前回白川が安楽死を処置し、テレビで康代が糾弾していたところで終わりましたが、今回の「神の手」第2話は康代が告訴をしたためにとうとう警察の捜査の手が入ります。白川自身も任意で警察に取り調べをされ、その結果は……
WOWOWドラマ【神の手】2話のあらすじ
ワイドショーにより、安楽死処置の疑惑を報じられてしまった白川。病院では査問会議が開かれる中、白川は刑事の平野(正名僕蔵)に章太郎の母・康代から告訴状が出されたことを聞かされる。康代の誤解を解くため、白川は安楽死処置の経緯を共有する章太郎の叔母・晶子と連絡を取ろうとするが……。そんな中、元内閣総理大臣・佐渡原一勝(近藤正臣)の後ろ盾を受ける医療改革団体ジャモが、白川の動向を探り始めていた。
公式HPより引用
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WOWOWドラマ【神の手】2話のネタバレ
- 安楽死法についてテレビで放送されている。賛成派は“JAMO”反対派に“阻止連”という構図になっている。
- 新見は白川の監視を山名に依頼。山名は査問会の責任者なため、自分にいい考えがあると言う。
- 新見と柴木は佐渡原のところに行き、全日本医師会の解体を進めるために郷田を説得し、善処してもらうようこぎつける。
- 白川は安楽死の嫌疑がかけられたため、診療停止処分となってしまう。
- 病院の査問会で白川ははっきりと安楽死処置はしていないと証言。北野も晶子に頼まれたがちゃんと断ったと証言。看護師の西田も不自然な点はなかったと証言する。
- 院長の和田は自分が院長の任期中に事故が起きるのは困るという理由で、何とか白川を安楽死したということにしようとする。
- 査問会の途中で白川の担当していた患者の容態が悪化し、白川が呼ばれるが院長がそれを止める。患者の命が優先だという白川に対し「ほっとけ、死んだら死んだでそれが患者の運命なんだ」と発言してしまう。その場にいた全員が呆れ、白川は制止を振り切って手術へ向かう。
- 山名の仕切りのお陰で白川有利な方向へ傾く。医療停止処分が解けた感謝を山名にする白川。
- 病院に刑事がやってくる。康代が白川を告訴したためだった。
- 晶子の家に行く白川、晶子は白川に感謝をしていたが、康代のせいでこんなことになったのを申し訳なく感じていた。今でも章太郎のことを夢に見て、自分がやったことが正しかったのか悩んでいる。
- 雪恵から電話を受けた白川は、「俺がしてきたことは誰のためだったんだろうって。俺は患者家族を言い訳にして、自分の罪から逃げ回っているだけなのかもしれない」と言う。それを聞いた雪恵は「全部真実を話すべき」と答えた。
- 院長が警察に呼び出されたのを知り、山名は白川に安楽死を認めたら、安楽死法が廃案になってしまって、お前のように苦しむ医者や患者が増えると言う。
- 白川警察に任意で取り調べを受ける。章太郎の死因は多臓器不全で間違いないかと問われ、そうだと答える白川。しかし警察は一度“肛門がん”と書いたのを改めていると指摘する。なぜそう書いたのかと問われ、わからないと答えた。
- 鎮静剤の投与が増えているのはなぜか?という問いには、使用量が増えていくと効果が薄れていくから、量が段々増えていったと説明する。
- 最後の日に1時間で投与した量は425mgかとの問いに、そうだと答える白川。1時間に800mgぐらい投与されると、危険な状態になるということを警察は専門家から聞いていた。しかし、警察の調べでは診療報酬に計上された金額と合わないという。白川は使い残しを捨てたり、臨時の調整分もあったからと説明するが、記録がされていないことを指摘される。それに対して白川は軽率でしたと謝る。
- それ以上に投与してないか?と問う刑事、なぜ白川を疑うかわかるかと聞く。理由は白川が“患者思いの医師”だからだった。安楽死は医者にとってリスクしかないが、患者思いの白川の場合、苦しむ様子を見て手を下す可能性があると言う。その証拠に残されたカルテにはあなたの叫びが記されていると、死因の変更や投与した薬の量についての違和感を言う。
- 刑事が晶子に話を聞きにいっても「あの日のことは白川先生に聞いて欲しい」の一点張りだったという。
- 最後に刑事が白川に殺意があったのか?なかったのかを問う。白川は「私は彼を救いたかった。殺意などありません」と殺意を否定する。
- 刑事は看護師の西岡に話を聞き、投与した薬が本来なら小さなペットボトル分ぐらいの量が残っているはずなのに、ナースコールを受けて行った時には空だったと証言したという。要するに白川は425mg以上投与していた証拠となる。
- 最初擁護をしていた看護師の西岡だったが、康代に医師との不倫写真を撮られて脅されていたため、素直に証言をしたのだった。
- 患者には致死量が投与されている、できれば真実を話して欲しかったと刑事は言い、白川は殺人容疑で逮捕される。
WOWOWドラマ【神の手】2話の感想
晶子のことを守ろうと考えている白川ですが、告訴をされたことでとうとう警察が介入してきます。あくまで“安楽死の処置はしていない”と主張する白川ですが、このまま終わらずに“安楽死法”を巡った闘争に巻き込まれてしまいそうな展開が見えてきました。テレビでは康代の出演している番組で、特集を組んで取り上げられたりしています。JAMOに対抗する勢力として“阻止連”なるものが登場してきました。また佐渡原の権力といったものが、引退した今もどれだけ通用するのかを見せつけてきます。
JAMOvs阻止連の戦いはこれから始まり、その渦中に白川が巻き込まれ最後にどう決着をつけるのか?
JAMOの企み
前回少しどういった組織かわかったJAMOですが、今回さらに詳しくわかったのでまとめます。
代表:新見禎一(45)
国立東慶大の医学部卒業
後にドイツへ渡り、帰国し「JAMO」を立ち上げる。
JAMOは医療制度を抜本から改革、医療を専門とする新省庁「医療庁」を設立し国民の皆さまが望んでいる医療行為を行える環境を作り、人間の尊厳が大切にされる社会の実現を目指します。
後見人:佐渡原一勝(76)
第95・96代内閣総理大臣
首相としての在日日数では戦後最長記録を持ち、各界に多大な影響力を与えている。
JAMOは医療改革をリードしていく組織となり、地域医療の再興はもちろん、国民のための安心安全な医療を実現できるよう私は残りの人生をかけて応援していきます。自分の死は自分で決め、幸せな記憶のまま安らかに安楽死できる制度を確立することを約束します。
そしてJAMOにはマニフェストがあります。
これだけ見るととても良いことを言っているように見えます。あくまでマニフェストなので、実行しなければならないというものでもありません。新見はさらに思っていることがあるようです。
- 全日本医師会を解体したい
- JAMOは利権団体ではなく、大いなる信念。
- 免許の更新制度で無能な医者、不勉強な医者、使命感に欠けた医者を排除する医師狩りをする
- 医師は医療行為に専念すべき
この全日本医師会というのは、医師のための政治活動を行う日本最大級のロビー団体だそうです。しかし、最近では若手の医師がいないため影響力は減少しているようです。この政治と密着している団体を解体し、安楽死法を通すための準備をしたいようです。
佐渡原はこの話を聞いて、既に厚労省と財務省とは話をつけているようです。引退したとはやはり強い影響力があり、この場に来ていた郷田という人物は従わざるをえませんでした。
主に佐渡原の役目は各省の族議員に働きかけ、党内で利権を調整する役目のようです。その手腕を新見はこう評します。「佐渡原だけだろう。政局を将棋版の駒のように好きなように動かせる人間は」と。ただ、“安楽死法”については口を出さない約束らしく、佐渡原が安楽死法を通したい理由はまだわかりませんが、“センセイ”との関係にあるのかもしれません。
阻止連とは?
JAMOに対抗する勢力として、安楽死法を阻止するための団体のようです。
代表:大塚彰良(55)
東京三田橋病院医師
人の命の寿命は人によって違うので、いかなる理由があっても他者が関わることはあってならない。と私は考えており阻止連のマニフェストでもあります。したがって私どもは安楽死法に反対です。
副代表:古林康代(46)
エッセイスト、ジャーナリスト
安楽死に対する自己決定は本人の意思だけではなく、家族なども関係しているので個人では決定することができないのです。また、病院側と法律の間でも問題が尽きないのが現状です。人の寿命を、生きる権利を奪える者などおりません!
前回は出てこなかった医師ですが、康代がどっかから担ぎ上げてきたのか代表になっています。康代はテレビ番組で自分の息子は勝手に医師に殺されたと主張しています。
誰も何も言わないのか、康代は全く見舞いにも来ないですし、章太郎のことをそもそも小4の時に育児放棄しています。そこを暴かれたら自分の主張も通らなくなる可能性もあるのに、随分と舌鋒鋭く白川のことを非難します。ここら辺の化けの皮が剥がれたら面白そうです。
WOWOWドラマ【神の手】2話のまとめ
白川が患者思いの医師ということが、後々に白川の心を揺さぶりそうです。安楽死は患者のためにしたと自白しそうな予感がします。しかし白川自身も発言しているとおり“患者のため”と言っていますが、結局は自分のためだったと思います。“~のため”と言って正当化しようとする人物は要注意です。
そして、康代が実はダメな母親というボロが出て叩かれ始めやしないのか?“センセイ”のために安楽死法を通したいのか?そんな部分も楽しみにしながら、来週も視聴してみたいと思います。