3月19日に放送された【科捜研の女19】最終回「20年目の榊マリコ」のネタバレと感想をまとめました。
一年にわたり放送してきた【科捜研の女19】も今回で最終回となります。20年前に起きた事件の再鑑定をするマリコ、科学は真実を導き出すことはできるのか?
【科捜研の女19】最終回のあらすじ
殺人事件で指名手配をかけられ、長らく逃亡していた芳賀悦郎(田中要次)が逮捕された。本人は犯行を否認し、弁護士も鑑定の証拠能力に疑問を唱え、再鑑定が行われることに。科警研は、榊マリコ(沢口靖子)に白羽の矢を立て、その依頼に訪れたのは、彼女の父で元科捜研所長の榊伊知郎(小野武彦)だった!
科捜研メンバーたちはさっそく事件現場へ赴き、当時、兵庫県警が行った捜査について検証を行う。『加美鳴沢写真家殺人事件』は20年前、京都と兵庫の府県境にある別荘地で発生。写真家の狩野篤文(比留間由哲)が自身の別荘『雷冥荘』で射殺され、凶器の猟銃からは友人で小説家の芳賀の指紋が検出された。
事件当時、雷冥荘には2人以外にも狩野の友人、妻、モデル、アシスタントの計6人が集っていた。管理人の証言によると、他には雑貨店の店員が軽トラックで食材を届けに訪れただけで、別荘地のゲートが閉ざされた夕方以降、人の出入りはなかった。
夕食を兼ねたパーティーで狩野は、芳賀と激しく言い合いをした後、1人でアトリエに籠り、翌朝、射殺体で発見された。同時に芳賀も行方をくらましてしまい…。兵庫県警は、その経緯と猟銃に指紋が付着していたことから、芳賀が狩野を射殺し逃亡を図ったものと見ていた。マリコは猟銃の指紋に疑問を感じて検証を行い、「芳賀が犯人とは言い切れない」と裁判員裁判の法廷で証言し、兵庫県警と真っ向から対立してしまう。しかし芳賀が犯人でないなら、いったい誰が狩野を殺したのか。真犯人を突き止めるべく鑑定を進めるマリコたち。
公式HPより
一方、法廷には事件当時、別荘に滞在していた者たちが証人として一堂に会し、過去の秘密や本音を暴露して裁判は荒れに荒れまくる。
そんな折、なんと第2の犠牲者が…20年経った今も事件は続いていたのか!?
事件がより複雑な様相を呈していく中で、科捜研の鑑定により意外な手がかりが発見される!
狩野殺しの真犯人と、あまりに意外な背景とはいったい?
マリコの鑑定が真相を全て解き明かす!
【科捜研の女19】最終回のネタバレ
狩野篤文・矢部晋平殺害犯
篠崎市香
動機
狩野殺害の動機
狩野の撮った写真を見た市香は、狩野の目が自分以外の女性に向けられていると感じた。狩野を殺しその眼差しを一生自分だけに向けさせたままにしたかった。
そこで、狩野たちが仙道殺害計画を話しているのを立ち聞きした時に、芳賀に罪を着せようとしているのを知る。狩野を殺害し、逃げた芳賀にそのまま罪を被ってもらおうと思い殺害した。
矢部殺害の動機
自分の店に来た矢部が、20年前にオウムを運んでいたところを目撃していたことを知る。裁判員の矢部がそのことを評議の時に話したら、自分の計画を知られてしまうと思い殺した。
仙道重則殺害犯
芳賀悦郎
動機
芳賀・狩野・山木の3人は以前仙道の店の屋根裏で闇カジノを開いていた。その時のことを脅迫する仙道を、3人は殺害する計画を立てる。
金銭の受け渡しをするふりをして別荘に仙道を呼び出す。その際、人目につかないよう来るよう命じる。仙道は矢部に頼み、トラックの荷台に乗ってやってきた。そして、夜中まで物置小屋に待機する。
芳賀が仙道の首を絞め、山木が足を押さえつけて殺害する。その様子を狩野は撮影し、芳賀を脅して山を下りて逃亡するよう命じる。仕方なく芳賀は仙道を埋めた後、下山し逃亡した。
逮捕への道筋
再鑑定を頼まれたマリコは改めて事件を調べていく。猟銃にあった指紋を調べたところ、狩野と芳賀の指紋が確かにあるが、芳賀の指紋はケガをする前の指紋だった。
狩野が以前撮った写真集が発売され、確認したところ事件関係者が全員揃っている写真があった。よく見てみると背景にもう一人人物がいることが分かる。しかし、不鮮明なため誰かは分からない。
矢部が殺害されて自宅を調べに向かい、あの日別荘で薫子の姿を盗撮していた写真が見つかる。7人目の人物は矢部かと思い、出版社から元のデータをもらい確認したところ、矢部ではない別の人物が写っていた。
マリコたちは再び別荘に行き、矢部がいた辺りを調べていると物置小屋が見つかる。その中を調べていくうちに、焼け残ったフィルムと鳥の羽が発見される。
事件当時、血痕が付着した状況を改めて再現するマリコたち。不思議なことにオウムや鳥かごにはかかっていなかった。物置に羽があったことから、オウムを一旦避難させていたのでは?と推理する。銃殺する際に、銃声は雷の音で消せても鳥の鳴き声は消せないからだ。
現在、オウムは市香が引き取ったというので、マリコたちは店に行ってみる。そこには確かにあの時のオウムがいた。
蒲原が狩野たちの過去を調べ、狩野、芳賀、山木の3人は大学生相手に闇カジノを開いていたことが分かる。その時、使用していた店に行ってみるが、当時のマスターは20年前に突如失踪したという。マスターの名前は仙道重則という人物だった。
そこで免許証のデータベースと照合すると、仙道はあの時別荘にいた7人目の人物だということが分かる。さらにフィルムを復元して出てきた写真は、何者かが仙道の首を絞めて殺害しているシーンだった。物置には鳥かごも置かれているのが写っていた。
だが、物置には遺体がない。マリコは家にあったスコップに土が付着していたことを思い出す。そこについていた種子から同じ場所を探し、地中探査レーダーで調べ骨が埋まっているのが発見される。頭蓋骨をスーパーインポーズにかけてみた結果、仙道の顔と一致した。
矢部の解剖診断書から、気管と肺の病変がオウム病に感染していたことが分かった。さらに復元した写真の指がケガをしているのを見てマリコは確信する。
カメラからフィルムを取り出した際に何か残っていないか、中を調べるマリコたち。そこから火薬残渣と指紋が検出される。猟銃で狩野を殺害した犯人が、フィルムを取り出したことがこれで確定する。照合した指紋は市香のものだった。
マリコは急いで裁判所へ向かい、真実の証言をする。20年前、仙道を殺害したのは写真に写っていた指の傷から、芳賀であると告げる。そして、カメラに残っていた指紋から狩野殺害は市香だと。
矢部がオウム病にかかっていたことと、凶器のブロックに残されていた付着物のオウムの餌が、個人で輸入し購入していたのは市香しかいないところから、矢部殺害の犯人も市香だと証明した。
【科捜研の女19】最終回の感想
20年前の事件をマリコが再鑑定し証明するという話でした。ニーチェさんばりに芳賀がシェイクスピアさんになります。やたらセリフを引用してはドヤります。芸術を熱く語る面倒臭そうな人たちです。
また、狩野殺害の理由が簡単に言えば“嫉妬”なのですが、ちょっとロマンティックな言い回しをします。今回はセリフが何とも舞台がかった感じの大げさな回でした。そんなそばで、全くそういったことに興味のないマリコたちが、芸術の対極にある科学で真実を暴くという対比が面白い回です。
2時間スペシャルだけあって登場人物も多く、話もごちゃごちゃと入り混じり、ミスディレクションもがんがんしてきます。怪しいと思った人物が亡くなったりしますし、サスペンスドラマとしてちゃんと作られている回です。
最後に土門さんとマリコが急接近はしませんが、土門さんにマリコパパが「これからもマリコの事…」とお願いします。「いえ変わりません。榊は何があっても」と言ってみたり、前回は「百年前から知っている」と言ってみたり、恋愛よりも信頼が強いところを強調する感じで終わります。
【科捜研の女19】最終回の登場人物のその後
今回は登場人物が多かったので、最終的にどうなったのか分かった範囲でまとめました。
- 芳賀悦郎:狩野殺害は無罪。仙道殺害の罪に問われる
- 篠崎市香:狩野・矢部殺害の罪で逮捕
- 山木弾正:仙道殺害の共同正犯で逮捕
- 江草薫子:無関係
- 狩野篤文:殺害される前に仙道殺害計画に関与
- 矢部晋平:市香を目撃していたことで殺害される
- 森月孝也:無関係
- 仙道重則:芳賀、山木、狩野を脅迫し殺害される
芳賀は別の罪で裁判になっていたので、自分はやっていないと主張していました。しかし、仙道のことは殺害しています。
市香は狩野と矢部の2人を殺害した罪に問われることになりました。何気にこの人が一番人を殺しています。
狩野は殺されても仕方ないような人物ですし、山木は殺しに関与しているのに悪あがきをします。
矢部は脅迫まではしていませんが、余計なことを言うものだからビビった市香に殺害されたといった感じです。仙道は脅迫しにいって返り討ちにあって殺されました。
薫子と森月は特に何の関係もなく、視聴者を惑わすために出て来た人物といった感じです。
【科捜研の女19】最終回のその他気になったこと
- 京都と兵庫の境で盛り上がる呂太
- オウムに聞けばよかったのにと言い出す呂太
- 心霊写真だと思ってビビりまくる呂太と蒲原
- マリコパパが来た理由はマリコの顔が見たかったため
- 20年分の重みの目力ビーム
- 男子のお宝見つけちゃいましたという亜美
- 出張費がいくらかかるか心配な所長
- すごい信頼かつ無茶ぶりと突っ込む亜美
- 狩野は写真を撮るばかりで全く手伝わない
- 20年分疲れた所長
【科捜研の女19】最終回のまとめ
一年にわたり放送してきた【科捜研の女19】も今回が最終回でした。面白い回もあればハチャメチャな回もあり、ある意味科捜研の女らしいです。基本的には嫌な気分で終わる回が少なく、さらっと気軽に見れる回が多いドラマです。
蒲原や風丘先生の殉職詐欺や、土門さんの異動詐欺など、相変わらず辞める辞める詐欺を入れてくるドラマですが、何だかんだ言っても【相棒】と同じくやっていれば何となく見るドラマです。テレ朝はここら辺、本当にうまく育てます。
毎週放送するのが当たり前に思って見ていましたが、春からは【捜査一課長2020】に変わります。土門さんの後に一課長、あの枠はいつ見ても内藤さんが出演しているという妙な感じです。
例年通りなら【遺留捜査】も今年はあの枠で放送されると思います。【科捜研の女】もまたどこかしらのシーズンに入るのか、今年はお休みなのかは分かりませんが、また放送される日を楽しみにしたいと思います。