【記憶捜査スペシャル3】7年前の事件は冤罪なのか?

スペシャルドラマ
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2025年3月10日に放送された【記憶捜査スペシャル3新宿東署事件ファイル】のネタバレと感想をまとめています。

鑑識の木地本から鬼塚は7年前に起きた事件が、冤罪かもしれないと聞かされる。かつて鬼塚が担当した事件で、容疑者が自供したことで懲役7年の刑が確定していた。犯人でないのなら、なぜ男は自供したのか?そして真犯人は誰なのか?

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【記憶捜査スペシャル3】のキャストとスタッフ

キャスト

レギュラー

  • 鬼塚一路(おにづか いちろ)…北大路欣也
    新宿東署・司法係長
  • 遠山咲(とおやま さき)…上白石萌音
    新宿東署・司法係
  • 神啓太郎(じん けいたろう)…風間俊介
    新宿東署・署長
  • 世条匠(よじょう たくみ)…松島聡(timelesz)
    新宿東署・捜査一係
  • 山崎清(やまざき きよし)…内田朝陽
    新宿東署・捜査一係
  • 須藤勇樹(すどう ゆうき)…白石隼也
    新宿東署・捜査一係
  • 栗田史郎(くりた しろう)…石黒賢
    新宿東署・捜査一係長
  • 木地本淳子(きじもと じゅんこ)…余貴美子
    新宿東署・鑑識係長
  • 郡司敏則(ぐんじ としのり)…佐藤孝之
    新宿東署・鑑識係
  • 大橋幹…谷本貴彦
    新宿東署・庶務係

ゲスト

  • 臼井裕美(うすい ひろみ)…佐津川愛美
    ジェイク法律事務所・弁護士。7年前の事件で矢部を弁護した国選弁護人
  • 矢部優介(やべ ゆうすけ)…袴田吉彦
    7年前の事件で逮捕された受刑者
  • 矢部奈央子(やべ なおこ)…橋本マナミ
    優介の妻
  • 戸倉英明(とくら ひであき)…モロ師岡
    「戸倉不動産」社長
  • 才谷春雄(さいたに はるお)…村松利史
    7年前の事件被害者
  • 甲斐永次…飯田基祐
    警視庁・第四方面刑事部長。警視正
  • 井山明日花(いやま あすか)…秋山ゆずき
    毎朝日報社・社会部記者
  • 深町圭子(ふかまち けいこ)…高橋かおり
    バー「マ・ヤン」のママ
  • 担当者…松澤一之
    タクシー会社 つのはず自動車の担当者
  • オーナー…高山璃子
    彫金店「Shin’s SCULPTURE」のオーナー
  • 元上司…志村東吾
    研育出版の矢部優介の元上司
  • 記者…渡部克哉
  • 職員(法テラス)…藤堂海
  • 客引き…Andy S、Apollo、Rudy F

スタッフ

  • 脚本:櫻井武晴
  • 監督:白川士
  • チーフプロデューサー:中川順平(テレビ東京)
  • プロデューサー:川島永次(ホリプロ)、小池裕二(ホリプロ)
  • 製作:テレビ東京、BSテレ東、ホリプロ
  • 公式HP
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【記憶捜査スペシャル3】のネタバレ

被害者であるタクシー運転手の才谷は、殺害される1ヶ月前に車を当て逃げされた。犯人はそのまま逃げてしまい、逮捕されなかった。

事件当日、才谷は偶然、当て逃げをした人物である、臼井裕美を見かけて尾行する。そして、彼女を警察に突き出そうとすると、裕美は偶然通りがかった矢部優介と戸倉英明に「痴漢だ」と助けを求めた。

矢部と戸倉は才谷に殴る蹴るの暴行をし、それでも諦めずに近づいてきた才谷を、戸倉は突き飛ばす。その結果、才谷は頭を強く打って亡くなってしまった。

矢部は自分が身代わりに刑務所に行ってもいいと、2人と取り引きをして仮出所まで勤め上げた。警察が捜査をし始めたことで、戸倉が自殺しようとしていたところ、やってきた裕美は遺書で自分のことを書いてないか問いただすが、構わず戸倉は飛び降りて亡くなる。

証拠をいくつも積み上げた結果、裕美を追い詰めた鬼塚は、彼女を逮捕した。

7年前の事件

令和5年3月、新宿東警察署で遠山咲(上白石萌音)が刑事試験に合格し、鬼塚一路(北大路欣也)からどの署で刑事になっても新宿東署に顔を出すよう声をかけられる。みんなで彼女の門出を祝う

1年後、咲は刑事になったものの配属が決まらず、新宿東署で認知票の入力をしていた。栗田史郎(石黒賢)は刑事講習の有効期限内に配属が決まらなければ、一般警察官に戻ることになると告げる。そんな中、木地本淳子(余貴美子)が鬼塚に「四季の路」傷害致死事件の捜査資料を持ってきて、冤罪の可能性を示唆する。

7年前、平成29年4月。歌舞伎町「四季の路」で男性の死体が発見され、木地本が臨場した。現場に脱穀前の米である籾が落ちていた。防犯カメラ映像では、被害者の才谷がトイレから出た後、停めていたタクシーとは反対方向に進んでいたことが確認された。さらに死亡推定時刻に、熊手を持った人物が歩いていたことがわかる。熊手に刺さった稲が、現場の籾と関係があると木地本は考え、鬼塚に伝える。

1ヶ月後、平成29年5月。鬼塚たちは矢部優介(袴田吉彦)の家に向かう。矢部は今から自首するところだったといって連行された。取調室で動機を語るが、被害者の才谷春雄(村松利史)とは面識がないと話す。

令和6年3月。調査の結果、矢部と才谷に個人的なつながりはなかったことが裏付けられる。才谷の顔にあった傷は、矢部の自白書に記載されたものによると、熊手でつけた傷で、現場に籾が飛び散ったため、証拠隠滅のために熊手守を持ち去ったいう。

さらに、昨日起きた傷害事件の被害者の傷が、7年前の傷にそっくりだった。しかしこれは犯人のブレスレットでついたものだった。矢部は当時ブレスレットを持っていなかったことがわかり、犯人は矢部ではない可能性が浮上する。

矢部は自白しているが、7年前にブレスレットを持っていたかどうかを確認するため、服役中の矢部に聴取を打診するという神啓太郎(風間俊介)署長。矢部は懲役7年で、そろそろ出所する予定だった。

気になった点

鬼塚は7年前に気になった2つの点を挙げる。1つ目は被害者のメガネに付いていた指紋が前歴のないもので、通常なら見づらくてすぐに拭くはずなのに、殺害時かその後に付いた指紋ではないかという疑問。捜査では、死体発見時に集まった野次馬や救護者の指紋とされていた。

2つ目は矢部が持っていた熊手守で、事件が起きたのは4月で酉の市の時期ではないため、なぜ被害者がその時期に熊手守を持っていたのか不審に思っていた。矢部はすぐに自白したため、裏付けを取る時間がなかったという。

郡司敏則(佐藤孝之)が7年前の熊手守を持ってきて、裏に貼られたシールを確認する。ブレスレットは管轄で10年前から販売されていた限定品で、傷害事件の犯人は先月ネットで購入したと証言しているため、つまり7年前の犯人ではなかった。

矢部は聴取を拒否し、妻の奈央子(橋本マナミ)にも断られた。神は7年前に矢部の国選弁護を担当した弁護士・臼井裕美(佐津川愛美)にあたるよう勧める。裕美は矢部の10年刑を7年に減刑した弁護士で、鬼塚が会いに行くと、裕美は当時のことをよく覚えていると言う。鬼塚が冤罪の可能性を指摘すると、裕美は「ずっと気になっていました」と語り、矢部に警察の聴取を受けるよう依頼してもらえないかと頼んだ。

手がかり

熊手に貼られたシールを赤外線で特殊撮影を行った結果、「マ・ヤン」という店の名前が浮かび上がった。鬼塚はゴールデン街に「マ・ヤン」という店があると話し、咲はすぐにその店に向かう。

店主の深町圭子(高橋かおり)に話を聞くと、店のシールは10周年記念で作ったものだという。咲が才谷と矢部の写真を見せると、圭子は2人とも来たことはないと答える。そして、熊手を持っていたのは戸倉英明(モロ師岡)という人物だという。

咲が戸倉に話を聞きに行くと、戸倉は覚えていないと答える。咲がブレスレットの写真を見せ、「こういうものを持っていませんか?」と尋ねると、戸倉は「ブレスレットはしないので」と返答。咲は「写真だけでよくブレスレットとわかりましたね」と突っ込む。

一方、須藤勇樹(白石隼也)と山崎清(内田朝陽)はブレスレットを販売した店で聞き込みを行う。100個限定で販売されたブレスレットの売り手はわからないかと尋ねると、ネットやカードで購入した人の情報ならわかるかもしれないといわれ、調査を依頼した。

謎の女性

署に戻った咲は、矢部の妻・奈央子がそこにいたため、鬼塚と一緒に話を聞くことにする。奈央子は「私たちのことをほっといてもらえないか」と言い、犯人の目撃証言について話し始める。

矢部が四季の路から飛び出してきた時、若い女性がぶつかり、腕時計が壊れたという。女性は血のついた両手の男が犯人だと思い、矢部を訪ねてきたと話す。しかし、奈央子はその男が夫とは違う気がしたと感じる。なぜなら、ぶつかったのは帽子をかぶったスーツ姿の男で、夫は普段スーツを着ず、帽子もかぶらないからだ。警察に証言するよう頼んだが、その女性は名前も言わずに帰ってしまった。

奈央子は、夫が犯人だと自白したからもういいと話す。そして、夫が出所したら即離婚すると決意していた。7年間離婚しなかったのは、父の介護をしていたからだという。夫はほとんど手伝わず、文句を言うと毎晩飲んで帰ってきた。やがて会社を無断欠勤し、解雇されることになる。その退職金で父を施設に入れたが、父も亡くなったため、奈央子は「私も自由になってもいいでしょう?」と話した。

鬼塚は奈央子の父が入っていた施設について聞き、介護付き老人ホーム「クラシアテラス落合」と判明する。この施設には、入居費用が1000万近く必要で、月額25万円が別途かかる。退職金でそれをまかなえるかと鬼塚は考える。矢部は「研育出版」という教育系の出版社に勤務していたこともわかる。

咲は戸倉不動産のマークと、この介護施設のマークが同じことに気づいた。鬼塚は咲に平成29年4月13日深夜2時頃の認知票を調べてほしいと依頼する。その日時は、才谷が殺害された7年前の日時で、発生場所は四季の路の北側出入り口で、ぶつかった男と腕時計が壊れたことが記載されていた。奈央子が言っていた人物は、認知票に名前がある井山明日花(秋山ゆずき)という女性だった。

鬼塚と咲は毎朝日報社の東京本社に行き、井山明日花に話を聞くことにする。明日花は、腕時計を壊されたときは大学生だったと話し、ぶつかったその夜に交番で被害届を出したが、男の手が血まみれだったことは言わなかったと説明する。暗かったので血とは思わなかったとのこと。結局、時計の弁償はされなかったし、警察で証言を求められた際、面倒になって証言しなかったという。

鬼塚は今も時計を持っているかと尋ねると、明日花は持っていると言う。冤罪の可能性があるのかと興味を示す明日花に対し、鬼塚は咲が配属待ちの刑事なので、今のうちに知り合いになっておくと得だと伝える。すると、明日花は時計を渡すことに同意する。鬼塚が矢部の写真を見せると、明日花はその人物が誰かはわからないと言う。ぶつかった相手は、リボンが巻かれた中折れ帽をかぶっていたと覚えていた。その後、咲が戸倉の写真を見せるが、明日花は戸倉も知らなかった

帽子の男

一方、矢部の元勤め先で世条匠(松島聡)が話を聞くと、退職金については「そんなには」という返答を得る。

咲は鬼塚に時計を預けた後、圭子に再び話を聞きに行く。すると、署長から電話で矢部が面会を希望しているとの連絡が入る。

咲は圭子に、戸倉が熊手を持っていた時にかぶっていた帽子が中折れ帽だったか確認すると、圭子はソフト帽だったと答える。ソフト帽とは中折れ帽のことだと説明し、戸倉は中折れ帽をかぶっていたことになる。咲が出て行った後、圭子は戸倉に電話をかける。

咲はソフト帽だったことを鬼塚に電話で伝え、鬼塚と署長は矢部の面会へ向かう。面会時、矢部は「妻や弁護士にこれ以上迷惑をかけたくなかった」と言い、マ・ヤンについて尋ねると「知らない。行ったこともない」と答える。

熊手を見せると、「被害者が持っていたものだ」と認めるが、ブレスレットについては見覚えがないと言い、写真を見てもそれがブレスレットかどうかも分からないと返答する。被害者がブレスレットでできた傷だと言われると、動揺する。

さらに、「殺害したのはあなたなのに、なぜ持ってないのか?」と続けると、矢部は「なんだよ、ちゃんと説明してくれ」と反論する。最後に、署長が描いた帽子の絵を見せると、矢部は「そんな高級品、持っていない」と答えた。

新たな事件

鬼塚が部署に戻ると、咲が戸倉の会社が平成29年5月に上場していたことを伝える。事件があった翌月だったという。さらに、介護施設が戸倉の会社の系列だったことも明かす。退職金は11回も振り込まれており、1回目は会社名義だったが、2回目以降は退職手当名義で振り込まれていた。しかし、戸倉の会社は手当名義では振り込まないため、2回目以降の振込は会社からではなく、しかもその額が合計で2000万以上あったことが判明する。大企業でもないのに退職金が多すぎることが疑問視される。

さらに、須藤たちが戸倉社長がブレスレットを買っていたことを突き止め、購入日は事件の3年前であることがわかる。また、明日花から借りた腕時計を調べると、わずかな血痕が見つかり、戸倉の名刺にあった指紋のDNAと一致したという。

その後、鬼塚たちは戸倉の会社に向かうが、後ろから何かが落ちてきた。確認すると、それは戸倉だった。病院で戸倉の死亡が確認され、戸倉が落ちたビルは工事中で防犯カメラは全て停止していた。このビルは戸倉の会社の物件だった。屋上には2つのゲソ痕があり、1つは戸倉のもので、もう1つは戸倉のゲソ痕と争っていたと見られる。つまり自殺ではなく、殺人の可能性が高まった。サイズから見て女性のゲソ痕だった。

正しい人生

その後、栗田は警視庁・第四方面刑事部長の甲斐永次(飯田基祐)に呼び出され、7年前の犯人が違っていた可能性が高いと話す。甲斐は捜査は適正に行われたと発表するよう、神に命じる。さらに、真犯人が死亡したとされるが、事件性があるため、7年前の事件については真犯人を殺した犯人逮捕と一緒に発表するよう命じられ、冤罪だったことは保秘で進めることとなった。

戸倉の自宅を捜索すると、中折れ帽がたくさん見つかり、そのうちの一つに籾が挟まっていた。その帽子には血痕があり、才谷の血液と照合していた。さらに、7年前の現場にあった籾との鑑定も、鬼塚は頼んでいた。

その話をしている最中、甲斐がやって来る。鬼塚が突き止めたことで神が今後不遇な目にあうと警告し、鬼塚に「首を突っ込むな」と文句を言って帰る。ショックを受けているみんなに神は、「自分は立派な経歴よりも、正しい人生を選択する」と語る。さらに、「今考えるべきことは、自分の経歴ではなく、戸倉を殺した犯人を捕まえることだ」と続ける。

署長の言葉で気付いた咲は、「刑事になるより、ちゃんと警察官でいるほうが、ずっと大切なんですね」と話す。神は咲に、「自分はそれを、新宿東署で鬼塚さんから学びました。あなたの中にも根付いているはずです、遠山くん」と誇りを持って言う。

その後、神は鬼塚に頭を下げて立ち去り、残された鬼塚は一人、神の言葉を噛み締めて感極まった

深まる謎

捜査本部での会議で、帽子の血痕が才谷の血液と一致し、現場にあった籾も一致したことが報告される。これにより、7年前の真犯人が戸倉社長であることが確定する。

その後、鬼塚たちは戸倉が誰に殺されたのかを考える。矢部が犯人でないなら、なぜ自白したのか、なぜ戸倉の身代わりになったのかが疑問となる。しかし、矢部と戸倉には個人的なつながりはなかった。さらに、矢部の退職金がどこから振り込まれたのかを調査すると、2軒のコンビニと2軒の銀行から振り込まれていたことがわかる。ATMの防犯カメラを調べた結果、圭子が振込を行っていたことが確認された。

警察が圭子に話を聞きに行くと、圭子は「戸倉さんに頼まれた。限度額が200万だから、10回に分けるしかなかった」と話し、愛人との手切れ金かと思ったという。ふと世条は店にあった電話のそばに書かれていた、タクシー会社の電話番号に目を留める。

電話番号は被害者がタクシー運転手であることから、才谷がいた会社に関係していたことが判明する。新聞に7年前の事件が冤罪の可能性があると報じられ、その記事は明日花によって書かれていた。咲がそのことを文句を言うと、明日花は開き直る。

その後、明日花が「取材をさせて欲しい」と提案するが鬼塚は断る。明日花は「明日までにしないと価値が半減する」と食い下がるが、鬼塚はそれでも断った。

記者会見

戸倉と圭子の間には特に関係がなかった。戸倉は会社が上場してから酒も飲まなくなり、戸倉と矢部、また戸倉と才谷にも関係がなかった。

その後、テレビをつけるように大橋幹(谷本貴彦)が指示する。テレビ画面では、矢部と妻の奈央子が法律事務所で会見を開き、奈央子が再審請求をすると発表していた。記者から「なぜ今?」と突っ込まれ、奈央子は挙手で質問を受け付けると、なぜか弁護士の指名の間に入り、奈央子が明日花を指名し、「無罪を主張する」と宣言する。

明日花からの質問が続き、「なぜ7年前に自白したのか?」との問いに、矢部は「取り調べを担当した刑事に自白を強要されたから」と答える。その後、検察調べや裁判では主張していなかったため、控訴しなかった理由として「司法に幻滅して自暴自棄になっていた」と話す。鬼塚は記者と彼らが打ち合わせができていることに気付き、矢部が「自白を強要した刑事は鬼塚という刑事です」と言ってしまう。

慌てて口を挟む弁護士は、「国を訴えることはあっても、警察官個人を訴えるつもりはない」と否定する。矢部が口を滑らせた事故という体裁をとっていた。

その後、捜査本部に緊急招集がかかる。奈央子は、介護施設を探してくれた優しい夫が、体の悪い人を殴り殺すなんて絶対にありえないと話す。会見を見ていた鬼塚は、法律事務所に直接行くことを決意する。

やらせ会見

会見を終えて出てきた矢部夫妻と鬼塚が話をする。鬼塚はなぜ熊手守を持っていたのかと尋ねると、矢部は「現場近くで拾ったから」と答える。しかし、なぜそれを才谷が持っていたと嘘をついたのかと続けると、奈央子が「鬼塚の取り調べが怖かったから」と弁解する。

次に、鬼塚はあの女性記者について尋ねる。「かなり練習しましたか?」と鬼塚が聞くと、妻は「しましたよ」と答える。妻は、夫が仮出所してすぐに彼女が訪ねてきて、色々と教えてもらったと語る。そして、夫を信じてやれなかった自分を恥じており、夫の無罪を証明することが自分の罪滅ぼしだと強調する。

帰ろうとする矢部夫妻の前に、大橋が戸倉の写真を見せる。鬼塚は「やはり、この人を知っていましたか?」と問いかけるが、矢部は「知りません」と答える。しかし、鬼塚は「中折れ帽イコール高級品じゃない。しかし、戸倉さんが持っていたものは、高級品ばかりだった」と指摘し、つまり矢部は戸倉を知っていたことになると断言する。

その時、妻は弁護士を呼び、間に入って話を止める。鬼塚が「才谷さんが体が悪いという情報はどこで知ったのか?」と問いかけると、弁護士がその場で話を遮った。

当て逃げ

才谷が勤めていた「つのはず自動車」で咲たちは話を聞くと、才谷は足が悪かったものの、運転には支障がないはずだったという。事故は30年以上前、昭和64年1月7日、昭和最後の日に起きた。休憩するために駐車した際、サイドブレーキを引き忘れて車が前方に止まっていた車に衝突した。事故当時は足に問題はなかったが、15年ほど経ってから、足に違和感があると言い出した。

平成16年1月に病院を訪れた際、医師から15年前の事故が原因ではないかと指摘され、片側の足が短くなっていることが判明した。その後、才谷はさらに事故を起こしていた。平成29年3月、殺される1ヶ月前、営業区域外の川崎で法定速度で走行中、対向車線を走っていたシルバーのセダンがセンターラインを越えて接触。右フェンダーミラーが全損壊し、相手のセダンは逃走したため、警察に通報した。ナンバーや運転手は確認できなかったが、接触直前に女性が運転していたことはわかっていた。ドラレコはその時点ではまだ搭載されていなかった。

9人で捜査

警察署の前で鬼塚はマスコミに囲まれ、何とか部署に戻ってきた。接触事故の詳細を知るため、咲たちは警察の資料を取り寄せ、それを部署で鬼塚と一緒に確認する。塗料痕とタイヤ痕を調べた結果、前歴は見つからなかった。管轄の修理業者を捜査したが、発見には至らなかった。

その後、鑑識で才谷のメガネに付いていた指紋を、鬼塚の指示である女性たちと照合した結果、一致する人物が見つかる。鬼塚はその瞬間、真実がわかったと確信する。そして、7年前の傷害致死事件は、平成に起きた事故と、その前に起きた昭和の事故が全てつながっていると語る。

鬼塚は7年前に彼女が関わっていた、修理業者を探すように指示を出すが、捜査本部はそれを許そうとせず、捜査員たちは戸惑っていた。その時、署長がやってきて、鬼塚、栗田、木地本、遠山、世条、山崎、須藤、郡司、そして自分を含む9人で捜査を行うよう指示した。

犯人の正体

7年前、弁護士の臼井裕美の父親の車が、修理に出されていたことが明らかになる。タイヤ痕と塗料痕が、修理に出されていた父親の車の情報が一致したため、7年前、才谷の車と事故を起こしたのは、裕美であることが判明する。

裕美は事務所に就職したのが7年前で、気が緩んでいたのかもしれないと話す。運転中、鳴った電話に気を取られて事故を起こし、就職がダメになるかもしれないと思い、逃げ出してしまったことを告白する。

さらに、才谷が殺害された日、現場近くの防犯カメラを調べたところ、裕美の姿が映っていた。裕美は就職祝いを友人にしてもらったと話すが、才谷のメガネに付いていた指紋が裕美のものと一致していた。

家宅捜索で裕美の靴を調べたところ、戸倉が死んだ現場にあったゲソ痕と一致した。これにより、戸倉を殺害した証拠が見つかったが、裕美は「戸倉社長は殺していない」と否定する。

7年前に起きたこと

どちらにしろ聴取を受けることになると言うと、観念した裕美は7年前の話を始める。あの夜、友人に祝ってもらった後、偶然トイレから出てきた才谷が後をつけてきた。ベンチで休んでいると、才谷が「お前、当て逃げしただろ」と文句を言い、「お前のせいで足が悪くなったんだぞ」と言われ、裕美は初めて彼の足が悪いことを知る。そのことをつい矢部の奥さんに話してしまい、奥さんはああいった行動を取ったと説明する。

その後、才谷が「今すぐ交番に連れていく」と言って腕を引っ張ったが、裕美は「この人痴漢です!」と叫び、通りかかった矢部と戸倉が助けに入った。矢部と戸倉は才谷に、殴る蹴るの暴行を加える。それでも才谷が立ち上がり向かってくると、戸倉と裕美が払い除けた時に、才谷は頭を打って死んでしまった。戸倉が才谷の具合を見に頭に触れた時に、手に血がついた。

才谷には暴行の痕跡がかなり残っており、過剰防衛で傷害致死になってしまうと裕美は取り乱す。戸倉も会社の上場がかかっているため、焦っていた。矢部は「刑務所に行くことで現実から逃れられるなら」と言い、「いいよ、俺が1人で罪をかぶるよ」と言いながら熊手守を拾う。

3人はその場で取り引きを決める。戸倉は矢部の義父を入れるための介護施設を紹介し、金は全部出すと約束する。裕美は国選弁護を受けられるように、その金をすぐに使うよう命じ、その後弁護することを提案する。国選業務ができるのは5月からなので、その頃に自首するよう伝えた。それまでに父親を施設に入れ、もらった金を使い果たすように命じ、できるだけ刑期を短くすることを裕美は約束する。

しかし、矢部が自首する前に捕まってしまう。矢部が勾留された後、裕美はすぐに管轄の法テラスに行き、事件を担当することになった。最終的に裕美は10年の刑を7年に減刑した

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事件の真相

だがある日、戸倉が突然電話をかけてきた。警察にバレている、君もバレているかもしれないから気をつけろ、と言ってきた。戸倉の言葉に驚き、変な遺書を残して死なれては困ると思い、裕美は戸倉の会社に向かう。その途中でビルに入っていく戸倉を見かけ、裕美は追いかけて屋上に向かう。

屋上で戸倉と話すと、戸倉は「このビルはまるで俺なんだよ」と語り始める。自分がよかれと思って外壁の装飾やネット環境を整えた結果、気づいた時には土台が壊れていたと言う。

そして、仕事に打ち込んでいたせいで妻が出ていき、会社を上場することに夢中になるあまり、人を殺したことから逃げていたと話す。続けて、耐震工事よりも壊す方が安いと言い、もし自分が落ちても土地の値段は下がらないだろうと語る。裕美が「変な遺書でも持ってないでしょうね?」と尋ねると、戸倉は笑ってから飛び降りた

その後、裕美は自分が殺したわけではないと言う。「勝手に死んだ」と語る裕美は、奈央子が再審請求をしたいと言い出した時には驚いたが、戸倉が死んだ今はチャンスだと思い、戸倉に罪をかぶせ、矢部の冤罪を晴らすことでキャリアを築けると考える。

7年前の傷害致死罪は認めるが、自首扱いにして欲しいという。さらに自分が矢部が7年前の犯人の1人だと証言すれば、鬼塚は自白を強要した刑事ではなくなり、キャリアに傷がつかなくなると提案する。栗田はその考えに呆れていたが、裕美はそれなら再起できるかもしれないと話す。

鬼塚はあくまであなたの自白に過ぎないといい、世条は自白だけを信じることは、冤罪を作る可能性があると警告した。そして木地本も、裏付ける証拠が出るといいわねと話す。

裕美に対して鬼塚は「これが7年前、あなたがしたことのすべてです」と言い、咲は「戸倉社長は最期にこう言ったんですよね。このビルは見栄えをよくしようと思って、かえってお金と時間のかかる改修工事になってしまったって」と話す。鬼塚は「キャリアを優先しようとして、人生を台無しにしてしまったという話です」と続ける。

最後に鬼塚は「これからは、かなりの苦労を伴った人生のやり直しが待っている。目覚めてくださいね。きっと」と告げると、裕美はその場に崩れ落ち、警察に連れて行かれた

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【記憶捜査スペシャル3】の結末

記者会見を開いた神は、矢部の仮釈放が取り消されることになるだろうと話す。弁護士と結託して再審請求をしたためだという。明日花が「7年前は冤罪ではないのか?」と尋ねると、神は「当時の警察の捜査は適正だった」とはっきり答える。

その頃、外に警察がやってきている中、奈央子は夫の背中にしがみついて泣いていた。

神は責任問題にはならずに済み、咲は「結局、保身ではなく正義で動いたほうが、組織や自分のためになる。いい勉強になりました」と語る。

咲の配属先は警視庁刑事部捜査一課に、異例の人事として配属されたことが発表される。そのため、時間がかかったが、署長と一緒にこれから捜査一課に挨拶に行くことになる。鬼塚は「たまにはここに、元気な顔を見せてください」と言い、咲は相変わらず慌てて出て行った。

署長から大橋が内示をもらう。新宿で事件が起きると、咲がやってきて、所轄のみんなと一緒に捜査をした。大橋は咲の代わりに、鬼塚の元で勤務することとなった。

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【記憶捜査スペシャル3】のまとめと感想

過去に車に当て逃げした弁護士が偶然被害者に見つかり、その時助けに入ってくれた人たちが返り討ちにして、結果的に死なせたという話しでした。

裕美はとにかく自分を優先し、何でもなかったことにしようと逃げます。その結果、もっと大きな代償を払うことになりました。飲酒をしていたわけでもないし、ぶつかったときに素直に弁償しておけば、結果的に安く済んだでしょう。

登場する裕美をはじめとする女性陣、圭子、明日花、奈央子の誰もが、とにかく感じが悪いです。そのため、誰が犯人なのか意外と後の方まで引っ張られます。特に明日花のグイグイとプッシュするところがすごいです。

咲が警視庁の捜査一課に大抜擢されたので、今後はどうなるのか?また放送される日を楽しみにしています。

【記憶捜査スペシャル3】のいいセリフ

結局、保身じゃなく正義で動いたほうが、組織や自分のためになる。

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