『孤独のグルメ シーズン11』第1話では、神奈川県藤沢市善行の「おうちごはん はるね」を舞台に、さばみりんと豚汁を中心とした“焼き魚定食”が描かれました。
一見するとシンプルな定食ですが、五郎の食べ進め方を追っていくと、そこには「甘さと塩を重ねる」「味を変えながら完成させる」といった、明確な“食べ方の流れ”が存在しています。
この記事では、お店の場所や食べた料理を整理したうえで、五郎のセリフを手がかりに、その食べ方と味の組み立てを詳しく解説します。
実際に訪れた際に再現できるよう、味変や組み合わせのポイントまで含めてまとめました。
※『孤独のグルメ シーズン11』の全話のお店・料理一覧は、以下の記事でまとめています
▶ 孤独のグルメ11 店まとめ|全話の訪問店・料理一覧を見る
3行まとめ(結末がすぐ分かる)
- 藤沢市善行の「おうちごはん はるね」で、さばみりん定食と豚汁を中心に食事
- 甘さ(みりん干し)→塩(文化干し)→味変と重ねることで、食事が完成していく構成
- 柚子胡椒・一味・コチュジャンによる味変で、豚汁うどんまで含めて“最後まで美味しさが更新される”回
お店はどこ?「おうちごはん はるね」(藤沢市善行)
神奈川県藤沢市善行にある「おうちごはん はるね」は、焼き魚定食を中心に、手作りの小鉢や豚汁が楽しめる定食屋です。住宅街の中にあり、駅からはやや距離がありますが、地元客でにぎわう“日常に寄り添ったお店”として描かれていました。
店内はカウンター席が中心で、五郎は焼き台のそばに案内され、焼き魚を目の前で見ながら食事をすることに。メニューは焼き魚定食を軸に、小鉢(いわゆる“110円小鉢ちゃん”)や一品料理、さらには豚汁やうどんなども揃っており、組み合わせ次第で食事の幅が大きく広がる構成になっています。
今回五郎が選んだのは、さばみりん定食をベースに豚汁へ変更し、小鉢や追加メニューを重ねていくスタイル。この“自由に組み合わせる楽しさ”こそが、「はるね」という店の魅力と言えます。
■ 店舗情報
- 店名:おうちごはん はるね
- 住所:〒251-0861 神奈川県藤沢市大庭5559−8 青木店舗102
- 電話:0466-21-7422
- 営業時間:
月・火・水・金・土 11:30 – 22:00 L.O. 料理21:00 ドリンク21:30
日 11:30 – 15:00 - 定休日:木曜日
- Googleマップ
五郎が食べた料理まとめ(第1話)
- さばみりん定食(味噌汁を豚汁に変更)
- ポテトサラダ(小鉢)
- しいたけめんたいチーズ(小鉢)
- ひじき煮(定食付属)
- さば文化干し(追加注文)
- 豚汁(おかわり)
- 豚汁うどん(締め)
他の回で登場したお店や料理もまとめています
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第1話あらすじ(ネタバレあり)
井之頭五郎は、藤沢市善行の「さやま音楽工房」で別荘インテリアの商談を行い、無事に仕事を終える。帰り道、空腹を覚えた五郎は住宅街の中で食事処を探すが、なかなか見つからない。
焼肉気分が高まる中で見つけたのは、焼き魚の店「おうちごはん はるね」。迷いながらも入店した五郎は、さばみりん定食と豚汁、小鉢を組み合わせて注文する。
その食事は、追加注文や味変を重ねながら、思いがけず“完成された流れ”へと変わっていくのだった。
五郎の食べ方を解説|さばみりんと豚汁の“正しい食べ順”
① さばみりんで“甘さ”からスタートする
まず五郎が口にするのは、さばみりんです。ここで食事は“甘さ”からスタートします。
「みりんの甘い香りがたまらない」
「旨味がぎゅっとなって…うまいなぁ」
みりん干し特有の甘さに加え、脂と香ばしさが重なり、“ご飯を呼ぶ甘さ”に仕上がっています。単なる焼き魚ではなく、最初の一口で食欲を一気に引き上げる役割です。
ポイントは、このまま食べ進めるのではなく、すぐにご飯を合わせることです。甘さと白米を組み合わせることで、最初の満足感を一気に作っていきます。
② 豚汁で主軸を作る|ひき肉と甘みの正体
さばみりんで食欲を引き上げたあと、五郎は豚汁に向き合います。今回の食事において、実はここが“主役”です。
「お、ちょっと甘みがある。こういうタイプか」
「へえー、ひき肉。珍しいな」
一般的な豚バラの豚汁とは異なり、ここではひき肉が使われています。脂の強さではなく、出汁のように全体へ溶け込むことで、やさしい旨味を作り出しているのが特徴です。さらに甘みのある味付けによって、“汁物”ではなく“おかず”として成立しています。
まずは単体で味を確かめ、その後にご飯と合わせることで、甘みと旨味がより際立ちます。ここで食事の軸が定まり、後の展開が安定していきます。
③ 小鉢で味のリズムを整える|ひじきとポテサラの役割
メインを支えるのが、小鉢の存在です。ひじき煮とポテトサラダ、そしてしいたけめんたいチーズ。それぞれが“味の流れ”を調整する役割を持っています。
ひじきについて五郎は、
「いつもそばにいて欲しい」
と表現します。主張しすぎず、それでいて確実に満足感を底上げする、安定の一品です。
一方でポテトサラダは、
「この美しい和食の流れを、ポテサラで部分転調」
と語る通り、味の方向性を一度切り替える役割を担います。和食が続く流れの中で、あえて別の要素を挟むことで、食事全体のリズムが整います。
しいたけめんたいチーズもまた、和と洋の中間のような一皿で、単調になりがちな流れに変化を加える存在です。
小鉢は“箸休め”ではなく、“流れを変えるために挟む”意識で使うのがポイントです。連続して食べるのではなく、メインの合間に取り入れることで効果が発揮されます。
④ サバ重ねという戦略|みりん干し→文化干しの意味
ここで五郎は、追加でさば文化干しを注文します。
「今の俺は味じゃない、サバ重ねだ」
みりん干しの“甘さ”に対して、文化干しは“塩”。同じサバでも味の方向性は大きく異なり、この順番で食べることで味覚がリセットされ、再び食事の満足度が立ち上がります。
これは単なる追加注文ではなく、“味を重ねる”という明確な戦略です。
再現する場合は、みりん干しを食べ切ってからではなく、余韻が残っているうちに文化干しを取り入れることが重要です。このタイミングで食べることで、塩味がより際立ちます。
⑤ 味変で完成させる|柚子胡椒・一味・コチュジャンの使い方
後半は味変によって、食事がさらに展開していきます。
柚子胡椒はサバの脂を引き締め、一味は豚汁の甘さに輪郭を与えます。そしてコチュジャンは、甘さと辛味を同時に加え、“別の料理”のような印象へと変化させます。
「予想を越えた美味しさ革命」
重要なのは、一度にすべてを加えるのではなく、段階的に変えていくことです。味の変化を積み重ねることで、最後まで飽きずに食べ進めることができます。
⑥ 締めの豚汁うどん|味の重ねが最終形になる
食事の最後に五郎が選んだのは、豚汁うどんです。ここまで積み重ねてきた味の流れが、この一杯でひとつにまとまります。
「うん、うんうん、うん。やっぱりうまいよな」
甘みのある豚汁にうどんが加わることで、満足感はさらに高まります。そこに一味を入れると味が引き締まり、さらにコチュジャンを加えることでコクと辛味が重なっていきます。
仕上げに柚子胡椒を加えることで、香りとキレが加わり、複雑になりかけた味をもう一度まとめ上げます。
本来であれば崩れてしまいそうな組み合わせですが、ひき肉の旨味が全体を受け止め、味を丸く収めているのが特徴です。
再現する場合は、最初から完成形にするのではなく、段階的に味を変えていくことが重要です。そうすることで、最後の一口まで“美味しさが更新され続ける”流れを体験できます。
味変まとめ|今回の“美味しさの仕組み”
今回の食事は、単に料理を並べているのではなく、味を重ねながら完成させていく構造になっています。その中核にあるのが「味変」です。
まずベースとなるのは、甘みのある豚汁と、脂と香ばしさを持つさば。ここに一味を加えることで、甘さに輪郭が生まれ、全体が引き締まります。
さらにコチュジャンを加えることで、甘みと辛味が重なり、コクのある別の味へと変化します。五郎が「予想を越えた美味しさ」と感じたのは、この“甘さ+辛さ+発酵”の組み合わせによるものです。
そして柚子胡椒は、ここまで重なってきた味を整理する役割を担います。香りと軽い刺激によって、脂や甘みをリセットし、最後まで飽きさせない流れを作ります。
重要なのは、これらを一度に加えるのではなく、段階的に変化させていくことです。味を重ねる→整える→また重ねる、というサイクルによって、食事は最後まで“更新され続ける体験”になります。
今回の一連の流れは、さばみりんの甘さから始まり、文化干しの塩でリセットし、味変によってさらに展開し、最後は豚汁うどんでまとめるという構造です。
つまりこの回の美味しさは、「料理そのもの」だけでなく、“どう重ねていくか”によって完成していると言えます。
ふらっとQusumi|もう一軒で見える「はるね」の本質
本編の食事を終えたあとに描かれる「ふらっと久住」では、原作者の 久住昌之がもう一度「はるね」を訪れ、別の角度からこの店の魅力が語られます。
まず印象的なのは、瓶ビールを自分で取りに行くスタイル。形式張らない距離感があり、“おうちごはん”という店名の通り、肩の力を抜いて過ごせる空気が流れています。
料理もまた、本編とは違ったラインナップが登場します。いかオクラ納豆やあさりバターといったシンプルな一品ですが、素材の良さと手作り感が際立ち、食事というより“日常の延長にある一杯”として楽しめる構成です。
さらにこのパートでは、店の成り立ちについても触れられます。もともと「豚汁をメインにやりたかった」という女将の言葉から、この店の軸がどこにあるのかが見えてきます。
本編ではさばみりんや文化干しといった焼き魚に目が向きますが、実際には豚汁こそがこの店の中心にある存在です。そしてその豚汁を軸に、定食や一品料理が組み立てられていることが、「ふらっと久住」を通して補強されます。
つまり「はるね」は、特別な一皿を出す店というよりも、日々の食事を丁寧に積み重ねた“生活の味”を提供する場所です。本編で感じた“自由に重ねていく食事”という魅力は、この背景によってより納得できるものになっています。
まとめ|“好きなものを重ねる”おうちごはんの完成形
『孤独のグルメ シーズン11』第1話で描かれた「おうちごはん はるね」の食事は、単なる焼き魚定食ではありませんでした。
さばみりんの甘さから始まり、豚汁で軸を作り、小鉢で流れを整え、文化干しで味を切り替える。そして味変によってさらに展開し、最後は豚汁うどんでまとめる――この一連の流れそのものが“ひとつの食事”として完成しています。
五郎はその場の気分や周囲の料理に影響されながら、追加注文や味変を重ねていきました。しかし結果として生まれたのは、無秩序ではなく、しっかりと組み立てられた食体験です。
「今の俺は味じゃない、サバ重ねだ」
この言葉が示すように、今回の食事の本質は“何を食べるか”ではなく、“どう重ねるか”にありました。
好きなものを自由に選び、組み合わせ、変化させていく。その過程こそが「はるね」の魅力であり、“おうちごはん”という言葉の意味でもあります。
気取らず、それでいて確かな満足感がある。そんな食事の形が、この一話には丁寧に描かれていました。
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