【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】のネタバレと感想|松下奈緒のリーガルサスペンス

スペシャルドラマ
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2021年4月12日に放送された松下奈緒さん演じる脳科学者兼弁護士が、疑惑の被告人を無実に導くというサスペンスドラマです。脳科学を駆使して真実も嘘に変えてしまうという恐るべき弁護士。そんな彼女の口癖は「裁判は勝ったほうが真実」です。

彼女は果たして悪徳弁護士なのか?それとも……?

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【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】のキャストとスタッフ

  • 海堂梓…松下奈緒
    脳科学者兼弁護士
  • 斎田誠…佐藤隆太
    新人弁護士で梓のアシスタント
  • 菊池誠…小市慢太郎
    ギャラリーのオーナー
  • 大山敦美…村川絵梨
    冬川のアシスタント
  • 卜部透…髙橋洋
    検事
  • 谷崎隼人…波岡一喜
    沙也加の幼馴染
  • 冬川忠司…平原テツ
    彫刻家で沙也加の夫
  • 矢野くる実…泉川実穂
    大学院生で梓の助手。法律事務所のバイト
  • 斎田由里…安藤聖
    斎田の妻
  • 馬場俊平…小久保寿人
    フリーカメラマン
  • 冬川楓…新井美羽
    忠司の娘。沙也加は義母
  • 北条蓮…黒羽麻璃央
    カジノアルバイト
  • 清水典行…福山翔太
    弁護士で梓の恋人
  • 白間絵理…大幡しえり
    ムラマツのマネージャー
  • 丸永洋子…円城寺あや
    清掃業者パート
  • 来栖祐希…小越勇輝
    大学生
  • ムラマツ…井上裕介
    お笑い芸人
  • 吉岡公介…竹井亮介
    絵理の弁護士
  • 冬川沙也加…中山美穂
    恵司の妻。元夫2人が死亡している
  • 鹿島憲太郎…奥田瑛二
    真実一路法律事務所の所長兼カジノオーナー
  • 脚本:本田隆朗
  • 演出:青山貴洋
  • 公式HP
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【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】のあらすじ

脳科学者兼弁護士である海堂梓(松下奈緒)の口癖は「裁判は勝ったほうが真実」というものだった。新人弁護士として法律事務所にやってきた斎田誠(佐藤隆太)は、梓のアシスタントとして働き始めるが、真実を捻じ曲げるやり方に納得できずにいた。

過去に2人の夫を亡くしている冬川沙也加(中山美穂)が、3人目の夫殺しの罪で逮捕・起訴される。弁護を引き受けることになった梓に沙也加は「無罪にすることができる?」と持ちかける。

誰もが彼女が夫を殺害したに違いないと思う中、梓はなぜ弁護を引き受けたのか?そして裁判の結果は?

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【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】のネタバレ

冬川忠司・馬場俊平殺害犯

菊池誠

動機

一度でいいからゴーストではなく、彫刻家として認められたかった。という動機が根底にあった。

事件の真相

無罪にして欲しいと依頼してきた沙也加が、突如殺害を自白する。怪しんだ梓は彼女が誰かをかばっていると感じて過去を調べる。すると、沙也加と義理の娘の楓は、共に父親から虐待されていた過去があった

2人の夫を殺害している疑惑がある沙也加は裁判での心象が悪い。場合によっては死刑になるかもしれないと楓を説得し、裁判で証言をしてもらうことになった。

裁判の尋問で楓が真実を語り始める。事件の日、父親に暴力をふるわれたため、とっさに棚にあった“碧い目のマリア”というブロンズ像で殴ったと証言をした。しかし、妙に詳細な証言なため彼女が誰かに吹き込まれているのではないかと梓は考える。誰に教えてもらったのかときくと、菊池だと証言した

ブロンズ像の重さは10キロあるため、積載量が5キロしかない棚に乗るはずがなかった。そこで、冬川のアシスタントに尋問し、ブロンズ像を作る前に型となる石膏像を作ることがあるという証言を引き出す。自宅にあったのはブロンズ像でなく石膏像だった

冬川は妻を亡くした5年前から作風が変わり、作品に入るサインも変わっていた。そのサインはギャラリーオーナーの菊池が作った彫刻に入っていたものだった。彼は5年前から作品が作れなくなった冬川に代わりゴーストをしていた

菊池は事件の日、まったく感謝をしない冬川に、ゴーストの存在を公表にすると話した。そして石膏像には“真実の姿”という名前をつけた。怒った冬川と口論になり、菊池はその場を去った。

ブロンズ像を返却しに戻った菊池は、楓に殴られ倒れていた冬川を発見する。しかし「しょせんゴーストなんだよ」という言葉にキレた菊池は、持っていた“碧い目のマリア”で冬川の頭を殴打し殺害した。だから冬川の頭に残された傷のサイズが3つ目だけ違った。

現場に凶器のブロンズ像を残し、石膏像は菊池が持ち去った。像を抱えて家を出たところを偶然居合わせたフリーカメラマンの馬場に撮られ、菊池はおどされてしまう。そこで菊池は写真を買うふりをして馬場に会いに行き、ナイフで刺し殺した

ドラマの結末

沙也加に下った判決は無罪だった。しかし、その場で彼女は前の夫2人の殺害を告白する。理由は楓と出会ったことによって、凍り付いていた感情が溶け、誰かを助けてあげたいと初めて思ったからだった。

警察に連れて行かれる沙也加に向かい楓は「ずっと待っているから」と叫ぶ。沙也加は「しっかりしなさい。これから一人で生きていくのよ」と言って去ろうとした。すると楓は「お母さん!」と泣き叫び、沙也加は足を止める。「今までありがとう」という言葉を聞いて涙を流すが振り返らず連行された。

後日、梓は沙也加と面会し、なぜ罪を告白したのかを問う。沙也加は「夫を殺した時冷静だった。まともじゃない、もう一生会わないほうがいい」と答えた。脳がバグを起こしたせいで、感情が凍りついていたのだと告げる梓。人の脳は変われるのかと問う沙也加に、「あるわ。あなたはもう昔のあなたじゃない」と答えた。

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ドラマ内に出てきた用語

脳科学者という設定のドラマなので、所々専門用語が出てきます。脳がいかにいい加減なものか、教えてくれるような数々の用語です。面白かったので番組内での説明も記載してまとめました。

  • チェンジ・ブラインドネス
    目の前の対象の一部が変化していても気づかないこと
  • イマジネーション・インフレーション
    状況を想像しているときに、新たな情報が加わるとイメージが膨らんで記憶が歪んでしまうこと
  • ノルアドレナリン
    交感神経を活性化させて興奮を促す神経伝達物質
  • デフォルト・モード・ネットワーク
    ぼんやりとした状態の脳が行っている神経活動のこと
  • ファースト・システム
    すばやく直感的に答えを出す思考モードのこと
  • 事後情報効果
    経験した出来事に関する他の情報が加わることで記憶の再構築が起こり、その正確さが損なわれてしまうこと
  • 応報的な感情
    懲らしめたいという動機のこと
  • ミスマッチ・ネガティビティ
    違和感を感じたときに自動的に生じる脳波の一種

梓はこれらの特徴を知った上で、目撃者の証言を歪めたり、歪んでいることを指摘したりするのに使います。感情はバグであり脳はコントロールすることができると、彼女は言います。

そんなクールな梓ですが、致命的なぐらいに方向音痴です。そして脳の疲れを癒すという名目で、やたらスイーツを食べまくります。どこか憎めないキャラでした。

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海堂梓の過去について

彼女がなぜ勝利にこだわるのか。なぜ弁護士になったのか。このドラマがシリーズになるのか分かりませんが、彼女という人となりを知るのに欠かせない情報です。斎田が弁護士を目指した理由も合わせて記載します。

  • 8年前に大手弁護士事務所に勤める清水典行と交際していた
  • 企業合併の案件を担当していた彼が、クライアントの粉飾決算に気づく
  • 悩んだ末に彼はクライアントを告発
  • 口封じのため逆にクライアントが横領で彼を告発
  • 印象操作で横領の目撃情報が出てきてしまう
  • 彼が法律事務所を解雇
  • 2人で無実を訴え裁判で争う
  • 判決は懲役3年、執行猶予5年だった
  • 弁護士資格を剥奪されることが決定的に
  • 翌日、自宅で薬を飲んで自殺した彼を梓が発見

ねつ造により無実の罪を着せられた彼が死に追いやられたのです。この一件により、憎しみや悲しみが梓の弁護士としての原動力になります。彼が自殺する前の日「裁判は勝ったほうが真実」と告げ、以来彼女の口癖となりました。

法がすべてだというのなら善人も悪人も関係ない。どんな手段を使っても勝ってやる。自分がすべて全部真実に変えてやる。梓はそう思って弁護士になりました。なので、特に目撃者証言に関してはあてにならないと思っていますし歪めにかかります。

“裁判で勝つ”には依頼人を理解するという意味が込められていると、所長は言います。善意で人は救われないが、理解されることだけで人は救われることもあると。今回でいうなら沙也加は梓により、救われたということでしょう。

そんな梓ですがちゃんと正義を執行します。それは、冒頭で弁護したセクハラ芸人を、今度は被害者を集めて集団訴訟します。その弁護士は梓でした。

斎田の過去について

新人弁護士なのに年齢がいっている斎田。彼がなぜ今さら新人弁護士なのかについて説明します。

  • 学生時代弁護士志望だったが試験に落ちた
  • 一般企業に就職するが夢を諦められず再び志した
  • 再チャレンジしたきっかけは娘の交通事故だった
  • 右足に障害が残った娘のために弁護士が等級認定の手伝いをしてくれた
  • 恩人である弁護士のようになりたいと思い再チャレンジをした

斎田が弁護士を目指したきっかけは善意で、希望を持って弁護士になります。梓とは正反対の動機でした。

子供たちに顔向けできないようなことはしたくない。正しくありたいと思い、梓のやり方にもやもやして葛藤します。

そんな斎田は冒頭でセクハラ被害を受けたマネージャーを示談にしたことに悔いてました。そこで実家に戻った彼女のもとに行き、実家の家具屋の債務整理をすると申し出ます。彼女は喜び斎田にお願いをしました。彼なりの誠意を見せたのです。

そこで見た棚が事件のヒントになるというおまけつきでした。

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【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】登場人物のその後

それぞれ登場人物がどうなったのか?分かった範囲でまとめました。

  • 冬川沙也加:冬川殺害は無罪。前の夫2人の殺害を告白して逮捕
  • 冬川楓:遠い親戚の家に預けられる
  • 菊池誠:冬川・馬場殺害の容疑で逮捕
  • 白間絵理:マネージャーを解雇され実家に戻る
  • ムラマツ:絵理へのセクハラは和解。後に他の被害者から集団訴訟を起こされる

沙也加は冬川殺害の罪では無罪を言い渡されますが、前の2人の夫殺害を告白します。梓がその裁判の弁護を引き受けるかは分かりません。

楓は罪に問われないようで、特に逮捕される雰囲気もありませんでした。父親の死後の時点で遠い親戚に預けられます。

梓たちの活躍もあり菊池が犯人として逮捕されました。梓たちが裁判の弁護を引き受けるかは分かりません。

ムラマツにセクハラされたマネージャーの絵理は、和解金として会社から900万円の退職金を提示されてクビになります。その後、実家の家具屋へ戻りました。

一度はもみ消したムラマツですが、梓が根回しして被害者女性を集めセクハラ被害の集団訴訟をされました。

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【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】のまとめと感想

2人の夫が不審死した疑惑の女性は無罪で、ゴースト彫刻家が認められたいがために殺害をしたという話でした。

同じテレビ東京のドラマ『サイレント・ヴォイス』のようですが、あちらはマイクロジェスチャーという表面に現れる動作から嘘を暴くのに対し、『ダウト』は脳の記憶を捜査または操作する話でした。梓の手にかかれば真実さえ嘘になってしまいます。

所々にヒントが隠されており、最初から注意深く視聴していると、ドラマより早く真相に行き着きます。そういった仕掛けが面白いドラマという意味では『サイレント・ヴォイス』と同じ方向性でした。

また、梓が非情な女性かと思いきや、ちゃんとセクハラ芸人の訴訟をします。自分が担当した場合は勝つために手段を選びませんが、真実を知った後には罰するために動きました。なんだかんだいっても正義の味方な梓です。

何気に10キロもあるブロンズ像を娘が振り回せるのか?ちょっと無理があると最初から分かりそうなものでは。など、ツッコミどころはあります。そういったツッコミも含めて楽しむのが、2時間ドラマというものです。

このドラマはオリジナル脚本なので、もしかしたらシリーズ化、場合によっては連続ドラマ化もあるのかもしれません。

【脳科学弁護士 海堂梓 ダウト】のいいセリフ

あなたは自分の脳をコントロールできなかった。感情という魔物に負けただけ。

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