2022年8月8日にテレビ東京で放送された【黙秘犯】のネタバレと感想をまとめています。
小泉孝太郎さん主演の船橋署刑事課・香山亮介シリーズ第2弾は、逮捕した男がなぜ黙秘を続けるのか?その謎を解き明かします。
【黙秘犯】キャストとスタッフ
レギュラーキャスト
- 香山亮介…小泉孝太郎
千葉県警船橋北警察署刑事課 主任刑事
階級は巡査部長 - 増岡美佐…瀧本美織
千葉県警船橋北警察署刑事課 刑事
階級は巡査 - 三宅義邦…前野朋哉
千葉県警船橋北警察署刑事課 刑事
階級は巡査長
ゲスト
- 倉田忠彦…市原隼人
旅館『夕凪館』の板前 - 友部杏子…小林涼子
旅館『夕凪館』の若女将 - 三崎…佐伯新
館山南警察署の巡査部長 - 小森好美…虻川美穂子(北陽)
韓国料理『KOMORI』の店主・事件の第一発見者 - 米良恭三…信太昌之
千葉県警本部長 - 立川守男…古河耕史
県警巡査部長 - 清水道夫…大倉空人
西岡と同じサークルに所属する大学生 - 西岡卓也…浅見和哉
明京大学 経済学部2年生 - 友部雄二…菊池銀河
杏子の弟 - 桜井修一…吉田悟郎
雄二の高校時代の担任・杏子の婚約者 - 倉田泰子…田中悠愛
忠彦の妹 - 鈴木正三郎…金田明夫
倉田の保護司 - 相楽英雄…宅麻伸
千葉県警本部刑事課・警部補
スタッフ
原作:翔田寛『黙秘犯』
脚本:寺田敏雄
演出:木下高男
【黙秘犯】のあらすじ
\今夜8時放送📺/
— テレビ東京 (@TVTOKYO_PR) August 8, 2022
月曜プレミア8『#黙秘犯』
原作 #翔田寛、主演 #小泉孝太郎、「人の心を救う」刑事・香山亮介の社会派ヒューマンミステリー「冤罪犯」に続く第2弾💥
逮捕された容疑者が貫く完全黙秘🫢
沈黙に隠された驚愕の真実は…❓
是非ご覧ください🚨#瀧本美織 #宅麻伸 #市原隼人 pic.twitter.com/don8t4sZi6
船橋駅付近で大学生の西岡卓也(浅見和哉)が殺害される事件が発生する。第一発見者の小森好美(虻川美穂子(北陽))の証言と、現場に残った遺留品から倉田忠彦(市原隼人)が逮捕された。
倉田は取り調べで一切何も語らず黙秘を貫いた。香山亮介(小泉孝太郎)は現場の状況から見て、倉田が本当に犯人なのか疑っていた。倉田は2年前にも傷害で逮捕され、現在執行猶予中の身だった。
倉田が勤める旅館の長男・雄二(菊池銀河)もまた事件の前に亡くなっていた。果たして事故か自殺か?2人の死が繋がりを見せ始める。
送検されるまで48時間。タイムリミットが迫る中で、香山は倉田の口を割ることができるのか?
事件の詳細
ドラマでは倉田逮捕から始まり、その後に逮捕前の話にさかのぼります。今回の殺人事件とその数日前に起きた不審死について記載します。
船橋元町大学生殺人事件
- 発生日時:6月5日20時頃
- 場所:船橋駅近くの路地。韓国料理『KOMORI』の店先で発生
- 被害者:西岡卓也 20歳
- 死因:右側頭部を殴打されたことによる撲殺
- 凶器:現場にあったワインボトル
第一発見者はお店の店主・小森好美です。通報により香山たちが臨場しました。現場には凶器の割れたワインボトルが落ちていて、西岡は一撃で死亡しました。小森の証言によると、逃げていく男を見たと言い、ベージュのズボンに黒いシャツ姿だと言います。
割れたボトルに血に染まった指紋が付着しており、調べた結果、前科のある倉田忠彦が該当しました。
友部雄二の不審死
- 発生日時:5月26日20時頃
- 場所:『夕凪館』からほど近い館山の海
- 被害者:友部雄二 20歳
- 死因:溺死
所轄の刑事によると、遺書や目撃証言がないことや、現場の状況を鑑みて事故と判断しました。ただ、雄二は死ぬ2時間前ぐらいに、交番の前をうろうろしている姿が防犯カメラ映像に収められています。
さらに雄二は連続婦女暴行事件の関係者と思われますが、証拠不十分で不起訴となった経緯があります。
事件の時系列
- 4/30連続婦女暴行事件1件目発生
- 5/7連続婦女暴行事件2件目発生
- 5/21連続婦女暴行事件3件目発生
- 5/26
18:15交番の防犯カメラに友部の姿が映っていた - 20時頃友部雄二不審死
- 6/5
20時頃西岡卓也殺人事件発生 - 20:21警察現着
- 6/19
10:02倉田忠彦殺人容疑で逮捕
【黙秘犯】のネタバレ
前科がある男が逮捕されますが、完全黙秘を貫きます。送検前に解決するため、香山が真相を突き止めるという話です。
事件発生
6月5日の20時頃、船橋駅近くの路地で大学生の西岡卓也(浅見和哉)が遺体で発見される。第一発見者は韓国料理『KOMORI』の店主・小森好美(虻川美穂子(北陽))だった。小森は店を終えた後、争う声が聞こえて怖くなり、2階に上がって下を見ると、西岡が地面に横たわっていたという。
臨場した香山亮介(小泉孝太郎)は、遺体のそばに割れたワインボトルが落ちていたのを見る。そこには血に染まった指紋が残っていた。財布や時計など盗まれていないことから、殺人事件と思われた。小森は逃げていく男の姿を見ており、服装はベージュのズボンに黒のシャツだったと証言する。
捜査本部が立ち、香山が以前共に捜査をしていた、相楽英雄(宅麻伸)も参加していた。捜査員が得た情報を報告し、他の捜査員たちとも情報を共有する。
殺害された西岡は大学のサークル仲間の清水道夫(大倉空人)らと酒を飲んでいたという。その後、西岡は20時頃に1人で先に帰った。鑑識からの報告で、凶器についた指紋は倉田忠彦(市原隼人)という、2年前の傷害事件で保護観察中の男のものだと判明した。
証拠もあって目撃証言もある。すぐに解決できると警察は考えていた。
捜査開始
三宅義邦(前野朋哉)と増岡美佐(瀧本美織)は、倉田の交友関係を探りに魚河岸へ向かい話を聞く。香山と相良は保護司の鈴木正三郎(金田明夫)に話を聞きに行った。
鈴木の話では昨日船橋駅近くのファミリーレストランで、倉田と面会し20時頃に別れたという。その時の服装は目撃証言と同じだった。
香山は2年前の傷害事件について話を聞く。市川市内の料亭で主人と倉田はいさかいを起こし、包丁で刺した事件だった。現場は主人の寝室で厨房からは離れた母屋にあった。2人の争う声を聞き、従業員の女性が発見した。主人は穏便に収めたいと警察に語ったという。
倉田の過去についても聞いた。中学時代に事故で両親を亡くし、小学生の妹と一緒に習志野の親戚の家に預けられたという。そんな倉田だが、鈴木は真面目で誠実な男だと語る。
『夕凪館』に就職する時、主人はあまりいい顔をしなかったが、娘の友部杏子(小林涼子)が推してくれたお陰で就職できたという。倉田は恩人でもある杏子の結婚式が、半年延びたことを気にしていたという。
結婚式が延期になった理由、それは弟の雄二(菊池銀河)が事件から10日ほど前に、旅館からほど近い海で死体で発見されたからだった。三宅たちの情報によると、雄二と倉田が言い争っていたところを見た人もいた。
香山は倉田が2年前に起こした事件について疑問に思う事があった。なぜ寝室だったのか?厨房にわざわざ包丁を取りに戻ったのだろうか?違和感を覚えずにいられなかった。
香山の疑問
倉田の逮捕状を請求しようとする、米良恭三(信太昌之)に香山は待ったをかける。その理由は3つあった。
- 理由1:ワインボトルに残った指紋が血に染まったものであること
- 理由2:残った指紋が右手の人差し指と親指であること
- 理由3:雄二の死が何か関係あるのかもしれないこと
1つ目の理由について香山は、血のついた指紋であるのはおかしいという。なぜなら、西岡は一撃で亡くなっていたからだ。血は死んでから出たものなのに、なぜ血のついた指紋なのかおかしいと感じていた。
2つ目の理由については、西岡は右側頭部を殴られて死んでいたのでおかしいと感じていた。右利きの人間が相対する人間に凶器を振るった際、傷は頭頂部から左側頭部になるからだった。
3つ目の理由について香山は、さらなる聞き込みをする必要性を訴えた。どの理由についても証拠ありきで話を無理矢理こじつける米良だが、相良もフォローしてくれたお陰で逮捕状は保留となった。
雄二の不審死
三宅と増岡は事件当時、西岡と飲んでいた友人に聞き込みをする。すると、西岡と清水は高校時代からつるみ、イジメなどをしていたことが分かった。
香山は雄二の死について調べるため、所轄の館山南署へ行き三崎(佐伯新)に話を聞く。事故と判断した理由は目撃証言や遺書がないこと、現場の状況から判断したという。
友部雄二という名を聞いて、三崎はあることを思い出したという。それは4月と5月に発生した連続婦女暴行事件だった。雄二自体は直接関わりはなかったが、睡眠薬の調達役ではないかと警察は疑っていた。ただ、本人は否定しているのと証拠不十分により不起訴となった。
この時、実行犯ではないかと警察が睨んでいたのが西岡だった。しかし、こちらも立件には至っていなかった。
雄二が警察から聴取を受けて解放された際、引き取りに家族を呼ぶことを拒んだという。代わりに来たのが倉田だった。それから何日もしないで雄二は死亡した。
三崎は気になることがあるといい、交番の防犯カメラ映像を見せる。雄二は何度も交番の前を行ったり来たりしていた。亡くなる2時間前のことだった。
三宅と増岡はさらに雄二の高校時代の担任である桜井修一(吉田悟郎)に話を聞く。西岡と清水がイジメをしていたことについて聞くが、桜井は当時イジメを認識していなかった。そして卒業アルバムを見せ、西岡と清水、さらに友部雄二が3人でよく一緒にいたことを話す。
話の途中で杏子が現れると、桜井は杏子と結婚をする予定だという。弟のことについて相談に乗っているうちに、自然と仲良くなったからだった。
香山の推理
それぞれ得た情報を突き合わせると、雄二の死に疑問点が浮かび上がる。雄二は西岡と清水と高校時代から一緒にいたというが、パシリのような扱いを受けていたのではないかと。清水の父親は国会議員で元警察官僚であり、西岡の父親は地元の上場企業の社長だった。そんな2人は高校時代から問題行動を起こしていたという。
増岡が西岡のSNSの写真を見せると、香山はあることに気付いた。それは清水の持っているカバンに見覚えがあったからだった。交番の前をうろうろしていた雄二のそばで、同じカバンを持った人物が映っていたことを思い出す。
そして香山はある推理をした。連続婦女暴行事件は清水と西岡が起こした可能性があり、雄二はそれを警察に告発しようとしていたのではないかと。その時、つけていた清水に口封じで殺害されたのではないかと考えた。
タイムリミットは48時間
警察上層部から圧力がかかり、倉田への逮捕状が出されてしまう。香山は送検されるまでの48時間、それが真相を暴くまでのタイムリミットだと部下に伝える。そして翌日、倉田を逮捕し取り調べが始まった。だが、倉田は完全黙秘を貫いた。
2年前も逮捕された時に倉田は黙秘を続けた。そしてその後、刑が確定して有罪となった。何も語らない倉田に香山は「君は殺人を犯していない。俺はそう感じている」と告げる。2年前も今も誰かの罪を被っていると感じていた。
倉田が口を開かないため、香山は責めどころを変える。清水を落とすことが事件解決の突破口になると考えた。そして清水の家を家宅捜索することを決める。上の方針に歯向かっての捜査なため、部下たちに香山は「警察クビになりたくなければ、ここからはお前ら消えていい」と告げた。だが、三宅も増岡も引かなかった。
突破口
家宅捜索の後、清水に聴取を香山は始める。連続婦女暴行事件が起きた日、何をしていたかを聞く。しかし、清水は余裕の態度ではぐらかすばかりだった。そこで雄二が亡くなった日、会っていたのではないかと切り出す。雄二が清水と西岡を告発しようとしていたのではないかと。
だが、清水は証拠でもあるのかと開き直る。事前に三宅に防犯カメラ映像を取り寄せるよう頼んでおいた香山だが、聴取の途中に三宅が困った様子で入ってきた。管轄の署からの連絡で映像を紛失したという。圧力がそんなところにまで及んでいるのかと悟った香山は、仕方なく清水を解放した。
その後、清水の部屋から押収した荷物も返却することになるが、香山はじっと荷物を眺める。その中の1つ、当日清水が背負っていたリュックに目を留めた。そして相楽に頼み、鑑識に調べてもらうことにした。
清水の口を割らせることができない今、三宅と増岡は杏子に事件当日の話を聞く。するとブティックにウェディングドレスの仮縫いを延期してもらいに行ったという。場所は事件が起きた船橋駅の近くだった。
不審死の真相
相楽が鑑識に調べてもらったカバンを手に、再び清水の聴取に香山は挑む。カバンを清水に見せ、その端の方についた小さく付着した塗料を指差す。これはプラモデルを塗るための塗料で、混ぜて作られたオリジナルのものだった。
雄二は死ぬ前に模型店へ行き、プラモデル用の塗料を購入していた。それを自宅で混ぜて色を作り塗装していた。カバンについた塗料と同じ塗料が、雄二の自宅と遺体の爪の間から見つかった。さらに、清水のカバンにも付着していたのだ。この色はその日にしかない色、つまり清水と雄二が会った証拠だった。
香山は事件の日に起きたことを想像で話す。雄二を海に呼び出した清水は、その場で沈めようとした。だが、必死の抵抗をする雄二は清水のカバンを掴んだりしたのだろう。その際、爪に付着していた塗料が移ったに違いないと。
動かぬ証拠を突きつけられた清水は観念し、自供を始める。西岡が雄二の姉に以前から目をつけていたと言う。だから雄二は自首をしようと思って警察へ行ったのだろうと、香山は雄二の死の真相を知った。
殺人事件の真相
香山は倉田の育った習志野へ向かい話を聞く。その後、黙秘を続ける倉田の聴取を始めた。口を閉ざしたままの倉田へ語りかける香山、雄二の死は清水が殺害したものであり、自殺ではないと教える。倉田が口を閉ざす理由の1つは、雄二が自分のせいで自殺したと思っているからだった。
そしてあの晩起きたことを香山は推理して話す。杏子がブティックを出た後、同じく店を出た西岡と偶然会ってしまい絡まれた。逃げる杏子だが西岡は以前から狙っていたため、執拗に後を追いかけて迫った。それを偶然、保護司と別れた後の倉田が目撃してしまう。
やがて追い詰められた杏子は、そこにあったワインボトルを手にして西岡の頭を殴ってしまう。遅れてやってきた倉田が既に絶命している西岡の遺体と、怯える杏子を発見した。状況を把握した倉田は杏子の手から凶器を取り、自ら血のついた指紋を残した。自分が身代わりになる覚悟を決め、杏子に逃げるよう告げた。
倉田の偽装工作が逆に疑問を生んだと香山はいい、杏子が左利きだったことからこれで辻褄も合った。今、杏子にも別室で同じ話をしていると言っても、倉田は口を開かなかった。
倉田の過去
未だに口を開かない倉田だが、香山が習志野で聞いた話をすると一変する。倉田は中学の時に両親を事故で亡くし、小学生の妹と一緒に習志野の親戚に預けられた。そこでは酷い扱いを受けていた。農業の下働きをさせられ、学校に行くのもままならなかった。それでも行くあてがないため、耐えるしかなかった。
妹はもっと酷い目に遭っていた。親戚の男に性的虐待を受けていた。一度ならず何度も受けていた。妹の話をすると倉田はようやく「……やめろ」と口を開いた。だが、香山は話を止めなかった。
倉田はそのことに気付いていたが、何もしてやれなかった。なぜなら、誰かにその話をしたら、追い出されてしまうかもしれないと思って言えなかった。だがある日、妹は踏切から電車に飛び込んで自殺してしまう。
以来、倉田は自分を責めた。生きる意味どころか、死ぬ資格すらないと。どんなに辛いことも受け入れ、自分を罰するため生きる事を選んだ。だから、雄二の死も杏子の罪も全て自分が引き受けようと思った。
杏子が自供したと伝えられた香山は、涙を流し続ける倉田に問いかける。「君が自ら罪を背負うことが償いなのか?…思い上がるな!」と。
ドラマの結末
真相を突き止めた香山を見て相楽は「アイツは人の心を救うために刑事をやっている」と言う。米良は刑事がみんなそうであるのは難しいと反論すると、相楽は「皆が皆、そうあるべきじゃないのか?」と告げた。
杏子は情状酌量が認められ、過剰防衛による傷害致死で懲役2年の判決が下る。だが、執行猶予3年がついた。さらに桜井との婚約は自ら破棄した。
倉田は釈放された後、保護司の鈴木が再就職先を探しているという。香山はその後、保護司といつも会うファミリーレストランで倉田と会った。『夕凪館』のみんなは戻って来て欲しいと言っていたが、倉田は「自分のことは忘れて欲しい」と恩返しの意味も含めて断ったという。
2年前の傷害事件について、香山は推論を語る。あの時夫の浮気に気付いた妻が刺したのを、身代わりになったのではないかと。だが、そのことについては語らなくてもいいと笑った。
やがてパフェが倉田の前に置かれる。甘いものが苦手な倉田なのに、毎月5日にここに来て食べると鈴木から聞いていた。5日は妹の月命日であり、パフェは妹の好物だった。倉田は供養のためいつも頼んでいた。
泣きながらパフェを食べる倉田に香山は、自分も妻を亡くしている話をする。そして妹のために約束して欲しい、生きることを恥じるなと伝えた。
【黙秘犯】のまとめと感想
完全黙秘の容疑者は人の罪を被ることで、自らを罰していたという話でした。
人生で一度ならず二度も罪を被ろうとする倉田に、香山はどこか自分と似た所があると感じていました。それもそのはずで、香山は妻を亡くしていて倉田は妹を亡くしていました。2人共大切な人を失い、自責していました。
香山は妻が危篤状態の時に相楽と指名手配犯の張り込みをしてて帰らず、そのことを一言も何も言わなかったそうです。そんな香山を酷い人間だと言う者もいたが、よくも悪くもそれが香山だ。と相楽はその時の事を増岡に語ります。
そして「香山亮介という男に出会ったことは、幸運だったかもしれない。倉田にとってもな」と、相楽は言います。香山だったからこそ真相にもたどりつけましたし、倉田の心を救えたのだろうと、後になってこの言葉の意味が分かります。だから、罪を被ることが妹への償いになると思っていた倉田に、香山は「思い上がるな」と叱責しました。彼の心を救済したかったのでしょう。
何気に杏子も人に罪を代わってもらって、本当に幸せになれると思っているのか?と突っ込みたくなる人物です。さらに婚約相手の教師は、弟のイジメを見て見ぬふりしていたとんでもない男です。弟の相談をしているうちにいい仲になるとか、どっちもどっちな2人です。しかも当の弟は問題解決するどころか、殺されてしまいます。
話もキャストも1作目の『冤罪犯』のほうが面白かったです。今回の話はよくある2時間ドラマのような人情話でした。『時効犯』という新作が出ているので、こちらもいずれドラマ化されるかもしれません。