【科捜研の女19】5話ネタバレ感想|ボブ・ディランとサリンジャー

科捜研の女 2019春ドラマ
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今回の科捜研の女は団塊の世代の人には、懐かしさも感じる話になっていました。ボブ・ディラン、 サリンジャー 、ベトナム戦争、学生運動それらをキーワードに、あるアメリカ人との友情と戦争の後遺症を巡る悲しい話でした。

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【科捜研の女19】5話のあらすじ

焼けた廃倉庫の中から、全身が炭化した遺体が発見された。榊マリコ(沢口靖子)らの鑑定の結果、70歳過ぎの白人男性とわかる。犯人は被害者を薬で眠らせた上で、倉庫に火を放ったようだった。また、現場の近くで古いモノクロ写真が落ちているのが見つかった。そこには、日本人の青年2人とセーラー服の日本人少女が写っていた…。

遺体の頭蓋骨をもとに、マリコは被害者の“復顔像”を作成。その画像を手に土門刑事(内藤剛志)らが聞き込みしたところ、殺された白人男性は事件当日、京都市内の土産物店で抹茶クッキーを購入。その後、投資会社社長・平松恭一郎(寺田農)に面会を求めていたことがわかる。さらに、モノクロ写真の分析を進めた結果、写っていた青年のひとりが、京野菜農家の後藤了胤(大出俊)であることまでわかった。後藤は1968年、自身の生家である寺の境内で何者かに刺されて重傷を負った過去があったが、犯人は見つからず事件は迷宮入りしたという。半世紀前の傷害事件は、今回の殺人に関係しているのだろうか…!?

謎が深まる中、土産物店には平松の妹・及川さくら(中田喜子)が勤めていた事実が浮上! 殺された白人男性と後藤、平松、さくらの関係は…!? そして、被害者が京都に来た目的とは…!?  捜査が進むにつれ、半世紀前、若者だった彼らを翻弄した、とある事件が浮かび上がっていく…!

公式HPから引用
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【科捜研の女19】5話のネタバレ


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犯人

直接的には無し。間接的には平松恭一郎(寺田農)

動機

かつてのペンフレンドだった平松に約束を果たすため会いに来るが、取次ぎもされずに追い返されてしまう

ベトナム戦争に行ったことでPTSDになってしまったリチャードは、一時期に比べて状況はよくなっていたが、エルドビアとルベルタが戦争状態になったのをテレビで見て再発してしまう。

ベトナムで過ごした過酷な状況を思い出し、ホテルを出て苦しみながら思い出の地を目指して歩いていく。すると燃え盛る小屋が目に入り、ますますおかしくなってしまい、自ら燃える小屋の中に入って死んでしまうのであった。

事件解明の道筋

調べていくうちに様々な容疑者が浮かび上がっては消えていく。リチャードの体内から出たクロパゼアリウムは、睡眠導入剤として使われるだけでなく、抗うつ剤としても使われていた。そしてリチャードがPTSDだったことが身内の証言や、ホテルに残っていた争った跡からわかった。

さらに放火をした犯人が撮影していた動画に、ふらふらと小屋に向かって歩いていくリチャードの姿が映っていた。


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【科捜研の女19】5話の感想

科捜研の女でこんな話をやるとも思っていなかったので、まつわることを調べていくだけでなんとも気が重くなってきます。実際に放送された話は、見ていてそんなに辛くもなりませんのでご安心ください。

基本的にボブ・ディランの“風に吹かれて”が流れまくる回です。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?

英語名でPost Traumatic Stress Disorderの頭文字を取ってPTSDとなっています。日本語の訳の通り、強いショック体験や強いストレスを感じた結果、心に傷を負ってしまう病気です

同じ体験や経験をしても、PTSDになる人とならない人がいます。また、どれぐらいのショックでなってしまうかも、人によってそれぞれです。個人差がある病気となります。詳細は厚生労働省のHPに記載されています。

参考URL:PTSD 病名から知る こころの病気を知る メンタルヘルス 厚生労働省

今回はアメリカ人のリチャードの話でしたので、ベトナム帰還兵のPTSDについて掘り下げます。

ベトナム戦争とは?

第二次世界大戦以降に勃発した冷戦を背景に、南北ベトナムを共産主義・社会主義の国と資本主義・自由主義の国で争った代理戦争です。ベトナム戦争にアメリカが介入した期間は、1964年から1973年の間の8年6ヶ月となります。改めて調べてみると、結構長い期間参戦していたんだなと思いました。

この頃、世界的に反戦運動なども盛り上がり、様々なカルチャーも生まれた時代でもあります。日本でも学生運動が盛り上がり、フォークソングなどが流行った時代となります。

今回の脚本家の岩下悠子さんは1974年生まれなので、リアルタイムでは知らないはずですが、監督の田崎竜太さんが1964年生まれなので、こういう話を放送することになったのでしょうか?それとも団塊の世代向けの話を書け、とでも指示されていたのか、年代的に合致しない2人なので不思議です。

この戦争では後に問題となる枯葉剤やナパームなど、化学兵器を用いた戦争が行われます。化学兵器は禁止されますが、去年シリアの内戦でサリンが使用されたのではといわれてました。
化学兵器の禁止については外務省のHPに記載されています。

参考URL:化学兵器禁止条約(CWC)の概要 外務省

ベトナム帰還兵のPTSD

他の戦争でもPTSDになっている人がいるのに、なぜ取り上げられたのはベトナム戦争なのか?それはアメリカが介入した結果、明確な勝利を得ることもなく撤退した最初の戦争だからだと思います。

ベトナム戦争から帰って来た人々は、もちろん家族の人は喜び、勲章を貰ったりして労をねぎらってもらいました。しかし、次第にそれも忘れ去られ、時代が進むに連れてベトナム戦争を知らない世代も増え、やがて厄介者扱いされた人もいたようです。

戦争で負傷した結果、まともな仕事につけなかった人もいるでしょうし、負傷しなくともPTSDが原因で仕事にならなかった人も沢山いたと思います。こういった人たちを支援する施設などももちろんあるでしょうが、数が足りていないのが現状のようです。

そういった状況が続くと酒や薬に逃れる人も出てきて、負の連鎖が始まってしまいます。

  1. 戦争に行く
  2. PTSDになる
  3. 仕事に就けない
  4. 薬や酒に逃避
  5. 余計におかしくなる
  6. 自殺or乱射

なんてことに陥ってしまう人がいたのも容易に想像つきます。

ベトナム帰還兵を題材にした映画

これだけの戦争のため、当然アメリカではそれを題材に映画が作られました。いくつか紹介します。

サリンジャーとは?

劇中でペンフレンドとなったリチャードに、さくらは「兄は小説が好きでデモ活動に行く時も“サリンジャー”という作家の本を持って…」と書きます。そしリチャードは「今日は悲しい気分だったので、“ライ麦畑でつかまえて”を読み返したよ」と返事をくれます。よって、サリンジャーとは“ライ麦畑でつかまえて”で有名なJ・D・サリンジャーのことです。

劇中でも“つかまえないと”“崖から落っこちる前に”というセリフが出てきますが、これはライ麦畑の中で描かれている話です。“自分がなりたいのは、ライ麦畑で遊んでいる子どもたちが、崖から落ちそうになったときに捕まえてあげる、ライ麦畑のキャッチャーのようなものだ”と、主人公が語る部分から引用してます。

いわゆる思春期特有の悩みや、世間の不条理さなどとどう折り合いをつけていくのかといった、世界中いつの時代も普遍的な題材を主に書き、熱狂的なファンがいる作家です。ジョン・レノンを射殺した犯人が読んでいたことでも有名です。

ライ麦畑でつかまえてが有名な作家ですが、個人的には“フラニーとゾーイ(ズーイ)”のゾーイの話が面白かったです。訳はどちらも村上春樹氏が担当しているのが出ています。

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【科捜研の女19】5話のその他気になったこと

  • 古い写真は最近撮ったのを加工した風合い
  • 寺でかくまっていたから“寺内”
  • 1968年当時のジーパンをずっと取っておく住職
  • 安全に気を配る放火魔
  • 約束を忘れる愚かな兄
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【科捜研の女19】5話のまとめ

妙に主張がある回でしたが、簡単に言うとリチャードを兄が止めれるはずだったのに、会いもせずに追い返すという利己的な話です。リチャードは傷付きながらも、かつての約束を果たすために日本に来たのに、時がたちすっかりリチャードのことなど忘れていた、兄の愚かさと醜さが際立つ回でした。

今回のいいセリフ

崖の手前でリチャードをつかまえよう

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