【モンスター】5話のネタバレと感想をまとめています。
父親の死は代替治療をうたった、詐欺だと訴える娘の依頼を亮子は受ける。金持ち相手のインチキ治療なのか、杉浦をクリニックに潜入させて調べてみると、相手の弁護士が急遽変更になった。その弁護士とは亮子の父親で……。
【モンスター】5話のあらすじ
事務所に英語でかかってきた電話に戸惑う杉浦義弘(ジェシー)だが、神波亮子(趣里)は難なく英語で応対をした。
依頼人のエマ・サトウ(秋元才加)は、父親のサトウマサル(石橋凌)が病死した経緯を話す。がんと診断された父は、日本で代替治療を受けたが効果がなく帰国した。その後、治療は一切受けず、絶望の中で亡くなったという。
父は詐欺にあったようなものだというエマは、そのインチキな治療を証明して欲しいと依頼した。
亮子たちが早速調べ始めると、問題のクリニックで杉浦が突如倒れてしまい……。
【モンスター】5話のネタバレ要約
エマがクリニックを訴えた理由は、遺言書が治療後に書き換えられていたからだった。
元々エマに全ての財産を譲る予定だったが、治療後にクリニックの関連会社と看護師に寄付されていた。
すると相手側の弁護士が交代し、新たな弁護士は亮子の父親だった。
【モンスター】5話の詳細なネタバレ
今回の依頼
ある日、事務所に一本の電話がかかってきた。相手は英語で話し始め、杉浦義弘(ジェシー)は対応に困っている様子だった。神波亮子(趣里)が代わって電話を引き受け、流暢な英語で応対すると、相手はエマ・サトウ(秋元才加)という女性で、病院を訴えるために明日の11時に訪問すると告げた。なぜ英語が出来るのかと問われ、亮子はさらりと「最低でも10時間、オンラインゲームで英語を使ってたからね」と笑みを浮かべた。
翌日、エマが事務所を訪れたが、彼女は日本語が堪能だった。エマの話によると、彼女の父親、サトウマサル(石橋凌)は2年前にがんと診断され、日本で代替医療を受けたが効果がなく帰国。その後、治療は一切受けず、絶望の中で10月に亡くなったという。「父は詐欺にあったようなものよ。そのインチキな治療を証明してほしい」と、エマは力強く訴えた。
事務所に戻り、亮子たちはエマの訴えについて情報を整理した。エマの父、サトウマサルはアメリカ在住の日本国籍で、2年前にがんと診断され、日本の「代替医療ツアー」に参加した。治療を受けたのは岡本プレミアクリニックという国内でも富裕層が通う有名な医療機関だった。治療内容は、P2カクテルという、ワラネスという花から抽出された成分とピフト、ピマーシャという物質をかけ合わせた点滴で、免疫力を高める効果があるとされている。
治療は1ヶ月続けられたが、効果が見られず、父は帰国。その後、何の治療も受けないまま10月に亡くなった。エマは、この治療の無効性を証明し、30億円の損害賠償を求めているという。
亮子はすぐに村尾由紀子(音月桂)に依頼し、P2カクテルやその医療効果について専門家から意見を聞けるよう手配するよう頼んだ。エマが訴える治療の真偽を明らかにするため、亮子たちの調査が始まる。
医師の見解
亮子たちはまず、西洋医学の専門家である工藤沙都子(丸岡真由子)のもとを訪れ、P2カクテルの効果について尋ねたが、工藤は「効果があるとは思えない」と一蹴した。これに対して亮子は、「知らないから評価に値しないというのはおかしいのでは?しっかりと資料を読んだ上で評価してほしいです」と資料を渡し、冷静に反論した。
次に話を聞いた西洋医学の石丸宏一(大水洋介)も、P2カクテルに科学的根拠がないと否定的だった。亮子は彼に詰め寄り、「説明がつかないからといって例外扱いするのが科学的思考といえるでしょうか?屁理屈で片付けるのは怠慢だと思いますが」と反論し、意見を譲らなかった。
その後、代替医療の専門家である小笠原圭介(ラブ守永)に話を聞いた。小笠原はP2カクテル自体はやっていないが、同じ原理を用いた療法は古くから存在していると説明し、「事故が起きたという話も聞いたことがない」と語った。また、彼は「西洋医学と併用して代替医療を受ける人もいるため、効果がどちらに起因するのか分からなくなることがある」と言い、医療が分断されている現状の課題について触れた。それに対し、亮子は「それをいつまで続けるつもりですか?」と、問題解決を迫った。
さらに、総合医療の松本竜矢(もろいくや)にも話を聞いたところ、P2カクテルを扱っている岡本プレミアクリニックは、もともとは保険医療を提供する総合病院で、以前は「岡本病院」として地域医療に従事していたという。ところが、経営方針を大きく変更し、西洋医療から代替医療へ、保険診療から自由診療へ、そして地域医療から富裕層向けにシフトしたのだ。
松本は続けて、「海外からの富裕層向けにインバウンドツアーまで設けたのは、経営戦略として成功しています。医学のことしか知らない医者にはできないことですよ。経営はまったく別のスキルですからね」と話し、クリニックが商業的成功を収めた背景を明かした。
松本はさらに、岡本プレミアクリニックが代替医療に転向する際、親子で経営方針をめぐって大きな争いがあったと語った。医学的信念と商業的な視点の間で生じた対立が、クリニックの経営に大きな影響を与えていたのだ。亮子は、クリニックの転換の裏にある複雑な事情にますます興味を持った。
杉浦が潜入
亮子たちは岡本プレミアクリニックに足を運び、潜入を試みる機会を探っていた。そこで偶然、腹を押さえて苦しんでいる杉浦の姿を見た亮子は、ひらめきを得る。「これは使える」と。
杉浦はアニサキスに感染していたが、すでに内視鏡で除去され、命に別状はなかった。治療を担当した医師・岡本久嗣(内村遥)は、「高額になってしまって申し訳ないが、目の前で苦しんでいるのを無視はできなかった」と説明した。さらに、引き続き入院するかどうか尋ねられ、亮子はすかさず「お願いします」と頼み込んだ。
これに対し、杉浦は「自分を実験台にする気か?」と不満げだったが、亮子は冷静に「裁判の証拠になるし、費用は経費で落とせる」と説得した。渋々の様子を見せる杉浦に、亮子が帰ろうとすると、「本当に経費で落とせるの?」と杉浦が追いすがって聞いてきた。
亮子は少し冷たい口調で「落とせるんじゃない?ちゃんと仕事すれば」と告げてその場を離れた。
入院した杉浦のもとに、ホテルの従業員のような雰囲気で飲み物を運んでくる看護師が現れた。岡本プレミアクリニックでの調査が、何か新たな手がかりを見つけ出すことに繋がるのか。亮子の策略が静かに進行していた。
それぞれの意見
亮子は元岡本病院の看護師、里香(田辺愛美)に話を聞きに行った。里香によると、岡本病院は地域に根ざした中規模の総合病院として、内科医である院長が一から築き上げたものだったが、経営的には厳しい状況が続いていたという。ジュニアは大学病院で消化器外科の専門医として働いており、院長は彼を呼び寄せて消化器外科を病院の新たな看板にし、立て直そうとしたのだが、ジュニアは突然方針を変え、富裕層向けの代替医療に走ってしまったのだ。
里香は当時を振り返り、「ジュニアがそうやって裏切った形で、結局院長は追い出されるようにして病院を畳むことになった」と語る。院長のその後については、彼がどこにいるのか分からなかったが、病院スタッフのほとんどがジュニアに賛同しなかったが、ナースの何人かがついっていった。里香自身も、ジュニアのやり方を「お金持ち相手の金儲けにしか思えなかったから」とし、岡本プレミアクリニックには「ゼニゲバばかりが集まった」と言い切るのだった。
一方で、入院中の杉浦は、岡本プレミアクリニックの看護師である梶田素子(島田桃依)から話を聞いた。素子も岡本病院で働いていたが、「いろいろな医療の形を経験してみたかったから、この病院に来た」と語る。そして、前の院長が今は老人ホームで嘱託医をしていることを明かした。
その後、亮子はその前院長の岡本輝久(阿南健治)に会いに行った。彼は代替医療の効果には懐疑的で、むしろ医療の本質を見失っていると考えていた。病院を息子に任せてから経営方針を巡って何度も話し合ったが、息子は「今のままでは経営破綻する」と主張し、父である院長は「まだやれることはある」と反論したという。
「世の中はこれだけ変化しているのだから、医療のあり方だって変わるのは当然だ」という息子に対し、父は「私たち医師は変わらず、患者の心と体に寄り添うのが役目だ」と言い返したのだ。親子の意見はどうしても折り合わず、院長は「話しても何も伝わらなかった」とぼやいた。
亮子はこれまでの調査結果をエマに報告し、「結果的に息子が岡本病院を潰し、岡本プレミアクリニックを立ち上げた」と説明した。エマは苦笑しながら「どこも親子って分かり合えないものね」とつぶやいた。そして、亮子は「これで提訴の材料が揃いました」と告げると、エマは嬉しそうに微笑んだ。
最後にエマは「夕食に行かない?」と亮子を誘い、「友達いない者同士ということで」と冗談めかして付け加えた。
父との思い出
亮子とエマが訪れたのは、一般的な立ち飲み屋だった。エマは一度訪れてみたかったと言うが、二人とも酒は飲めず、店の賑やかな雰囲気の中で、おつまみを食べながら静かに話し始めた。
その頃、入院中の杉浦のもとに村尾洋輔(宇野祥平)が見舞いに訪れ、亮子から預かったボイスレコーダーを手渡した。「院長にP2カクテルの説明をしてもらい、それを録音して、後で専門家が矛盾がないか検証するらしい」と村尾が伝えると、杉浦はと苦笑した。
一方、エマは父との思い出を語り始めた。彼女の父親は厳格な人で、「会社の理念を壊すわけにはいかない」といって他者を切り捨てることもあったという。彼の会社の理念は「時代の変化とともに、新たな価値を創造し続け、地球に貢献する」ことであり、エマはそうした考え方に尊敬を抱いていた。
幼い頃に母と別れ、家族は父と二人だけで過ごしてきたエマは、「よくある父と娘の関係ではないことはわかるけれど、よくある父と娘がどんなものかもわからないの」と寂しそうに微笑む。
亮子もまた、母のいない家族だったことを話した。彼女の脳裏には、幼い頃、父と手をつないで歩いた日々や、父の裁判を傍聴し、六法全書を父のそばで読みふけった記憶が浮かんでいた。思い出に浸りながら、亮子はいつものコンビニで毎月届く20万円を下ろして黄昏れた。
矛盾を指摘
亮子たちは訴訟を進める中で、岡本プレミアクリニック側の対応を慎重に観察していた。久嗣は秋津孝行(やべけんじ)に訴状を渡し、秋津は「うちの弁護士にも話を聞いてみるから安心しろ」と久嗣を励ました。そのやりとりは、近くにいた城野尊(中川翼)が耳にしていた。
一方、杉浦はクリニックでの会話を録音しようとしたが、レコーダーを落としてしまい、結果的に相手から録音許可を得て収録することになった。
調査が進む中、亮子たちは岡本クリニックの口コミがネット上にはほとんど上がっていないことを確認するが、SNSでは「冷やかし」でP2カクテルを体験した人々の投稿が見受けられた。
また、城野の調査によって、岡本病院からクリニックへと経営方針が変わった背景には「秋津コンサルティング」という企業が関わっていることが明らかになった。城野は「ペーパーカンパニーのようだ」と疑念を抱きながら報告した。
その後、亮子とエマは、クリニック側の弁護士である立原正樹(小多田直樹)と事務所での話し合いに臨んだ。亮子は鋭い質問を投げかけ、「この改革は強引だったようですね」と指摘するが、弁護士は「リーダーシップに基づいた改革です」と主張する。さらに、P2カクテルに500万円もの価値があるのかと問う亮子に、「もちろん」と断言するも、亮子は「参加者の特権意識を満たすための高額設定ではないですか?」と追及を続けた。
弁護士は「サービスには価値に見合った価格設定がされている」と説明し、その付加価値にはファーストクラスの航空券、豪華ホテルのスイートルーム、そして病院での高級個室に加え、フルコースの食事や観光の手配まで含まれていることを述べた。亮子は、「本来の医療に基づくものではなく、単なる付加価値で金額を釣り上げているように聞こえます」と反論するが、弁護士は「需要があり喜ばれている」と主張を崩さなかった。
亮子はさらに踏み込んで、「P2カクテルの重要度は低いと認めているように聞こえますが?」と指摘すると、弁護士は「P2カクテルは中心的治療法で、重要度は高い」と反論する。さらに亮子は「科学的根拠が乏しい治療法のようですが」と問うと、「結果は出ています」と譲らなかった。
しかし、亮子が「サトウマサル氏は効果を期待して治療を受けたが亡くなりました。これは詐欺的行為ではないでしょうか?」と問い詰めると、弁護士は「スタッフ一同、そうした結果は望んでいません」と答えるに留まった。
父と再会
亮子は大草圭子(YOU)に、「相手側の反論がほとんどなくて、おかしいです。何か嫌な予感がします」と相談した。まるでこちらの材料をぎりぎりまで引き出されているような気がして、「全部ひっくり返すために何かを企んでいるのかも」と話すと、所長も「あっちがなにか、絵を描いているってこと?」と不安げに頷いた。
その夜、亮子は幼い頃、父とオセロをした記憶がよみがえった。勝ったと思っていたが、父の一手で形勢が逆転し、負けてしまったときの悔しさが蘇る。「今も同じように、相手にすべてを覆されてしまうのだろうか」と心配が募った。
一方、秋津は弁護士に報告を受けて満足げに「いい感じじゃないですか」と応じ、その場には粒来春明(古田新太)も同席していた。
その後、杉浦が退院し、事務所に復帰。亮子はクリニックの弁護士である立原について、「ただの弁護士ではなく、コンサル会社も関わっている可能性がある」と話した。その時、粒来が事務所に訪れ、簡潔に「俺が担当することになった。いいかな」と告げた。
「いいよ」と亮子が答えると、「それだけだ」と彼は立ち去ったが、亮子が「酒臭ぇよ」とぼそりと呟いた。彼の去り際を見ていた所長は「少し感じが変わった気がする」と言ったが、粒来は「そっちは変わらねぇな」と言い残し、去って行った。
父の不穏な態度に、亮子は新たな一抹の不安を抱いた。
【モンスター】5話の結末
亮子はエマに、「変更になる弁護士は私の父です」と告げ、自身の家族の事情を明かした。「父は私が高校生のとき、突然出かけて戻らなくなりました。連絡もないまま12年が過ぎ、毎月一度、お金が振り込まれるだけの関係でした」と、彼女は淡々と語った。
エマはその話を聞いたうえで、亮子の父が弁護を担当することを了承。そして、自身の父の遺言書が書き換えられていたことを打ち明けた。「岡本プレミアクリニックで治療を受けた後、父の遺言は変わってしまいました。全財産が私に継がれるはずだったのに、残されたのはごくわずかだったんです」とエマは悔しそうに話す。
さらに調べた結果、父の財産のほとんどが寄付されていたことがわかり、その寄付先が岡本プレミアクリニックの関連会社「OPCエンタープライズ」と、看護師の梶田素子宛てであったことも発覚した。エマは、「父は効果のない治療を受けさせられただけでなく、財産まで奪われたに違いない」と話し、「あの強い父が、こんなふぬけになるなんて信じられません。病院やナースがつけこんだんです」と怒りを露わにした。
亮子が「どうしたいんですか?」と尋ねると、エマは「お金を取り戻したい」と即答し、二通の異なる遺言書を見せた。しかし財産の多くはすでに寄付として消えていた。
その頃、秋津を尾行していた城野が、背後から誰かに押され、突然車道に飛び出してしまった。
夜、事務所に一人残って考え込んでいた亮子のもとに、所長がそっと近づき、「お父さんのこと、大丈夫?」と声をかけた。亮子は少し考えてから微笑み、「今まで思いつきで弁護士になったと思ってたんですけど、ようやく理由が分かりました。この日を待っていたんだと思います」と言い、力強く笑った。
父との対戦を前に、亮子の瞳には熱い闘志が宿っていた。彼女は父との対戦を、どこか楽しみにしているようだった。
【モンスター】5話のまとめと感想
相手側の弁護士が変更になり、亮子が父親と法廷で直接対決するという話でした。
今回話は完結せず次回へ続きます。ちょこちょこ出てた粒来ですが、登場と同時に直接対決となりました。今回亮子の過去が少し分かるのですが、なぜ父がいなくなったのかとかは分かりません。
亮子は幼い頃から父親と2人暮らしだったようで、父の法廷を傍聴したり、六法全書を読んだりして過ごしていたようです。本人に自覚はなかったようですが、なるべくして弁護士になったのでしょう。
ちなみに冒頭の電話をしどろもどろで対応する杉浦ですが、演じているジェシーさんは実は英語はペラペラというギャップが面白かったです。
ゲーム内の強敵を倒すような、ワクワクした感じで亮子はいるようです。果たして父が勝つのか、娘が勝つのか?次週が楽しみです。