2019年9月15日放送の【刑事ゼロ スペシャル】は、以前放送していた連続ドラマ【刑事ゼロ】の2時間スペシャル版となります。記憶を無くした時矢と相棒の佐相のコンビが、陸の孤島となったホテルで連続殺人事件の謎を解きます。
【刑事ゼロ スペシャル】の概要
- 放送局:テレビ朝日
- 放送日時:2019年9月15日(日)21時~
- 主題歌:THE YELLOW MONKEY「I don’t know」
- 脚本:戸田山雅司
- ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
- プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、和佐野健一(東映)、望月 卓(東映)
- 監督:及川拓郎
- 制作:テレビ朝日、東映
【刑事ゼロ スペシャル】のメインキャスト
- 時矢暦彦(沢村一樹)
- 佐相智佳(瀧本美織)
- 福知市郎(寺島進)
- 内海念也(横山だいすけ)
- 背川葉奈(猫背椿)
- 根本留夫(渡辺いっけい)
- 奥畑記子(財前直見)
- 生田目守雄(武田鉄矢)
【刑事ゼロ スペシャル】のゲスト
- 曽根和海(大東駿介)
精神科医 - 明石舞衣(おのののか)
モデル - 安西樹貴(波岡一喜)
イベント会社 専務 - 宮浦逸夫(長谷川朝晴)
フリーライター - 笠木塔子(宮地真緒)
塾講師 - 黒江ミチル(夏目かな)
7年前の事件関係者 - 森沢雪代(篠原真衣)
7年前の事件関係者 - 森沢治彦(山本佳志)
7年前の事件関係者 - 板橋志朗(菅田俊)
シェフ - 夏目里枝(あらい美生)
メイド - 中路明子(ふせえり)
メイド頭 - 鐘崎輝生(河相我聞)
総支配人 - 萩村重一(永島敏行)
フラワーショップ 店長
【刑事ゼロ スペシャル】のあらすじ
時矢暦彦(沢村一樹)、佐相智佳(瀧本美織)ら京都府警捜査一課13係のメンバーは、毎年恒例の慰安旅行に出発。今年はミステリーツアーという趣向で、行き先も知らされず連れていかれたのは、神戸・六甲山の頂上近くにあるホテルだった。
公式HPより
しかし、大きな宿であるにもかかわらず、宿泊客は13係の面々のほか6人の客一組のみ。しかもこの6人、どこかよそよそしい。訝しく感じた時矢が彼らに事情を聞いたところ、6人はこの日会ったばかりだと明かす。彼らはそれぞれ、7年前この近くで亡くなった女子大生・黒江ミチルの知人で、精神科医の曽根和海(大東駿介)、モデルの明石舞衣(おのののか)、イベント会社専務・安西樹貴(波岡一喜)、フリーライター・宮浦逸夫(長谷川朝晴)、塾講師・笠木塔子(宮地真緒)、フラワーショップ店長・萩村重一(永島敏行)ら素性もバラバラ。彼らは全員、ホテルへの謎の招待状を受け取り、やって来たのだという。
実は7年前、このホテルに宿泊していたIT企業社長が近くの森で殺害される事件が発生。そして翌日、ホテル裏にある薪小屋から火の手が上がり、焼け跡からミチルの遺体が発見されたのだ。当初、2件とも逃走中の強盗殺人犯の仕業と思われていたが、被害者の社長の妻が真犯人と判明。その妻は財産目当てで夫を殺害しただけでなく、偶然、同じホテルに泊まっていたミチルにウソのアリバイを見抜かれたと思い込み、殺害に至ったらしい…。
翌朝、13係一行はホテルを出て温泉に向かうが、佐相が発熱。佐相がいないと記憶喪失がバレてしまうと怯えた時矢も、宿に残ることに。ところがその直後、何者かがホテルから街に通じる1本道のトンネルを破壊し通行不可能に! アンテナや電話回線も遮断され、通信手段が使えなくなってしまった。つまり山を下りることも、助けを求めることもできない“陸の孤島”と化した館に、時矢、佐相、6人の客は閉じ込められてしまったのだ…!
直後、近くにある観光スポット“永遠の愛の鐘”につるされた舞衣の死体が見つかり、一同は驚愕! その後も、閉ざされたホテルの敷地内で殺人事件が起きて…!? やがて時矢自身にも危機が迫り、そのことがきっかけで、失われた20年の記憶が戻ることに…!?
【刑事ゼロ スペシャル】のネタバレ
明石舞衣、板橋志朗、宮浦逸夫殺害犯
曽根和海
動機
7年前の事件でミチルが死んだ理由は、誰かが動画をネットに拡散させたせいだと、ミチルの遺品であるスマホを見て曽根は突き止める。そこで、メッセージアプリで繋がっていた5人を招待した。
招待した後、曽根はそれぞれの様子を探っていた。舞衣が元彼の安西に頼み、ミチルと交際した上で性行為を盗撮させていた。舞衣はミチルが芸能事務所にスカウトされ女優としてデビューするのを妬み、その動画をネットに拡散させた犯人だとわかったので殺害した。
板橋は7年前、自分がホテルに来ていたことを覚えていて、その件で脅迫をしてきた。計画がバレる前に口封じで殺害。
宮浦は7年前の事件を洗い直し、曽根が7年前ホテルに宿泊していたことを突き止める。犯行がバレることを恐れて殺害。
時矢の推理
明石舞衣が殺害された方法は、事前に麻酔で眠らせておき、輪にしたロープを首にかけて鐘の梁の部分で眠らせる。麻酔が切れて起きた舞衣は、梁から落ちてそのまま首を吊ってしまう。鐘の鳴る音を聞いて駆けつけた時矢たちが、そうして遺体を発見した。
板橋は靴のかかとに土がついていたので、何者かに引きずられて木の下に座らされた。犯人は森に呼び出し青酸化合物入りのコーヒーを飲ませて殺害。
時矢たちが温泉に出かけたのを見計らい、爆弾でトンネルを破壊したが、時矢は佐相の看病でホテルにいた。7年前、自分と会ったことのある時矢がいたことに驚き、曽根はとっさに協力者を演じる。
鐘の鳴る時刻近くに時矢たちに近づき、さらに招待状の内容を打ち明けて信用させる。そうして医師として検視を任されるよう仕向けた。板橋の死亡推定時刻を実際より遅く見せかけた。
今回招待された6人のことを13係メンバーに頼んで調べてもらい、曽根がミチルの自主制作映画の撮影をしていたというが、映画のチラシに名前がないことを突き止める。
殺害された宮浦はホテルの宿泊者名簿の写真を撮っており、そこには曽根の名前が書いてあった。宮原は曽根が犯人だと気づき、バレることを恐れた曽根は宮原も殺害する。
【刑事ゼロ スペシャル】の感想
2019年冬に連続ドラマとして放送していた【刑事ゼロ】のスペシャルは、記憶を失う前の時矢こと、ビンテージ時矢が今回登場しました。
キレ者という噂の時矢は、佐相がいなくても推理してしまいます。連続ドラマを見ていた身としては、佐相の存在が薄いのはやっぱり寂しいです。ヌーヴォー時矢のほうが感じもいいし、時矢には気の毒ですが記憶喪失のままでいいかと思いました。
事件としてはこのご時勢、陸の孤島のようなものを作り出すのは中々難しいと思います。細かいところ突っ込みだしたらキリがないので、そこは気にせず事件を追っていくようにする必要があります。
また、犯人が被害者と縁が薄い相手のため、何でそこまでするかな?という気にはなります。しかし、犯人が誰かわからなくするためには、いいのかもしれないとも思います。
普通の2時間ドラマよりも凝ったトリックがあり、突っ込みどころはあるけれど、全体的にはまとまった話にはなっていると思います。【刑事ゼロ】を未見の方でも楽しめるよう出来ていました。
ホテルに招待された登場人物の詳細と今回の事件概要、7年前の事件の概要などをネタバレなしで書きます。
登場人物の詳細
死者からの招待状が届き、ホテルに集められた6人の詳細を1人ずつまとめます。まずは届いた招待状はこんな内容でした。
私を殺したのはあなたです。
それを思い出し、自らの罪の裁きを受けるため、
3月20日に六甲スカイヴィラに来てください。
来なければ、あなたが私にした罪を世間に公表します。
黒江ミチル
招待状にはホテルの宿泊券も同封されていました。そうして集められた人物は全部で6人です。どんな人物たちでしょうか?
- 宮浦逸夫
- 出版社記者
- ミチルの母方の親戚
- 安西樹貴
- イベント会社専務
- 昔ミチルと付き合っていた
- 今は父を手伝ってイベント会社
- 笠木塔子
- 塾講師
- ミチルが高校の頃家庭教師をしていた
- 今は京都市の進学塾講師
- 明石舞衣
- 雑誌モデル
- 小・中・高・大学までミチルと一緒で親友
- 今は東京で芸能事務所所属のモデル
- 曽根和海
- 精神科医
- ミチルと同じ大学のサークルで一緒に自主映画を撮っていた
- 裏方の撮影担当
- 今は京都の病院で精神科勤務
- 萩村重一
- 花屋店主
- ミチルが以前バイトしていた花屋の店長
元恋人から親友や親戚まではわかるのですが、バイト先の店長やら高校時代の家庭教師という謎の人選です。そんな6人以外にも、ホテル側の登場人物についても触れておきます。
ホテルの従業員
- 板橋志朗 シェフ
- 夏目里枝 メイド
- 中路明子 メイド頭
- 鐘崎輝生 総支配人
ホテル従業員はこの4人しかいません。招待された6人とホテル従業員の4人+時矢と佐相の合計12人が、このホテルに閉じ込められます。
7年前の事件について
ミチルが殺されたのはこのホテルで7年前に起きたある事件でした。その事件とは一体どういった事件だったのか?
- 森沢雪代(当時36歳)森沢治彦の妻
- 森沢治彦(当時34歳)IT企業社長
- 黒江ミチル(当時21歳)京華大学学生
六甲山におけるIT企業社長殺害事件(2012年3月20日発生)
治彦氏が離婚を切り出したことから、遺産相続しようと企む妻、森沢雪代に、ホテル近くの森で頭部を石で殴られ殺害される。
六甲山における女子大生焼死事件(2012年3月21日発生)
森沢雪代が警察に嘘の証言をしていたことを、指摘したことから、口封じのためホテルの裏山にある小屋に閉じ込められ、火をつけられて殺害される。
事件としては妻が夫を遺産目当てで殺害するのですが、余計な口出しをしたミチルも殺されてしまいます。
雪代が警察からアリバイを聞かれている時に、「私は部屋でずっとこの刺繍を」と刺繍した布を見せます。しかし、ミチルがそのそばで「その刺繍、最初からできあがってませんでした?」と言います。
幸い警察には聞かれていないのですが、雪代は自分が犯人だとバレるのを恐れて逃走犯だった石田に罪を着せようと考えます。そこで、ミチルを石田の潜伏先だった裏山の小屋に呼び出して閉じ込め、火を放って殺害してしまいます。
この時ビンテージ時矢が事件を解決し、雪代は逮捕され後に死刑となります。
13係の聴取結果
時矢と佐相が閉じ込められているため、残りの13係のメンバーが、6人の関係者に聴取しに行きます。新たに分かった情報はこちらになります。
- 聴取対象:長岡事次(51)
- 捜査対象との関係:笠木塔子の勤める塾の上司
- 長岡事次からの聴取情報
- 笠木塔子は、家庭教師を辞めた後、この塾で働き出した
- 現在は、男子校の補習クラスをメインに担当している
- 男子校の補習クラスを受け持つことになったのは、笠木塔子が希望したから
- 希望した理由は「女子生徒が苦手だから」と回答している
- 聴取対象:大倉友子(32)
- 捜査対象との関係:萩村重一が経営する花材店のスタッフ
- 大倉友子からの聴取情報
- 黒江ミチルがアルバイトを辞めた理由は、萩村重一の妻、辰子が関わっていると話す
- 夫である萩村重一と黒江ミチルが親しげに話す様子を、萩村辰子が睨みつけている場面を何度も目にしたという
- 萩村辰子は、黒江ミチルが夫に「色目を使っている」など、根拠のない話を周囲に言いふらしていた
- 黒江ミチルからバイトを辞めた
- 聴取対象:河嶌芳子
- 捜査対象との関係:明石舞衣と黒江ミチルの中学・高校の同級生
- 河嶌芳子からの聴取情報
- 明石舞衣と黒江ミチルは親友関係ではなかった
- 黒江ミチルは明石舞衣の“道具”だったと話す
- 黒江ミチルへのいじめを裏で扇動していたのは、明石舞衣であった
- いじめられている子をかばうことで周囲からの評価を高めようと、友人に黒江ミチルをいびるように指示していたとのこと
- 上記の内容は、明石舞衣本人の証言と内容が異なる。明石舞衣は黒江ミチルとの関係を「親友」と説明している
- 聴取対象:高野哲朗(28)
- 捜査対象との関係:黒江ミチルが大学時代に所属したサークルのメンバー
- 高野哲朗からの聴取情報
- 主役に抜擢された作品を、芸能事務所の人間が見に来ており、それがキッカケとなり女優としてスカウトされた
- 入部した頃の印象は、地味で目立たず裏方志望だった
- 京華大学映画研究会創立30周年記念作品「明日の朝には」
- ※上記のチラシが、黒江ミチルだ主演した作品で、スカウトのキッカケとなったもの
- まとめ
- 塔子は女生徒が苦手
- 花屋のバイトを辞めた理由は萩村の妻の嫉妬
- 舞衣とミチルは親友ではない
- ミチルは芸能事務所からスカウトされていた
ということが、13係のメンバーによってわかりました。なお、報告書にありませんが、宮浦逸夫は出版社勤務ではなくフリーライターであることがわかります。その宮浦が書いていた記事というものが出てきたので引用します。
兵庫女子大生焼死事件の驚くべき新事実!
7年前に起きた事件に隠された、もう1つの罪とその後…ことの始まりは、2012年3月に、六甲山からの景色を望むことのできる、煌びやかなホテルで起きた事件だった。
7年前、「グランドホテル六甲スカイヴィラ」に宿泊していたIT企業社長・森沢治彦さん(34)が、ホテル近くの森で、何者かに殺害され、その翌日、宿泊客の1人で、女子大生の黒江ミチルさん(21)が殺害されるという事件が起きた。
犯人は、森沢さんの妻・森沢雪代(当時26)であり、遺産目的で夫を殺害した上、偽りの証言をしたと知る黒江さんを殺害した。そんな忌まわしい事件から7年が経った今年、亡くなったはずの黒江ミチルさんから、生前交友のあった6人の男女宛てに、事件のあったホテルの宿泊券が入った招待状が届いたという。その招待状には、こう記されていた。「私を殺したのはあなたです。それを思い出し、自らの罪の裁きを受けるため、3月20日に六甲スカイヴィラに来てください。来なければ、あなたが私にした罪を世間に公表します。黒江ミチル」。
何故、故人であるはずの黒江ミチルからこのような招待状が届いたのか、招かれた6人は、ミチルとどういう関係にあったのか。その謎を追っていく中で、驚愕の事実が発覚した。
6人とミチルの関係はそれぞれ、親戚、元恋人、幼馴染、大学の同級生、元バイト先店長、元家庭教師。招待状によれば「罪の裁き」を受けるために、呼ばれたとのことだが、果たして、明石舞衣さんが裁きを受けた罪とは一体?
そして、他の6人にも、裁きを受けるべき罪があるのか、徹底取材を試みた。
この“罪”というものが何か?全員にあるのか?というのがわかると、今回呼び出された理由となるわけです。
【刑事ゼロ スペシャル】のその他気になったこと
- 13係には毎年恒例のミステリーツアーがある
- 時矢は顔はめパネルで写真を撮り盛り上がる
- 簡単に身分を明かす13係
- 時矢のKYな質問
- 内海の温泉サービスショット
- 風邪はすぐにどっかいってしまう佐相
- 青酸化合物の匂いをかぎまくる時矢
- 遺体は外に置きっぱなし
- 「調べたのは俺だ」とみんなでドヤる13係
- 解決しているのを知らず「解決するのは俺だ」と意気込む福知
【刑事ゼロ スペシャル】のまとめ
7年前の事件も含め“女の嫉妬”が事件の根底にあるということが分かります。舞衣や雪江、花屋の妻のような女性が自分の周りにいるとロクなことが起きません。酷い目にあうどころか、ミチルは最終的に殺されてしまいます。
また、女性には嫉妬の対象の人物が、男性には人気あったりするものだから、余計に嫉妬されるという悪循環です。女の敵は女、そんな言葉を思い出したくなる話です。
見どころとしては沢村さんのビンテージ時矢とヌーヴォー時矢の演じ分けです。役者さんってやっぱり凄いなと思うぐらい、全く印象の違う役を演じきります。ビンテージ時矢は確かに切れ者なのですが、佐相に対しての接し方が冷たく感じます。ヌーヴォー時矢のほうが間抜けですが人柄はいいので、時矢はこのまま記憶戻らずでいいと思います。
またシリーズとなって連ドラに戻ってきそうな予感がある【刑事ゼロ】でした。
【刑事ゼロ スペシャル】の見逃し配信
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