今回で【科捜研の女19】の夏シーズンは終わりです。そのため、レギュラーである解剖医の風丘先生が、人質になってしまいます。風丘先生は無事に救出されるのか?夏シーズン屈指の良回でした。
【科捜研の女19】16話のあらすじ
解剖鑑定書を届けに来るはずの解剖医・風丘早月(若村麻由美)がなかなか現れず、到着を待っていた榊マリコ(沢口靖子)ら科捜研メンバーたち…。そんなとき、京都市内のホテルのラウンジバーで発砲事件が起き、拳銃を持った何者かが立てこもったという知らせが入る。早月がそのホテルでスイーツを購入する予定だったと知ったマリコは嫌な予感を抱き、すぐにバーの防犯カメラ映像を送ってもらう。
公式HPから引用
すると、防犯カメラには予想どおり早月の姿が…! 実は、早月はスイーツを購入したあと乗り込んだエレベーターで、不審な男2人に遭遇。エレベーターの隅で、若い男・古森謙一(忍成修吾)が拳銃を手に、マスク姿の男・館林穣治(三浦浩一)を脅していることに気づいたのだ。しかも、脅されている館林がペン型インスリン注入器を落としたのを目撃。早月は彼が糖尿病患者であることを見抜き、その注入器を届けるため、ラウンジバーに入っていく彼らの後を追い、自ら人質となったのだった。バーは現在、エアコンが故障して休業中で、早月のほかに、修理業者・樋口清史(下元佳好)、ホテルスタッフ・原田千里(小松美月)、その階にいた司法浪人生・陣野宇彦(花田だいき)、主婦・横井敏美(氏家恵)らが人質としてとらわれることに…。
映像を確認したマリコたちは、早月が何やらゆっくり口や指を動かしていることに気づく。それは真っ先に防犯カメラを調べるであろう、科捜研への早月からの“メッセージ”だった。早月は古森に気づかれないよう、防犯カメラを通し、ジェスチャーで単独犯であること、人質は自分を含めて6人であることなど現場の状況を伝えていたのだ。
特殊班捜査係の広橋翔大(合田雅吏)が古森と交渉を開始し、狙撃班がスタンバイする緊迫の状況の中、マリコたちは次々と届く、早月からの命がけのメッセージを読み解こうと独自の調査を続ける。ところがその矢先、現場から銃声が響き…!? はたして、マリコたちは早月を救うことができるのか…!?
【科捜研の女19】16話のネタバレ
【科捜研の女19】16話の感想
夏シーズン最終回ということもあり、風丘先生が人質に取られるという話になります。結論から言うと風丘先生は無事でした。予告や番宣で煽りがちな科捜研の女ですが、時々本当に殉職したりするので気が抜けません。
今回の話はよく出来ていて良回です。夏は寿司、お茶、漬物と変なシーズンでしたが、やればできるドラマな科捜研の女です。科捜研に出入りしていただけあって、風丘先生と科捜研のメンバーの連携がうまくいき、事件解決の手助けをします。
科捜研で見た知識がいざという時に役に立つのか?それはわかりませんが、事件に巻き込まれた時は、防犯カメラに向かってとりあえず何か言ってみようと、そんな気にさせます。
今回は風丘先生がマリコたちに向けた暗号と、そもそも事件の発端になる仮想通貨取引所プリモレガシーの話を補足します。
風丘先生のメッセージ
人質になった風丘先生がなんとか外部の人に、犯人が所持しているのはモデルガンだと伝えるため、ある策を考えます。それは、病人を触診するということです。触診でどう伝えるのか?こんなことを伝えます。
「マクシラ、上顎骨、後頭骨も異常は見られない。歯突起も大丈夫。 篩骨 涙骨も異常なし。大転子も良し。尺骨 鼻中隔も平常どおり」
これだけ聞くと何を言っているのか?と思います。マリコはなぜ“マクシラ”と上顎骨のことを英語で最初に言ったのかと気になります。これが暗号の鍵となり、言葉を全て英訳します。
- maxilla=上顎骨
- occipital bone=後頭骨
- dens=歯突起
- ethmoid bone=篩骨
- lacrimal bone=涙骨
- greater trochanter=大転子
- ulna=尺骨
- nasal septum=鼻中隔
この頭文字を繋げていくと“modelgun”となります。犯人が持っている銃はモデルガン、こうしてマリコたちにうまく伝えることができました。
プリモカレンシーとは?
館林が社長をしている仮想通貨取引所です。この会社が過去に客から預かった金を無くすという、実際にもいくつか起きている事件が元になっています。
事件の概要をドラマ内から引用します。
プリモカレンシー経営者を電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕
仮想通貨取引所「プリモカレンシー」が不正なアクセスを受け、顧客から預かっていたおよそ47億円の仮想通貨が流出したと見せかけて、私物化していたとし、京都府警捜査二課は、プリモカレンシー経営者である館林穣治を電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕した。仮想通貨取引所「プリモカレンシー」(京都市)は今月1日、外部からの不正アクセスを受け、管理していた仮想通貨が不正に流出したと発表した。流出したものはすべて顧客から預かった資産で、その被害額は47億円相当にのぼっている。事件発覚当時から流出は取引所の経営者である館林穣治の自作自演で、不正アクセスによって流出したと見せかけて密かに私物化したという疑いが浮上した。
要するにハッキングされてなくなったと言っているが、実際は自分の懐に入れていたのでは?という疑惑です。実際のところについてはドラマ内で館林が自供するわけでもないのでわかりません。
ただ、被害者や元社員は館林が持っているに違いないと睨んでいます。そして保釈金8000万円と保釈取り消しをかけて、47億という莫大な金額を取引しようとします。はっきりいって、取引するわけがないと思います。服役しようが8000万なくなろうが、47億持っていたら別に構わない気がします。
過去に日本で起きた仮想通貨流出事件
- 2014年2月 マウントゴックス社 ビットコイン流出事件 流出額約470億円
- 社長のマルク・カルプレス氏が業務上横領容疑で逮捕。自作自演の疑いもあり、現在も公判中。
- 2018年1月 コインチェック社 NEM流出事件 流出額約580億円
- 日本円で返金補償。自作自演の噂もあり。
- 2018年10月 仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)3種類のコイン流出事件 合計流出額約70億円
- ビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインの3種が流出
- 事件後に金融支援を受けて一部ユーザーに補償を完了
- 2019年7月 ビットポイントジャパン社 5種類のコイン流出事件 流出額約30億円
- ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、リップルの5種が流出
- 流出した仮想通貨を全て補償する予定
マウントゴックスとコインチェックの流出金額が、凄い金額すぎて他が霞んで見えます。その2社については今でも自作自演の噂が絶えません。
【科捜研の女19】16話のその他気になったこと
- 肌ケアのために窓際に行きたがらない風丘先生
- 犯人から丸見えな狙撃班
- ここに来て第4話に出て来た弁護士の千堂がなぜか再登場
- 突入の時にモタつくSIT
- グチャグチャなもなかを見て「これってかつて、お土産だった的な何か?」という呂太
- 「色が派手な分、かえってアバンギャルドな感じが」とフォローにもならないことを言う亜美
- 風丘先生に無茶なお願いをしている自覚がないマリコ
【科捜研の女19】16話のまとめ
今回の話は全体的に面白かったです。途中でおかしいな?と視聴者にヒントを与えつつ、最後にする答え合わせがスッキリする話です。
さらに科捜研に出入りしていることが、役に立った風丘先生の機転が犯人逮捕へと繋がります。また、犯人側も意味のある人材が揃っているという点も凝っています。
ソリッドシチュエーションで、想定外のことがきっかけで起きる騒動というあたりも、海外の洒落た映画とかでありそうな話です。短い1時間のドラマでやるにはもったいないぐらいの、ちゃんと練られた脚本でした。
夏シーズンは最終回が個人的にベストの回でした。この回以外だとラジオ回の14話が落語みたいな話で面白かったです。
次回は10月17日木曜20時から放送予定です。しばらく間が空く代わりに2時間ドラマでもやって欲しいです。