づいていたのなら、彼を家の中に入れた可能性もありますね」と亮子は推測した。

亮子は颯に再び面会した。「橘さんの店でバイトをしていたのよね?」と訊くと、颯は頷いた。しかし、「清美じゃなくて佐和子さんだと思ってた」と続けた。
「じゃあ、なぜそのことを今まで黙っていたの?」と亮子が詰め寄ると、颯は視線をそらしたまま、明確な答えを避けた。

その後、亮子は清美に会いに行った。彼女の過去と事件に隠された秘密を探るため、核心に迫る質問を投げかける準備をしていた。

事件の真相

裁判が始まり、橘清美が証言台に立った。検察側が提示したマスクとレシートを見せられ、「間違いありません」と証言する清美。傍聴席には、同じ事件で関与を疑われた残りの3人も姿を見せていた。

亮子が清美に質問を投げかける。「この仮面を以前に見たことがありますか?」と尋ねると、清美は「ハロウィンのとき、栗本くんと一緒にかぶったものです」と証言する。そして、颯がスーパーでアルバイトしていたことを明かした。

「高校生がいないから、スーパーでバイトしたんですよね?」と亮子が確認すると、清美は頷きながら話を続けた。
「面識があったのに、それを明かさなかったのはなぜだと思いますか?」と亮子が問いかけると、清美は一瞬ためらった後、こう答えた。
「職場に捜査が入ると、私にとって困ることがあったからです。それがバレるのを恐れていました」

清美は深く息を吸い、観衆を見渡しながら衝撃の事実を告白した。
「実は、私は職場では橘佐和子、50歳として生きていました。架空の妹の名前を使っていたんです。戸籍上、存在しない人物として生活していました」

裁判官が驚きの声を漏らす中、亮子が核心を突いた質問を投げかける。「なぜその事実を今明かそうと思ったんですか?」
清美は毅然とした声で答えた。「栗本さんが罪をなすりつけられようとしているからです。本当は無実なのに」

亮子は続けて質問を重ねる。「どうして無実だと言えるんですか?」
清美は静かに真実を語り始めた。「家に侵入したのはただのいたずらだったんです。以前、職場のスーパーで4人がいたずらをしているのを叱ったことがありました。それが原因で仕返しに来たんだと思います。でも、その仕返しというのも、ただのいたずらです」

清美の口から語られる真相は、法廷を驚かせた。「だって、ハロウィンで一緒にかぶったお面を彼らが被って来たんですよ。おふざけに合わせて、私もふざけて応じようとしたら、転んでしまって、その拍子に置物が頭に当たっただけなんです

清美の視線が颯に向かう。「栗本さんは私を傷つけたりなんてしません。彼は無実です」

清美の証言を聞きながら、颯はこらえきれず涙を流した。彼の姿を見ていた裁判員たちも、清美の言葉に深く共感している様子が伝わってきた。

清美が最後に語った言葉は、彼女の温かさと颯への信頼を感じさせるもので、法廷の空気を静かに変えていった。

なぜ偽造したのか?

裁判の証言が続く中、亮子が清美に尋ねた。「なぜ戸籍を偽造したのですか?」
清美は小さく息を吐き、話し始めた。

「60歳を過ぎた頃から、思うように職に就けなくなったんです。求人には年齢制限が書かれていなくても、面接で断られる理由は明らかでした。年齢で弾かれていたんです

「つまり、年齢差別があったということですか?」と亮子が問い直すと、清美は力強く「はい」と答えた

「私はまだ社会の一員としてやっていける、役に立つことができる。それが生きる励みだったのに、年齢で線を引かれることに納得がいきませんでした。生きているのに生きられない、そう思うようになったんです」

清美の言葉に涙ぐむ亮子。その姿に裁判員たちももらい泣きを始めた。法廷の空気は深い感情に包まれ、静まり返っていた。

しかし、検察が「本件とは関係がない」と異議を唱える。これに対し、亮子が涙ながらに反論を始めた。

「事件の背後に隠れた動機を明らかにすることは、社会の課題を浮き彫りにすることでもあります。裁判は単なる勝ち負けのゲームじゃないんです!」

その熱のこもった言葉に、傍聴席の杉浦が「え?」と思わず声を漏らすほどだった。亮子はさらに検察を追及する。

「あなた方は隠されていた背景に気づきもしなかった。何を見ていたんですか?結局、ターゲットを逮捕できればそれで良かったんじゃないですか?」

検察は何も言い返せず、席につくしかなかった。

「最後に伝えたいことはありますか?」と亮子が尋ねると、清美は深く頭を下げた。

「私は罪を犯しました。本当に申し訳ありません。真実を話すのが遅くなったことも、心からお詫び申し上げます」

清美の謝罪の言葉は法廷に響き渡り、静かに裁判が終わった。

裁判が終わった後、亮子は藤吉に呼び止められた。
「見事な裁判だった」と藤吉が微笑むと、亮子は軽く頭を下げながら「恐れ入ります」と応えた。

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【モンスター】8話の結末

颯の裁判は無罪という判決で幕を閉じた。その結果を受け、残る3人の少年たちも再審請求をすれば無罪になる可能性が高いと、事務所に連絡が入った。

その知らせを受けた江上は谷口に再審請求を勧めたが、谷口は「ああ、俺はいいや」と短く答え、それ以上の話を拒んだ。彼の声からは、颯を裏切った罪悪感と、どこか諦めにも似た冷めた感情がにじんでいた。

一方、キングこと土井克也は強盗致傷の容疑で再逮捕されていた。さらに、別件で逮捕された宝飾店の犯人がキングの指示を受けていたことを供述したことで、彼の罪状はますます重くなった。

事務所には粒来がやってきた。亮子をじっと見つめると、ふっと笑みを浮かべながら一言だけ口にした。
「あっちに戻ろうと思って。それじゃ」

その場を立ち去ろうとする粒来に、亮子が問いかけた。「キングが逮捕されたから?」
粒来は立ち止まり、振り返ることなく短く「じゃあな」と言い残し、事務所を後にした。

彼の去り際に漂う静けさが、どこか寂しさと安堵の入り混じった空気を残していた。亮子はその背中を見送りながら、小さく息を吐いた。

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【モンスター】8話のまとめと感想

年齢差別で仕事がなかった清美が戸籍偽造をしていることを明かし、闇バイトとは無関係の颯たちを救ったという話でした。

闇バイトに年齢差別と昨今話題の様々な問題が絡んでくる話ですが、そもそもの発端はいつの時代も変わらない思春期特有の悩みでした。

颯は両親の思い通りに生きるよう期待され、どこか息苦しさや不満を感じていました。正反対の谷口と出会い、友情とはまた違う共感のようなものを覚え、破滅的な遊びに手を出します。

捕まって分かったことは両親はやはり自分を信頼はしておらず、谷口たちも裏切り、結局自分を救ってくれたのは清美でした。その清美のことを思うがゆえ、颯は口を割らずにいました。そんな颯だから清美は助けます。

本当に自分を救ってくれる人は誰なのか?家族や友人とは限りません。だから誰にでも誠実に接するべきなのかもしれない、と考えさせられる話でした。

右京さんだったり朝ドラだったりと、趣里さんがらみのネタもふんだんな回でした。

粒来がどういうわけで闇落ちしたのか?今後はそれがらみの話になってきそうです。

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