【遺留捜査シーズン6】3話のネタバレと感想をまとめています。
今回の遺留品は“紙”です。最初和紙かと思った糸村でしたが、牛乳パックから作られた紙でした。そこに込められた思いとは?佐倉の過去に関係する話でした。
【遺留捜査6】3話のあらすじ
射殺された遺体が発見され、佐倉(戸田恵子)は見た瞬間ショックを受ける。彼女は友人の妹で前園由紀(黒川智花)という元警察官だった。彼女が警察を辞めた後、音信不通だったという。遺留品の紙に気づいた糸村(上川隆也)は、村木(甲本雅裕)に調べてもらうと和紙ではなく洋紙だった。
その後、由紀の行方不明者届を出していたカメラマンの高峰英作(湯江タケユキ)という人物の所へ聞き込みへ向かう。柊登夢(綱啓永)という人気モデルの撮影をしていた高峰に話を聞くと、由紀は高峰の事務所で働いていて、身寄りが他にいない彼女を心配して高峰が届けを出していた。そこで見つけた豆腐の容器が糸村は気になっていた。
由紀から摘出された弾を調べたところ、先週起きた暴力団同士の抗争に使用されたものだと判明した。由紀の足取りを調べる他の捜査員をよそに、佐倉は寺川充(中村凜太郎)に会いに行っていた。彼はかつて佐倉が生活安全部にいた時に関わりがあった人物だった。
佐倉は生活安全部にいた時、刑務所から出所した人物を雇用する会社、いわゆる協力雇用主を探していた。そこで高校時代の同級生である前園慶介(東根作寿英)に雇用主になってくれないかと頼みにいった。佐倉と同じく元受刑者たちを手助けしてあげたいと思った慶介は快く引き受けてくれた。
佐倉もよく仕事の様子を見に行っていたため、妹の由紀とも親しくなった。彼女は佐倉に憧れて警察官を目指した。10年前、慶介から寺川が昔の仲間と接触しているのではないかと相談された佐倉は、寺川の行動を監視する。すると、暴力団が仕切る詐欺に関与している可能性が出てきた。
慶介に報告すると寺川を見逃して欲しいといわれるが、佐倉は彼自ら出頭すれば罪も軽くなる可能性があると勧める。そこで慶介が寺川を説得するが彼は拒んだ。揉み合いになった弾みで倒れた慶介は、頭を工具にぶつけて亡くなってしまう。
「しょせんクズはクズ」兄を殺した寺川に対し、怒りを隠せない由紀は吐き捨てた。その後、彼女は警察を辞めて音信不通になってしまった。
寺川が由紀に接触した可能性があると佐倉は睨み、彼に聞くが会っていないという。だが、偶然由紀と寺川は慶介の墓で遭遇していた。警察で取り調べを受け家宅捜索をするが、凶器の拳銃はどこにも見当たらない。
その頃、糸村は由紀の家のバスタブに牛乳パックがつけられいたのをヒントに、紙を作ってみようと考える。紙すきの道具を手作りしようとしていたら、豆腐の容器で代用できることが分かり……。
【遺留捜査6】3話のネタバレ
3話のネタバレは3つです。
- 遺留品の謎
- 事件の真相
- 3分タイム
結論から言うと、由紀殺害犯は加藤恭一という男です。
なぜ由紀を殺害したのか?そこには柊登夢が関係していました。遺留品に込められた意味を教える3分タイムでは、今回は佐倉が対象となります。
1.遺留品の謎
豆腐の容器で紙すきの道具が代用できることを知った糸村は、高峰の事務所にあった豆腐の容器はどうしたか聞きに行く。すると“なんでもさん”に持って行ってもらったと聞かされた。
糸村は“なんでもさん”こと不用品の回収業者を営む、足立信子に話を聞きに行く。彼女が言うにはなんでも引き取るという意味だけでなく、なんでもリサイクルできるという意味が“なんでも”には込められているという。豆腐の容器も嫁がやっている教室で使用するという。
そこで糸村はリサイクル工作教室を見学しに向かう。そこでは牛乳パックから紙を再生し、豆腐の容器で紙をすくやり方を教えていた。由紀もこの教室に先月から通い、殺された当日も来ていたという。由紀は教室で作った紙を何に使用するつもりだったのか、糸村は話を聞いた。それは、後に佐倉が聞かされることになる。
由紀はある目的があって紙を作っていた
2.事件の真相
工作教室を出た後、由紀は何をしていたのか足取りを捜査員たちは追っていた。彼女は市民センターを出た後、シェアサイクルを利用していた。そこで自転車についているGPSを辿ると、工場のような所に行き着いた。中を調べているうちに、血痕や弾丸が落ちているのを発見した。
鑑識で調べた結果、血痕は由紀のもので弾は殺害に使われた銃と同じものだった。あの工場が由紀殺害現場だと判明した。現場に残された足跡から、限定品のスニーカーの足跡が見つかり、購入者を特定するとモデルの柊登夢が浮かび上がる。
事情聴取された柊は、殺したのは自分ではなく加藤たちだという。加藤は暴力団とも繋がっているヤバい連中で、柊はギャンブルにはまっていた時期に知り合った。違法カジノで賭ける金がなくなった柊に、加藤は声をかけて金を貸した。結局返せなくなった柊はその後ぼったくりバーで働かされた。
ある日、加藤たちにボコボコにされていた柊の所へ、パトカーのサイレンをスマホで流した由紀が通りかかった。彼女は道を通るためにしただけで柊を助けるつもりはなかったが、彼があまりにぐったりとしていたため、自宅へ連れて帰った。そして「今日だけだからね」と言いながら食事を与えた。
しかし、実際は体調が戻るまで柊を家に置いた。その後、高峰の事務所に柊を連れていき、何か仕事を与えてくれないかと頼んだ。高峰は柊を気に入りモデルとして採用した。最初はぎこちなかったが、今では人気モデル成長した。
由紀が殺害された当日、柊は由紀と写真集が発売されるお祝いをする予定だった。しかし、偶然加藤たちに出会った柊は連れ去られてしまう。その様子に気づいた由紀が自転車で追いかけた。工場に連れ込まれ今や人気モデルの柊に加藤たちはたかる。射殺事件を起こした彼らは、海外に高飛びする費用の足しとして、1000万円を寄越せと迫った。
追いついた由紀は柊を連れて帰ろうと「まっとうに生きてる子の邪魔をしないで」と加藤らに告げる。すると加藤は背中を向けた由紀を撃ち、彼女はその場に倒れてしまった。救急車を呼ぼうとする柊に、自分に逆らうとこうなると脅す加藤。柊は恐れて何もすることができなかった。
柊を連れて行こうとした由紀は、加藤に背中から撃たれてしまった
3.3分タイム
その後、雨宮と沖田が空港へ向かうバスを待つ加藤らを逮捕し、供述から凶器も発見された。柊も犯人隠避の罪で書類送検された。
遺留品の謎が解けた糸村は佐倉に「3分だけ僕にお付き合い頂けませんか?」と願う。佐倉は10年間由紀宛に手紙を書いていた。毎年慶介の命日に墓に書いた手紙を置いていた。だが、彼女から返事が来ることはなかった。きっと彼女は読みもしていないという佐倉、しかし彼女は読んでいたはずだと糸村は言う。
由紀は「しょせんクズはクズ」と思っていたが、柊に生き直すチャンスを与えたことで心境が変わった。生まれ変わる柊を見守っているうちに、由紀はようやく佐倉や慶介の気持ちが分かった。周りの助けがあればクズはクズじゃなくなる。ちゃんと生まれ変わると。
そこで由紀は牛乳パックから紙を作る教室に通うことにした。なぜなら、彼女は葉書を作りたかったからだった。春になって桜が咲いたら、桜の花びらをあしらった葉書を作ってある人に出したいと言っていた。その葉書を送るつもりだった人物、それは佐倉にだった。
普通の葉書では意味がない、牛乳パックを再生することに意味があった。手間をかけて作った葉書に「生まれ変わる」という意味を込めたかったのだろうと糸村は言う。春が来たら10年分の手紙の返事を書くことを、由紀はきっと楽しみにしていたに違いないと糸村は思った。佐倉は由紀のその思いを感じ取り涙した。
佐倉へ送るための葉書を由紀は作っていた
【遺留捜査6】3話のまとめと感想
兄を殺されたことがきっかけで人の更生を諦めていた女性が、人と出会い変わっていく姿を見て再び希望を持った矢先に、殺害されてしまうという話でした。
佐倉は友人である慶介とその妹の由紀のどちらも、結局殺されて失います。それでも佐倉は由紀のように絶望して警察を辞めることはなく、いかなる理由があろうとも罪を犯した者を逮捕します。更生する人としない人、そのどちらが実際多いのかは分かりません。ただ、周りの助けがなければ、更生も難しいということを今回のドラマは考えさせられます。
【遺留捜査】は基本的に無念であることが多いため、人生の絶頂だったり、希望を持ち始めた頃に限って殺されます。今回の話は後者の話となります。兄を殺されて絶望し、クズはクズと思っていたはずの由紀が、クズと思っていた人物によって希望を持ち始める。しかし、別のクズによって殺害され、恩を感じていたはずのクズはビビって警察に通報もしません。
やっぱりクズはクズじゃないかと思わせますが、由紀は最後に希望を抱いて死にます。絶望から一時的にでも希望を抱けた彼女は、やはり幸せだったのかもしれないなどと、色々なことを考えさせられる悲しい話でした。
次回は2月4日21時から放送予定です。